「北海道・本州間連系設備」の版間の差分
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'''北海道・本州間連系設備'''（ほっかいどう・ほんしゅうかんれんけいせつび）は、[[北海道]]と[[本州]]の間を結ぶ一連の直流電力供給設備で、[[電源開発]]が運用している。'''北本連系'''（きたほんれんけい）と略されており、こちらのほうが一般的な名称となっている。北海道・本州間電力連系設備とも呼ばれる<ref name=ieejjournal1888.100.727>竹之内達也、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1888/100/8/100_8_727/_article/-char/ja/ 北海道•本州間電力連系設備の概要] 電氣學會雜誌 1980年 100巻 8号 p.727-734, {{doi|10.11526/ieejjournal1888.100.727}}</ref>。帰路電流は大地を流さない帰路常時導体方式が採用されている<ref name=ieejjournal1888.100.727 />。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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日本全国には、連系線という[[電力会社]]相互の高電圧の[[送電線]]網が通じており、[[気温]]変動や予期せぬ[[発電所]]の停止などによる電力事情の逼迫を、電力の融通によって補う仕組み（会社間連系）ができ上がっている。 |
日本全国には、連系線という[[電力会社]]相互の高電圧の[[送電線]]網が通じており、[[気温]]変動や予期せぬ[[発電所]]の停止などによる電力事情の逼迫を、電力の融通によって補う仕組み（会社間連系）ができ上がっている。 |
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会社間連系は、発電所の建設が抑えられてコスト削減になる。特に北海道は冬に電力消費が多くなる傾向があるのに対し本州は夏に電力消費が多くなる傾向があり電力消費のピークとなる季節が一致しないため、この設備を利用する意味が生じる。一方、送電距離が長くなることや、交流と直流を変換（後述）する[[サイリスタ]]による電力ロスが発生する<ref> |
会社間連系は、発電所の建設が抑えられてコスト削減になる。特に北海道は冬に電力消費が多くなる傾向があるのに対し本州は夏に電力消費が多くなる傾向があり電力消費のピークとなる季節が一致しないため、この設備を利用する意味が生じる。一方、送電距離が長くなることや、交流と直流を変換（後述）する[[サイリスタ]]による電力ロスが発生するが交流送電よりも効率の良い直流送電が採用されている<ref>[http://www.hepco.co.jp/energy/distribution_eq/select_reason.html 直流連系採用の理由] 北海道電力</ref>。北海道・本州間の連系設備の構想は、戦後、北海道産[[石炭]]の有効活用を図るため、北海道の[[火力発電所]]で発電させた電力を本州へ送電する目的で構想が生まれたが、当時は交直変換技術が未熟であったし、何より石炭を本州へ運んで発電した方が安上がりとなる試算が出て立ち消えとなった。1960年代後半になると交直変換技術の目途が立ち、現代の目的に沿った本州と北海道間の連系構想が1971年に具体化<ref>中野友雄、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1888/97/10/97_10_841/_article/-char/ja 北海道における電力技術の課題] 電氣學會雜誌 1977年 97巻 10号 p.841-848, {{doi|10.11526/ieejjournal1888.97.841}}</ref>。設備は、[[1972年]]に建設が開始され、[[1979年]]12月に運用が開始された。ケーブルを敷設することとなった北海道側海域は、[[コンブ]]や[[ホッケ]]の好漁場であり、漁具により破損しないよう海岸から水深50mの間は、ケーブルを海底下1.5mに埋設する必要が生じたこと。また、函館交直変換所の敷地において[[縄文時代]]晩期の遺跡が発掘されたことなどにより、工事完成には時間を要した<ref>{{Cite book |和書 |author=電源開発株式会社 |year=1984 |title=電源開発30年史 |page=p271,p378 |publisher=電源開発株式会社 }}</ref>。 |
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北海道・本州間の連系設備の構想は、戦後、北海道産[[石炭]]の有効活用を図るため、北海道の[[火力発電所]]で発電させた電力を本州へ送電する目的で構想が生まれたが、当時は交直変換技術が未熟であったし、何より石炭を本州へ運んで発電した方が安上がりとなる試算が出て立ち消えとなった。1960年代後半になると交直変換技術の目途が立ち、現代の目的に沿った本州と北海道間の連系構想が具体化。設備は、[[1972年]]に建設が開始され、[[1979年]]12月に運用が開始された。ケーブルを敷設することとなった北海道側海域は、[[コンブ]]や[[ホッケ]]の好漁場であり、漁具により破損しないよう海岸から水深50mの間は、ケーブルを海底下1.5mに埋設する必要が生じたこと。また、函館交直変換所の敷地において[[縄文時代]]晩期の遺跡が発掘されたことなどにより、工事完成には時間を要した<ref>{{Cite book |和書 |author=電源開発株式会社 |year=1984 |title=電源開発30年史 |page=p271,p378 |publisher=電源開発株式会社 }}</ref>。 |
