新京極シネラリーベ

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新京極シネラリーベ
ShinKyogoku Cine la liebe

入口(閉館7か月後の2013年9月)
情報
通称 シネラリーベ(「映画の恋人」の意)
正式名称 新京極シネラリーベ
旧名称 パテー館、京極弥生座ほか
完成 2006年2月25日
開館 1911年
閉館 2013年2月15日
最終公演北のカナリアたち』『のぼうの城
収容人員 180人
設備 ドルビーデジタル5.1ch
用途 映画上映
運営 逢阪興業株式会社
所在地 604-8047
京都府京都市中京区新京極六角下ル中筋町490
京極72ビル内
アクセス 阪急京都線河原町駅(9番出口)および地下鉄東西線京都市役所前駅(5番出口)から徒歩約8分
京阪三条駅(6番出口)から徒歩約15分
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新京極シネラリーベ(しんきょうごくシネラリーベ)は京都府京都市中京区新京極にあった映画館。全席自由席、各回入替制。

旧名称はパテー館(パテーかん)、京極弥生座(きょうごくやよいざ)。逢阪興業株式会社が経営していた。

歴史[編集]

東活倶楽部時代(1931年)
  • 1911年:前身となる映画館「パテー館」開業[1]
  • 1914年:7月14日~16日の3日間の観客動員数が新京極の映画館中1位となる[1]
  • 1923年:マキノ映画製作所に譲渡され「マキノシネマ」となる[2]
  • 1931年10月:東活映画社に譲渡され「東活倶楽部」となるも[2]、わずか1年で東活映画社は解散したため、1933年に「朝日倶楽部」となる[2]
  • 1938年3月:朝日倶楽部を「国際映画劇場」に改称。
  • 1943年:「京極日活」と改称し日活の直営館となる[2]
  • 1954年:京極日活を「京極弥生座」と改称。
  • 1972年:旧弥生座を改築した商業ビル「京極72ビル」がオープン。同ビル3階と地下1階に映画館が入居し2スクリーン体制となる。3階を「京極弥生座」、地下1階は「テアトル72」。
  • 1980年:京極弥生座を「京極弥生座1」、テアトル72を「京極弥生座2」と改称。
  • 2006年2月25日:京極弥生座を「新京極シネラリーベ」に改称。リニューアル後の第1作は織田裕二主演の『県庁の星』(西谷弘監督)[3]
  • 2011年7月:地下1階のシアター2を閉鎖。
  • 2013年2月15日:完全閉館する。
  • 2014年
    • 5月27日:ビル地下1階跡地に古着屋「フラミンゴ」京都店がオープン[4]
    • 6月:ビル3階の跡地にクライミングジム「ADSUMMUM」(アドスムム)がオープン。

概要[編集]

映画館としては明治時代にM・パテー商会がパテー館を新築した頃から現在地にあり、邦画・洋画・ポルノ映画など様々なジャンルの作品を上映。数度の改装を経て「京極弥生座」となり、名物絵看板などで親しまれていた。街中の昔ながらの映画館といった風情が特徴だった。

入居していた京極72ビルの1階はマクドナルド(関西2号店 1972年7月16日開店、現在は閉店)、2階は蝋人形館(現在は閉館)。

2スクリーン体制になってからはフリーの番組編成となり、1990年代後半期は主に東映の邦画や東宝洋画系のやや特徴のある作品を多く上映していたが、シネラリーベになる前後からは同じ新京極通りのシネコンMOVIX京都で東宝邦画系作品の上映がなく、さらに2009年3月31日には東宝公楽も閉館したため、事実上河原町方面における東宝系の封切館となっていた。

過去にケータイ刑事劇場版2作品で黒川芽以夏帆小出早織の舞台挨拶が行われた他、レイトショーなどで単館系作品も意欲的に上映。本広克行監督作『サマータイムマシン・ブルース』、『UDON』では京都の劇団「ヨーロッパ企画」の永野宗典本多力を迎えて特別舞台挨拶が行われた。

新京極映画祭の会場として、また特別上映で『ロッキー・ホラー・ショー』や京都の上映グループと提携して『台風クラブ』や『弥生座ナイトムービー』と称した企画が行われたこともあった。

2011年7月16日に地下劇場を閉館。地下の劇場はチケットカウンターの後ろ手の映写室の壁部分がガラス張りになっており、外から中をうかがうことが出来た。2013年頃には映画業界全体でデジタルシネマ化が進んだが、機材の導入に多額の費用がかかり、対応が困難なことから閉館が決定した[5]。閉館前最終週には『北のカナリアたち』『のぼうの城』が上映された[6]。閉館イベントなどは特に行われず、2013年2月15日の最終日も通常通りに営業終了し、「パテー館」から102年続いた歴史にピリオドを打った[7]。地下劇場の跡地には古着屋「フラミンゴ京都店」が2014年5月27日に、3階劇場跡地にはクライミングジム「ADSUMMUM」(アドスムム)が同年6月にオープンしている。

データ[編集]

  • 所在地:京都市中京区新京極通六角下ル中筋町490 京極72ビル3F、B1F
  • 座席数:180席(3F)、97席(B1F)

交通アクセス[編集]

京都の独立系映画館[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 大正時代新京極映画館”. 京都映像文化デジタル・アーカイブ「マキノ・プロジェクト」. 立命館大学アート・リサーチセンター. 2015年2月3日閲覧。
  2. ^ a b c d 戦前期日本の映画館写真(4)京都編”. NFCデジタル展示室. 東京国立近代美術館フィルムセンター (2014年4月8日). 2015年2月3日閲覧。
  3. ^ 新京極シネラリーベ”. ヤム・ディーエル一級建築士事務所. 2015年2月3日閲覧。
  4. ^ フラミンゴ京都店OPEN!!!”. 京都 古着屋フラミンゴ京都店のブログ. CyberAgent (2014年5月27日). 2017年1月30日閲覧。
  5. ^ 鈴木俊輔 (2013年2月8日). “新京極シネラリーベ、歴史に幕 デジタル化困難 15日に閉館へ 京都”. msn産経ニュース (産業経済新聞社). https://web.archive.org/web/20130208083720/http://sankei.jp.msn.com/region/news/130208/kyt13020802020003-n1.htm 2013年2月25日閲覧。 
  6. ^ 新京極シネラリーベ、2013年2月18日参照。
  7. ^ “ファンら別れ惜しむ 「新京極シネラリーベ」閉館”. 京都新聞 (京都新聞社). (2013年2月15日). http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20130215000152 2013年2月25日閲覧。 

外部リンク[編集]