光岡・ビュート

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ビュートViewt 、美遊人)は光岡自動車が製造・販売するクラシカルな外観を持った自動車である。パイクカーの一種。

概要[編集]

ビュートは、英国車のジャガー・Mk2をデザインモチーフに、ノーズ部分とテール部分をハンドメイドで製作した改造型自動車である。初代・2代目・3代目ともにハッチバックボディの日産・マーチをベースとしている。

初代は1993年に発売されるやいなや大ヒットとなり、新車ベースで約8年間生産された。

ハンドメイドの少量生産車であるため維持費や整備性などに難点はあるが、エンジンや駆動系、足回りなどは、元となったマーチと共通となっている。

最も多く生産されたボディタイプは後部にトランクを有する3ボックススタイルである。但し、トランク内部は、もとの荷室と延長した部分に段差が生じており、大きな荷物を収納するには難がある。また、K11型ベースでFRPボディの時期のものは、延長部分に重量制限がある(注意表示あり)。

歴史[編集]

初代(1993年-2003年)[編集]

光岡・ビュート (K11)
Mitsuoka Viewt (K11 base) front.JPG
Mitsuoka Viewt (K11 base) rear.JPG
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドア セダン
エンジン 水冷直列4気筒DOHC 1000cc / 1300cc
変速機 5速MT / 4速AT / CVT
駆動方式 FF
サスペンション 前:ストラット+コイル
後:5リンク+コイル
全長 4,270mm
全幅 1,640mm
全高 1,425mm
車両重量 930 / 950kg
ベース車両 日産・マーチ(2代目)
-自動車のスペック表-

ベースは2代目マーチ。「1000cc」と「1300cc」が設定され、内装はオプションで木目パネルによる加飾と革張りシートなどが用意されていた。駆動方式はFFのみ。

ボディタイプは4ドア / 2ドアセダン、3ドア / 5ドアハッチバック、2ドアコンバーチブルの5種類。グレードは最初期のベースグレード、ベーシック、デラックスの3種類。また、上記の独自オプション仕様のほか、長寿だったベース車両のマイナーチェンジに合わせて多くの仕様違い、カラーバリエーションが存在する。

年表[編集]

1993年1月
初代ビュート販売開始。ベース車に準じて運転席のみSRSエアバッグを装備していた。また、トランスミッションは1000cc、1300ccともに5速MTが選べた(オートマチックは1000ccが4速AT、1300ccがCVT)。
1997年
マーチ・カブリオレの発売に伴い、「ビュート・コンバーチブル」を追加。同時に3ドア / 5ドアハッチバックも発売された。
1998年4月
ベース車のマイナーチェンジを受け、運転席・助手席デュアルSRSエアバッグとABSを装備。また、内装の変更にも対応し、オプションの木目パネルを大型に変更。また、グレードがベーシック(1000ccのみ)、デラックス(1000cc / 1300cc)の2種類になった。トランスミッションは5速MT、4速ATのほか、1300ccのみCVTが選択できた。
2001年1月
1300ccのCVT車をグレード廃止。  
2001年11月
「ファイナルモデル限定車10thアニバーサリー」追加設定。生産順の限定ナンバリングプレートが添付されていたのが特徴。最終モデルの2003年5月までラインアップされていた。トランスミッションは1000cc、1300cc共に4速ATのみ。また、ベース車のエンジン変更に伴い、1300cc車の排気量が1274ccから1348ccに変更。
2002年11月
特別限定車「高級レザー仕様」を追加設定。 
2003年5月
新車の2代目マーチベースのビュートの販売中止(製造は前年)。その後は程度の良いK11型マーチの中古車をベースに「メイクアップビュート」として光岡認定中古車扱いで販売。
2013年12月
生産終了

2代目(2005年-2010年)[編集]

光岡・ビュート (K12)
Mitsuoka Viewt (K12) front.JPG
Mitsuoka Viewt (K12) rear.JPG
Mitsuoka Viewt K12 12LX interior.jpg
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドア セダン
エンジン

直列4気筒DOHC 1200cc

/ 1500cc / 1400cc (4WD)
変速機 5速MT(1200cc)/ 4速AT / エクストロニックCVT (1500cc)
駆動方式 FF (1200cc / 1500cc) / e-4WD (1400cc)
サスペンション 前: ストラット+コイル
後: トーションビーム+コイル
全長 4,400mm
全幅 1,680mm
全高 1,520mm / 1,530mm (4WD)
ホイールベース 2,430mm
車両重量 1,040kg / 1,080kg / 1,130kg
ベース車両 日産・マーチ(3代目)
-自動車のスペック表-