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== 運用 == |
== 運用 == |
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[[津軽海峡]]をまたぐ区間については、条件が厳しい海底への敷設ということや、効率良く送電することが求められることから、[[直流送電]]を行っている。この直流送電を行うための一連の施設群が「北海道・本州間連系設備」であり、[[1979年]]（昭和54年）から運用が始まった。これにより、北海道のみ連系線から取り残されていたことによる電力供給の不安<ref>道内発電所の運転停止時など。</ref>が緩和されたほか、北海道の余剰電力を道外に供給できるようになったことで、本州側から見た場合は連系線の強化につながることになった。 |
[[津軽海峡]]をまたぐ区間については、条件が厳しい海底への敷設ということや、効率良く送電することが求められることから、[[直流送電]]を行っている。この直流送電を行うための一連の施設群が「北海道・本州間連系設備」であり、[[1979年]]（昭和54年）から運用が始まった。これにより、北海道のみ連系線から取り残されていたことによる電力供給の不安<ref>道内発電所の運転停止時など。</ref>が緩和されたほか、北海道の余剰電力を道外に供給できるようになったことで、本州側から見た場合は連系線の強化につながることになった。 |
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; 第1期連係 |
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:* 150MW , 125kV , 1200A : 1979年12月運転開始<ref name=ieejjournal1888.100.727 /> |
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; 第2期連係 |
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:* 300MW (+150MW), 125kV , 1200A : 1980年6月<ref name=ieejjournal1888.100.727 /> |
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; 第3期連係 |
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:* 600MW (+300MW), 125kV , 1200A：1993年3月<ref>{{PDFlink|[http://www2.iee.or.jp/ver2/honbu/30-foundation/data02/ishi-06/ishi-2021.pdf 北海道・本州間電力連係設備 〜日本初の本格直流設備〜] でんきの礎 -振り返れば未来が見える-}} 雑誌名：【A】基礎・材料・共通部門 電気技術史研究会</ref> |
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; 新ケーブル敷設：2014年12月 |
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== 設備 == |
== 設備 == |
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[[ファイル:HVDC Hokkaido-Honshu FurukawaCableHead.jpg|thumb|240px|古川ケーブルヘッド（北海道函館市）]] |
[[ファイル:HVDC Hokkaido-Honshu FurukawaCableHead.jpg|thumb|240px|古川ケーブルヘッド（北海道函館市）]] |
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; 北本直流幹線<ref name=ieejjournal1888.100.727 /> |
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北海道側の[[亀田郡]][[七飯町]]に函館変換所(AC187kV/DC250kV)、本州側の[[青森県]][[上北郡]][[東北町]]に上北変換所(AC247kv/DC250kV)が設けられており<ref name=ieejjournal1888.100.727 />、それぞれの施設にある(建設当時)世界最大級の[[サイリスタ]]バルブを使用して[[交流]]と[[直流]]の変換が行われている。なお、電力品質を一定にするため、AFC（[[自動周波数制御]]）装置が設けられている。 |
