ノート:裏技/草案20100325
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裏技(うらわざ)とは、取扱説明書(解説書)といった公式文書で発表されていない方法、あるいは技術を指す俗語。主にコンピュータゲームにおいて、実行すると特異な現象を引き起こすテクニックのこと。
概要
[編集]コンピュータゲーム黎明期には、開発時にデバッグ用として使用された隠しコマンドを再現することや、開発側のプログラムミス(バグ)により開発者が想定していなかった現象を起こすものなどを主に「裏技」と呼んでいた。
しかし、現在では制作者が意図的に隠しコマンドや特殊なパスワードを用意し、プレイヤーが使用することを前提とした隠し要素を予め入れているゲーム[注 1]も登場するようになり、プログラムの不具合により偶然起こってしまったものをバグ技、意図的に搭載されたものを隠し技、などと区別するようにもなってきている。後者は、ゲーム雑誌にて公開されることがある(ただし中には公表しないことを前提に仕組む技も存在する)。
またハードウェアに物理的な影響を与え、特異な現象引き起こすものもある。これはプログラムのバグに起因するものではないが、バグ技の一種とすることがある。区別する場合はショック技と呼ぶこともある。この呼び方が定説であるする文献は現時点では未調査であるが、本記事では便宜上この呼称を用いる。日本ではプログラム上のバグに限らず異常なゲーム画面が現れた状態を指して「バグった」と形容することがある、英語ではこのような表示の異常を指す場合、"bug"ではなく"glitch"(グリッチ。「異常」の意)と称する。ただし、プログラム上の問題やショックによる異常ではなくとも、単に仕様外の状態を指して"glitch"と呼ぶ場合もあるので、"glitch"はバグ技やショック技のどちらとも必ずしも同一の事象を指すわけではない。バグ技やショック技は、プレイヤーに利益をもたらすが、時にゲームが停止することもあり、最悪の場合データ消失や本体の故障にもつながる恐れがある。後述のワールド9やミュウ出現については、メーカー自ら危険であることを表明した特異なケースである。
呼称
[編集]かつてゲーム雑誌には、読者から寄せられた裏技情報を掲載するコーナーがあったが、その呼称は雑誌によって異なる。例えば『ファミ通』では「禁断の秘技」(きんだんのひぎ)、『ファミリーコンピュータMagazine』では「ウル技」(ウルテク: 「ウルトラテクニック」の略)と呼称していた。2009年では、メーカー側で仕組まれた隠し技を公開するにとどまり、バグ技の存在はほとんど公表されなくなった。なおコンピューターゲームでのジャンルで「裏技」という名称を初めて使ったのは二見書房[注 2]だが、世間に定着・浸透させるきっかけとなったのは『月刊コロコロコミック』(小学館)である。同誌のコンピュータゲームの隠し技やバグ技を紹介するコーナーで、同誌と付き合いの深かったハドソンの高橋名人の提案により、「裏技」の語が用いられた。
オンラインゲームと裏技
[編集]裏技は、ネットを介して楽しむ「オンラインゲーム」において、その使用に対し注意または禁止されることがある。裏技によって引き起こされるゲームバランスの崩壊が、運営会社や他のユーザーに多大な影響を及ぼすこととなるからだ。過去には、『リネージュ』『ウルティマオンライン』『ラグナロクオンライン』などにおいて、ゲーム内通貨を不当に獲得できるようになる裏技が使用されたことがあった。
そのため、裏技を悪用したユーザーには、ゲームのアカウント停止やデータ巻き戻しなどのペナルティが科せられることがある。裏技の原因となるバグはアップデートによって修正されている。
裏技の例
[編集]注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
隠し技
[編集]前述のとおり、制作者が意図的に組み込んだものを「隠し技」と呼ぶ[注 3]。コマンド入力により発動するものの例として、無敵コマンド[注 4]、ステージセレクト[注 5]、コンティニュー[注 6]サウンドテスト[注 7]がある。 そのほかにも、無限1UP[注 8]、イースター・エッグ(隠しメッセージ)[注 9]、隠しアイテムなどがある。隠しコマンドによりプレイヤーがパワーアップするものについてはコナミコマンドが著名である。 隠し技とは若干趣が異なるが、開発時のバランス調整やデバッグの助けとするために用意されたデバッグモード、デバッグコマンドなどが製品版でも残されている事例がある[注 10]。
バグ技
[編集]プログラムや仕様の不具合を突いてプレイヤーがなんらかの利益を得るためのものを「バグ技」と呼ぶ。例えば、移動時などでの衝突判定の誤作動を利用し、本来通過できない場所に無理矢理侵入する技がある[注 11]。これは時としてタイムアタックなどにも利用されるが、脱出不可能となり、その後の正常なゲーム進行が不可能となる場合もある。ロールプレイングゲームなどでの戦闘プログラミングの穴を突いた各種のバグ技も存在する[注 12]。また各種の「制作者の想定していなかった操作」により、アイテムが増殖する、本来手に入らないアイテムを手に入れる、などが可能な事例もある[注 13]。また、バグというよりはプログラムの穴を突いた技であるが、ゲームの進行状況を保存するためにパスワードを用いるゲームにおいては、それを捏造、もしくは改造することが可能なものがある。同時にプログラム側の想定していない状況を作り出せる場合がある。
そもそもがバグであるので何が起こっても不思議ではないのだが、シナリオ判定のバグを利用して様々な意味不明な現象を起こすものの一例として、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』での「ランシールバグ」がある[注 14]。
