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TD SYNNEX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TD SYNNEX株式会社
TD SYNNEX K.K.[1]
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
135-8559
東京都江東区東陽6-3-1
東京イースト21 ビジネスセンター 2F[1]
設立 1962年昭和37年)10月[1]
業種 卸売業
法人番号 6010601037905 ウィキデータを編集
事業内容 PCハードソフトクラウドモバイルサービス卸売
代表者 國持重隆(代表取締役社長[1]
資本金 1,836百万[1]
売上高 1078億8800万円
(2022年11月30日時点)[2]
営業利益 21億8900万円
(2022年11月30日時点)[2]
経常利益 19億8700万円
(2022年11月30日時点)[2]
純利益 16億1700万円
(2022年11月30日時点)[2]
総資産 392億3100万円
(2022年11月30日時点)[2]
従業員数 696名(2022年1月末現在)[1]
外部リンク www.synnex.co.jp
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TD SYNNEX株式会社: TD SYNNEX K.K.)は、東京都江東区東陽6-3-1に本社を置く企業TD SYNNEXの日本法人で、主にパーソナルコンピュータを中心とするハードウェアおよびソフトウェアクラウド・サービスモバイル関連サービスの卸売を行う。

概要

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前身は1962年に電子機器と部品の販売を目的として関東電子機器販売で、1983年により東証二部に上場していた。その後2007年に丸紅の完全子会社化、2010年12月にSYNNEXグループに全株式譲渡がなされる[3]。米国SYNNEXがTech Dataと2021年9月1日に合併してTD SYNNEX Corporationとなったことに伴い、2022年1月1日にTD SYNNEX株式会社に社名を変更した。

なお、かつて存在した「株式会社シネックス」とは別会社である。同社は1995年に米シネックス社の関係会社として設立され、2005年にMCJが子会社化。2012年にテックウインド株式会社となっている[4]

沿革

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  • 1962年(昭和37年)10月 - 東京都千代田区に「関東電子機器販売株式会社」として設立。電子機器および部品の販売を目的とした[5]
  • 1965年(昭和40年)9月 - 東京都千代田区に「東京電子科学機材株式会社」を設立。電子部品販売を強化[5]
  • 1982年(昭和57年)6月 - 東京都千代田区に「ロジテック株式会社」を設立。パソコン周辺機器の開発・製造を担当[5]
  • 1983年(昭和58年)1月 - 商号を「関東電子株式会社」に変更[5]
  • 1984年(昭和59年)6月 - 東京都千代田区に「シスペック株式会社」を設立。パソコンの小売を担当[5]
  • 1989年(平成元年)4月 - 丸紅に経営権を取得される[5]
  • 1991年(平成3年)6月 - 東京電子科学機材を統合[5]
  • 1996年(平成8年)1月 - 「ケー・イー・ロジスティクス株式会社」を設立。物流を担当[5]
  • 1998年(平成10年)6月 - 東京証券取引所二部に新規上場[5]
  • 2000年(平成12年)2月 - 本社を東京都台東区に移転[5]
  • 2001年(平成13年)
    • 3月 - シスペックを解散[5]
    • 10月 - 商号を丸紅インフォテック株式会社に変更[5]
  • 2004年(平成16年)
    • 8月 - 本社を東京都千代田区に移転[5]
    • 10月 - 株式会社コンピュータウェーブ[注 1]と合併[5]
    • 12月 - ロジテックの全株式をエレコム株式会社に譲渡[5]
  • 2007年(平成19年)
    • 10月 - トランスコスモスに運営を委託していたECサイト「@SOLAショップ」に対する日本国外からの不正アクセスがあったことを公表[7]。会員1万3千人余りの個人情報が漏洩した痕跡が2005年から22回発見された。SQLインジェクションアクセス制御の突破を許したことによるもので、トランスコスモスのセキュリティ対策に不備があり、丸紅インフォテック側も対策を過信していたと陳謝した[8]
    • 11月 - 丸紅による完全子会社化により上場廃止[5]
  • 2009年(平成21年)6月 - 本社事務所を東京都江東区に移転。
  • 2010年(平成22年)12月 - 丸紅が保有株式すべてを米シネックスグループに譲渡し、商号をシネックスインフォテック株式会社に変更[9]
  • 2018年(平成30年)12月 - 商号をシネックスジャパン株式会社に変更[9]
  • 2022年(令和4年)1月 - 商号をTD SYNNEX株式会社に変更[10]

事業所

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出典による[1]

ソリューション・取扱製品・サービス

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ソリューション

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出典による[11]

