アトピービジネス

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アトピービジネスとは、アトピー性皮膚炎患者をターゲットにする悪徳商法を指す言葉。金沢大学医学部皮膚科教授竹原和彦による造語。

目次

[編集] 概要

アトピー性皮膚炎に関係する民間療法代替医療業者は様々であるが、医師が処方する医薬品(代表的なものはステロイド)に対して極端に恐怖心を煽り、科学的根拠のない健康食品や特殊療法を売りつける業者が存在する。特に悪質な業者には、違法性が明らかとなり行政処分が行われたこともある。

[編集] 背景

アトピー性皮膚炎をターゲットにした悪徳商法が流行りやすい理由として、以下の要因が挙げられる。

  • 患者数が多い。
    • ビジネスの市場として多くの顧客が望める。
  • QOLに及ぼす影響が重大(特に重症例)である反面、適切な治療を行わなくても多くの場合は生命に影響を及ぼさない。
    • 患者の治癒したいと思う気持ちが大きいため勧誘しやすい。また、治療が不適切でも死亡などにより事件に発展することは少なく、患者を通常の医療から引き離すのが容易である。
  • 因果関係の証明が困難な自然治癒傾向を持つ。
    • 治癒した症例を、治療の成果として大々的に宣伝することにより、どのような治療法も優れた効果があるかのように宣伝できる。(本来、客観的に効果があるかどうかは二重盲検を行わないと判定できない)
  • 根治できない病気
    • アトピーは病気という見方もできる一方、体質(遺伝子)レベルから及ぶものでもあるため、現段階医療ではその炎症をコントロールする事ができても、根治する事は不可能である。その現状を利用しいかにも「根治できる」という事実無根な文句をうたう事で、患者のつらい心理状態に光明をさすかの如く誘う。
  • 著しく美観を損ねる症状
    • アトピーは、他の病気に比して死に及ぶ可能性はほとんど無いにしろ、反面その状態が極端に表面でわかる病気である故、女性を中心とした美に対する多大なコンプレックスを生じる。自覚症状が薄くても、美容的観点で多大な精神的苦痛を及ぼす。業者は「美しい肌」等の文句と共に、その美的要素を利用する事で患者の購買心を乱す。

また、通常のアトピー性皮膚炎の治療の主体が外用剤であり、コンプライアンスが悪くなりがちであることや、重症例ではステロイド外用剤をもってしても十分なコントロールが得られない場合があること、実際にステロイド外用剤による治療が副作用をもたらすこともあり得る(ステロイド皮膚症の項参照)ことも、根拠のない商法がつけこむ要因となっている。

[編集] 被害

金銭面の被害 
アトピービジネス業者が提供する根拠や効果の乏しいサービスに対して、高額な出費を強いられる。
健康面の被害 
医療機関による適切な治療を受ける機会を失ってしまう、無認可医薬品が用いられる。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 竹原 和彦 「アトピービジネス」 文藝春秋、2000年。ISBN 4166601113

[編集] 外部リンク