ミス・シャーロック/Miss Sherlock

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ミス・シャーロック
Miss Sherlock
ジャンル 配信ドラマ
脚本 丸茂周
小谷暢亮
政池洋佑
及川真実
森淳一
監督 森淳一
瀧悠輔
松尾崇
出演者 竹内結子
貫地谷しほり
滝藤賢一
中村倫也
大谷亮平
小澤征悦
斉藤由貴
伊藤蘭
音楽 末廣健一郎
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
エグゼクティブ・プロデューサー 長澤一史(Hulu)
毛利忍(Hulu)
Jonathan Spink(HBO ASIA)
Beibei Fan(HBO ASIA)
石田和義(ROBOT
プロデューサー 戸石紀子(Hulu)
村上公一(ROBOT)
制作 ROBOT
製作 HJホールディングス
HBO PACIFIC PARTNERS
配信
配信期間2018年4月27日 - 6月15日
配信時間金曜 10:00 -
放送分46 - 53分
回数8
公式ウェブサイト
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ミス・シャーロック』(英題:Miss Sherlock)は、Hulu JapanHBOアジアによって共同製作された日本のテレビドラマ。HBOアジアが放送される世界19か国と日本ではHuluで2018年4月27日に初配信された[1]。全8話[2]

概要[編集]

名探偵シャーロック・ホームズとその相方ワトソンが「もし現代の東京にいたら」「もし2人とも日本人女性だったら」との新解釈のもとに描かれるミステリードラマで、物語の舞台を東京に移し、シャーロック役を竹内結子、ワトソン役を貫地谷しほりが演じる[2]。シャーロックとワトソンを女性が演じる世界初の映像作品となる[3]

日本をはじめ、世界各国で放送・配信されるなど好評だったことから、本作を制作したHuluの親会社である日本テレビでは続編も検討していたが、2020年9月28日に行われた同局の定例会見にて、前日(27日)に主演の竹内が死去したことから、前述の続編の構想とその制作が不可能となったことが明らかになった[4][5]

あらすじ[編集]

外科医師の橘和都(貫地谷しほり)は、医療ボランティア先のシリアから帰国した日に、かつての恩師が目の前で衝撃的な死を迎える事件に遭遇する。その事件の捜査中に一人の女性と出会う。名前はシャーロック(竹内結子)。彼女は、警視庁捜査一課の礼紋警部(滝藤賢一)、柴田巡査部長(中村倫也)も手を焼く難解な事件を、天才的な洞察力を以って解決に導く捜査コンサルタントだった。その傍若無人な物言いに抵抗を感じながらも、和都はシャーロックの人並み外れた推理力に心から感服する。2人は奇妙な共同生活を始め、コンビとして事件の捜査に関わるようになっていく。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