ベースは3代目マーチの5ドアで、ボディタイプは4ドアセダンのみ。グレードは2008年現在1200ccの12ST / 12LX、1500ccの15LX、4WDの1400cc・14LX 4WDの4種類。ミッションは1200ccが5速MT / 4速AT、1500ccがエクストロニックCVT、1400ccが4速ATの設定となっている。

初代と異なり、ルーフのパネルを独自製作し、ハンドメイドで取り付けているのが特徴。これにより初代に比べてCピラー以降の後端部分のラインがより自然な仕上がりとなっている。また、一見同じに見える前後部分のデザインは若干のリファインがされており、テールランプが4連式にされている。

ボディカラーは標準8種類で、メーカーオプションで「カラー30」を選択することで全部で30種類のボディーカラーを指定可能である。 内装に関しては初代と比較してシンプルになっており、ベース車両のマーチとほとんど変わらない。但し、メーカーオプションでダークレッド、クリーム、グローブブラウンの3種類の本革パッケージと、ディーラーオプションでウッドタイプインパネが用意されている。

年表[編集]

2005年9月
2代目ビュート販売開始。グレードは「1200」と「1500」、e-4WDの「1400 4WD」の3種類。当初は全グレードがオートマチックトランスミッションのみの設定(1200/14004WDが4速AT、1500がCVT)だった。
2006年12月
ビュート誕生15周年を記念して、各バリエーション毎に「15周年記念特別仕様車」を追加設定。カラーバリエーションにブラックメタリックを新設定した。シートとドアトリムに赤色の高級本革を使用、また外装各所にはメッキパーツを施して上質感を高めたモデル。
2008年3月
グレード名の変更と追加。1200ccタイプにベーシックグレード「12ST」を追加設定。同時に1200ccタイプで5速マニュアルトランスミッションを選択可能になった。
2008年12月
保安基準の改定により2009年式以降ベースでの生産が不可能となるため(「外装の技術基準」の改定でバンパーのオーバーライダーとリヤコンビランプが突起物として扱われるようになったのがその理由)、生産終了を発表。この時は具体的な生産終了時期は明らかにされていなかった。
2009年1月15日
ビュートの販売を2009年12月で打ち切ると発表した。ビュートファイナルモデルとして、専用のグリルバッジなどを採用した限定20台(上述の理由ですべて2008年式をベースとしている)の特別仕様車を16日から発売。
  • 同社が展開している認定中古車制度では比較的状態の良いマーチ・12SRの中古車を用いて「ビュート・12SR」や3ドアの後半を大幅に改造してピックアップ化した「ビュート・トラック仕様」が製作・販売されたこともあった。また、2009年3月30日から2013年12月までは同様の手法でハッチバック(=ノーマルのマーチ)の中古車をベースにビュート顔にモデファイしたキュートが販売されていた。
2009年10月14日
マイナーチェンジ。(2009年1月の外装の技術基準の改定による)生産停止を惜しむ声が多かったことから、前後バンパーをオーバーライダーのないタイプに変更し、リヤコンビランプにカバーを装着した上で保安基準に適合させ、販売を再開。同時に、「特定改造自動車のエネルギー消費効率相当値の算定実施要領」の制定によりエコカー減税とエコカー購入補助金を享受することも可能となった。
2010年6月3日
特別仕様車「ビュートヴィンテージ」を4日より発売。ベース車のK12型が生産終了するのに伴い、現行型として最後のモデルとなる。クリーミーホワイトのボディカラー、専用のグリルバッヂとリアエンブレム、Cピラーのオーナメントがエクステリアの特徴。インテリアも、専用デザインの本革シートやダッシュボードエンブレムなどの特別装備が与えられる。20台の限定。
2010年時期不明
生産終了。認定中古車を販売開始。
2011年4月
認定中古車に特別装備を施した「ビュートさくら」を発表。

3代目(2012年-)[編集]

光岡・ビュート (K13)
3rd generation Mitsuoka Viewt front (1).JPG
3rd generation Mitsuoka Viewt rear.jpg
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドア セダン[1]
エンジン HR12DE型
直列3気筒DOHC 1200cc
変速機 CVT
駆動方式 FF / e-4WD
サスペンション 前: 独立懸架ストラット
後: トーションビーム
全長 4,515mm
全幅 1,680mm
全高 1,550mm / 1,560mm (4WD)
ホイールベース 2,450mm
車両重量 1,035kg - 1,150kg
ベース車両 日産・マーチ(4代目)
-自動車のスペック表-

