ペンシルバニア鉄道GG1形電気機関車

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PRR GG1
Penn Central No 4801 4800.jpg
基本情報
動力方式 交流電気
設計者 GEトランスポーテーション・システム,
レイモンド・ローウィ
製造所 GEトランスポーテーション・システム (15),
Altoona Works (124)
製造日 1934 - 1943年
総製造数 139両
主要諸元
軸配置(アメリカ式) 2-C+C-2
軸配置(UIC式) (2′Co)(Co2′)
軌間 1,435 mm (4 ft 8 12 in)
先輪 36 in (914 mm)
動輪 57 in (1,448 mm)
固定軸距 Rigid: 13 ft 8 in (4.17 m)
Overall: 69 ft 0 in (21.03 m)
全長 79 ft 6 in (24.23 m)(連結器を含む)
全幅 10 ft 4 in (3.15 m)
全高 15 ft 0 in (4.57 m) (パンダグラフをおろした時)
動軸 303,000 lb (137.4トン)
機関車重量 475,000 lb (215.5トン)
燃料容量 3,000 lb (1,360 kg) あるいは424 US gal (1,610 l; 353 imp gal)
(列車暖房サービス用)
水容量 23,000 lb (10,400 kg) あるいは 2,760 US gal (10,450 l; 2,300 imp gal)
(列車暖房サービス用)
電化方式 交流11-13.5 kV 25 Hz
交流11-13.5 kV 60 Hz
(いずれも架空電車線方式
集電方式 パンタグラフ2基
主電動機 12 × GEA-627-A1 385 hp (287 kW)
最高速度 旅客輸送: 100 mph (160 km/h)
貨物輸送: 90 mph (145 km/h)
出力 定常出力: 4,620 hp (3,450 kW)
瞬間出力: 8,000 hp (6,000 kW)
引張力 65,500 lbf (291 kN)
暖房 蒸気暖房
経歴
運用者 ペンシルバニア鉄道
ペン・セントラル鉄道
コンレール
アムトラック
ニュージャージー・トランジット
運用地域 北東回廊
初走行 1935年1月28日
最終走行 1983年10月29日
配置 16両は保存、その他は解体

GG1は、アメリカ合衆国ペンシルバニア鉄道(PRR、通称Pennsy)が開発・保有した電気機関車の一形式である。

その流線型ボディの強烈な印象によって、世界的に知られた有名な機関車であり、技術面でユニークな試みの多いペンシーの車両の中でも代表的な存在である。試作機から量産機への外観の修正は著名なデザイナーのレイモンド・ローウィによるもので、「口紅から機関車まで」手がけた彼の代表作の一つとなった。GG1に先行して製造されたP5aの後期型とそのデザインを踏襲したGG1試作機4800号機にはローウィは関わっていない。

1934年から1943年にかけ、電装品はGEWH、走行系は大手機関車メーカーのボールドウィン社で製造され、初期の15両がGEで組み立てられた後124両がペンシルバニア鉄道アルトゥーナ工場で組み立てられ合計139両が製造された。その後、ペンシルバニア鉄道の事業を引き継いだ各鉄道で、1980年代の初めまで営業に使われた。


構造[編集]

全長79フィート 6インチ (24.2メートル)、自重477,000ポンド (約216t)という、大型機関車である。

車体[編集]

車体はブリッジトラスによる一体構造で、ローウィのデザインに拠らない試作機4800号機はリベット留めでやや角張った車体だが、量産車は風洞実験の結果を踏まえてローウィによってかろやかな流線型にリ・デザインされた。その際車体表面の鋼板はリベットを廃した溶接車体に変更され滑らかなラインを実現している。機関車における溶接工作の本格採用としては極めて早い例である。ただし溶接車体に変更後も試作車と重量に差は無い。また、通気グリルを目立たなくするためのアクセントとして前面から側面にまで伸びる5本のラインが入れられたのもローウィの手によるものである。

