初冠雪
初冠雪(はつかんせつ)とは、1年のうち、雪に覆われる時期とそうでない時期がある山岳において、夏を過ぎて(その年の最高気温を観測した日を過ぎた後から)初めて山頂に雪が積もって白くなること[1]。このような状態になることを日本語では「初冠雪を迎える」と表現する。日本で初冠雪は冬の訪れを推し量る指標として用いられ、気象庁では、気象現象として約80の山を対象に観測している。なお(山頂部に降雪したのみで)積雪の状態にならなければ初冠雪とは言わない。また、初冠雪がそのまま根雪となるとは限らない。
観測
気象庁では、冬季の積雪は通常積雪計を用いて実際に雪が堆積した厚みを計測する。しかし、初冠雪は麓にある気象台や測候所から対象となる山の頂を眺め見て、山頂が白くなっていることを確認して初冠雪とする[2]。時刻までは計測しておらず発表されるのは日単位である。機械計測は行なっておらず目視観測である。雲などによって山頂が目視できない場合たとえ山頂に積雪が生じたとしても麓から視認できず、雲が晴れるなどして山頂が見えるようになった後日になってから初冠雪が観測されるというタイムラグが発生し得る[3]。
気象庁の観測
山岳名 - 観測気象台(初冠雪日の平年、山頂の標高)を一覧で記す。
- 利尻山 - 稚内地方気象台(10月3日、1721m)
- 旭岳 - 旭川地方気象台(9月25日、2291m)
- 斜里岳 - 網走地方気象台(10月13日、1547m)
- 雌阿寒岳 - 釧路地方気象台(10月15日、1499m)
- 手稲山 - 札幌管区気象台(10月16日、1023m)
- 鷲別岳 - 室蘭地方気象台(10月28日、911m)
- 横津岳 - 函館地方気象台(10月25日、1167m)
- 八甲田山 - 青森地方気象台(10月17日、1584m)
- 岩木山 - 青森地方気象台(10月21日、1625m)
- 太平山 - 秋田地方気象台(11月2日、1170m)
- 岩手山 - 盛岡地方気象台(10月13日、2038m)
- 月山 - 山形地方気象台(10月18日、1984m)
- 朝日岳 - 山形地方気象台(10月22日、1870m)
- 雁戸山 - 山形地方気象台(10月29日、1485m)
- 瀧山 - 山形地方気象台(10月30日、1362m)
- 蔵王山 - 仙台管区気象台(10月24日、1841m)
- 泉ヶ岳 - 仙台管区気象台(11月6日、1175m)
- 吾妻山 - 福島地方気象台(10月23日、2035m)
- 男体山 - 宇都宮地方気象台(10月30日、2486m)
- 浅間山 - 前橋地方気象台(10月28日、2568m)
- 仙ノ倉山 - 前橋地方気象台(10月26日、2026m)
- 白砂山 - 前橋地方気象台(10月26日、2140m)
- 武尊山 - 前橋地方気象台(11月3日、2158m)
- 赤城山 - 前橋地方気象台(11月21日、1828m)
- 榛名山 - 前橋地方気象台(12月8日、1449m)
- 富士山 - 甲府地方気象台(9月30日、3776m)
- 甲斐駒ヶ岳 - 甲府地方気象台(10月27日、2967m)
- 東方連山(横手山・四阿山) - 長野地方気象台(10月22日、2307m・2354m)
- 立山 - 富山地方気象台(10月8日、3015m)
- 白山 - 金沢地方気象台(10月17日、2702m)
- 伊吹山 - 彦根地方気象台(11月16日、1377m)
- 比良山 - 彦根地方気象台(11月19日、1214m)
- 極楽寺山 - 広島地方気象台(12月11日、693m)
- 鷲峰山 - 鳥取地方気象台(11月24日、921m)
- 扇ノ山 - 鳥取地方気象台(11月14日、1310m)
- 讃岐山脈 - 高松地方気象台(12月17日、1060m)
- 皿ヶ嶺 - 松山地方気象台(12月6日、1271m)
- 国見山 - 高知地方気象台(1月6日、926m)
- 脊振山 - 福岡管区気象台(12月8日、1055m)
- 天山 - 佐賀地方気象台(12月6日、1046m)
- 由布岳 - 大分地方気象台(11月28日、1583m)
- 金峰山 - 熊本地方気象台(1月14日、665m)
- 鰐塚山 - 宮崎地方気象台(1月18日、1118m)
- 桜島 - 鹿児島地方気象台(12月15日、1117m)
出典
- ^ 富士山がうっすら雪化粧! ウェザーニュース 2018年9月28日閲覧
- ^ 富士山で初冠雪 気象台からも発表 ウェザーニュース 2018年9月28日閲覧
- ^ 甲府地方気象台 富士山初冠雪と発表 昨年より27日早く 毎日新聞 2018年9月28日閲覧