メビウスの帯

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メビウスの帯

メビウスの帯(メビウスのおび、Möbius strip, Möbius band)、またはメビウスの輪(メビウスのわ、Möbius loop)は、帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に貼り合わせた形状の図形曲面)である。メービウスの帯ともいう。ひねるという性質上、ユークリッド空間においては、ひねる方向(時計回りと反時計回り)により、右手系と左手系の2種が存在することになる。

メビウスの帯は、1858年に、ドイツライプツィヒの数学者アウグスト・フェルディナント・メビウスと、同じくドイツのフランクフルトの数学者ヨハン・ベネディクト・リスティングw:Johann Benedict Listing)が、それぞれ別個に発見した。

誤って「無限」のイメージに結びつけられることもある[要出典]が(無限大を表す記号「∞」をメビウスの帯と混同している者もいる)、見てのとおりその大きさは明らかに有限である。

目次

[編集] 空間としての性質

括弧内は、帯の中に住む二次元人からの見え方である。

  • ふちがある(世界に果てがある)。
  • 向きがない(世界を一周して帰ってくると、元の姿の鏡像になっている)。

重要性:

  • 曲面に表裏がない(向きづけ不能)必要十分条件は、その曲面がメビウスの帯を含んでいる事。

[編集] 模型の性質

  • 裏表がない。
  • 180°ひねって作ったメビウスの帯を、帯の真ん中を切断すると、輪は2つに分かれずに大きな1つの輪になる。この輪は720°ひねられた状態で表裏が分かれており、つまりメビウスの帯ではない。
  • 帯の幅1/3のところを切断すると、1つの大きな720°ひねられた輪と1つの小さなメビウスの帯ができる。

[編集] 工業への応用

[編集] 化学の分野

有機化合物では、1985年コロラド大学のデーヴィッド・ワルバ (David Walba) らが、メビウスの帯の構造を持つ分子の合成に成功した[1]

ねじれた環状のπ共役系は通常の芳香族とは逆に 4nπ系が安定となる。これはメビウス芳香族性と呼ばれ、計算化学による予想を経て21世紀初頭に実際に化合物が合成された。

無機化合物では、細長い帯のような結晶なら作れるが、メビウスの帯のようなねじれた結晶をつくるのは無理だと考えられてきた。2002年、北海道大学工学部丹田聡らが三セレン化ニオブの結晶を変形させ、メビウスの帯状の結晶を作ることに成功した[2][3]

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • クリフォード・A・ピックオーバー『メビウスの帯』吉田三知世訳、日経BP社、2007年

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ ワルバらの論文 - Walba, D. M.; Armstrong, J. D., III; Perry, A. E.; Richards, R. M.; Homan, T. C.; Haltiwanger, R. C. Tetrahedron 1986, 42, 1883-1894. DOI: 10.1016/S0040-4020(01)87608-0
  2. ^ Tanda, S.; Tsuneta, T.; Okajima, Y.; Inagaki, K.; Yamaya, K.; Hatakenaka, N. Nature 2002, 417, 397-398. DOI: 10.1038/417397a
  3. ^ 北海道大学大学院工学研究科・工学部広報平成15年7月号