スウェーデン国立美術館

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スウェーデン国立美術館 - 王宮側から撮影。手前はノール運河。
国立美術館は夜にはライトアップされる[† 1]
国立美術館3階に展示されている[† 2]、フランスの画家フランソワ・ブーシェによる『ヴィーナスの凱旋』[注釈 1]。テッシンがブーシェに制作を依頼し1,600リーブルで買い上げた。この作品をきっかけにテッシンは一時期ブーシェのパトロンとなった[† 3]

スウェーデン国立美術館(こくりつびじゅつかん、Nationalmuseum)は、首都ストックホルムにある。スウェーデン王家が収集した美術品が展示物の基礎をなしており、17世紀のオランダ絵画、18世紀のフランス絵画を中核としつつ、17世紀以降のスウェーデンの美術品、15世紀から現代までのヨーロッパの美術品を数多く展示している[† 1]

概要[編集]

16世紀の国王グスタフ1世が収集したルーカス・クラナッハらの作品が国立美術館の収集品の基礎となった[† 4]。17世紀にはスウェーデンはドイツデンマークに侵攻し、美術品を戦利品として持ち帰った。また、16世紀の女王クリスティーナや、17世紀の王アドルフ・フレドリクと王妃ロヴィーザ・ウルリカといったスウェーデン王家の人々が美術品を収集し[† 5]、さらに18世紀には駐仏スウェーデン大使で伯爵カール・グスタフ・テッシン英語版パリで絵画を積極的に入手しており、王家がそれらの一部を購入した。テッシンの死後、彼の収集品を国王グスタフ3世が購入した。国王自身もフィレンツェでイタリア美術を学ぶなど芸術への関心が深く、美術品を人々の共有財産としたいと考えていた。国王が亡くなってから2年後、王室の美術品が一般公開された[† 4]。このようして美術館は1794年Konglig Museum(王立美術館)として設立された[† 5]が、現在地の建物は1866年に開館した。Nationalmuseumの名が与えられたのは、この時であった。

美術館は、中世から1900年までのおよそ50万点のデッサンのほか、レンブラントやオランダの17世紀の作品の卓越したコレクション、そして磁器絵画彫刻、さらに現代美術のコレクションを保有する。また、美術館には、研究者だけでなく一般にも公開された美術図書館が付属する。

現在の建物は1844年から1866年にかけて造られたが、北イタリアのルネッサンス建築から影響を受けている。この建物は、ドイツの建築家で、ベルリン新博物館を設計したフリードリッヒ・アウグスト・シュテューラー英語版によって設計された。中央入口を除いて比較的閉じた外観は、最上階の展示室まで導く大きな一続きの階段によって特色づけられる、広々とした内部空間が存在する気配を示さない。美術館は美術館ワークショップに対応するために、1961年に拡張された。現在あるレストランは1996年に開業した[† 6]。なおスウェーデン王家による美術館への援助は現在も続いている[† 5]

主な展示品[編集]

脚注[編集]

正面入り口のホールの壁には、スウェーデンの画家カール・ラーションによって6枚のフレスコ画が描かれている[† 1]。その『スウェーデン美術の歴史』の1枚、彫刻家ユーハン・トービアス・セルゲル英語版と彼のアトリエ[† 7]
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注釈[編集]

  1. ^ 「ストックホルム国立美術館」4-5頁で確認した日本語題。
  2. ^ 『ストックホルム国立美術館』12頁での日本語題は『スペイン、時、歴史』。
  3. ^ 『ストックホルム国立美術館』10頁では『ブルターニュ風景』。
  4. ^ 『ストックホルム国立美術館』15頁では『支払い』。
  5. ^ 『ストックホルム国立美術館』14頁では『使徒ペテロとパウロ』。
  6. ^ 『ストックホルム国立美術館』17頁では『クラウディウス・キウィリスの謀議』。
  7. ^ 『ストックホルム国立美術館』16頁では『台所の女中』。
  8. ^ 『ストックホルム国立美術館』18頁では『愛のレッスン』。
  9. ^ 『ストックホルム国立美術館』21頁では『ヴェールの貴婦人』。
  10. ^ 『ストックホルム国立美術館』8-9頁では『ラ・グルヌイエール』。
  11. ^ 『ストックホルム国立美術館』18頁では『美しきアイルランド娘ジョー』。
  12. ^ 『ストックホルム国立美術館』10頁では『石膏のアモール像』。
  13. ^ 『スウェーデンの国民画家 カール・ラーション展』(東京都庭園美術館他編、読売新聞社・美術館連絡協議会、1994年)24頁では『外光派画家』。

出典[編集]

  1. ^ a b c 「ストックホルム国立美術館 15-20世紀の名画を楽しむ」『週刊世界の美術館No.74 ストックホルム国立美術館』講談社、2001年7月31日、22頁。
  2. ^ 「ストックホルム国立美術館 15-20世紀の名画を楽しむ」『ストックホルム国立美術館』23頁。
  3. ^ 「珠玉の一枚を読む 『ヴィーナスの凱旋』を読み解く」『ストックホルム国立美術館』6頁。
  4. ^ a b 「美術館物語 王家700年の歴史が育んだヨーロッパ絵画の粋」『ストックホルム国立美術館』20-21頁。
  5. ^ a b c 「ストックホルム国立美術館の美を読み解くキーワード」『ストックホルム国立美術館』34頁。
  6. ^ "Norra innerstaden" p. 67.
  7. ^ 『スウェーデンの国民画家 カール・ラーション展』(東京都庭園美術館他編、読売新聞社・美術館連絡協議会、1994年)137頁。

関連項目[編集]

階段ホールに展示されている、カール・ラーションによる『冬至の生贄』。
『冬至の生贄』とは階段をはさんで向かい合って展示されている、同じくラーションの『グスタヴ・ヴァーサのストックホルム入城』。

参考文献[編集]

英語版[編集]

※翻訳にあたり実際に参照していない。

  • Johan Mårtelius (1999). “Norra innerstaden”. Guide till Stockholms arkitektur (2nd ed. ed.). Stockholm: Arkitektur Förlag AB. p. 67. ISBN 91 86050-41-9. 

日本語版[編集]

  • 「ストックホルム国立美術館」『週刊世界の美術館』No.74、千足伸行監修、講談社、2001年7月31日、全国書誌番号 20174601。

外部リンク[編集]