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| ⚫ | |||
| ⚫ | 供給能力は、1979年の運用開始時は15万kWだったが徐々に増強され、現在は60万kW<ref>{{PDFlink|[http://www.escj.or.jp/news/2006/070222_benkyoukai_shiryou.pdf 連系線設備（建設・増強）に関する勉強会とりまとめ報告書 資料編]}} 図-11、電力系統利用協議会、2007年2月 </ref>である。夏季に[[首都圏 (日本)|首都圏]]で発生する電力事情逼迫時には、60万kWフルでの送電が行われる。また、2012年12月10日にケーブルの増設が完了、同日使用を開始した。これにより、ケーブル四条体制となり、一条を損傷しても60万kWを送電できることになった<ref>[http://www.jpower.co.jp/oshirase/2012/12/oshirase121210.html 北海道・本州間電力連系設備 |
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| ⚫ | 供給能力は、1979年の運用開始時は15万kWだったが徐々に増強され、現在は60万kW<ref>{{PDFlink|[http://www.escj.or.jp/news/2006/070222_benkyoukai_shiryou.pdf 連系線設備（建設・増強）に関する勉強会とりまとめ報告書 資料編]}} 図-11、電力系統利用協議会、2007年2月 </ref>である。夏季に[[首都圏 (日本)|首都圏]]で発生する電力事情逼迫時には、60万kWフルでの送電が行われる。また、2012年12月10日にケーブルの増設が完了、同日使用を開始した。これにより、ケーブル四条体制となり、一条を損傷しても60万kWを送電できることになった<ref>[http://www.jpower.co.jp/oshirase/2012/12/oshirase121210.html 北海道・本州間電力連系設備 新設ケーブルの使用開始について] 電源開発 2012年12月10日</ref>。 |
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北海道電力は[[電力系統利用協議会]]と検討した結果、30万kWの増設を妥当とした。増設分の稼動は2019年3月を予定している<ref>[http://www.hepco.co.jp/info/2013/1189138_1521.html 北海道本州間連系設備の増強について] 北海道電力 2013年7月31日</ref>。増設分のロケーションは既設のものとはちがい、北海道側北斗変換所、本州側今別変換所となり、北海道－本州間のケーブルは海底ではなく、[[青函トンネル]]を通す計画である<ref>{{PDFlink|[http://www.hepco.co.jp/info/2013/__icsFiles/afieldfile/2013/07/31/130731_2.pdf 北海道本州間連系設備増強の概要]}} 北海道電力 2013年7月31日</ref><ref>[http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/2012setsuden_winter/179064.html ＜４＞北本連系はどんな設備？ 本州と６０万キロワット送受電－北海道新聞] 北海道新聞 2012年11月9日 閲覧2014年1月16日</ref>。 |
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* 容量 60万kW |
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* 架空送電線：124km |
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** 北海道側：27km |
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** 本州側：97km |
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* 地中送電線：43km : OFケーブル , 直流用XLPE ケーブル（CVケーブル）<ref>村田義直、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejpes/132/7/132_NL7_10/_article/-char/ja/ 用語解説（第21回テーマ：直流CVケーブル）] 電気学会論文誌Ｂ（電力・エネルギー部門誌） 2012年 132巻 7号 p.NL7_10, {{DOI|10.1541/ieejpes.132.NL7_10}}</ref> |
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; 北斗今別直流幹線 (2019年3月運用開始予定) |
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総延長122kmで、北海道側北斗変換所、本州側今別変換所となり、北海道－本州間は[[青函トンネル]]を利用する<ref name=hepco-rein>[http://www.hepco.co.jp/energy/distribution_eq/reinforcement_summary.html 北本連系設備増強工事の概要] 北海道電力</ref> |