なおバグ技の中には、バッテリーバックアップのセーブデータ破壊を含め、正常にゲームを続行できなくなるものもある。
ショック技
[編集]再現する際は注意してください。ゲームソフトやゲーム機本体が壊れる可能性があります。 |
これは、ゲーム機のACアダプタを半分抜いた状態にする[注 15]ことや、コネクタをショートさせる[注 16]ことなどで、物理的な影響を与えてバグが発生したような状態を引き起こすものである。
例えば、ロムカセットを使用しているゲームでは、プレイ中にロムカセットを抜き差ししたり[注 17]、傾けたり[注 18]することで、さまざまな現象が発生する。
また、CD-ROMやDVD-ROMなどのメディアを使用しているゲームでは、プレイ中にトレイを開けたり[注 19](通称「オープントレイ技」)、ディスクを入れ替えたりする[注 20][1]ことで、さまざまな現象が発生する。
ゲーム以外での「裏技」
[編集]テレビ番組『伊東家の食卓』では「油性ペンによる落書きを綺麗に消す裏ワザ」等、「知っていると便利な生活の技(知恵)」=ライフハックを紹介する番組だった(ここでの表記は「裏ワザ」)。
また、プロレスなど興行的な要素の強い格闘技で、一般の試合では「地味すぎる」「危険」等の理由で使えないが実戦的には有効な関節技などの攻撃や、テレビ放映などのある試合では使用できない下ネタ系の技を「裏技」と呼称して使用することがある。例としては「極まったとしても観客からは何が起こっているのか全く理解・判別できないが、非常に有効な関節技」「目潰し」「肛門に対する指突きなどの攻撃」などがある。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 『エイジ オブ エンパイア』など
- ^ 『裏ワザ大全集』という名前で各ファミコンソフトのタイトルの冊子を発売していたが、内容はゲーム攻略本のため、雑誌での裏技の意味とは趣旨が異なる。
- ^ ファミリーコンピュータ版『ドルアーガの塔』など、ゲーム本編をクリアすれば、エンディング画面で隠し技のコマンドを教えてくれるものもある。『ファイナルファンタジー』などでは、ある隠しコマンドがゲーム中に暗号メッセージとして存在しており、それを解読すれば利用することができた。
- ^ ファミコン版『ゼビウス』など
- ^ ファミリーコンピュータ版『ドルアーガの塔』など
- ^ 『スーパーマリオブラザーズ』など
- ^ 「ミュージックモード」とも。ゲーム中に流れるBGMを、自由に聞くことができるお楽しみモード。隠し技としてではなく、本来の仕様として用意されているゲームもある。隠されているものとしては、『ファイナルファンタジータクティクス』などがある。同様に「グラフィックモード」の用意されているゲームもある[要出典]。特に特殊な操作を行わなくとも、ゲーム本編を一度クリアする、などで可能になるものもある。
- ^ 『スーパーマリオブラザーズ』など。「隠し技」というより「誤仕様」とするほうが適切である可能性がある。
- ^ 『えりかとさとるの夢冒険』など
- ^ 例えば、各種のパラメータを自由に変更できたりするものがある。『ダービースタリオン96』、スーパーファミコン版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』など。後者は特定のアイテムを特定の順番に持つことにより、攻撃が全てクリティカルヒットする、モンスターが100%仲間になる、というデバッグコマンドである。
- ^ ファミコン版『スーパーマリオブラザーズ』、『メトロイド』など
- ^ 『ファイナルファンタジーVI』では、「バニシュ」(物理攻撃を確実に回避するが魔法効果が確実に命中し、本来無効であるはずの魔法効果を有効にする魔法)を敵にかけた後、即死の魔法「デス」もしくは「デジョン」を唱えると、無条件で即死する。『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』では、「逃げた回数」のフラグをオーバーフローさせることによって、以後プレイヤー側の攻撃が全てクリティカルヒットとなる技や、同様にオーバーフローにより、カジノにおいて大量のコインを非常に安価に入手できる技などが存在した。これも当時は有名であったようだ[要出典]。
- ^ 『おいでよ どうぶつの森』、『ファイナルファンタジーIII』など。『ポケットモンスター 赤・緑』では同様に、本来あり得ないモンスターを仲間にすることが可能となっている。詳細は「けつばん」を参照。
- ^ ランシールで強制的に1人にされるイベント中に特定の行動を取ると、アイテムの増殖やステータスの改ざんなどが可能になる現象が発生する。
- ^ 『ドラゴンクエスト』など
- ^ ファミリーコンピュータ版『ベースボール』では、ファミリーコンピュータ本体の拡張コネクタを金属の物体(ゼムクリップなど)でショートさせることにより、魔球を投げることができた。
- ^ 『スーパーマリオブラザーズ』におけるアンダーカバーでは、異様なステージを出現させることができる。(「ワールド9」「256面」「スーパーマリオX」などと呼ばれることがある)
- ^ 『ドラゴンボール3 悟空伝』など
- ^ 『ファイナルファンタジーVII』では、イベントを飛ばしたりすることができる。
- ^ 『ロックマンX5』などは、入れ替えた先のディスクのBGMを流してプレイすることができる。古くはパーソナルコンピュータ用の『ザナドゥ』などでも、フロッピーディスクの入れ替えによる裏技が存在した。
参考文献
[編集]- ^ 『ザナドゥ』の裏技 チャレンジ!! パソコンAVG&RPG、山下章、電波新聞社刊、1987年1月、ISBN 4-88554-109-3 123ページ
関連項目
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