シャーロック〈35〉双葉・シェリー・さら
演 - 竹内結子
吹き替え - 鈴木美穂(Episode8)
イギリス生まれの日本人で帰国子女。性格に難あり。『捜査コンサルタント』を名乗り警察の捜査に協力している犯罪心理学の専門家。
『ある事』をきっかけに自分からシャーロックと名乗り始め、周りもそう呼ぶようになった。なお『ある事』の正体は明らかにされていない。
集中すると周りの音が聞こえなくなる。大きい音が苦手。
第1話で221Bを訪れた和都に「視界に美的センスのないものが入ると脳の働きが鈍る」とエルメスのトレンチコートを投げつけたり、第2話でルームシェアに関する大量の条件を示したりと、身の周りのものに強いこだわりを見せる。しかし食べ物に関しては優柔不断でさまざまな食べ物を大量に注文する。
化学、医学、文学、芸術など幅広い知識を持つが日常では複雑な構造物や動物によく興味を示し、観察のために座り込んで動かなくなることもある。チョコレートホリック。コーヒー派。
よく部屋でチェロを演奏している。事件がないときはアロマの調合やキュウリの化粧水作りをすることもある。
知識や論理といった理性的なものを最も重要視しており、愛情について「そういう感情的なものは、冷静な理性の邪魔をするだけ」と切り捨て結婚や恋愛についても否定的な言動が度々見られる。「論理な思考が欠如している」ため子供が苦手である。推理の際「ある事象から全てのありえないことを排除すれば、自ずと真相は見えてくる。それがどんなに突飛な結論でも」とよく和都に語っている。
和都との関係を「友達じゃない」と否定し続けていたが、最終話で「和都は私の初めてできた友達」と語りかけ、和都の洗脳を解くために入川とライヘンバッハビルから飛び降り、死亡したかのように思われたが、柴田がゴンドラを使って助けたという説もある。最終話で和都に向かって歩いていく足元だけが映っている。(そのままエンドロールに入るので、シャーロックかどうかは定かではない)
(モデル:シャーロック・ホームズ
橘和都(たちばな わと)
演 - 貫地谷しほり
シャーロックの相方「和都さん」。ボランティア医師団のシリア派遣から帰国した元外科医。両親は札幌に住んでおり、父親は病院を経営している。家族の反対を押し切って医師団に参加したが、自分の無力さを思い知り帰国した。
爆撃により背中一面に傷があり、帰国後PTSDに悩まされ精神的に不安定な面を見せる。
感情で動くタイプで、時に理性のコントロールを失うことがある。医師団の勧めで入川クリニックに通院しカウンセリングを受ける。
第1話の最後に泊まっていたビジネスホテル「ホテルニュー蒲田」が全焼の火事になり、221Bでシャーロックとルームシェアをすることになった。初めはシャーロックに対して警戒していたが次第に彼女の実力を信用するようになる。事件の際はシャーロックの言動をコントロールしたり、下調べをしたり、犯人に語りかけたりと助手のような役割をしている。シャーロックに推理のヒントを与えることもある。
守谷と恋人関係になるも、シャーロックが守谷に向けて発砲した場面に居合わせたことで大きなショックを受け、入川に洗脳される。入川は和都をシリアで核弾頭によるテロ計画に使おうと考えていたが、シャーロックを殺そうと射撃訓練を続け、ライヘンバッハビルでついに彼女に銃口を向けるもシャーロックの呼びかけによって自我を取り戻す。
(モデル:ジョン・H・ワトスン
礼紋元太郎(れいもん げんたろう)
演 - 滝藤賢一
警視庁刑事部捜査一課の警部。
シャーロックに捜査協力を依頼。シャーロックの推理力を何より信頼しており、「捜査なんかして真相を見誤ったらどうする」と発言したりシャーロックのピッキングを見て見ぬふりしたりする。部下の柴田に毎度調べ物や雑用を押し付けている。
既婚者。愛妻弁当を作ってくれた際、車で食べる用にと膝に置くトレーも持たせている、気が利く奥さん。
(モデル:レストレード警部
柴田達也(しばた たつや)
演 - 中村倫也
警視庁刑事部捜査一課の巡査部長。礼紋の部下で熱血漢な性格。シャーロックの言動によく反応し、からかわれている。シャーロックとのやり取りでは、アドリブが多い。
第7話でシャーロックに拳銃を奪われ一時警察を退職して父親の清掃会社で働くが、ゴンドラの無断使用でクビになったが、第8話では礼紋が警察の退職届けを保留していたため警察に復職している。
(オリジナルキャラクター)
守谷透(もりや とおる)
演 - 大谷亮平
戦場カメラマン。入川真理子の紹介で和都と出会う。
二年前イラクで起きた生物兵器テロに抗議するため、帝日化学から殺人ウイルスを盗み出し、シャーロックを犯人に仕立て上げた上で自分を媒介にして東京でテロを起こそうと計画する。阻止しようとしたシャーロックにより撃たれる。しかし、最終話で解剖の結果、実はウイルスにより死亡していた事が分かった。(しかし、和都にはその事実は伝えられていない)
双葉健人(ふたば けんと)
演 - 小澤征悦
シャーロックの兄で内閣情報調査室の内閣情報分析官。「20分しか時間が取れなくてね」が口癖。妹に振り回されているが、「個人的な恨み」で妹の為に上の人間を殴る妹想いの熱い一面もある。
(モデル:マイクロフト・ホームズ
波多野君枝(はたの きみえ)
演 - 伊藤蘭
目白台の住宅街にあるシャーロックが住む屋敷、221Bの家主。
未亡人。シャーロックの両親に危機を救われた恩返しとしてシャーロックの面倒を見ている。シャーロックの身の上に起こったことは全て知っているようだが、語ろうとはしない。
(モデル:ハドスン夫人
入川真理子(いりかわ まりこ)
演 - 斉藤由貴
吹き替え - 萩原明日香(Episode8)
和都が通う心理カウンセリングの心理カウンセラー。穏やかな口調と細やかな気配りで患者たちから信頼されている。
本名はモリワキアキラ。ハーバード大学の卒業生で、対話によるアプローチで脳に刺激を与えて犯罪を誘発させる「犯罪誘導理論」の提唱者。理論検証のためにカウンセリングの患者を洗脳し「ドック」と呼ばれる施設で教育していた。洗脳された患者たちは彼女を「マリス・ステラ」(北極座)として崇拝している。(カウンセリングの部屋の、壁に貼られた鳥を繋ぐと「こぐま座」になる)
シャーロックのことを論理的で自分と似ていると形容する一方、シャーロックが犯罪を否定し非情になりきれないことを見下している。シャーロックと過去に接点があったことをほのめかすような発言をしているが詳細は明かされていない。ライヘンバッハビルからシャーロックとともに転落し、死亡したとされている。
(モデル:ジェームズ・モリアーティ