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* 容量 30万kW |
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* 架空送電線 |
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** 北海道側：77km（鉄塔205基） |
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** 本州側：21km（鉄塔64基） |
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* 地中送電線：24km |
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== 問題点と課題 == |
== 問題点と課題 == |
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2011年4月7日に、[[東北地方太平洋沖地震]]の余震により送電が停止した。その影響で[[泊発電所]]などの道内の複数の発電所が、周波数上昇を防ぐため出力を下げて運転した<ref>[http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/284457.html 北電から本州への送電停止 泊原発、一時出力低下] 北海道新聞 2011年4月8日</ref>。2011年4月8日夜、最大送電能力60万kwのうち、30万kW分の運転を再開し<ref>『北海道新聞』（2011年4月9日）</ref>、残る30万kW分も4月9日に再開した。それ以降、60万kWを東北電力・東京電力にフル送電していた。 |
2011年4月7日に、[[東北地方太平洋沖地震]]の余震により送電が停止した。その影響で[[泊発電所]]などの道内の複数の発電所が、周波数上昇を防ぐため出力を下げて運転した<ref>[http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/284457.html 北電から本州への送電停止 泊原発、一時出力低下] 北海道新聞 2011年4月8日</ref>。2011年4月8日夜、最大送電能力60万kwのうち、30万kW分の運転を再開し<ref>『北海道新聞』（2011年4月9日）</ref>、残る30万kW分も4月9日に再開した。それ以降、60万kWを東北電力・東京電力にフル送電していた。 |
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2012年1月25日、3本ある海底送電ケーブルのうち1本が損傷、一時的にすべての送電が停止された。まもなく2本の送電は再開され、30万kWの送電能力が復活したが、託送分を除いた20万kW分の電力融通しか出来なくなった。[[船舶]]の[[錨]]が引っかかったのが原因とみられる<ref>[http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120126t75007.htm 北電から融通一時停止 |
2012年1月25日、3本ある海底送電ケーブルのうち1本が損傷、一時的にすべての送電が停止された。まもなく2本の送電は再開され、30万kWの送電能力が復活したが、託送分を除いた20万kW分の電力融通しか出来なくなった。[[船舶]]の[[錨]]が引っかかったのが原因とみられる<ref>[http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120126t75007.htm 北電から融通一時停止 海底ケーブル１本損傷 東北電] 河北新報 2012年1月26日</ref>。同年4月6日に一時的に60万kWの電力融通が復活したものの、同日に道内陸上部において油漏れが発覚して30万kWしか融通できない状態になり<ref>[http://www.hepco.co.jp/info/2012/1188279_1474.html 北本連系設備の工事完了ならびに補修工事開始について ] ほくでん 2012年4月6日</ref>、翌4月7日には、青森県[[下北郡]][[佐井村]]内で発生した送電線トラブルの発生で、全く送電できない状態になったものの<ref name="363710.html">[http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/363710.html Ｊパワー、本州との融通送電復旧 ケーブルや電線トラブル] 北海道新聞 2012年4月9日</ref>、これらの復旧と併せ、同年4月9日にようやく全面復旧した<ref name="363710.html"/>。 |
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== 出典 == |
