アイカケラトプス

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アイカケラトプス
生息年代: 83.6–86.3 Ma
ホロタイプの癒合した嘴骨と前上顎骨
地質時代
白亜紀後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
下目 : 角竜下目 Ceratopsia
小目 : コロノサウルス小目 Coronosauria
: バガケラトプス科 Bagaceratopsidae
: アイカケラトプス属
Ajkaceratops
学名
Ajkaceratops
Ősi et al.2010

アイカケラトプス(Ajkaceratops)は2010年に記載された角竜類恐竜の属の1つである。当時はテチス海多島海となっていた現在のヨーロッパに生息していた。タイプ種A. kozmai [1]は東アジアの角竜に最も近縁であり、祖先はアイランドホッピングによって移住してきた可能性がある。属名の発見地であるIharkútの近郊にあるハンガリーの都市アイカに敬意を表し、これと古代ギリシャ語で「角を持った顔」を意味するceratopsを合わせたものである[1]

特徴[編集]

復元図

標本番号MTM V2009.192.1とされているホロタイプは頭部の断片的な骨格で、嘴骨、癒合した前上顎骨、および上顎骨それぞれの断片で構成される。これらの化石は現在、ブダペストにあるハンガリー自然史博物館で保管されている。化石は断片的ながらも、記載論文では全長は1 mほどと推定されている[1]。この標本の他にアイカケラトプスのものと考えられる標本として標本番号がそれぞれMTM V2009.193.1, V2009.194.1, V2009.195.1,および V2009.196.1 とされた4つ前歯骨英語版の標本があり、これらはホロタイプより比較的小さく、おそらく同属の別の個体に由来するものと推測される[1]

分類[編集]

アイカケラトプスの化石はアジアで産出したバガケラトプス科の2属バガケラトプスおよびマグニロストリスに最も良く似ている。これらの類似性はアイカケラトプスがバガケラトプス科に近縁で、ズニケラトプスケラトプス科より原始的であることを示唆する[1]

生息環境[編集]

アイカケラトプスの化石はチェバーニャ層英語版で発見された。この地層はかつて氾濫原であり、様々な粘土、灰色と褐色の砂と交互の層を成すシルトで構成される水路の堆積物で構成される砂岩層であると考えられている。この堆積年代はサントニアンの8600万年前-8400万年前と推定される。アイカケラトプスの生息して環境には他に、鳥脚類ラブドドンノドサウルス科曲竜類、や獣脚類などの恐竜が生息していた。恐竜以外では正鰐類のワニ、アズダルコ科翼竜ボトレミス科英語版カメテユー科のトカゲ、エナンティオルニス類の鳥類が生息していた[2]

参照[編集]

  1. ^ a b c d e Ősi, Attila; Butler, R.J.; Weishampel, David B. (2010-05-27). “A Late Cretaceous ceratopsian dinosaur from Europe with Asian affinities”. Nature 465 (7297): 466–468. doi:10.1038/nature09019. PMID 20505726. 
  2. ^ Ősi, Attila; Butler, R.J.; Weishampel, David B. (2010-05-27). “A Late Cretaceous ceratopsian dinosaur from Europe with Asian affinities (supplementary data)”. Nature 465 (7297): 466–468. doi:10.1038/nature09019. PMID 20505726. http://www.nature.com/nature/journal/v465/n7297/extref/nature09019-s1.pdf 2010年5月29日閲覧。. 

関連項目[編集]