カンタベリー大学 (ニュージーランド)

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カンタベリー大学
University of Canterbury (UC)
UC CentralLibrary01 gobeirne.jpg
校訓 ラテン語: Ergo tua rura manebunt
(therefore may your fields remain unto you)
創立 1873年
学校種別 国立
総長 John Wood
副総長 Roderick Carr
学生 12,963人(2012年8月31日現在)
学部生 10,885人(2012年8月31日現在)
大学院生 2,078人(2012年8月31日現在)
博士課程 886人(2013年5月現在)
所在地
ウェブサイト 公式サイト
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カンタベリー大学(—だいがく、英語: University of Canterburyマオリ語: Te Whare Wānanga o Waitaha、略称:UC)は、ニュージーランド南島クライストチャーチ市に所在する大学

歴史[編集]

1873年にニュージーランド大学カンタベリー・カレッジとして創立。ニュージーランド大学のカレッジとしては1校目、高等教育機関としてはオタゴ大学に続き2校目の大学となる(詳細については「ニュージーランド大学」の項目を参照)。オックスブリッジカレッジ制をモデルに創立されたが、創立当初より女学生の入学を認めた点がオックスブリッジとの大きな違いである。

1961年の連邦大学制の廃止に伴い独立した大学機関として運営を行える自治権を取得。1961年から1990年まで構成大学としてカンタベリー農業カレッジ(現在のリンカーン大学)を併設した。

創立から1974年まで、クライストチャーチ中心部の校舎で講義と演習を行ったが、旧校舎保全目的のため1974年にアイラム地区へ移転。1974年まで使われた旧校舎はクライストチャーチ・アートセンターへ改称された(詳細については「クライストチャーチ・アートセンター」の項目を参照)。

ニュージーランドの高等教育機関で唯一、森林学を専門に学べるニュージーランド森林学術院(New Zealand School of Forestry)が設置され、ニュージーランドの主力輸出品の一つである樹木の専門家を養成している。

創立130年を超える法科学術院(法学部)は国内外より高い評価を得ている名門校である。国際南極大学(IAI)協力校として大学院修士・博士課程に「南極学プログラム」を設置している。

2007年1月にクライストチャーチ教育大学(英称;Christchurch College of Education(CCE)、1877年開校)を統合し教育学術院(教育学部)として再編した。

大学構成[編集]

大学運営および大学自治は学長、各学術院と法科学院、教職員、学生協会より選出される学生代表により構成される大学評議会が運営する。大学評議会は大学理念、予算執行、学術編成、環境配備など、大学運営に必要な政策提言、立案、協議、決定事項に参加する。

大学運営の最高責任者は学長(Vice Chancellor)。総長(Chancellor)は終身の名誉職であり大学運営に直接関与することはない。教務と技術担当の副学長(Deputy-Vice Chancellor)、各学術院長(Pro-Vice Chancellor)が理事職となる。各学術院と法科学院の学部長(Dean)は教育上の責任者を務める。

2009年1月に大規模な学部再編成を行った。

2009年2月、ビジネス界出身のロッド・カー博士(ウォートン・スクールPh.D., 元ニュージーランド準備銀行(RBNZ)副総裁)が第7代学長に就任。2012年1月に元外交官のジョン・ウッドが総長に就任した。

校舎[編集]

旧化学部校舎

第二次世界大戦終結後、学生数増加に伴い、1949年6月18日に校舎移転を決定。新校舎をアイラム地区へ建設することが決定する。しかし、新校舎建設計画決定から用地買収、建設計画の概要設定までに時間を要し、1956年-1957年に美術学部と工学部の一部校舎が完成。大部分の校舎は未完成のため1974年まで旧校舎と新校舎に分かれ講義・演習を行う。1974年に新校舎への完全移転を完了したが、旧校舎である「クライストチャーチ・アートセンター」内の一部施設は現在もカンタベリー大学附属施設となっている。

アイラム校舎は約76万平方メートルの敷地に5つの学術院(人文科学商学経済学教育学工学理学)、法科学術院(法学部)、中央図書館のほか、3つの専門図書館、6つの学生寮が所在している。

2007年1月1日付けで教員養成校であるクライストチャーチ教育大学を統合。地図上では本部校舎をアイラムキャンパス、旧クライストチャーチ教育大学校舎をダブデールキャンパスと表記するが使用頻度は低い。

学生数は16,539人(大学院生は1,605人、留学生は1,644人(2008年))が在籍している。学生会館内に劇作家で卒業生のナイオ・マーシュを記念し「ナイオ・マーシュ劇場」(座席数433席)が設置されている。

カンタベリー地震

カンタベリー地震の影響で校舎全域に被害を受け商学部講堂と大学事務塔が修理対象となり、1957年に完成した工学部講堂の取り壊しが決定した。地震の影響で新入生の入学率が25%減少、高額な学費を支払う外国人留学生が30%減少、既存学生が8%減少し、総学生数では前年比13%の減少。大学は財政的危機に直面し2011年10月、教職員を対象に3000名の希望退職者の募集を開始した。

学術組織[編集]

