リミットサイクル

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リミットサイクルとは、力学系における相空間上での閉軌道であり、時間 t無限大、またはマイナス無限大にしたとき、その閉軌道に収束する軌道が少なくとも一つ存在するものである。

リミットサイクルは非線形系でのみ現れる。リミットサイクルの十分近くの軌道がすべてリミットサイクルに収束するとき、安定である、またはアトラクティブであるという。

安定なリミットサイクルは、自励振動を表している。つまり、閉軌道に小さな摂動が加わっても元に戻る。また、相空間上の様々な初期値から出発した軌道はリミットサイクル軌道に収束し、やはり自励振動を示す。 リミットサイクルを持つ例として、ファン・デル・ポール振動子がある。代数的微分方程式におけるリミットサイクル軌道の数を求める問題は、ヒルベルトの第16問題の第二の問題として知られる。2次元相空間の場合は、ポアンカレ・ベンディクソンの定理(またはベンディクソンの定理)によってリミットサイクル軌道の存在(または非存在)を予見できる。

定義として、十分近くに別の閉軌道を持たない閉軌道をリミットサイクルとする場合もある。一方で、カオス理論におけるカオスの性質の一つとして「位相空間に無限の密度でリミットサイクルを持つ領域が存在する」という例があるように、あるリミットサイクルの十分近くに別のリミットサイクルが無数に存在することを前提とした議論も存在する。

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