シン (北斗の拳)
シンは、漫画『北斗の拳』に登場する、架空の人物。
テレビアニメ『世紀末救世主伝説 北斗の拳』および86年劇場版の声優は古川登志夫。『真救世主伝説 北斗の拳』では桐本琢也が、ゲーム『北斗無双』では杉田智和が声を担当した。
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[編集] 身体的特徴
身長183cm、体重98kg、バスト130cm、ウエスト92cm、ヒップ105cm、首周り43cm[1]。背中まで達するブロンドのストレートヘアーと碧眼を持つ美男子だが、戦闘シーンでは極悪面に豹変する。
衣装の色は基本的に紫を基調としているが、ケンシロウとの再戦時には白を基調とした衣装となっている(TVアニメ版及び劇場版とも両方)。格闘ゲームでは白を基調としたカラーリングであるが、紫を基調としたカラーリングも存在する。
[編集] 人物
南斗六聖拳の一人で愛に全てを懸ける宿命を背負う「殉星」の男。
故リュウケンからの戒めを破って「北斗」と争い、北斗神拳を伝承した直後のケンシロウを一蹴した実力の持ち主[2]。ケンシロウの胸に刻まれた七つの傷は彼によるものである[3]。
ケンシロウが許婚のユリアと共に旅立とうとする日に、ケンシロウに深手を負わせてユリアを連れ去り、彼女ひとりの愛を得んがために与えうる全てを与えようとした。そのために凶悪非道の暴力組織「KING」を統率して関東一円を支配、自らも「KING」と名乗る。略奪と殺戮の限りを尽くし、ユリアのためだけの街"サザンクロス"を築き上げたが、それでも彼女の心がケンシロウから離れないことを悟ると、復讐心と執念を身に着けたケンシロウとの再戦に敗れた後、自ら居城より身を投じ命を絶った。
シンのユリア強奪は、ジャギの甘い口車に乗せられたためである。それまではケンシロウの良き友人であり、悪人ではなかった。KINGとなった後も、TVアニメ版のサザンクロス編の終盤には、部下に無差別な略奪や女性への乱暴を禁止する、ユリアの脱走に協力した侍女・サキを罰せずに故郷に送り返すだけですませる[4]といった様子も描かれた。ケンシロウも彼の死後に至って、「友であったシンを唆し悪事を犯させて苦しめた」張本人であるジャギに対しては激しい怒りを見せている。ユリアには嫌われていたが、シンは「殉星」の宿命から純粋にユリアへの愛のためだけに生きた。
権力の頂点に立ったシンであったが、拳王ことラオウの手がKINGの本拠地・サザンクロスにも及ぶと知ると、まともに闘っても勝ち目がないと判断し、ユリアを守るため南斗五車星の戦士達に彼女を託して、ラオウが追わないように敢えてユリア殺しの悪名を被ってケンシロウとの再戦に臨んだ。ユリアの生存に関して何ら語ることなく、あえてケンシロウにも「ユリアは身を投げて死んだ」という虚偽[5]を告げて散っていったが、ケンシロウにとっては最初の強敵(とも)でもあり、「同じ女を愛した男」でもある。最後にケンシロウは彼の遺体を自らの手で埋葬したが、悪人である彼にそこまでの施しをしたことをバットに問われ、「同じ女を愛した男だから」と答えた。
[編集] 拳法・技に関して
シンの使う拳法には、1983年の原作連載初期からTVアニメ版までも、作中において流派名は一切付けられておらず、ただ「南斗聖拳」あるいは「南斗聖拳(の使い手)シン」とだけ表記・呼称されていた。しかし、南斗六聖の登場で連載途中に「愛に殉じる宿命を背負う南斗六聖拳“殉星”の男」であることが、継承した流派名「南斗孤鷲拳」は、連載から3年後の1986年9月に刊行(原作では天帝編を連載中)された、特別編集の解説書『北斗の拳 SPECIAL』で新たに設定された。
以後、関連書籍、新劇場版や新OVAでも、「南斗孤鷲拳」の伝承者の位置づけが踏襲されているが、シンが自身の拳を「南斗孤鷲拳」と名乗ったのは、2005年の格闘ゲーム版が最初である。
主にシンは、「南斗獄屠拳」(アニメ・旧劇場版では南斗獄殺拳)、「南斗千首龍撃」など、切断より貫通をメインにしている突き刺し型の奥義を使う。「外部から突き入れ破壊する」という南斗聖拳の定義が合致する正統派の拳法であり、「孤鷲拳」だけでなく南斗一〇八派の複数の流派も習得しており、そのバリエーションから「南斗聖拳のシン」と呼ばれている(『北斗の拳 SPECIAL』コラムおよび『北斗無双』公式サイト)。アニメ版では、飛び蹴り系の技である「南斗飛燕斬」や、拳の連続打撃で敵を砕く「南斗飛竜拳」も披露している。
『北斗無双』ではそのスタイル故のリーチの短さを補うため、突きを飛ばす技や、闘気で形成した剣で攻撃する技なども使用する。
なお、原作ではシンには南斗聖拳の配下の者がいないが、アニメのKING軍には「南斗」を名乗る部下が多数登場する。しかしその多くは、自己の闘術、自分の使用する武器・武装・兵器などに「南斗」の名を冠しているだけである。火炎を吐く闘術、死者が蘇る呪術、ダイナマイト、鞭、双頭の旋回斧での攻撃、果ては刀剣を持った兵士を大砲で打ち出すものや列車砲の砲術指揮官などが「南斗」と名乗っているが、これらは拳法の類とは言いがたく、拳法家と呼べるのは、三身一体攻撃の体術に「南斗」を冠した「翔天拳」の副官・ジョーカーぐらいである[6]。
