La-7 (航空機)
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La-7 / Ла-7
- 用途:戦闘機
- 分類:陸上戦闘機
- 設計者:ラヴォーチュキン設計局
- 製造者:第21工場、第381工場、第99工場
- 運用者
- 初飛行:1944年2月1日
- 生産数:5,753機
- 生産開始:1944年
- 運用開始:1944年6月
- 退役:1952年(ソ連空軍)
- 運用状況:退役
La-7(Lavochkin La-7 ラ7 / ロシア語:Ла-7 ラー・スィェーミ)は、ラヴァーチュキン設計局が開発し、第二次世界大戦時のソヴィエト連邦の赤色空軍などで運用された戦闘機。
第二次世界大戦時に運用された最も優秀とされる戦闘機のひとつ。La-5FNの改良型で、朝鮮戦争にも使われた。
概要[編集]
低・中高度用として開発されたASh-82FN空冷式レシプロエンジンを搭載していた為、高々度での戦闘には不向きである。もっとも陸戦への戦術支援が主任務の当時のソ連空軍では、ドイツ空軍機との空戦も3000メートル以下の低空が多かった。本機は7500から8000機生産され、ソ連では1950年頃まで使用された他、チェコスロバキアでもスピットファイアMk.IXなどとともに戦後しばらく運用された。また、中国人民解放軍でも運用された。
派生型としては、TK-3ターボチャージャーを装備したLa-7TK(Ла-7ТК)高高度戦闘機、機首のASh-82FNエンジンに加えてRD-1ロケットエンジンを尾部に搭載したLa-7R(Ла-7Р)戦闘機、複座の練習戦闘機型のLa-7UTI(Ла-7УТИ)、新型のASh-84エンジンを搭載する機体等も開発されたが、多くの派生型が生産されたYak-9シリーズと違い、La-7シリーズは基本型のLa-7と練習機用のLa-7UTIしか生産されなかった。ソ連では戦中ターボチャージャーの開発は成功せず、La-7と平行して開発されていたYak-9PDやMiG-11も生産には至っていない。その他、La-9シリーズはLa-7の直接の発展型で、Yak-9Pとともに1940年代後半ソ連の主力戦闘機となった。
同時期の多くのソ連戦闘機は、主翼や桁が木製であるため強度の問題で、武装は全て機首に搭載されていた。La-5FNやLa-7では軽量化のため主翼が全金属製となったものの、武装の配置は変更されていない。La-7ではそれまでのLa-5と同じ2門のShVAKを装備したが、モスクワの第381工場で作られた機体の一部は新型の20mm機関砲であるB-20を3門を搭載していた。この3門搭載型はパイロットからの評価は高かったが、B-20の信頼性があまり高いものでは無かったこともあり生産数は368機程にとどまった。発展型のLa-9や11では23mm機関砲が3~4門と強化された。機首への多銃配置は、主翼への搭載ほど運動性が低下することがなく、またスペースの関係で搭載弾薬は多くできないが、命中率と瞬間的な発射弾数を優先したものと思われる。ちなみにソ連空軍では、レンドリースされたP-39QやP-40Cの主翼のガンポッドや7.62mm機銃を撤去して、機首武装だけ残して運動性を上げる改造が行われていた。
ラボーチキンは特に乗員から好まれ、イヴァーン・コジェドゥーブなどソ連最高のエースの何人かはラボーチキン戦闘機で飛行した。[要出典]三度ソ連の英雄となり、連合軍の優れたエースでもあったコジェドゥーブは、62機撃墜の栄光を、すべてラボーチキン戦闘機によって勝ち取った。 コジェドゥーブに供与された最後のラボーチキン戦闘機は、La-7であった。このLa-7でメッサーシュミットMe262を含むドイツ機17機を撃墜した。
諸元[編集]
- La-7
- 翼幅:9.80 m
- 全長:8.67 m
- 全高:2.54 m
- 翼面積:17.59 m2
- 空虚重量:2605 kg
- 離陸重量:3265 kg
- 発動機:シュヴィェツォーフ製 ASh-82FN 空冷式レシプロエンジン(ПД Швецов АШ-82ФН) ×1
- 出力:1850 馬力
- 最高速度(地表高度):597 km/h
- 最高速度:680 km/h
- 実用航続距離:635 km
- 実用飛行上限高度:10450 m
- 最大上昇力:1111 m/min
- 乗員:1 名
- 武装:20 mm機銃 ShVAK (20-мм пушки ШВАК) ×2、または 20 mm機銃 B-20(20-мм пушки Березина B-20) ×3、200 kgまでの爆弾(両翼下)
現存する機体[編集]
型名 | 番号 | 機体写真 | 所在地 | 所有者 | 公開状況 | 状態 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
La-7 | 21 | ![]() |
ロシア モスクワ州 | S・A・ラヴォーチキン記念科学製造合同本社 | 公開 | 静態展示 | |
La-7 | 27 | ![]() |
ロシア モスクワ州 | ロシア連邦空軍中央博物館 | 公開 | 静態展示 | 撃墜王であるイヴァーン・ムィクィートヴィチ・コジェドゥーブの乗機。塗装のデザインは本物であるが、再塗装などによって詳細な色彩は諸説ある。 |
La-7 | 77 | ![]() |
チェコ プラハ | クベリー航空博物館 | 公開 | 静態展示 |
関連項目[編集]
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