トレニタリア
種類 | 国有企業 子会社 |
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本社所在地 |
イタリア ローマ |
設立 | 2000年 |
業種 | 運輸業 |
事業内容 | 旅客列車、貨物列車の運行 |
代表者 |
Marco Zanichelli, Presidente (Chairman) Vincenzo Soprano, Amministratore delegato (CEO) |
売上高 | 54億9800万ユーロ (2012)[1] |
営業利益 | 3億4190万ユーロ (2012)[1] |
純利益 | 2億6050万ユーロ (2012)[1] |
従業員数 | 34,819人 (2012年末)[1] |
主要株主 | Ferrovie dello Stato Italiane |
主要子会社 |
Thello (50%) Trenord (50%) |
外部リンク |
www |
トレニタリア (Trenitalia) は、イタリアの国鉄 (Ferrovie dello Stato、FS) の列車運行業務を引き継ぐ民営鉄道会社である。
概要
トレニタリアは、イタリアの国鉄 (Ferrovie dello Stato) の業務を引き継ぐ民営鉄道会社だが、イタリア国鉄自体は民営化しフェッロヴィーエ・デッロ・スタート株式会社 (Ferrovie dello Stato S.p.A.) となり、トレニタリアの株式を全てもつ親会社である。よって略称は国鉄時代を引き継ぎFSのままになっている。
長靴のようなイタリア全土をくまなくめぐり、主な電化方式は直流3000Vである。従来より日本と同様な電車列車に主力を置き、電車による特急列車も1930年代から運転している。
またこれらの特急型の電車は特にETR型と称し、連接型台車とカルダン駆動による先進的な設計であった。ETR200、ETR250、ETR300(セッテベロ)が製造され、これらが発展してETR400(ペンドリーノ)やオイロスター・イタリアとなった。
路線
路線営業キロは約1万6000kmで、面積あたりの路線密度としては日本とほぼ同じ程度となる。ただ、イタリアの国内格差同様、ミラノ・トリノ・ジェノヴァの3大都市を擁し、スイスやフランスと国境を接する北部の鉄道網が密なのに対して、南部の鉄道網は北部ほどには密ではなくなる。
山岳国であるだけに電化率は約7割と高い。電化方式は直流3000Vを標準とする。一方で山岳国であることは、必然的にカーブが多い線形となる。そのため電車や気動車のような分散動力車の技術、あるいは車体傾斜式車両の技術が古くから発展してきているほか、都市間をより直線的に結ぶ高速線(ディレッティシマ)の建設も(スローペースながら)古くから進められている。この国土条件により、フランスやドイツとは異なる技術過程を歩んできた「鉄道先進国」である。
複線化率は約4割で、左側通行である。
列車種別
トレニタリアに設定されている列車種別は、概ね以下のようなものがある。
優等列車
- ※ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ(NTV)社が運行している.italo(イタロ)については、ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリを参照
- フレッチャロッサ(Frecciarossa)
- 「赤い矢」の意味。ETR500型およびETR400型による高速列車で、イタリアの「看板列車」である。高速新線(ディレッティシマ)を最高速度300km/hで走る。
- フレッチャルジェント[2](Frecciargento)
- 「銀の矢」の意味。ETR485型、ETR600型又はETR610型車体傾斜式電車(ペンドリーノ)による高速列車で、ディレッティシマを最高速度250km/hで走る。
- フレッチャビアンカ(Frecciabianca)
- 「白い矢」の意味。都市間長距離列車で、機関車+客車の編成で運用される。運賃面でもインターシティより一段高い特急列車。
- インターシティ(InterCity)
- イタリア国内の都市間を結ぶ特急列車。機関車+客車の編成で運用される。
- ユーロシティ(EuroCity)
- イタリアの都市と、国外の都市間を結ぶ国際特急列車。スイス方面へ運転されていたチザルピーノ(Cisalpino; ETR470型又はETR610型電車により運行)も、チザルピーノ社営業終了に伴いユーロシティに統合された。ミラノとフランスのパリを結ぶ列車にはフランスのTGVが使用されるが、イタリア国内はユーロシティの列車種別で運転される。
- インターシティ・ノッテ(InterCity Notte)
- イタリア国内の都市間を結ぶ夜行列車。
- ユーロナイト(EuroNight)
- ヨーロッパの都市間を結ぶ国際夜行列車。
ローカル列車
過去の列車種別
- ディレット(Diretto)
- 快速(準急)列車。2006年12月改正でレジョナーレに統合。
- インテルレジョナーレ(Interregionale)
- 比較的長い距離を走った普通列車。いくつかの駅を通過することもある。2006年12月改正でレジョナーレに統合。
- トレノーケー(TrenOK)
- ローマ-ミラノ、ローマ-バーリを結んだ格安特急列車。全車2等車で、初代ペンドリーノのETR450型電車が使用された。2007年12月改正で廃止。
- ティ・ビズ(T-Biz)
- 全車ビジネスクラスのビジネス特急。ミラノとローマを、途中ボローニャのみの停車で運行する。平日のみ1日2往復が運転され、ETR480型電車が使用されたが、2008年12月改正でエウロスター・イタリア アルタ・ヴェロチタに置き換えられた。
- インテルシティ・プラス(InterCity Plus)
- リニューアル客車を使用した全車指定席の特急列車。2009年6月改正で廃止され、エウロスター・シティに置き換えられたもの以外はインテルシティに格下げされた。なお、同改正でインテルシティも全車指定席となっている。
- エウロスター・イタリア アルタ・ヴェロチタ(Eurostar Italia Alta Velocità)
- 2008年12月ダイヤ改正でディレッティシマを走る高速列車の種別として制定。2012年6月改正で、車両形式に応じフレッチャロッサとフレッチャルジェントに分離された。
- エウロスター・シティ(Eurostar City)
- 2006年12月ダイヤ改正で東海岸ルートのミラノ~レッチェ間に1日1往復運行されたが、2009年6月改正でインテルシティ・プラスの多くが本種別に移行し、本数・走行線区とも大幅に増えた。2011年12月改正でフレッチャビアンカに改称された。
- エウロスター・イタリア(Eurostar Italia)
- かつてイタリアの「看板列車」として、主にディレッティシマを走る列車の名称だったが、2012年6月ダイヤ改正でETR460型車体傾斜式電車(ペンドリーノ)で運行される在来線特急列車の名称となっていた。2012年12月ダイヤ改正でフレッチャビアンカに統合された。
- エスプレッソ(Espresso)
- 急行列車。末期は夜行列車の列車種別となっていたが、2012年12月ダイヤ改正でインテルシティ・ノッテに統合された。
- ※チザルピーノ(Cisalpino)社が運行していたCisalpinoについては、チザルピーノを参照
関連項目
参考文献
- ^ a b c d “Financial Statements 2012”. Ferrovie dello Stato. 2013年10月24日閲覧。
- ^ フレッチャアルジェントと表記されることもある。