ナッシン・ファンシー

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ナッシン・ファンシー
レーナード・スキナードスタジオ・アルバム
リリース
録音 1974年8月 ジョージア州ドラヴィル Studio One (#1)
1975年1月11日 - 26日 ジョージア州アトランタ WEBB IV Studios (#2 - #8)
ジャンル サザン・ロックハードロック
時間
レーベル MCAレコード
プロデュース アル・クーパー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 9位(アメリカ[1]
  • 43位(イギリス[2]
  • レーナード・スキナード アルバム 年表
    セカンド・ヘルピング
    (1974年)
    ナッシン・ファンシー
    (1975年)
    ギミー・バック・マイ・ブレッツ
    (1976年)
    『ナッシン・ファンシー』収録のシングル
    1. サタデイ・ナイト・スペシャル
      リリース: 1975年5月
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    ナッシン・ファンシー』(Nuthin' Fancy)は、アメリカ合衆国ロックバンドレーナード・スキナード1975年に発表した3作目のスタジオ・アルバム

    日本盤は、当初『ロック魂』というタイトルでLPが発売されたが、後にCD化されて以降は『ナッシン・ファンシー』とされている[3]

    背景[編集]

    ボブ・バーンズの脱退に伴い、新ドラマーのアーティマス・パイルを迎えて制作された。アルバムの大部分は1975年1月にレコーディングされたが、「サタデイ・ナイト・スペシャル」は1974年8月の時点でレコーディングされていた曲である[4]

    前2作に引き続きアル・クーパーがプロデュースしたが、本作の制作時にバンドとクーパーの対立が深まり、アルバムの完成から間もなく決別した[5]。アレン・コリンズは1975年当時、この件に関して「彼(クーパー)はグランド・ファンクの曲のようなアイディアを押し付けた。俺達はそんなの嫌だって言ってやったよ」「彼を悪く言うつもりはないけど、俺達は二度と彼を使わない」と語っている[5]

    本作リリース後の1975年5月26日、エド・キングがバンドを脱退[6]。キングは後のインタビューにおいて、当時バンドと契約した新マネージャーがロニー・ヴァン・ザントにしか興味を持たず、バンド全体のことを分かっていなかったと語っている[6]。ただし、キングは1987年の再結成には参加した。なお、本作のリマスターCDには、キング在籍時の1975年4月27日に録音されたライヴ音源2曲がボーナス・トラックとして追加されている[4]

    反響・評価[編集]

    本作は母国アメリカのBillboard 200で9位に達し、自身初の全米トップ10アルバムとなった[1][5]。1975年6月にはRIAAによってゴールドディスクに認定され、1987年7月にはプラチナ認定を受けている[7]。また、シングル・カットされた「サタデイ・ナイト・スペシャル」はBillboard Hot 100で27位を記録[1][5]

    イギリスでは1975年5月3日付の全英アルバムチャートで43位を記録し、自身初の全英チャート入りを果たした[2]

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「以前の作品とこのレコードの最も大きな違いとして、バンドがツアーを通じてヘヴィさやハードさを増し、1970年代中期のヘヴィ・アルバム・ロック・バンドと同傾向になったことが挙げられる」「収録された8曲のうちの多くは、ロニー・ヴァン・ザントがなおも絶好調だということを示している」と評している[8]

    収録曲[編集]

    1. サタデイ・ナイト・スペシャル - "Saturday Night Special" (Ed King, Ronnie Van Zant) - 5:09
    2. チーティン・ウーマン - "Cheatin' Woman" (Gary Rossington, R. Van Zant, Al Kooper) - 4:39
    3. レイルロード・ソング - "Railroad Song" (E. King, R. Van Zant) - 4:15
    4. アイム・ア・カントリー・ボーイ - "I'm a Country Boy" (Allen Collins, R. Van Zant) - 4:26
    5. オン・ザ・ハント - "On the Hunt" (A. Collins, R. Van Zant) - 5:28
    6. アム・アイ・ルージン - "Am I Losin'" (G. Rossington, R. Van Zant) - 4:35
    7. メイド・イン・ザ・シェイド - "Made in the Shade" (R. Van Zant) - 4:40
    8. ウィスキー・ロック・ア・ローラー - "Whiskey Rock-a-Roller" (E. King, R. Van Zant, Billy Powell) - 4:20

    リマスターCDボーナス・トラック[編集]

    1. レイルロード・ソング(ライヴ) - "Railroad Song (Live)" (E. King, R. Van Zant) - 5:27
    2. オン・ザ・ハント(ライヴ) - "On the Hunt (Live)" (A. Collins, R. Van Zant) - 6:09

    参加ミュージシャン[編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    脚注[編集]

    1. ^ a b c Lynyrd Skynyrd - Awards”. AllMusic. 2016年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月18日閲覧。
    2. ^ a b LYNYRD SKYNYRD | full Official Chart History | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される
    3. ^ ナッシン・ファンシー [SHM-CD]”. ユニバーサル ミュージック. 2019年3月21日閲覧。
    4. ^ a b Lynyrd Skynyrd - Nuthin' Fancy (CD, Album) at Discogs
    5. ^ a b c d Giles, Jeff (2015年3月24日). “40 Years Ago: Lynyrd Skynyrd Head for a Period of Extreme Turbulence With 'Nuthin' Fancy'”. ultimateclassicrock. Diffuser Network. 2015年7月5日閲覧。
    6. ^ a b James, Gary. “Interview With Ed King”. classicbands.com. 2015年7月5日閲覧。
    7. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"NUTHIN' FANCY"と入力して検索すれば表示される
    8. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Nuthin' Fancy - Lynyrd Skynyrd”. AllMusic. 2015年7月5日閲覧。