前後の運転台は車体の両端から1/3位の位置に高く配置されているが、これはデザインの原型になったP5a後期型が、一般的な車端部に運転台のある箱型車体のP5a前期型の衝突事故を契機に乗務員保護の意図で設計変更された事を踏襲したものである。ここから前方を見ることができるよう、車体の鼻(ボンネット)にあたる部分は細く作られている。もっともこの「ボンネット」は、パンタグラフを支えるためにかなり背が高く、蒸気機関車のボイラー脇から前方を覗くのと同じような状態になる。

台車枠[編集]

車体は、二組の大きな鋳造台車枠の上に乗っており、前後への牽引力もこの台車枠に掛かる構造である。この二つのフレームは車体の中央で蝶番によって結ばれ、カーブを曲がるときには首を振ることができる。台車枠一組に3動軸が装備され、1両あたりの動軸数は合計6軸である。なおかつ2軸先台車が車体の前後に配置されるが、この先台車も鋳造である。

GG1の車軸配置は、日本で一般的なAAR方式であらわすと 2-C+C-2 となる。ホワイト式表記であらわすと、4-6-0 の車軸配置を持つ蒸気機関車を2台組み合わせた形になっていることがわかる。PRRでは、4-6-0 はクラスGと呼ばれていた。GG1は、この 4-6-0 を2台、背中合わせにしたような形になっている。それゆえGG1は、クラスGG(4-6-0+0-6-4)とでも言うべき形態である。

電装系[編集]

この機関車は単相25Hz・11,000Vで交流電化された路線での運転のため製造された。電装部品は大手重電メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)の系統の機器が用いられた。

架線電圧は車体の中央部に置かれた大型の変圧器で電圧を下げられ、走行用モーター、電動送風機、そのほかの機器に送る仕組みだった。制御方式はタップ式で、変圧器の二次側巻き線の巻き数で出力電圧を調整した。

動輪1軸には 385HP(288kw) の GEA-627-A1 モーターが2個ずつ装備される。これらのモーターは日本の一般的な方式とは違い、かなり高い位置に互い違いに取り付けてある(2個のモーターで1軸を駆動する以上このような構造を採らざるを得ない)。モーターの回転力はギアで減速されてクイル式で車軸に伝えられる。

連続定格出力は4,620HPだが、短時間の負荷であれば49マイル/hで 9,500HPを出すこともできた。旅客列車牽引の場合には最高速度が100マイル/hになるようにギア比を設定されたが、試験走行では110マイル/hに達したこともある。貨物列車牽引仕様では、牽引力確保を重視して最高速度90マイル/hにギア比を設定されていた。

GG1がかかわる事故[編集]

GG1が経験した大事故が一例存在する。1953年1月15日の朝、ワシントンD.C.ユニオン駅で起こった。

ブレーキラインコック(弁)の取り扱いミスにより、ボストン発の Federal Express の一部の車両のブレーキがきかなくなった。ノーブレーキになった車両に押され、GG1 と2両の客車が16番線の車止めを突き破り、床を押し破って駅の荷物室へ突っ込んでいった。GG1の耐久性の高さ(?)を示すエピソードと言えるだろう。

この事故に遭った4876号機は、車体を三つに切断して現場から回収され、ペンシルベニア州にある PRR の Altoona 工場で再生工事が行われた。結果一般営業に復帰し、僚機と共にのちのちまで生き残った。

現状[編集]

ウィスコンシン州グリーンベイのアメリカ国立鉄道博物館に展示される4890号

GG1 はすでに全機が引退し、16両が保存されている。GG1の4890号機は、ウイスコンシン州グリーンベイにあるアメリカ国立鉄道博物館に展示されている。

GG1の置き換え用としては「トースター」とあだ名のあるAEM-7形機関車が投入された。

その他[編集]

4846号機が半分に切断され、片方の部分のみがウィルミントン工場の入れ替え用、もしくは除雪用として使用された[1]

脚注[編集]

外部リンク[編集]