プスタ
プスタ(ハンガリー語: puszta[ˈpustɒ])は、中央ヨーロッパ西部から東ヨーロッパにかけての大平原。ハンガリー平原、ハンガリー草原とも呼ばれる。
概要
プスタはドナウ川の中流域に広がり、ティサ川などが流れる。その大部分をハンガリーが領有し、スロヴァキア、セルビア(ヴォイヴォディナ)、スロヴェニア、オーストリアの一部にも広がる。ハンガリー随一の穀倉地帯で、小麦やヒマワリなどが栽培されている。元々は広大な森林地帯が広がっていたが、ハンガリーがオスマン帝国に領有されていた時代に木々が伐採され、湿地帯と化し、洪水が絶えなかった。そのため、河川を改良したことで、結果的に乾いた大地へと変貌した。ハンガリーの東部では、ホルトバージ国立公園などのように国立公園に指定されている場所もある。
生態系
プスタはアルカリ性のステップであり、沼地、養魚池、森林、ヨシ原も分布している[1][2]。ハンガリー東部一帯の特徴的な植物はヨシ、スイレン[2]、ウラギクなどであり[3]、バッタ、ガなどの昆虫類[4]、ヨーロッパスズガエル、ダニューブクシイモリなどの両生類[5]、カリガネ[2]、クロヅル、ソリハシセイタカシギ、シロチドリ、ノガン、サンカノゴイ、アオガン、セイタカシギ、セーカーハヤブサなどの鳥類[3][4][6][7][8][9]、ヨーロッパビーバー、ユーラシアカワウソ、ステップオナガネズミ、ヨーロッパハタリス、オコジョ、ステップケナガイタチなどの哺乳類が生息している[5][8][9][10]。ただし、近年にはイタチハギ、トネリコバノカエデ、ヤナギバグミ、オオトウワタなどの外来種の植物が侵入している[5][8][9]。
ホルトバージ国立公園とキシュクンシャーグ国立公園はユネスコの生物圏保護区に指定されており[1][4]、一帯に多数のラムサール条約登録地がある。
脚注
- ^ a b “Hortobagy Biosphere Reserve, Hungary” (英語). UNESCO (2019年5月14日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ a b c “Hortobágy | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2016年11月8日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ a b “Upper Kiskunság Alkaline Lakes | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2015年11月25日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ a b c “Kiskunság Biosphere Reserve, Hungary” (英語). UNESCO (2019年5月16日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ a b c “Montág-puszta | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2017年3月10日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ “Csongrád-Bokrosi Sóstó sodic-alkaline pans | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2015年11月25日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ “Upper Kiskunság alkaline steppes | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2017年4月3日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ a b c “Borsodi-Mezöség | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2015年11月25日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ a b c “Pusztaszer | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2021年11月11日). 2023年2月18日閲覧。
- ^ “Biharugra Fishponds | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2017年3月10日). 2023年2月18日閲覧。