エル・ロメラル遺跡
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エル・ロメラル遺跡の入口 | |||
英名 | Antequera Dolmens Site | ||
仏名 | Site de dolmens d’Antequera | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (1),(3),(4) | ||
登録年 | 2016年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター | ||
使用方法・表示 |
エル・ロメラル遺跡(スペイン語: Tholos de El Romeral)は、スペイン・アンダルシア州マラガ県アンテケーラ近郊にある考古遺跡。紀元前1800年頃に建設された支石墓(ドルメン)である。ロメラル洞窟やロメラル支石墓と表記されることもある。
アンテケーラ市街地から北東に2.5キロメートルの場所にある。新石器時代の構造物としては南ヨーロッパ有数の遺跡である。この地域には3つの支石墓があり、エル・ロメラル遺跡のほかにはメンガ支石墓とビエラ支石墓がある。
歴史
[編集]20世紀後半まで、メンガ支石墓、ビエラ支石墓、エル・ロメラル遺跡の3つは同時代の遺跡であると信じられていた。しかしその後の研究によって、メンガ支石墓とビエラ支石墓は紀元前3800年頃、エル・ロメラル遺跡は紀元前1800年頃に建設され、両者の間には大きな時間的隔たりがあることが明らかとなった。
メンガ支石墓とビエラ支石墓は長方形の部屋を持つが、エル・ロメラル遺跡はこれらの支石墓とは異なる間取りであり、また石材の種類も異なっているため、約200キロメートル東に位置するロス・ミリャレス(今日のアルメリア県)の文化の影響下にあったとされる。
2016年にトルコのイスタンブールで開催された第40回世界遺産委員会では、これら3つの支石墓にエル・トルカル自然保護区を加えたアンテケーラ近郊の支石墓遺跡群が、「アンテケーラのドルメン遺跡」として世界遺産(文化遺産)に登録された[1][2]。
解説
[編集]エル・ロメラル遺跡は墳丘で覆われた埋葬室である。ドライストーンが埋め込まれた壁を持つ長い通路、石版が埋め込まれた天井を持つ埋葬室の2つの構造からなる。エル・ロメラル遺跡の中からは人骨や副葬品(貝殻・2種類の陶器)が発見されているため、この遺跡が埋葬地であったことは確かである。
大きな埋葬室と小さな埋葬室がある。大きな埋葬室は直径4.2メートルであり、通路と同様の方法で建設された受け材を持つ壁がある。廊下の床面と大きな埋葬室は突き固めた土を用いている。小さな埋葬室は大きな埋葬室と長方形の廊下で連結されているが、見学者は通ることができない。小さな埋葬室は直径2メートルであり、石材の平板で覆われている。
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大きな埋葬室
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大きな埋葬室の天井
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巨石が用いられた通路
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遺跡の周辺
脚注
[編集]- ^ “Antequera Dolmen Sites”. UNESCO (2012年1月17日). 2017年4月20日閲覧。
- ^ World Heritage Centre (2016), Nominations to the World Heritage Listpp.29, 47