セイブシシバナヘビ

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セイブシシバナヘビ
Western Hognose Image 001.jpg
セイブシシバナヘビ Heterodon nasicus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: マイマイヘビ科 Dipsadidae
: シシバナヘビ属 Heterodon
: セイブシシバナヘビ
H. platirhinos
学名
Heterodon nasicus
Baird & Girard, 1852
和名
セイブシシバナヘビ
英名
Western hognose snake

セイブシシバナヘビ(西部猪鼻蛇、Heterodon nasicus)は、マイマイヘビ科シシバナヘビ属に分類されるヘビ

分布[編集]

  • H. n. kennerlyi メキシコシシバナヘビ

アメリカ合衆国アリゾナ州南東部、テキサス州南部、ニューメキシコ州南西部)、メキシコ北部

  • H. n. gloydi ダスティーシシバナヘビ

アメリカ合衆国(テキサス州東部)

  • H. n. nasicus プレーンズシシバナヘビ

模式標本(ネオタイプ)の産地(模式産地)はテキサス州。

アメリカ合衆国(アイオワ州の一部、イリノイ州の一部、ウィスコンシン州西部、オクラホマ州カンザス州コロラド州サウスダコタ州、テキサス州西部、ニューメキシコ州東部、ネブラスカ州ノースダコタ州ミズーリ州の一部、ミネソタ州の一部、モンタナ州東部、ワイオミング州東部)、カナダアルバータ州南東部、サスカチュワン州南部、マニトバ州南部)

形態[編集]

全長は38-60cm。最大全長154cm。オスよりもメスの方が大型になり、オスは最大でも全長66cm。体形は太い。胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数(体列鱗数)は23。総排出口までの腹面にある幅の広い鱗の数(腹板数)はオス129-147、メス139-156。腹面の総排出口から後部の鱗の数(尾下板数)はオス35-50、メス26-41。体色は淡褐色で、褐色の斑紋が正中線と側面に沿って並ぶ。腹面の鱗(腹板)は黒く、不規則に黄色い斑紋が入る。

吻端板は幅広く左右の眼の間隔と同じくらいあり、シシバナヘビ属内では最も反りあがる。

  • H. n. kennerlyi メキシコシシバナヘビ

吻端板と前額板の間には対にならない小型の鱗が2-6枚入る。

  • H. n. gloydi ダスティーシシバナヘビ

胴体背面の斑紋の数がオス32未満、メス37未満。

  • H. n. nasicus プレーンズシシバナヘビ

胴体背面の斑紋の数が35以上。吻端板と前額板の間には対にならない小型の鱗が9-28枚入る。

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唾液に獲物を痺れさせる毒がある。

分類[編集]

亜種ダスティーシシバナヘビを基亜種のシノニムとする説もある。逆に3亜種全てを独立種とする説もある。

  • Heterodon nasicus kennerlyi Kennicott, 1860 メキシコシシバナヘビ
  • Heterodon nasicus gloydi Edgren, 1952 ダスティーシシバナヘビ、テキサスシシバナヘビ
  • Heterodon nasicus nasicus Baird & Girard, 1852 プレーンズシシバナヘビ

生態[編集]

基底が砂地の草原や半砂漠地帯に生息する。薄明薄暮時に活動する。

食性は動物食で、小型両生類、小型爬虫類、小型の鳥類、小型哺乳類、動物の死骸等を食べる。属内でも食性が幅広い。

繁殖形態は卵生。3-5月に交尾し、6-8月に1回に4-23個の卵を産む。卵は40-60日程で孵化する。オスは1-2年、メスは2-3年で性成熟する。

人間との関係[編集]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主に基亜種の飼育下繁殖個体が流通する。高価だが、品種も作出されている。しかし品種作出のために別亜種を交配することもあり、単に本種の名前または基亜種の名前で流通している個体の中には亜種間雑種が含まれているとされる。
ケージは脱走されないような物を用いる。床材としてウッドチップやウッドシェイブ、メンテナンス性を重視するならキッチンペーパー等を用いるがこまめに交換するようにする。
多くの個体は初めからマウスに餌付いていることが多い。しかし稀に流通する野生個体や、飼育者自身が飼育下繁殖を成功させて産まれた幼蛇の場合はカエルしか食べないこともある。初めはカエルしか食べない個体でもカエルにピンクマウスの皮や汁をつけて与え、それを食べるようならピンクマウスにカエルの粘膜や皮をつけて与える等の段階を経てマウスに餌付けることはできる。
唾液には毒があるが、人に対して威嚇等で噛みついてくることはない。しかし給餌中に餌と間違えて噛みつくことがあるため注意が必要。長時間噛まれた際に患部が腫れあがった例があるため、長めのピンセットを用いたり夜間に置き餌をする等してなるべく給餌中の接触は避ける。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、128頁。
  • 鳥羽通久 「ペットとしてのヘビ シシバナヘビ」『クリーパー』第20号、クリーパー社、2003年、60、83-84頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館2004年、123頁。
  • 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、誠文堂新光社2005年、45頁。
  • 八木厚昌 「シシバナヘビの飼育と繁殖」『エクストラ・クリーパー』No.1、誠文堂新光社、2006年、64-73頁。