たぬき汁

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たぬき汁(たぬきじる)とは、精進料理の一種でコンニャクを入れた味噌汁[1]。またはタヌキなどの獣肉を入れた汁物。

精進料理[編集]

古くはタヌキの肉を入れた味噌汁であったが、獣肉食が禁止されていた仏僧によって、タヌキの代わりに凍りコンニャクをちぎって胡麻油で炒り、そこに良く擦ったおからを加え味噌汁にすると、味がそっくりになることから、これが精進料理として広まった。
奈良興福寺宝蔵院の僧胤栄が創始した宝蔵院流槍術では、正月稽古始めに「狸汁」を供することが伝統行事となっている[2]

獣肉料理[編集]

非常に古い料理で、使用する肉は現在でいうタヌキアナグマ(ムジナ)の汁物であった。タヌキの肉を使用する際は、獣臭がきついので主に悪食をしないとされる11月から2月に獲れたタヌキを使ったとされている。臭いを消すために、前処理として肉を藁で包んで、1週間ほど土中に埋め、その後2時間ほど流水にさらしていたとされる。別の方法としてニンニクショウガなどを使って臭いを抜くこともあった。たぬき汁にもっぱら味噌が使用されたのも、臭い消しのためと言われている[3]

日本では、昔はアナグマとタヌキを明確に区別していなかったので、アナグマ汁のことも、たぬき汁と呼んでいた。アナグマを使ったものは美味であるといわれる[4]

出典[編集]

  1. ^ 大日本百科事典11巻【たぬき汁】
  2. ^ 一箭順三 「狸汁会(たぬきじるえ)を挙行」 古武道のひろば 『月刊武道』 日本武道館、2015年4月号。
  3. ^ あやしい探検隊焚火発見伝』 椎名誠、林政明 共著
  4. ^ 『同じ穴のムジナ』 柴田哲孝

関連項目[編集]