ヨウム

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ヨウム
ヨウム
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: オウム目 Psittaciformes
: インコ科 Psittacidae
: Psittacus
: erithacus
亜種 : 本文参照
学名
Psittacus erithacus
英名
Grey Parrot

ヨウム(洋鵡、学名Psittacus erithacus)はアフリカ西海岸の森林地帯に分布する大型インコ

概要[編集]

体長は約33cm、体重300~500g程度(生息地により大きく異なり、コンゴ共和国に生息するものは大型の傾向にあるといわれる)。体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれている。風切り羽根は黒色。顔面部は羽毛がなく白い。嘴は黒、白~淡黄色の虹彩。赤い尾羽を持つ。(亜種のコイネズミヨウムは、嘴に褐色の部分があり、尾羽根が暗赤色である)主食は種子や果実(アブラヤシの実など)。アフリカ西海岸の森林地帯、ガーナからビクトリア湖周辺、アンゴラ共和国からコンゴ共和国(旧ザイール)など、低湿地の森林から高地の森林などに分布する。幼鳥は虹彩が黒く、舌の色が肌色である。平均寿命は50年前後とされている。

知能が高く人の言葉を良く覚える種として名高く、飼い鳥として人気がある。人の言葉を真似るだけではなく、言葉の意味を理解して人間とコミュニケーションをとる能力があると言われている。声は、似た体格の白色オウムから比べると雄叫びがなく静かであるが、声真似が得意という特性から、電話やサイレンといった電子音まで真似る場合もあるので注意が必要。

生涯に「反抗期」を持ち、時期はまちまちのようだが、2度の反抗期を経験する個体が多いようであり、反抗期には自己主張が激しくなり、攻撃的になることもある。第一反抗期は幼鳥換羽が済んだあとの1歳半~2歳あたりに迎えることが多いようである。

性別[編集]

幼鳥では特に外見からの判断が難しいが、概して次のように見分けられる。

メス
頭蓋骨クチバシが小さく、頭が丸くて首が細い傾向にある。一歳半以降は、肛門に近い側の尾羽の先端に灰色の縁取りが見られることが多く、オスは縁取りが無く赤のみであるか、白いラインが入ることがある。
オス
目がメスより丸く、メスはアーモンド型という説もあるが、アーモンド型のオスも多いようである。

亜種・変異種[編集]

変色種[編集]

体が白色で尾羽が白いもの、体が灰色で尾羽が白いもの、背中が赤いもの(王が赤いマントを羽織っているように見えることからキングパロットという俗称がある)などがいる。

コンゴのヨウム(英名Congo African Grey Parrot)
日本ではあまり区別がされていないようであるが、亜種として分類され、通常のヨウムより大型であることが多いとされる。
コイネズミヨウム(英名Timneh Grey Parrot)
一般的なヨウムよりも小型で、その名の通り濃い灰色で身をまとい、暗赤色の尾羽をもつ。上嘴に褐色の部分がある。(体長30cm、体重320g)野生下ではヨウムの生息地域より西に生息する。ヨウムよりも活動的で人見知りもしにくい性格のものが多いようである。

ペットとしてのヨウム[編集]

飼い鳥として大型インコの中では最もポピュラーな種類と言える。歴史は古く、4000年前のエジプト象形文字にも使われていると言われ、古代ギリシア人も飼っていたとされる。 国内にブリーダーも存在し、日本産も増加傾向にある。平均寿命が50年と非常に長いため、飼主が先に寿命を迎えることも考えられるので、そのあたりも考慮した上で購入する。

ワシントン条約で附属書II類に属し、輸出国の許可を受けて商業取引を行うことが可能である。その一方で人気が高いため現地での密猟も絶えない。

飼育時の注意点[編集]

野生下では湿度60〜80%と高湿度の環境に生息するため、適温は20〜30度とされるが、特に1年目の真冬や真夏は注意が必要である。非常に多くの脂粉を出すため通気や換気、日光浴でビタミンDを生成するため、日当たりの考慮や、頻繁な日光浴が必要である。

食餌[編集]

主食には栄養面でバランスのとれるペレットが優秀とされ、欧米ではペレットが主流となっているが、賛否両論のため飼主の理解が重要。いずれにしても人と同じく化学合成されたものは可能な限り避けるべきである[要出典]

ビタミンD3を食事ではなく日光浴から摂取するという説があり、特にヨウムはビタミンD3欠乏になりやすいとも言われる。ビタミンAカルシウムなども不足しやすいといわれ、ビタミンAが不足すると、赤い尾羽が色あせるものもいる。

野生下では脂肪酸を多く摂取しているが、運動不足になりがちな環境で過剰に与えると生活習慣病の罹患があがるといわれる。

健康に害のある食料として次の食料(一部)が知られている。

世界的に有名なヨウム[編集]

アレックス(Alex)
1976~2007/9/6、31歳で死去(2007/10/4に死因は動脈硬化に関連することと発表)
飼主であった比較心理学者アイリーン・ペッパーバーグ(Irene Pepperberg)博士によると「アレックスは50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数を6つまで数えることが可能で、2歳児の感情と5歳児の知性を持っていた」という。
アレックスの公式サイトには次のような追悼文が寄せられている。
「彼は『オウムは人の言葉を無意識にまねるだけ』という固定観念をくつがえしてくれた。彼は大いなる遺産を残した。鳥の心に対する一般概念を変えただけでなく、バカを表す『bird brain(鳥の脳みそ)』という言葉への認識も変えたのだ」
最後の言葉は、死の前夜に部屋から去ろうとする博士への「じゃあね、また明日。君を愛してるよ」(原文では"You be good, see you tomorrow. I love you.")
ニキシ(N'kisi)
2004年1月の時点で約950の語彙を持ち、動詞の時制を正しく使うと発表されている。写真を見せると、そこに写っているものを答えることが出来る。

Sibley分類体系上の位置[編集]

オウム目オウム科

外部リンク[編集]