アンドレス・デ・ウルダネータ

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Andrés de Urdaneta

アンドレス・デ・ウルダネータギプスコア県オルディジア, 1498年 - 1568年6月3日, メキシコシティ)は、バスク人聖アウグスチノ修道会修道士、船乗り、探検家。フィリピンから太平洋を渡りメキシコヌエバ・エスパーニャアカプルコに至る航路開拓で知られる。この航路は「ウルダネータの航路」と呼ばれた。

前半生[編集]

ウルダネータはスペインギプスコア県バスク国)オルディジアで生まれた。

ラテン語哲学を学んだが、孤児となり、軍隊に入る。イタリア戦争中、大尉に昇進した。スペインに戻ってからは数学、天文学を学んだが、それをきっかけに、海に生きることへのあこがれを抱くようになった。1525年、彼はガルシア・ホフレ・デ・ロアイサの下で、香料諸島(モルッカ諸島)への苦難に満ちた遠征に参加することになる。

ウルダネータはロアイサの遠征における数少ない生存者の一人となった。ポルトガル人に捕らえられたが、1528年にはどうにかヨーロッパに帰り着くことができた。彼は史上2番目の世界周航達成者となった。[1]スペイン王カルロス1世はウルダネータを歓迎せず、またウルダネータ自身も冒険に疲れ切っていたため、彼はヌエバ・エスパーニャに渡り聖アウグスチノ修道会に加入した。

再び海へ[編集]

1564年、ヌエバ・エスパーニャ副王ルイス・デ・ベラスコの死去にともない、ヌエバ・エスパーニャの統治はアウディエンシア管轄下に入った。フィリピン諸島の征服と植民地化のための遠征準備が最初の課題となった。これは1559年フェリペ2世が下した命令で、指揮官に指名されたウルダネータは恐れていたし、副王は死ぬまでこの件を検討中としていた。ウルダネータは有能な航海士で、とりわけインド方面に強いと考えられていた。フェリペ2世はウルダネータに遠征参加を要求し、彼を指揮官とすることを提案した。ウルダネータは遠征参加に同意した。指揮権と前金は認められず、ミゲル・ロペス・デ・レガスピが指揮官とされた。レガスピ座乗のサン・パブロ号を旗艦とし、ウルダネータ座乗のサン・ペドロ号、小型船のサン・フアン号とサン・ルーカス号が続くこの遠征艦隊は、1564年11月21日に出発した。

島(フィリピン)でしばらく過ごしたレガスピは、島に残ることにした。そしてレガスピは、ヌエバ・エスパーニャに帰るための航路開拓と、フィリピン植民地への増派を求めるために、ウルダネータを帰らせることにした。ウルダネータはセブ島サン・ミゲル1565年7月1日に出航した。遙か北緯36度まで進まないと、良い風は得られなかった。航海中のトラブルから、ウルダネータ自身が指揮をとることになった。サン・ペドロ号は130日間で12,000マイル(20,000km)航海し、1565年10月8日アカプルコに入港した。この航海で乗組員14名が死んだ。錨を降ろす力が残っていたのは、レガスピの甥フェリペ・デ・サルセードとウルダネータだけだった。

到着後、ウルダネータは遠征艦隊の一員でフィリピンに向かう途中はぐれたアロンソ・デ・アレジャノを見つけた(アレジャノはサン・ルーカス号に乗っていた)。アレジャノは艦隊とはぐれてから、8月にハリスコ州バーラ・デ・ナビダードまで戻ってきていた。アレジャノの記録はウルダネータのものよりまったく不正確かつ専門的でなかったため、ウルダネータの航路が有名になり、信用に足るものとされた。

ウルダネータは遠征報告のためヨーロッパに行き、報告後ヌエバ・エスパーニャに戻った。再びフィリピンに向かうことを望んだが、友人たちが思いとどまらせた。彼は自身の船旅に関する手記を二つ書いた。その片方、ロアイサの遠征の話は出版された。もう片方の、帰還の話を書いたものは、原稿がインディアス古文書館に収蔵されている。

以後17世紀まで、マニラ・ガレオンと呼ばれるスペイン船が、「ウルダネータの航路」を用いた。スペインは19世紀まで、太平洋の大半における名目上の宗主権を持っていたが、種々の理由で、北米の太平洋岸や太平洋の島々を探検しなかった。

1568年、メキシコシティで世を去った。

参考文献[編集]

  1. ^ Kurlansky, Mark. 1999. The Basque History of the World. Walker & Company, New York. ISBN 0-8027-1349-1, p. 64
  • McDougall, Walter (1993). Let the Sea Make a Noise: Four Hundred Years of Cataclysm, Conquest, War and Folly in the North Pacific. New York: Avon Books.