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*[[西オグズ諸語]]
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**'''アゼルバイジャン語''': [[アゼルバイジャン語]]の北部方言および南部方言(イラン、アゼルバイジャン、イラク北部[[:en:Iraqi_Turkmens]])
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*[[東オグズ諸語]]('''トルクメン語'''): [[トルクメン語]]、[[ホラサン・トルコ語]]、トルクメン語ウズベキスタン方言
*[[東オグズ諸語]]('''トルクメン語'''): [[トルクメン語]]、[[ホラサン・トルコ語]]、トルクメン語ウズベキスタン方言
*[[南オグズ諸語]]: [[ガシュガーイー語]]、{{仮リンク|アゼルバイジャン語ソンゴル方言|en|Sonqori_dialect}}、{{仮リンク|アイナル語|tr|Aynallu}}、{{仮リンク|アフシャール語|en|Afshar_language}}
*[[南オグズ諸語]]: [[ガシュガーイー語]]、{{仮リンク|アゼルバイジャン語ソンゴル方言|en|Sonqori_dialect}}、{{仮リンク|アイナル語|tr|Aynallu}}、{{仮リンク|アフシャール語|en|Afshar_language}}
分布域の飛び地として、[[サラール語]]があり、中国で7万人によって話される。<br />
分布域の飛び地として、[[サラール語]]があり、中国で7万人によって話される。<br />
[[クリミア・タタール語]]、{{仮リンク|ウルム語|en|Urum_language}}の2言語は、歴史的観点から見れば{{仮リンク|キプチャク語群|en|Kipchak_languages}}に属すと言えるが、オグズ語群からの影響が強い。<br />
[[クリミア・タタール語]]、{{仮リンク|ウルム語|en|Urum_language}}の2言語は、歴史的観点から見れば[[キプチャク語群]]に属すと言えるが、オグズ語群からの影響が強い。<br />
また、既に[[死語]]となっている[[ペチェネグ|ペチェネグ語]]はオグズ語群に属すと見られているが、文字資料が乏しいために、オグズ語群への分類を決定づけることが困難である<ref>Баскаков, Н. А. Тюркские языки, Москва 1960, с. 126-131.</ref>。
また、既に[[死語]]となっている[[ペチェネグ|ペチェネグ語]]はオグズ語群に属すと見られているが、文字資料が乏しいために、オグズ語群への分類を決定づけることが困難である<ref>Баскаков, Н. А. Тюркские языки, Москва 1960, с. 126-131.</ref>。



2015年7月2日 (木) 09:46時点における版

オグズ語群
南西語群
話される国
話者数
言語系統
テュルク諸語
  • オグズ語群
言語コード
ISO 639-3
Glottolog oghu1243  Oghuz + Kipchak + Uzbek[1]
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オグズ語群とは、テュルク諸語における主要な語群で、その分布は西はバルカン半島から東は中国にまで及び、1億5000万人以上の話者人口を持つ。

地域

テュルク諸語の中でも南西に位置し、トルコアゼルバイジャントルクメニスタンイランアーザルバーイジャーン地方、イラク北部(イラクのトルクメン人)、シリア等の地域において、主に、トルコ語トルクメン語アゼルバイジャン語等の言語が話される[2]。8世紀、オグズ族アルタイ山脈方面から中央アジアへの移動を開始し、中央アジア及びホラズムへ分布域を拡げると、中東、バルカン半島にまで勢力を伸ばした。「オグズ」の名称は、時代とともに「トルクメン」、「セルジューク」、「アゼルバイジャン」等へ変化していき、後のオスマン・トルコは、それらの後裔である[3]

主要言語

オグズ語群は、地理的区分、共通の特徴に基づいて、およそ3つのグループに分類される。

分布域の飛び地として、サラール語があり、中国で7万人によって話される。
クリミア・タタール語ウルム語の2言語は、歴史的観点から見ればキプチャク語群に属すと言えるが、オグズ語群からの影響が強い。
また、既に死語となっているペチェネグ語はオグズ語群に属すと見られているが、文字資料が乏しいために、オグズ語群への分類を決定づけることが困難である[4]

言語学的特徴

オグズ語群は、互いにいくつかの特徴を共有することで言語学において同一グループに分類されている。いくつかの特徴は他のテュルク諸語と共有しており、また、その他にオグズ語群固有の特徴を有している。

他のテュルク諸語と共有する特徴

オグズ語群に固有の特徴

  • 前舌母音を伴った破裂音濁音となる(例: gör-kör- 「見る」)
  • [ɯ/u]」の後ろに「[q/ɣ]」が来ない(例: quruquruq 「乾く」、[sarɯ][sarɯɣ] 「黄色」)
  • 分詞「-gan-」は、「-an-」に置き換わる

関連項目

脚注

  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Oghuz + Kipchak + Uzbek”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/oghu1243 
  2. ^ Syed Muzammiluddin, TURKIC LANGUAGES AND LEXICAL SIMILARITIES OF TURKISH AND URDU - An Etymological Approach Online Edition[リンク切れ]
  3. ^ Barbara A. West, Encyclopedia of the Peoples of Asia and Oceania, Infobase Publishing, 19 May 2010, p.839, 831
  4. ^ Баскаков, Н. А. Тюркские языки, Москва 1960, с. 126-131.
  • Johanson, Lars and Csato, Eva Agnes (1998). The Turkic Languages. London: Routledge. ISBN 0-415-08200-5 
  • Menges, Karl H. (1995). The Turkic Languages and Peoples. Wiesbaden: Harrassowitz. ISBN 3-447-03533-1