物理学棟
  • College of Arts
    • the School of Humanities
    • the School of Social and Political Sciences
    • the School of Languages, Cultures and Linguistics
    • the Centre for Fine Arts, Music and Theatre and Film Studies
    • the School of Social Work and Human Services
    • the School of Maori and Indigenous Studies
    • the Macmillan Brown Centre for Pacific Studies
  • College of Business and Economics
    • the Department of Accounting and Information Systems (ACIS)
    • the Department of Economics and Finance (ECON)
    • the Department of Management (MGMT)
    • The National Centre for Research on Europe (NCRE)
    • Master of Business Administration (MBA)
  • College of Education
    • School of Educational Studies and Human Development
    • School of Maori, Social and Cultural Studies in Education
    • School of Literacies and Arts in Education
    • School of Sciences and Physical Education
  • College of Engineering
    • the Centre for Bioengineering
    • the Department of Chemical and Process Engineering (CAPE)
    • the Department of Civil and Natural Resoueces Engineering
    • the Department of Computer Science and Software Engineering (CSSE)
    • the Department of Electrical and Computer Engineering (ECE)
    • the Mathematics and Statistics Department
    • the Department of Mechanical Engineering
    • the School of Forestry (New Zealand School of Forestry)
  • College of Science
    • the School of Biological Sciences
    • the Department of Chemistry
    • the Department of Communication Disorders
    • the Department of Geography
    • the Department of Geological Sciences
    • the Department of Physics and Astronomy
    • the Department of Psychology
    • the Gateway Antarctica research centre
  • School of Law

図書館[編集]

中央図書館

ジェームズ・ハイト棟3階から12階を使用(出入口は2階)。全学術院関連学術書・論文・電子ジャーナル等の所蔵と管理を担当。演習室・コンピューター室、1階部分にカフェテリアと学生ロッカーが設置されている。

工学図書館(EPS)

工学・理学・森林学関連学術書を所蔵。工学棟内に設置されている。

教育図書館

教育学・マオリ学関連学術書を所蔵。ダブデールキャンパス内ヘンリー・フィールド棟に設置されている。

マクミラン・ブラウン図書館

文学・美学・芸術学・太平洋諸島関連学術書の所蔵と、貴重資料の管理を担当。正式名称は「ジョン・マクミラン・ブラウン図書館」。女性学の発展に貢献したブラウン教授の名を取り命名された。

学生寮[編集]

各学生寮はカンタベリー大学に所属しているが寮運営は独立している(一部の寮では外部委託)。入寮基準や寮費は各寮・各棟ごとに異なる。

寮名 開寮年 部屋数 備考
ビショップ・ジュリアス・ホール(Bishop Julius Hall) 1917 107 第2代クライストチャーチ主教を務めたチャーチル・ジュリアスの提案により1917年8月23日創設された学生寮。当初は教会施設としての運営を予定していたが実現せず、女子寮「ビショップズ・ホステル」として開寮。開寮当初から1993年まで女子寮として運営されたが1993年から男子学生の受け入れを始め現在は男女共同寮。
カレッジ・ハウス
(College House)
1850 152 1850年クライスト・カレッジの施設として創立。学生寮としてはニュージーランド最古の歴史を持つ。1957年にクライスト・カレッジから独立。1966年にカンタベリー大学の学生寮としてアイラム地区へ移転。創立当初から1990年まで男子寮であったが1990年から女学生の受け入れを認め現在は男女共同寮。オックスブリッジカレッジ制を採用し、夕食時にガウンを着用し、元寮生やゲストを招いた食事会を定期開催するなど、古き伝統を色濃く残す学生寮である。オタゴ大学セルウィン・カレッジとの間で定期交流会を開催している。寮独自の同窓会組織、奨学金制度を持ち、寮生同士の結束力が非常に強い。同窓会組織はクライストチャーチ本部の他、オークランドウェリントンメルボルンロンドンに支部を持つ。2010年9月にはカレッジ・ハウス創立160周年式典をロンドン支部同窓会としてウェストミンスター寺院で挙行した。入寮水準が非常に高い名門寮。
ロチェスター・アンド・ラザフォード・ホール(Rochester and Rutherford Hall) 1984 178 ロチェスター・ホール(開寮:1956年)とラザフォード・ホール(開寮:1971年)が1984年に統合した寮。運営母体はエキュメニカル協会。寮内に教会施設を所有し「ニュージーランド・カトリック教会」と「ニュージーランド長老派教会」からそれぞれ専任牧師が派遣されている。寮名はケント州ロチェスター主教を務めた聖人ジョン・フィッシャー科学者アーネスト・ラザフォードから命名された。
ソノダ・クライストチャーチ・キャンパス(Sonoda Christchurch Campus) 1993 90+ 宿舎と夕食のみを提供する学生寮。旧クライストチャーチ教育大学キャンパス(ダブデールキャンパス)に所在する。
ユニヴァーシティー・ホール(University Hall) 1997 557 1974年建設の学生寮(3棟)と、第10回コモンウェルスゲームズ・クライストチャーチ大会選手村宿舎として使用された別館により構成される学生寮。1997年に新設された学生寮(5棟)と合わせ557人が入居可能。食事提供を行う寮としてはカンタベリー大学最大規模の学生寮である 
アイラム・アパートメンツ
(Ilan Apartments)
1970's,2000,2007 174 入居形態の異なる3棟の総称。2部屋~6部屋で台所、手洗い、風呂場、洗濯場、居間を共同使用。845人が入居可能。自炊寮のため大学院生も入居可。2012年からは寮独自に食事提供を行う(食事提供は入居者の任意選択)。
閉寮名 開寮年 - 閉寮年 部屋数 備考
ヘレン・コノン・ホール(Helen Connon Hall) 1918 - 1974  ? 1918年に女子寮として開寮。1930年に改築しその後男女共同寮となるが大学移転に伴い1974年に閉寮。寮名はカンタベリー大学に入学が認められた初の女学生ヘレン・コノンから命名された。

著名な卒業生[編集]

政治[編集]

行政[編集]

法曹[編集]


学術[編集]


芸術[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]