天宮1号

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天宮1号
天宮1号(左)と神舟(右)
詳細
乗員数 3人
打上げ日時 2011年9月29日
発射台 酒泉衛星発射センター
質量 8,506 kg
全長 10.4 m
直径 3.35 m
居住空間 15 m³
近地点 346[1]
遠地点 357[2]
周回日数 1177日
(2014年12月19日)

天宮1号: 天宫一号: Tiangong 1)は中華人民共和国の軌道上実験モジュール[3]。2011年9月29日に打ち上げられた[4]

概要[編集]

天宮計画における初の機体であり、重さ約8.5トン[5]。実験装置室と物資保管室から構成され、ドッキングポートを1つ装備している[5]。中国初のドッキング目標機であり、天宮1号打ち上げ後、中国は2年間かけて神舟8号神舟9号神舟10号を打ち上げ、ドッキング試験を行うことが計画された[5]。神舟8号は無人でドッキングを行うが、神舟9号と神舟10号は有人でドッキングを行う[5]。これらによりドッキングの技術を習得し、宇宙ステーション設立の基礎を固める[6]

天宮1号には国際宇宙航行連盟(IAF)から贈られた連盟旗が搭載されており、 神舟9号により宇宙から持ち帰られ2012年のベルリン国際航空宇宙ショーにてIAFに返還された。 IAF連盟旗はロシアのソユーズ宇宙船国際宇宙ステーションに運ばれ、アメリカのスペースシャトルにより地球へ持ち帰られており、天宮1号から神舟宇宙船によって持ち帰られたことで、現在運用中の全ての有人宇宙船に載せられた。[7]

なお厳密には天宮1号は宇宙ステーションではなく重量8トン余りの宇宙実験室のひな形であるが[6]、中国初の宇宙ステーションと呼ばれることもある[5]

打上げと運用[編集]

打上げは当初2011年8月中旬に予定されていたが、実践11号04星を載せた長征2号Cロケットの打ち上げ失敗による影響で延期された[5]。原因を特定した後、9月18日に中星1号Aを載せた長征3号Bの打上げに成功、ロケットの打上げを再開する。

そして9月29日、酒泉衛星発射センターから長征2号FT1ロケットによる天宮1号の打ち上げに成功した[4][8]

2011年11月3日の早朝にダミー人形やドイツとの共同実験装置などを搭載した無人の神舟8号宇宙船とドッキングに成功した。[9] これは中国初の宇宙空間におけるドッキング[9]であり、その様子はテレビの他にインターネットやラジオなどで国内外に中継された。[10][11]

2011年11月14日にいったん神舟8号を切り離し、難易度の高い太陽光に照らされた場所で2回目のドッキングを行った。[12] 2011年11月16日に神舟8号と分離し、有人宇宙船である神舟9号とのドッキングに備えて長期管理段階に入った。[13][14]

2012年北京時間6月18日14時14分に有人宇宙船神舟9号との自動ドッキングに成功し、中国はアメリカ、ロシアに次いで宇宙空間で有人宇宙船のドッキングを成功させた3番目の国となった。神舟9号に搭乗していた宇宙飛行士3名が乗り移り、6月29日まで滞在し、将来の長期滞在に備えて身体への影響などの医学的調査を行った。[15]2012年6月24日に一度神舟9号と分離し、非常事態に備えた手動ドッキングにも成功した。

有人宇宙船神舟10号とは、2013年6月13日に自動ドッキングに、23日には手動ドッキングに成功した[16]

脚注[編集]

  1. ^ www.heavens-above.com 2013 8月 17
  2. ^ www.heavens-above.com 2013 8月 17
  3. ^ David, Leonard (2011年3月7日). “China Details Ambitious Space Station Goals”. SPACE.com. http://www.space.com/11048-china-space-station-plans-details.html 2011年3月9日閲覧. "China is ready to carry out a multiphase construction program that leads to a large space station around 2020. As a prelude to building that facility, China is set to loft the Tiangong-1 module this year as a platform to help master key rendezvous and docking technologies." 
  4. ^ a b “「天宮一号」打ち上げ 宇宙基地建設へ一歩”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2011年9月29日). オリジナル2011年9月29日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20110929134552/http://sankei.jp.msn.com/world/news/110929/chn11092919240004-n1.htm 2011年9月29日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f 中国初の宇宙ステーション「天宮1号」、9月27日に打ち上げか”. sorae.jp (2011年9月13日). 2011年9月14日閲覧。
  6. ^ a b “天宮1号、ドッキング技術の習得を目指し間もなく打ち上げ”. 人民網 日本語版 (人民日報社). (2011年9月2日). http://j.people.com.cn/95952/7586451.html 2011年9月14日閲覧。 
  7. ^ “天宮1号搭載の国際宇宙航行連盟旗、同連盟に移譲”. 人民網 日本語版 (人民日報社). (2012年9月17日). http://j.people.com.cn/95952/7950908.html 2012年12月16日閲覧。 
  8. ^ “「天宮1号」を打ち上げ=宇宙基地建設へ実験-中国”. 時事ドットコム (時事通信社). (2011年9月29日). http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011092900529 2011年9月29日閲覧。 [リンク切れ]
  9. ^ a b 「神舟8号」、「天宮1号」と初の無人ドッキング”. sorae.jp (2011年9月4日). 2012年4月30日閲覧。
  10. ^ CRI、天宮1号と神舟8号とのドッキングを生中継”. 中国国際放送 (2011年11月2日). 2012年4月30日閲覧。
  11. ^ Video: Docking of Shenzhou-8 and Tiangong-1 declared a success、”. CNTV (2011年11月3日). 2012年4月30日閲覧。
  12. ^ “専門家、2回目のドッキングの特徴を解説”. asahi.com. 人民日報 (朝日新聞社). (2011年11月14日). オリジナル2012年6月16日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20120616185145/http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY201111140154.html 2012年4月30日閲覧。 
  13. ^ “天宮1号、長期管理段階に切り替え”. 人民網 日本語版 (人民日報社). (2011年11月21日). http://j.people.com.cn/95952/7651104.html 2012年4月30日閲覧。 
  14. ^ “神舟9号 宇宙飛行士の予選が終了”. 中国網 日本語版 (中国外文出版発行事業局). (2012年3月10日). http://japanese.china.org.cn/business/txt/2012-03/10/content_24858751.htm 2012年4月30日閲覧。 
  15. ^ 「神舟9号」、「天宮1号」と初の有人ドッキング成功”. sorae.jp (2012年6月19日). 2012年8月14日閲覧。
  16. ^ “手動ドッキングにも成功=神舟10号、月末に帰還-中国”. 時事ドットコム (時事通信社). (2013年6月23日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013062300098&g=int 2013年6月24日閲覧。 

関連項目[編集]