4代目マーチ(2010年 - )をベースに登場。2012年5月23日に発表、翌24日から販売を開始した。全車、エンジンはベース車同様にHR12DEで、それにエクストロニックCVTを組み合わせる。グレードはFFの「12ST」「12DX」「12LX」、4WDの「12DX 4WD」「12LX 4WD」の計5種で、「12ST」以外のFF車にはベース車同様にアイドリングストップ機構が備わる。4色のカラーはすべてビュート専用設定色となり、オプションで「ウッドタイプインパネ」や「本皮革シート」、「クラシックドアパネル」など、個性を引き出すアイテムを豊富に用意。尚、今回の改良で外装の技術基準をクリアした上でバンパー上のオーバーライダーが復活している。

年表[編集]

2012年5月23日
発表。販売開始。
2012年10月24日
特別仕様車「オッターヴァ」発表、発売。TBS運営のクラシックラジオ局と共同で制作し、そのラジオ局の番組名「OTTAVA」からきている。標準車のドレスアップモデルで、オーディオをパイオニアのハイエンドオーディオ「carrozzeriaX」を採用し、ほかにも専用アンプなどを装備(オーディオインストールはカーオーディオプロショップ「CB FACTORY」が担当)。また、エクステリア面では、Cピラーに専用エンブレムがあり、リアにはトランクフードバッヂ、フロントには京セラが開発した人工宝石「京都オパール」を使用したフロントグリルバッヂがある。タイヤは、専用タイヤ+アルミホイールを装備。インテリア面では、ウッドタイプインパネ+アナログ時計を採用し、本革張りのセンターコンソールセットとクラシックドアトリムやステアリングとラゲッジスペースを装備。ほかに、本革シートや、専用カラーの木目調パネルのウッドタイプパーセルボードを装備する。標準車でメーカーオプションのリアカーテンを標準装備する。さらに、ビュートオッターヴァ専用のキャリアバッグやキーケース、メガネケース、ペンケースなどもついてくる。ボディカラーはマーブルホワイトのみで、車両本体価格は585万円からと、かなり高価になる。なお、前輪駆動のみで、アイドリングストップ機構も搭載する。
2013年1月11日
発売20周年を記念した特別仕様車「20th Anniversary」を発表、発売。全グレードに設定され、オプションで人気の高い本革シート(専用刺繍入り)、ウッドパネルインパネ、クラシックドアトリムを標準装備し、更に専用のグリルバッジ、Cピラーエンブレム、トランクエンブレムステッカーが装備される。外装は専用の4色が用意され、インテリアカラーもダークレッドに加え新色のクリームが設定される。
2013年3月28日
特別仕様車「SAKURA」を発表(販売は同年3月30日より開始)。「明るく新たな息吹き」をテーマとし、春を感じさせるダークレッドとパステルピンクパイピングの専用刺繍入り本革シートや、専用グリルバッヂ、専用リヤドアエンブレムなどを特別装備している。ピンクの専用ボディカラーも特別設定し、高級感を増している。
2013年4月17日
特別仕様車「探偵はBARにいる」を発表(販売は同年4月20日より開始)。「12DX」をベースとした、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』とのタイアップモデルで、同名映画で「高田号」として使われるビュート同様の深緑のボディカラーをはじめ、専用グリルバッヂや専用ステッカー(フロントフェンダー・Cピラー・トランク(トランクは映画ロゴ))、ウッドタイプインパネに加え、クラシックドアトリムなどを特別装備し、映画の雰囲気を新車でも味わえる仕様になっている[2]
2014年12月3日
特別仕様車「Viewt Twilight(ビュート トワイライト)」を15台限定で12月5日から発売すると発表。「12ST」をベースに、ハリスツイードをシート、ドアトリム、インパネ(ロアパネル)、ルーフトリムに採用したモデル。それ以外に、ウッドタイプインパネ、ドアトリム、ルーフトリムも専用の物になり、ボディカラーも専用のトワイライト オレンジ(M)のみの設定。インナードアハンドルとドアハンドルはメッキに、専用グリルバッヂと専用Cピラーエンブレムも装着される。


車名の由来[編集]

  • 「美しく・遊ぶ・人=美・遊・人」(び・ゆう・と)及び「view」(風景)から。

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ ベースは5ドア ハッチバック
  2. ^ 但し、劇中車はK11がベース(=初代)なので、全くの同一仕様ではない。

外部リンク[編集]