リエナールの定理

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力学系において、リエナールの定理 (Liénard's theorem) とはリミットサイクルの存在を示す定理。

リエナール方程式[編集]

次のような微分方程式を、リエナール方程式という。

{d^2x \over dt^2} +f(x){dx \over dt} + g(x) = 0

リエナールの定理[編集]

リエナール方程式が次の5つの条件を満たすとき、\left(x , {dx \over dt} \right) 平面状に唯一の安定なリミットサイクルを持つ。

  1. f(x)g(x) の微分が連続(C1級)
  2. g(x)奇関数
  3. f(x)偶関数
  4. x > 0 ならば、 g(x) > 0
  5. 次のような a が存在する。偶関数 F(x) = \int^x_0 \!f(u)\, du が、
    • 0<x<a ならば、F(x) < 0
    • F(a) = 0
    • x>a ならば、正かつ非減少


リエナール系[編集]

リエナール方程式は、

F(x) := \int_0^x f(\xi) d\xi
x_1:= x\,
x_2:={dx \over dt} + F(x)

と置くことで、等価な2次元の常微分方程式系に変換できる。


\begin{bmatrix} 
\dot{x}_1 \\
\dot{x}_2 
\end{bmatrix}
= 
\mathbf{h}(x_1, x_2) 
:= 
\begin{bmatrix} 
x_2 - F(x_1) \\
-g(x_1)
\end{bmatrix}

これをリエナール系と呼ぶ.

関連項目[編集]