TD SYNNEX Device as a Subscription (DaaS)
法人向けPCサブスクリプションサービス。PCに加えて、MicrosoftのOfficeライセンスや保険・サポートを一括管理し、毎月定額で利用可能となっている。
ハイブリッドクラウド(NW/セキュリティ含む)
Microsoft Azureなどのクラウドサービスやサーバー製品、その他ネットワークおよびセキュリティ製品を数多く取り扱い、ハイブリッドクラウドのソリューションを提供。
ICT教育ソリューション/GIGAスクール提案
児童・生徒向けに一人一台の学習端末と高速大容量の通信ネットワークを整備するGIGAスクール構想に準拠したパソコンデバイスや充電保管庫、ネットワーク・セキュリティ、クラウドサービスの活用などICT教育ソリューションをサポートしている[12]
コラボレーション ソリューション
自社でもいち早くテレワークを導入し、そのノウハウ[13] も含め、Microsoft Teamsを中心とした Surface Hub 2S やLogicool Tap、Hoyluなどのコラボレーションツールを利用したワークスタイル変革の提案。

取扱い製品とメーカー

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出典による[14]

国内外のメーカーのITソリューションを広範に扱っている(ハイブリッドクラウド/サーバー、ネットワーク/セキュリティ、コラボレーション、クライアントソリューション、ハードウェア/周辺機器、と分類)。

主な取扱いメーカーとして、IBM、AVAYA、Aruba、WatchGuard、ASUS、EIZO、Extreme Networks、Ergotron、OKI、Google、Seagate、Jabra、Silver Peak、StarTech.com、デル・テクノロジーズ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、HP、マイクロソフト、Barracuda Networks、Fortinet、Micron、モトローラ、レノボ、ロジクールがある。

サービス

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出典による[15]

ECNex
販売店向けECサイト。
CLOUDSolv
販売店向けクラウドソリューションポータルサイト。
Storefront
エンドユーザー向けクラウドサービスECサイト機能。
nPress
ソフトウェアライセンスECストア。
SERVICESolv
導入から処分までの各種サービスのトータルサポート。
Varnex
TD シネックス、メーカー、販売店により構成される会員制コミュニティ。
Varnex Cloud Community
販売店、メーカー、エンドユーザーにより構成される、マルチクラウドに特化した会員制コミュニティ。

受賞・受贈歴

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  • 2016 Google Cloud Partner Award for Devices Ecosystem Success(2017年3月)
  • マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー 2017 Distributor アワード(2017年9月)
  • Google for Education Appreciation for Excellent Partnership in 2019(2019年11月)
  • IBM Japan Excellence Award 2020(2020年2月)
  • インテル Highest Revenue Growth for CCG Branded(2021年4月)[16]
  • Google for Education Appreciation for Excellent Partnership in 2020(2021年6月)[17]

米TD SYNNEXについて

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米TD SYNNEXの概要

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米TD SYNNEX社は、2021年9月1日にSYNNEX社とTech Data社が合併したことにより誕生。米国、欧州、アジア太平洋地域の100カ国以上、IT製品を中心としたディストリビューション、ロジスティクス、ソリューションを提供している。米国フォーチュン100社(2021年60位)に選ばれている[10]

米TD SYNNEXの沿革

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出典による[18]

同社は、2021年9月にSYNNEX社とTech Data社が合併したことにより誕生した。以下では各社の沿革を記述する。

  • 1980年 - ロバート・ファンがCompac Microelectronicsを創業。
  • 1994年 - CompacからSYNNEXに名称を変更。受託組立サービスを開始。
  • 1995年 - 日本法人の株式会社シネックス(現・テックウインド株式会社)を設立。
  • 1997年 - Computer-Landを買収。
  • 2001年 - カナダのMeriselを買収。
  • 2002年 - Gates/Arrow Distributingを買収。メキシコで操業を開始。
  • 2003年 - ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場。
  • 2004年 - EMJとBSA Salesを買収。
  • 2005年3月 - 株式会社MCJと資本・業務提携を発表。
  • 2005年4月 - 株式会社シネックスを株式会社MCJへ譲渡。
  • 2006年 - コンセントリクス社を買収。
  • 2007年 - PCWとRGCを買収。
  • 2008年 - New Age Electronics社を買収。
  • 2010年 - Jack of All Gamesを買収。
  • 2011年 - Hyve Solutionsを設立する。丸紅インフォテックを買収し、日本に市場を拡大。
  • 2014年 - IBM Customer Care Business社を買収。
  • 2017年 - タイガースパイク社を子会社化。
  • 2017年 - Westcon-Comstor Americas社を買収。
  • 2018年6月 - Convergys社を買収。
  • 2020年 - ConcentrixがSYNNEXから分離独立。
  • 2021年9月 – Tech Dataと合併。TD SYNNEXとなる。

