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興行面においては決して大成功というものではなかった。しかしヒロイン役を演じた沢尻エリカが女優として注目され始めたことや、韓国に対する日本での関心の高まり(劇中で登場するのは[[朝鮮籍]]である)も追い風となり、多くの映画賞を受賞し映画界において評価を受けた。
興行面においては決して大成功というものではなかった。しかしヒロイン役を演じた沢尻エリカが女優として注目され始めたことや、韓国に対する日本での関心の高まり(劇中で登場するのは[[朝鮮籍]]である)も追い風となり、多くの映画賞を受賞し映画界において評価を受けた。


ちなみに、劇中、あたかも朝鮮人が強制的に日本に連れて来られ、働かせられたような台詞が出てくるが、今では在日韓国人による調査などでも否定されていることであり、この映画の原案にもなった松山猛『少年Mのイムジン河』(木楽舎)にも強制連行を示す描写は出て来ない。何故、日本に朝鮮系の人が暮らしているのか、疑問に思った松山少年が母親にどうしてなのか聞く場面なら出てくる(P19)母親の答えは「日朝(日韓)併合時代、多くの朝鮮人たちが仕事を求めて日本に来たものによる」というもの。また、在日本大韓民国青年会の中央本部が、在日 1世世代に対する聞き取り調査の結果をまとめ1988年に刊行した『アボジ聞かせて あの日のことを -- 我々の歴史を取り戻す運動報告書 -- 』にも、渡日理由のアンケート結果として、「徴兵・徴用13.3%」と明記されており、「その他20.2%」、「不明0.2%」を除いたとしても「経済的理由39.6%」「結婚・親族との同居17.3%」「留学9.5%」と65%以上が自らの意思で渡航してきたことがわかる。尚、このアンケートは渡航時 12歳未満だったものは含まれておらず、これを含めるとさらに徴兵・徴用による渡航者の割合は減ることになる。また「官斡旋」による渡航者が「徴兵・徴用」に含まれている可能性が指摘されている。


== スタッフ ==
== スタッフ ==

2007年4月21日 (土) 09:54時点における版

パッチギ!
監督 井筒和幸
脚本 井筒和幸
羽原大介
製作 石原仁美
川島晴男
石川富康
川崎代治
細野義朗
製作総指揮 李鳳宇
出演者 塩谷瞬
沢尻エリカ
高岡蒼佑
小出恵介
波岡一喜
尾上寛之
オダギリジョー
音楽 加藤和彦
撮影 山本英夫
編集 冨田伸子
配給 シネカノン
公開 2005年1月22日
上映時間 119分
製作国 日本
言語 日本語
韓国語
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パッチギ!박치기)は2004年製作、2005年1月22日公開の日本映画。2006年には韓国ソウル明洞CQNでも公開された。監督井筒和幸。タイトルの「パッチギ」は朝鮮語(韓国語)で「突き破る、乗り越える」ならびに「頭突き」の意。

あらすじ

1968年。京都にある東高校2年生松山康介は常日頃から争い事の絶えない朝鮮高校サッカーの練習試合を申し込むことになった。しぶしぶ朝鮮高校を訪れた康介は音楽室で一人フルートを奏でる少女・キョンジャに一目惚れする。しかしあろうことかキョンジャの兄アンソンは同校の番長であった。どうしてもキョンジャと仲良くなりたい松山は朝鮮語を必死で習得すると同時に楽器店でギターを購入。キョンジャが演奏していた『イムジン河』(임진강/림진강)を覚え彼女の前で演奏することを決意するのだが・・・。

概要

京都における日本人の少年と在日朝鮮人の少女との間に芽生える許されないはずの恋を中心とした青春映画という位置づけがなされており、基本はロミオとジュリエットウェスト・サイド物語的なクラシックなストーリーである。ただし青春ドラマでありながら、日本人と朝鮮人にまつわる民族問題が主軸であり、また毛沢東主義に傾倒している教師や学生運動の盛り上がりなど当時の世相も盛り込まれている。他にも性・快楽・暴力とベタな要素をすべて取り入れながらも、重いテーマに笑いの要素をも取り入れたテンポの良い台詞まわしや展開で映画後半まで見る者を飽きさせない作品となっており、それがキネマ旬報をはじめ多くの映画賞を獲得する高い評価につながっている。

ラマにおける日本人と韓国人のカップルは、朝鮮の伝統的な男尊女卑思想のため、ほとんどの場合日本人女と韓国人男(韓国が日本を「征服」する)という組み合わせである。この点パッチギ!は例外的といえる。

興行面においては決して大成功というものではなかった。しかしヒロイン役を演じた沢尻エリカが女優として注目され始めたことや、韓国に対する日本での関心の高まり(劇中で登場するのは朝鮮籍である)も追い風となり、多くの映画賞を受賞し映画界において評価を受けた。


スタッフ

キャスト

受賞

第79回キネマ旬報ベスト・テン
第60回毎日映画コンクール
第48回ブルーリボン賞
  • 作品賞
第48回朝日ベストテン映画祭
  • 日本映画1位
第30回報知映画賞
第29回日本アカデミー賞
第27回ヨコハマ映画祭
第20回高崎映画祭
第18回日刊スポーツ映画大賞
第15回東京スポーツ映画大賞

DVD

メイキング映像や、スタッフおよびキャストのプロフィール、特報・予告編が収録されたスタンダード・エディションの他に、映画化までの道のりや若手俳優たちの成長を描いた『京都井筒学校』、インタビューや各イベントの模様などが収録されたプレミアム・エディションが発売された。共に発売日は2005年7月29日