[編集] 劇場版・OVAでの活躍
- 劇場版『世紀末救世主伝説 北斗の拳』
- 原作同様ケンシロウを自身の南斗聖拳で倒して彼の許婚のユリアを連れ去り、"サザンクロス"の街を拠点にユリアと暮らしていた。しかし、拳王軍の侵攻を受け、ラオウにユリアを奪われる。シンは、ユリアを取り戻すため、黒王号から降りたラオウに挑むも、胸の秘孔を突かれて敗北する。そのままケンシロウがやって来るのを待つが、既にまともに戦う力は残されておらず、ケンシロウにラオウを追うように伝え事切れる。遺体にはユリアの花嫁衣裳がケンシロウの手で掛けられ、ケンシロウはラオウがいる街"カサンドラ"に向かう。
- 『真救世主伝説 北斗の拳 』
- OVA『ユリア伝』に登場するが、ケンシロウがシンにリベンジする場面は割愛されている。原作同様ジャギにそそのかされ、ケンシロウと旅立とうとするユリアを奪うために、伝承した南斗孤鷲拳でケンシロウを半死半生にする。シンは暴力と略奪を繰り返し、ユリアのためだけの街"サザンクロス"を築き上げ、ユリアの歓心を買おうとするが、民衆が自分のために苦しむのを見かねたユリアは、居城から身を投げる。ユリアは南斗正統血統である彼女を守護する南斗五車星に救われ、シンは愛するユリアを五車星に託し、ユリア殺しの悪名を被る。その直後、シンの軍閥は拳王軍の攻められ壊滅、シンはラオウの軍門に下ったが、ラオウはユリアを自殺させたシンを不問に付し、シンとケンシロウとのことは当人たちで決着をつけさせることした。
[編集] モデル
原哲夫が『北斗の拳』以前に連載していた『鉄のドンキホーテ』に登場する五十嵐俊一だとする説が有力(宝島社『北斗の拳 完全読本』)。主人公のライバルでシンと似ている部分も多い。
[編集] その他
- 元々シンは『北斗の拳』が短期で連載終了となった時のために、物語を締めくくるべく用意されたキャラクターであった。そのため「ケンシロウのライバル兼親友」、「北斗神拳と対を成す南斗聖拳の伝承者」、「ケンシロウに七つの傷を刻みユリアを連れ去った張本人」、「関東一円を支配する組織のボス」など、物語の掉尾を飾る大敵として使える様な重要な設定が幾つもなされていた。
しかし『北斗の拳』が人気作となり連載が続いたため、シン以上の強敵かつ重要な設定を持ったラオウやカイオウが後に登場することになり、ジャギ・南斗五車星・ラオウなどその後のキャラクターとシンを絡める物語が数多く描かれることになった。 - シンがケンシロウとの決戦時に用意したユリアの人形はケンシロウが触れるまでユリア本人と見分けを付けられなかったほどに精巧な出来の上、胸に拳を突き入れると目と口が見開いて倒れながら目が閉じるという、手の込んだギミックまで内蔵されている。そのリアルさゆえにケンシロウも最初は人形だと気付かなかった。
また、この人形をケンシロウと共に目にしたバットは後に、ユリアと瓜二つの外見を有するマミヤと初対面時に、ユリア本人と会ったことが一度もないのに「どこかで見たような…」と首を傾げていた。 - 原作およびアニメ版では、ケンシロウに秘孔を突かれ敗北し「俺はお前の拳法(北斗神拳)では死なん!!」と吐き捨て、自らサザンクロスの居城から飛び降り自害する。しかし、劇場版『世紀末救世主伝説 北斗の拳』では、ラオウと戦って同様に北斗神拳で敗れると、後からやってきたケンシロウに「お前の拳で殺されたかった、同じ女を愛した男だから」と正反対の台詞を話す。
- 2008年に公開された『真救世主伝説 北斗の拳ZERO ケンシロウ伝』では「南斗孤鷲拳」の師匠フウゲンと、シンと伝承者の座を争った門弟ジュガイが登場している。ジュガイは家族を殺され暴君と化したため、シンが伝承者となったが、シンは「南斗孤鷲拳」伝承後、フウゲンの足の筋を断ち、再起不能に追い遣った。結局そのシンも自らの欲望に走り、フウゲンは弟子の人選を誤った苦悩をケンシロウに明かしている。
- シンが最後までユリアの生存について口を割らなかったことで、ラオウにも「ユリアは死んだ」と思い込ませ、これによりラオウが南斗最後の将たるユリアの居城を襲撃するまでの時間稼ぎが出来たのであるから、結果的にはシンも「ユリアを守る」ことに貢献したといえる。
[編集] 挿話
- 初期のコンシューマー機版テレビゲームでは、ケンシロウ対シン戦でケンシロウがフィニッシュに使用する奥義は原作と異なる。セガ・マークIII版では北斗百裂拳、ファミリーコンピュータ版では北斗千手壊拳であった。
- 格闘ゲームでは、ジャギとの対戦前に原作でジャギがシンを唆すやり取りがあるが、原作とは逆に「俺の心が動くと思っているのか!!」と一喝してジャギを拒絶する。
- 実写映画版でシン役を演じたコスタス・マンディロアは後に制作された映画『ダブル・テイク』で「レイ」という人物を演じている。レイの日本語版の吹き替えはOVA「北斗の拳 呪縛の街」でトビ役を演じた高瀬右光が務めている。
[編集] 註
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