Tech Data

  • 1974年 - エドワード・C・レイマンドがTech Dataを創業。ミニコンピューターやメインフレームのユーザーにデータ処理関連用品を販売。
  • 1982年 - PC等のディストリビューション事業(卸売業)を開始。
  • 1986年 - NASDAQ に上場。
  • 1989年 - ParityPlusを買収。
  • 1993年 - 中南米向け事業のためマイアミにて輸出部門を始動。
  • 1998年 - ミュンヘンが拠点のComputer 2000 AGを買収。30か国以上に事業を拡大する。
  • 2003年 - イギリスが拠点のAzlan Group PLCを買収し、欧州での事業を強化。
  • 2008年 - 北欧が拠点のScribonaを買収。
  • 2011年 - StreamOne事業を開始。インフォメーションウィーク500の92位にランクされる。
  • 2013年 - Brightstarが保有するTDMobilityの50%の株式を取得。
  • 2017年 - Avnetからテクノロジーソリューション事業を買収。
  • 2020年 - 米投資ファンドのApolloによって買収される。シンガポールが拠点のInnovix Distributionを買収。
  • 2021年9月 – SYNNEXと合併。TD SYNNEXとなる。

米SYNNEXの創業者

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米シネックス社の創業者はロバート・ファンRobert T. Huang、1945年 - )という人物である。台湾に生まれ、1961年に来日し、九州大学工学部を卒業後に渡米。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)社を経て、1980年にシネックス社の前身・COMPAC Microelectronics社を創業した[19]

出身校である九州大学には彼の名を冠した「ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター」(Robert T. Huang Entrepreneurship Center of Kyushu University、QREC)が設置されている。1996年4月に活動を開始したベンチャー・ビジネス・ラボラトリーを前身とするもので、ロバート・ファンからの九州大学百周年記念寄付金を基に、2010年12月1日に設立された[20]

脚注

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注釈

[編集]
  1. ^ 株式会社コンピュータウェーブ (Computer Wave, Inc.) は、1989年6月に株式会社ビー・エヌ・エヌのソフトウェア流通部門が分離・独立して設立し、1991年に丸紅の傘下となった[6]。かつて存在した公式ウェブサイトのURLは www.computerwave.co.jp

出典

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  1. ^ a b c d e f g 会社概要”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e TD SYNNEX株式会社 第61期決算公告
  3. ^ 沿革”. シネックスジャパン株式会社 (2017年12月18日). 2020年9月13日閲覧。
  4. ^ 沿革”. テックウインド. 2020年10月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 沿革”. 丸紅インフォテック. 2009年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月26日閲覧。
  6. ^ 佐々木千之 (2002年7月16日). “丸紅とコンピュータウェーブ、複数のECサイトを通じた電子書籍のダウンロード販売事業を開始”. ASCII.jp (角川アスキー総合研究所). https://ascii.jp/elem/000/000/332/332227/ 2020年11月7日閲覧。 
  7. ^ 永沢茂 (2007年10月12日). “丸紅インフォテックのネットショップに不正アクセス、顧客情報漏洩の痕跡”. INTERNET Watch (インプレス). https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/12/17170.html 2020年11月4日閲覧。 
  8. ^ 増田覚 (2007年12月12日). “丸紅インフォのカード情報漏洩、原因はSQLインジェクション対策の不備”. INTERNET Watch (インプレス). https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/12/12/17844.html 2020年11月4日閲覧。 
  9. ^ a b 沿革”. シネックスジャパン. 2020年10月26日閲覧。
  10. ^ a b 社名変更のお知らせ”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  11. ^ ソリューション”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  12. ^ https://www.synnex.co.jp/news/2020/200323_GIGAschool_VirtualTeam.html
  13. ^ https://www.synnex.co.jp/news/20200514/TeleworkGuide.html
  14. ^ 取扱いメーカー”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  15. ^ サービス”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  16. ^ シネックスジャパン、インテルが顕著な実績をおさめたディストリビューターに贈る APJ「Highest Revenue Growth for CCG Branded」を受賞”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  17. ^ シネックスジャパン、Google for Education™より感謝状「Appreciation for Excellent Partnership in 2020」を受贈”. TD SYNNEX株式会社. 2022年1月14日閲覧。
  18. ^ TD SYNNEX History”. TD SYNNEX. 2022年1月14日閲覧。
  19. ^ 劉尭 (2010年12月22日). “丸紅インフォテックが米SYNNEXの傘下へ”. PC Watch (インプレス). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/416396.html 2020年10月27日閲覧。 
  20. ^ 沿革”. 九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター. 2020年10月27日閲覧。

外部リンク

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