国有企業
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国有企業(こくゆうきぎょう、英: State-owned enterprise , 略: SOE)あるいは 政府所有企業(せいふしょゆうきぎょう、英: Government-owned enterprise , 略: GOE)は、国家あるいは政府が所有する企業のことである。
概要
[編集]
国有企業は政府所有会社などとも呼ばれ、産業育成や国防上などの目的で、国家あるいは国家機関(政府機関)が最大[疑問点]の投資者になっている企業である。
政府所有会社、国営事業などとも呼ばれている。
東西陣営と国有企業
[編集]いわゆる社会主義国ではほとんどの企業が国有化されたが、西側の資本主義諸国や発展途上国でも鉄道や航空会社などの交通インフラを担う企業や電力・石油などのエネルギーや資源の開発・供給を行う企業などが国有化されていた。
第二次世界大戦後しばらくは、上述の様に東側の社会主義国だけでなく西側諸国でも混合経済政策として国有企業が多かったが、社会主義国の崩壊や新自由主義の影響などで現在では世界的に国有企業は例外を除いて民営化が進み、多くは株式会社になってきている。しかし依然として中央政府や地方政府が株式の大多数を所有している例もある。また、これまで私有会社であった企業を、倒産を防ぐために短期間政府管理下に置いて、国有企業扱いになる場合もある。
各国での状況
[編集]灰色は「国有企業独占」、緑は「国有企業と民間企業の共存」、黄色は「民間の参入も可能だが実質国有企業のみ」、無色は「国有企業が存在しない完全自由市場」である。下に示す表では、国が所有する会社のみならず、官公庁直営のもの、公社、独立行政法人などが行う事業も「国有」「国営」としている。
各国の国有企業
[編集]国家あるいは国家機関が50パーセント以上資金を提供している企業を以下に示す(※公団・公社等と称する企業体も含む)。地方政府所有の企業体は数多いので、ここでは省く。
日本
[編集]日本は1980年代のいわゆる「民活」路線により国営企業(現業)の民営化ないし株式会社化が進行し、狭義の国営企業が存在しない。下記はいずれも厳密には「国有企業」(現業)ではなく特殊会社で、政府が経営権を有する株主となっている。法律によっては公企業ではなく私企業の株式会社と同様に扱われることがあり、市場でも自由競争の一員ないし日常的には国から独立して経営されている例が多い。また、独立行政法人の中には、例えば都市再生機構のように、通常の企業活動を行っているとみなされている者も存在する。
- 政府(大臣)100%出資会社
- 国際協力銀行
- 日本政策金融公庫
- 日本政策投資銀行
- 日本貿易保険
- NEXCO - 日本道路公団を改組。
- 成田国際空港(成田空港会社) - 新東京国際空港公団を改組。
- 新関西国際空港
- 中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)
- その他
- 輸出入・港湾関連情報処理センター - 独立行政法人通関情報処理センターを改組。
- 産業革新投資機構 - 政府出資。
- 農林漁業成長産業化支援機構 - 政府出資。
- 海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構) - 政府出資。
- 海外通信・放送・郵便事業支援機 - 政府出資。
- 本州四国連絡高速道路(JB本四高速) - 地方公共団体、その他が出資。
- 東京地下鉄(東京メトロ)- 帝都高速度交通営団を改組。政府が26.71%、東京都が23.29%を保有。
- 海外交通・都市開発事業支援機構 - 政府、その他が出資。
- 整理回収機構 - 実質的に国の機関である預金保険機構が発行株式の総数を保有。
- 東日本大震災事業者再生支援機構 - 預金保険機構および農水産業協同組合貯金保険機構を介して、政府、その他が出資。
- 民間資金等活用事業推進機構 - 政府、その他が出資。
- 脱炭素化支援機構 - 政府出資(産業投資)。
- 北海道旅客鉄道(JR北海道) - 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発行株式の総数を保有。
- 四国旅客鉄道(JR四国) - 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発行株式の総数を保有。
- 日本貨物鉄道(JR貨物) - 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発行株式の総数を保有。
- 東京電力ホールディングス - 実質的に国の機関である原子力損害賠償・廃炉等支援機構が出資。
- じもとホールディングス - 整理回収機構が議決権の63.52%を所有[2][3]。
民営化の沿革
[編集]アメリカ合衆国
[編集]- アメリカ合衆国郵便公社
- ボイス・オブ・アメリカ(アメリカの声、VOA、アメリカ合衆国の国営放送)