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2018年9月6日、[[北海道胆振東部地震]]による[[苫東厚真火力発電所]]の緊急停止を発端として北電の全発電所が停止したが、北本連系は全電源喪失を想定しておらず直流から交流への変換に交流電源が必要なため地震直後の受電が出来なかった。 |
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* {{PDFlink|[http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1979/02/1979_02_05.pdf 電源開発株式会社北海道･本州 概要と函館変換所用変換] 日立評論1979年2月号}} |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
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{{Reflist}} |
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== 参考文献 == <!-- {{Cite book}}、{{Cite journal}} -o-> |
== 参考文献 == <!-- {{Cite book}}、{{Cite journal}} -o-> |
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* [http://dbnst.nii.ac.jp/junior/detail/11 発明と発見のデジタル博物館： 北海道－本州を結ぶ直流送電システム] 、卓越研究データベース、電気・電力（電力輸送）カテゴリ |
* [http://dbnst.nii.ac.jp/junior/detail/11 発明と発見のデジタル博物館： 北海道－本州を結ぶ直流送電システム] 、卓越研究データベース、電気・電力（電力輸送）カテゴリ |
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* [http://dbnst.nii.ac.jp/junior/detail/677 発明と発見のデジタル博物館： 北海道・本州間連系250kV直流海底ケーブルの完成] 、卓越研究データベース、電気・電力（電力輸送）カテゴリ |
* [http://dbnst.nii.ac.jp/junior/detail/677 発明と発見のデジタル博物館： 北海道・本州間連系250kV直流海底ケーブルの完成] 、卓越研究データベース、電気・電力（電力輸送）カテゴリ |
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* 佐藤貴之、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/37/2/37_110/_article/-char/ja/ 北海道新幹線（新青森・新函館北斗間）の電気設備について] 電気設備学会誌 2017年 37巻 2号 p.110-113, {{doi|10.14936/ieiej.37.110}} （有償閲覧） |
|||
* [https://web.archive.org/web/20050217172723/http://cef.jp/public/no37/forum37_1.htm 電気の安定供給のために 北本連系線]、『フォーラム』37号、中国地域エネルギーフォーラム、2004年 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[系統連系]] |
* [[系統連系]] |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [http://www.jpower.co.jp/ 電源開発] |
* [http://www.jpower.co.jp/ 電源開発] |
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* {{PDFlink|[http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/denryoku_jukyu/pdf/013_05_00.pdf 北海道・本州間電力連系設備の運転実績と今冬に向けた信頼度向上策について] 電源開発株式会社 平成27年10月20日}} 経済産業省 |
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* [https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1192422_1049.html 北海道・本州間電力連系設備の交直変換所への送電線の引込工事の着工について] 東北電力 |
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* {{PDFlink|[https://www.occto.or.jp/iinkai/chouseiryoku/2017/files/chousei_jukyu_25_03.pdf 北海道本州間連系設備増強後のマージンの設定及び今後の活用方法の検討について] 第２５回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 資料３ ２０１８年３月５日 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会事務局}} |