ゲスト[編集]

Episode1
水野亜紀子
演 - 水川あさみ
水野隆之
演 - 二階堂智
Episode2
鑑定士
演 - 吉田メタル
舞原鞠子
演 - 左時枝
桑畑道彦
演 - 児嶋一哉
貴倉博次
演 - 木下ほうか
柳沢
演 - 名倉右喬
Episode3
椎名有里沙
演 - 紺野まひる
椎名由麻
演 - 木南晴夏
米山俊夫
演 - 田中圭
綿貫弘
演 - 菊池均也
灰谷玲子
演 - 安藤聖
真田正德
演 - 伊崎充則
Episode4
若杉さくら
演 - 安達祐実
若杉涼太
演 - 高橋努
若杉静枝
演 - 朝加真由美
結城カイト
演 - 川岡大次郎
湊アンナ
演 - MEGUMI
若杉大輝
演 - 伊藤駿太
祈祷師
演 - ふくまつみ
住職
演 - 大川ヒロキ
片岡
演 - 山中聡
原口希美
演 - 小山田みずき
山本佐織
演 - 雨音めぐみ
中岩由美子
演 - 中野麻衣
リポーター
演 - 小森郁子
仮屋みすず
演 - 敷波美保
若杉若葉
演 - 飯塚秋羽 / 後藤涼音
オルファム
演 - 田中裕大
Episode5
真島理沙
演 - 泉里香
冴木数馬
演 - 淵上泰史
香田夏雄
演 - 毎熊克哉
西野未来
演 - 梅舟惟永
神崎奈々美
演 - 近野成美
立川功
演 - 湯江タケユキ
コンビニ店長
演 - 夙川アトム
中岩由美子
演 - 中野麻衣
横川真子
演 - 荻野友里
西野恵子
演 - 宮地雅子
Episode6
鷹山幸一
演 - 小木茂光
鷹山優一
演 - 山田裕貴
高井義之
演 - 飯田基祐
鷹山静香
演 - 野村真美
飯田弘明
演 - 水橋研二
椎名亜里沙
演 - 紺野まひる
中年女性
演 - イモトアヤコ
家政婦
演 - 角南範子
ジェームス教授
演 - イアン・ムーア
高井の妻
演 - 山本映子
Episode7
倉田美月(Episode7〜8)
演 - 菊池凛子
高橋管理官(Episode7〜8)
演 - 高杉亘
桐島亨
演 - 山路和弘
太田博隆
演 - 堀部圭亮
河西警部(Episode7〜8)
演 - 北山雅康
広報室長(Episode7〜8)
演 - 吉永秀平
手塚昭彦(Episode7〜8)
演 - 本間剛
Episode8
大五郎(ホームレス)
演 - 渡辺いっけい
榊原邦夫
演 - 酒向芳
篠宮史斗
演 - 山本直寛
清掃作業員
演 - 清水尚哉

スタッフ[編集]

配信日程[編集]

