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ブリュッセル首都圏交通T3000形電車

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ブリュッセル首都圏交通T3000形電車
ブリュッセル首都圏交通T4000形電車
T3000形(3005)

T4000形(4008)
基本情報
運用者 ブリュッセル首都圏交通
製造所 ボンバルディア・トランスポーテーション
製造年 2005年 - 2015年
製造数 T3000形
150両(3001 - 3150)
T4000形
70両(4001 - 4070)
運用開始 2006年
投入先 ブリュッセル市電
主要諸元
編成 T3000形
5車体連接車
T4000形
7車体連接車
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高運転速度 70 km/h
編成定員 T3000形
184人(着席54人)
折り畳み座席5人分
T4000形
258人(着席78人)
編成重量 T3000形
38.6 t
T4000形
51.8 t
編成長 T3000形
31,850 mm
T4000形
43,220 mm
車体長 4,382 mm(前後車体)
7,870 mm(中間フローティング車体)
3,500 mm(中間車体)
全幅 2,300 mm
床面高さ 350 mm(低床率100%)
台車中心間距離 11,370 mm
主電動機 ボンバルディア
主電動機出力 105 kw
編成出力 T3000形
420 kw
T4000形
630 kw
制御方式 VVVFインバータ制御IGBT素子)
制動装置 回生ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6]に基づく。
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T3000形は、ベルギー首都であるブリュッセル路面電車ブリュッセル市電)を運営するブリュッセル首都圏交通が所有する5車体連接式電車超低床電車)。ボンバルディア・トランスポーテーションが展開するフレキシティ・アウトルック英語版を採用した車両である。この項目では、7車体連接式のT4000形についても解説する[1][6]

概要

路面電車利用客の急増への対応と、製造から30 - 50年以上が経過し老朽化が進行していたT7000形を始めとするPCCカーの置き換え用として導入された形式。2003年10月ボンバルディア・トランスポーテーションが受注を獲得した。その際に結ばれた契約には、導入後15年間の台車や機器のメンテナンスも含まれている[4][1]

編成はフローティング車体を含む連接式構造で、T3000形が5車体連接式、T4000形が7車体連接式となっており、全長43,220 mmのT4000形はブリュッセルの路面電車史上最も車体が長い車両である。車体のデザインはベルギーの"デザイン・フランダース"(Design Flanders)が手掛けており、金色銀色青銅色を用いた塗装を含めてアールヌーボーを意識したものに仕上がっている[4][2][1][7]

設計においては先代の超低床電車であるT2000形で課題となった騒音や振動の抑制を始めとした快適性の向上が念頭に置かれ、本革で作られた座席は車内面積のうち28%を占めている。また安全性においては車体に高い耐衝撃性を備えている他、車内には監視カメラも搭載されている。乗降扉は運転台側1箇所が片開きである以外は全て630 mm幅の両開き扉となっている[7][6][8]

台車は車輪径を小さくした車軸付きボギー台車を用い、車内は全て床上高さ350 mmの低床構造となっている。T3000形・T4000形の双方とも全台車のうち1台は付随台車で、残りの動力台車には三相誘導電動機(430 V、60 Hz)が2基づつ設置され、IGBT素子を用いたVVVFインバータ制御装置によって制御される[1][6][9]

運行

2005年から製造が始まり、翌2006年から営業運転を開始した。当初の注文分は46両であったが、2度のオプション権の行使に加え2010年には更に別途の発注が実施された結果、2015年までに合計220両(T3000形:150両、T4000形:70両)が導入された。これはフレキシティ・アウトルック最大の導入数である。これによりPCCカーのT7000形は2010年までに営業運転を終了し、連接式車両T7700形・T7800形についても廃車が発生している[3][4][5][10][11]

また、2010年1月21日から3月21日までの間には冬季オリンピックパラリンピックが開催されたカナダバンクーバーでデモンストレーションを兼ねた営業運転を実施しており、期間中に55万人以上が利用した[5]

増備車

「新世代路面電車(TNG)」
(5車体連接車)
2023年撮影)

ブリュッセルの路面電車の拡張および旧型車両の更なる置き換えのため、ブリュッセル首都圏交通2018年4月にボンバルディアとの間に最大175両の発注が可能な「新世代路面電車」(New Generation Trams、TNG)に関する契約を交わし、同時に1億6,9000万ユーロを用い60両(5車体連接車49両、7車体連接車11両)を発注した。更に翌2019年5月にも追加で30両(5車体連接車、6,700万ユーロ分)の追加発注を実施している[12][13]

これらの車両は車体デザインがT3000形・T4000形から変更される他、LED照明の採用による消費電力の削減、カメラやセンサーを用いた運転士の支援システムの導入、線路への負担を軽減し、騒音や振動を更に抑制する"FlEXX Urban 3000"ボギー台車の搭載など、各種の最新技術が取り入れられる。第一次発注分は2021年からブリュッセル市電への納入が行われ、2023年以降営業運転に投入されている[12][13][14]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e FLEXITY Outlook – Brussels, Belgium - ウェイバックマシン(2017年2月19日アーカイブ分)
  2. ^ a b Brussels Metro and Tram Network”. railway technology. 2019年11月2日閲覧。
  3. ^ a b Petite Histoire du transport public à Bruxelles”. STIB (2007年). 2019年11月2日閲覧。
  4. ^ a b c d La parade du trams”. STIB (2019年5月). 2019年11月2日閲覧。
  5. ^ a b c Bombardier and Brussels Transport Company (STIB) Celebrate the Completion of the World’s Largest Single-Vehicle Tram Fleet”. Bombardier (2015年5月17日). 2019年11月2日閲覧。
  6. ^ a b c d STIB 2016, p. 6-7.
  7. ^ a b STIB 2016, p. 5.
  8. ^ Jens C.O. Nielsen, David Anderson, Pierre-Etienne Gautier, Masanobu Iida, James T. Nelson, David Thompson, Thorsten Tielkes, David A. Towers, Paul de Vos (2014-11-05). Noise and Vibration Mitigation for Rail Transportation Systems: Proceedings of the 11th International Workshop on Railway Noise, Uddevalla, Sweden, 9–13 September 2013. Springer. pp. 333-335. ISBN 9783662448328 
  9. ^ Jean Pollefliet (2014-11-05). Power Electronics: Drive Technology and Motion Control. Academic Press. pp. 23-4. ISBN 9780128146422 
  10. ^ The Business Unit Tram”. STIB (2019年9月1日). 2019年11月2日閲覧。
  11. ^ The network and vehicles”. STIB (2019年9月1日). 2019年11月2日閲覧。
  12. ^ a b Bombardier Wins Contract to Provide up to 175 FLEXITY Trams to Brussels Transportation Company”. Bombardier (2018年4月5日). 2020年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月27日閲覧。
  13. ^ a b 2019-5-24 (2019年5月24日). “Brussels orders more New Generation Trams from Bombardier”. International Raiway Journal. 2019年11月2日閲覧。
  14. ^ Four years after its presentation, the “New Generation” tram finally arrives on the Brussels network: the details of the car and the reasons for the delay”. dayFR Euro (2023年4月27日). 2023年4月27日閲覧。

参考資料