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{{Tech-stub}} |
{{Tech-stub}} |
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2018年9月13日 (木) 13:54時点における版
| 北海道・本州間連系設備 | |
|---|---|
| 所在地 | |
| 国 |
 日本 |
| 座標 |
北緯41度55分55秒 東経140度39分47秒 / 北緯41.93194度 東経140.66306度 北緯40度48分06秒 東経141度11分52秒 / 北緯40.80167度 東経141.19778度 |
| 起点 | 北海道七飯町 |
| 終点 | 青森県東北町 |
| 運用 | |
| 所有者 | 電源開発 |
| 建設 | |
| 運用開始 | 1979年 |
| 技術 | |
| 種別 |
高架送電線 海底送電線 |
| 送電形態 | HVDC |
| 全長 | 193 km (120 mi) |
| 供給能力 | 600 MW |
| 直流電圧 | 250 kV |
北海道・本州間連系設備（ほっかいどう・ほんしゅうかんれんけいせつび）は、北海道と本州の間を結ぶ一連の直流電力供給設備で、電源開発が運用している。北本連系（きたほんれんけい）と略されており、こちらのほうが一般的な名称となっている。北海道・本州間電力連系設備とも呼ばれる[1]。帰路電流は大地を流さない帰路常時導体方式が採用されている[1]。
概要
日本全国には、連系線という電力会社相互の高電圧の送電線網が通じており、気温変動や予期せぬ発電所の停止などによる電力事情の逼迫を、電力の融通によって補う仕組み（会社間連系）ができ上がっている。
会社間連系は、発電所の建設が抑えられてコスト削減になる。特に北海道は冬に電力消費が多くなる傾向があるのに対し本州は夏に電力消費が多くなる傾向があり電力消費のピークとなる季節が一致しないため、この設備を利用する意味が生じる。一方、送電距離が長くなることや、交流と直流を変換（後述）するサイリスタによる電力ロスが発生するが交流送電よりも効率の良い直流送電が採用されている[2]。北海道・本州間の連系設備の構想は、戦後、北海道産石炭の有効活用を図るため、北海道の火力発電所で発電させた電力を本州へ送電する目的で構想が生まれたが、当時は交直変換技術が未熟であったし、何より石炭を本州へ運んで発電した方が安上がりとなる試算が出て立ち消えとなった。1960年代後半になると交直変換技術の目途が立ち、現代の目的に沿った本州と北海道間の連系構想が1971年に具体化[3]。設備は、1972年に建設が開始され、1979年12月に運用が開始された。ケーブルを敷設することとなった北海道側海域は、コンブやホッケの好漁場であり、漁具により破損しないよう海岸から水深50mの間は、ケーブルを海底下1.5mに埋設する必要が生じたこと。また、函館交直変換所の敷地において縄文時代晩期の遺跡が発掘されたことなどにより、工事完成には時間を要した[4]。
運用
北海道電力では、一次変電所である西当別変電所を起点に、西野変電所・西双葉開閉所を経由し大野変電所へと至る「道央北幹線・道央西幹線・道南幹線」を連系線としており、主に泊発電所（原子力発電所）や知内発電所（火力発電所）で発電された余剰電力を東北電力に供給できる態勢がとられている。なお、北海道電力から供給された電力を東北電力の送電網を通じて東京電力など他社へ供給する場合もあり、これを「振替供給」という[5]。
津軽海峡をまたぐ区間については、条件が厳しい海底への敷設ということや、効率良く送電することが求められることから、直流送電を行っている。この直流送電を行うための一連の施設群が「北海道・本州間連系設備」であり、1979年（昭和54年）から運用が始まった。これにより、北海道のみ連系線から取り残されていたことによる電力供給の不安[6]が緩和されたほか、北海道の余剰電力を道外に供給できるようになったことで、本州側から見た場合は連系線の強化につながることになった。
- 第1期連係
-
- 150MW , 125kV , 1200A : 1979年12月運転開始[1]
- 第2期連係
-
- 300MW (+150MW), 125kV , 1200A : 1980年6月[1]
- 第3期連係
-
- 600MW (+300MW), 125kV , 1200A：1993年3月[7]
- 新ケーブル敷設：2014年12月
設備
- 北本直流幹線[1]
北海道側の亀田郡七飯町に函館変換所(AC187kV/DC250kV)、本州側の青森県上北郡東北町に上北変換所(AC247kv/DC250kV)が設けられており[1]、それぞれの施設にある(建設当時)世界最大級のサイリスタバルブを使用して交流と直流の変換が行われている。なお、電力品質を一定にするため、AFC（自動周波数制御）装置が設けられている。
両変換所から陸上の架空送電線（計124km）を経て津軽海峡を結ぶ海底ケーブルは、送電容量が電圧250kV・電流1200A、敷設長43km、敷設する海底深度（水深）が300mで、世界有数の規模である。