- Amtrak
- APFC en:Alaska Permanent Fund(アラスカ州に本社があるアメリカの「政府系投資ファンド」)
- TVA
イギリス
[編集]- ロイヤルメール
- ネットワーク・レール (鉄道資産保有会社)
インド
[編集]インドネシア
[編集]エチオピア
[編集]エリトリア
[編集]オーストリア
[編集]カナダ
[編集]韓国
[編集]コスタリカ
[編集]シンガポール
[編集]スイス
[編集]中華人民共和国
[編集]中華人民共和国は社会主義国を標榜している国家であり、中央政府や地方政府によって管理されている企業が多数存在する。1992年に開催された中国共産党十四全大会において、「『国営企業』は、経営権、所有権がともに国にあるが、『国有企業』は、所有権は国にあるが、経営権は企業にある」と両用語の判別が定められ、同定義と照らして『国営企業』に近かった企業も全て国有企業化を徹底する経済方針が定められた[4]。 この市場経済化の方針を受けて、1993年の憲法改正で社会主義公有制から社会主義市場経済へと改革され、政府下の一部門であった企業部隊が政府資本下の別会社へと移行、呼称もそれまでの「国営企業」から「国有企業」へと変化した。
国有企業には、国務院の国有資産監督管理委員会(国資委)管理下の中央企業と省・自治区・市政府管理下の企業等がある。中央企業を掌握する国有資産監督管理委員会は、国有企業の経営を監視・監督する目的で1988年に発足しており、役員・経営陣の任命や資産の管理、株式の売買等や企業法令の整備を業務としている。
2015年春に党中央と国務院の選任で石油や自動車等の国有企業トップが相次いで交代となり、同年9月には「国有企業改革深化に関する指導方針」が公表された。2016年9月に宝鋼集団と武漢鋼鉄集団の統合が報じられるなど、過剰生産が課題とされた分野の政策について企業統合の傾向がみられる。2017年、国務院国有資産監督管理委員会が出資し中央政府が管理する、いわゆる政府直轄の中央企業の一部が改組され、約97社となったと報じられた。以下は一部である。
中華民国(台湾)
[編集]チェコ、スロバキア
[編集]ドイツ
[編集]社会主義国であった旧東ドイツでは、人民公社(VEB)という形態の国営企業や株式を国家が全て所有する会社(ミトローパなど)が存在したが、東西ドイツ統一後に民営化されている。1990年代には旧西側のドイツ連邦郵便なども民営化された。
ハンガリー
[編集]ブラジル
[編集]フランス
[編集]ポーランド
[編集]ロシア
[編集]最近、以前の政府機関による事業の多くが従業員の持株による「公開株式会社」となり、それをマネジメント・バイアウト(MBO)による会社となり、株式市場への上場が行なわれる例も多い。
アラブ首長国連邦
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 国の機関である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)は、JR北海道、JR四国およびJR貨物がそれぞれ発行する株式の総数を保有している。JRTTが鉄道施設を建設・保有し、鉄道事業者に貸し付けている路線も存在する(北陸新幹線、東北新幹線の盛岡以北、九州新幹線、北海道新幹線、相鉄新横浜線、東急新横浜線)。
- ↑ 急性期医療や救急救命、高度医療、卒後研修、専門医研修を担う総合病院、地方の拠点病院や過疎地の診療所の多くは、国公立の医療機関(国立大学病院を含む)となっている。
- ↑ 他に、産業医科大学と日本社会事業大学は厚生労働省が、自治医科大学は総務省および都道府県が支援する公設民営大学である。また、学生が国家公務員の身分を有しない(省庁の職員研修・幹部養成機関ではない)国立の大学校として、国立看護大学校、水産大学校、職業能力開発総合大学校、海技大学校、航空大学校などがある。
出典
[編集]- ↑ 政治・経済教育研究会編『政治・経済用語集』(第1版第2刷)山川出版社、2015年11月15日。
- ↑ 「【速報】じもとHD、国の実質管理下へ」『47NEWS』(共同通信)2024年5月20日。オリジナルの2024年5月20日時点におけるアーカイブ。
- ↑ “主要株主及び主要株主である筆頭株主並びに親会社以外の支配株主の異動に関するお知らせ” (PDF). 株式会社じもとホールディングス (2024年6月20日). 2024年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月24日閲覧。
- ↑ 中国の企業体系(麗澤大学外国語学部教授 三潴正道HP)
関連項目
[編集]- 「国有」で始まるページの一覧
- 「国営」で始まるページの一覧
- 「国立」で始まるページの一覧
- 企業
- 民営化
- 国有化
- 公企業
- 公社 - 官業 - 特殊法人 - 公共企業体
- 国有鉄道 - 国営放送
- 民営化の一覧 - 日本の民営化の一覧
- 国家の内部における国家