配信回 配信日 サブタイトル 脚本 監督
Episode1 4月27日 最初の事件 丸茂周、政池洋佑、森淳一
(脚本協力:吉井三奈子、及川真美)
森淳一
Episode2 5月04日 ひげの幸子像の謎 丸茂周、及川真美、森淳一
(脚本協力:政池洋佑)
森淳一
Episode3 5月11日 ヘッドハンターの素顔 小谷暢亮、及川真美、森淳一
(脚本協力:政池洋佑)
森淳一
Episode4 5月18日 武蔵野ヶ丘のヴァンパイア 小谷暢亮、森淳一 他 瀧悠輔
Episode5 5月25日 消えた新婦 小谷暢亮、丸茂周、政池洋佑、森淳一
Episode6 6月01日 マリス・ステラ 小谷暢亮、政池洋佑、森淳一
Episode7 6月08日 最後の事件 前編 丸茂周、及川真美、森淳一
(脚本協力:政池洋佑)
松尾崇
Episode8 6月15日 最後の事件 後編 小谷暢亮、丸茂周、及川真美、森淳一
(脚本協力:政池洋佑)
瀧悠輔

放送[編集]

Episode1が日本テレビにて2018年5月10日(9日深夜)に地上波放送された[6]

Episode1〜8がチャンネルNECOにて2019年夏に、また2020年1月5日に一挙放送された[7]

Episode1とEpisode2が、日本テレビの『金曜ロードSHOW!』枠内で、2020年6月5日に、日本テレビ系列局で地上波放送された[8][9]

受賞歴[編集]

関連商品[編集]

ノベライズ[編集]

DVD[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “竹内結子主演「ミス・シャーロック」の配信日決定、滝藤賢一ら新キャスト6名解禁”. 映画ナタリー. (2018年2月20日). https://natalie.mu/eiga/news/270183 2018年4月20日閲覧。 
  2. ^ a b “水川あさみ、安達祐実、菊地凛子らがドラマ「ミス・シャーロック」にゲスト出演”. 映画ナタリー. (2018年4月20日). https://natalie.mu/eiga/news/278960 2018年4月20日閲覧。 
  3. ^ “竹内結子&貫地谷しほり、世界初の試み〈ミス・シャーロック/Miss Sherlock〉”. モデルプレス (ネットネイティブ). (2017年12月1日). https://mdpr.jp/news/detail/1731461 2018年5月3日閲覧。 
  4. ^ 日テレ 竹内結子さんの出演ドラマ続編を考えていた「代表作になるのではと…かなわぬことに」社長悼む”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2020年9月28日). 2020年9月28日閲覧。
  5. ^ 竹内結子さん代表作「ミス・シャーロック」続編幻に”. 日刊スポーツ (2020年9月29日). 2020年9月30日閲覧。
  6. ^ “「ミス・シャーロック」1話を地上波で放送”. 日テレNEWS24. (2018年5月9日). http://www.news24.jp/articles/2018/05/09/08392591.html 2019年2月11日閲覧。 
  7. ^ “《ぴあ×チャンネルNECO》強力コラボ 【やっぱりNECOが好き!】 連載第101弾!!)探偵ミステリーの名探偵コンビ、“女性×女性”で現代日本に登場!(小酒真由子)”. (2019年6月24日). https://www.necoweb.com/neco/info/detail.php?id=813 2020年1月5日閲覧。 
  8. ^ "竹内結子が"和製シャーロック" Huluドラマが『金曜ロードSHOW!』で地上波放送". ORICON NEWS. オリコン. 14 May 2020. 2020年5月16日閲覧
  9. ^ "竹内結子×貫地谷しほり「ミス・シャーロック」金ローで1&2話を特別放送". CinemaCafe.net. 株式会社イード. 14 May 2020. 2020年5月16日閲覧
  10. ^ “竹内結子×貫地谷しほり「ミス・シャーロック」が東京ドラマアウォード2018で優秀賞受賞”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2018年10月25日). https://thetv.jp/news/detail/167035/ 2019年2月11日閲覧。 
  11. ^ “竹内結子×貫地谷しほり「ミス・シャーロック」が“AAA’s”で最優秀作品賞に!”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2018年12月10日). https://thetv.jp/news/detail/172198/ 2019年2月11日閲覧。 

外部リンク[編集]