供給能力は、1979年の運用開始時は15万kWだったが徐々に増強され、現在は60万kW[8]である。夏季に首都圏で発生する電力事情逼迫時には、60万kWフルでの送電が行われる。また、2012年12月10日にケーブルの増設が完了、同日使用を開始した。これにより、ケーブル四条体制となり、一条を損傷しても60万kWを送電できることになった[9]。
- 容量 60万kW
- 架空送電線：124km
- 北海道側：27km
- 本州側：97km
- 地中送電線：43km : OFケーブル , 直流用XLPE ケーブル（CVケーブル）[10]
- 北斗今別直流幹線 (2019年3月運用開始予定)
総延長122kmで、北海道側北斗変換所、本州側今別変換所となり、北海道－本州間は青函トンネルを利用する[11]
- 容量 30万kW
- 架空送電線
- 北海道側：77km（鉄塔205基）
- 本州側：21km（鉄塔64基）
- 地中送電線：24km
問題点と課題
電力自由化後、託送可能空き容量が逼迫していることが問題視されており[12]、さらなる設備増強が検討されている[13]。
事故
2011年4月7日に、東北地方太平洋沖地震の余震により送電が停止した。その影響で泊発電所などの道内の複数の発電所が、周波数上昇を防ぐため出力を下げて運転した[14]。2011年4月8日夜、最大送電能力60万kwのうち、30万kW分の運転を再開し[15]、残る30万kW分も4月9日に再開した。それ以降、60万kWを東北電力・東京電力にフル送電していた。
2012年1月25日、3本ある海底送電ケーブルのうち1本が損傷、一時的にすべての送電が停止された。まもなく2本の送電は再開され、30万kWの送電能力が復活したが、託送分を除いた20万kW分の電力融通しか出来なくなった。船舶の錨が引っかかったのが原因とみられる[16]。同年4月6日に一時的に60万kWの電力融通が復活したものの、同日に道内陸上部において油漏れが発覚して30万kWしか融通できない状態になり[17]、翌4月7日には、青森県下北郡佐井村内で発生した送電線トラブルの発生で、全く送電できない状態になったものの[18]、これらの復旧と併せ、同年4月9日にようやく全面復旧した[18]。
出典
- 電源開発株式会社北海道･本州 概要と函館変換所用変換 日立評論1979年2月号 (PDF)
脚注
- ^ a b c d e f 竹之内達也、北海道•本州間電力連系設備の概要 電氣學會雜誌 1980年 100巻 8号 p.727-734, doi:10.11526/ieejjournal1888.100.727
- ^ 直流連系採用の理由 北海道電力
- ^ 中野友雄、北海道における電力技術の課題 電氣學會雜誌 1977年 97巻 10号 p.841-848, doi:10.11526/ieejjournal1888.97.841
- ^ 電源開発株式会社『電源開発30年史』電源開発株式会社、1984年、p271,p378頁。
- ^ 北本連系に関するご質問への回答 (PDF) 東京電力、2003年11月20日
- ^ 道内発電所の運転停止時など。
- ^ 北海道・本州間電力連係設備 〜日本初の本格直流設備〜 でんきの礎 -振り返れば未来が見える- (PDF) 雑誌名：【A】基礎・材料・共通部門 電気技術史研究会
- ^ 連系線設備（建設・増強）に関する勉強会とりまとめ報告書 資料編 (PDF) 図-11、電力系統利用協議会、2007年2月
- ^ 北海道・本州間電力連系設備 新設ケーブルの使用開始について 電源開発 2012年12月10日
- ^ 村田義直、用語解説（第21回テーマ：直流CVケーブル） 電気学会論文誌Ｂ（電力・エネルギー部門誌） 2012年 132巻 7号 p.NL7_10, doi:10.1541/ieejpes.132.NL7_10
- ^ 北本連系設備増強工事の概要 北海道電力
- ^ 現状は北海道→本州のみ10万kwの容量があるが、本州→北海道の空き容量はないため、道内に拠点を持つ事業者が北海道電力以外からの振替供給による電力供給を受けることは不可能である。また、道外の事業者が道内に建設した自社発電所から電力供給を行う際にも制限がある。
- ^ 北海道・本州間連系設備におけるAFC機能の調整幅拡大に関する概略検討結果 (PDF) 電源開発、2004年4月22日
- ^ 北電から本州への送電停止 泊原発、一時出力低下 北海道新聞 2011年4月8日
- ^ 『北海道新聞』（2011年4月9日）
- ^ 北電から融通一時停止 海底ケーブル１本損傷 東北電 河北新報 2012年1月26日
- ^ 北本連系設備の工事完了ならびに補修工事開始について ほくでん 2012年4月6日
- ^ a b Ｊパワー、本州との融通送電復旧 ケーブルや電線トラブル 北海道新聞 2012年4月9日
参考文献
外部リンク
- 電源開発
- 北海道・本州間電力連系設備の運転実績と今冬に向けた信頼度向上策について 電源開発株式会社 平成27年10月20日 (PDF) 経済産業省
- 北海道・本州間電力連系設備の交直変換所への送電線の引込工事の着工について 東北電力
- 北海道本州間連系設備増強後のマージンの設定及び今後の活用方法の検討について 第２５回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 資料３ ２０１８年３月５日 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会事務局 (PDF)
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