大中橋 (荒川)
大中橋 | |
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大中橋(2015年1月) | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 埼玉県秩父市 |
交差物件 | 荒川 |
建設 | - 1960年 |
構造諸元 | |
形式 | トラス橋 |
材料 | 鋼 |
全長 | 57.8 m |
幅 | 3.5 m |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
大中橋(おおちゅうばし[1])は、埼玉県秩父市大滝の荒川に架かる秩父市道大滝127号[2]の道路橋である。すぐ上流側に新橋である大滝橋(おおたきはし[3])が架かる。本項では大滝橋にも触れる。
概要
荒川河口から146.8 kmの位置に架かる[4]周辺住民の生活道路になっていた橋で、橋長57.8メートル[2][5]、総幅員4.1メートル、有効幅員3.5メートル[2]の1径間の下路単純平行弦ワーレントラス橋で、荒川本流の源流域(大滝地区)では唯一のトラス橋である[1]。幅員が狭いので交互通行であった[6]。左岸側はすぐ国道140号の交差点である。歩道は設置されていないが、下流側に道路の路側帯の路肩側を緑色に着色したグリーンベルトが設けられている。橋桁の上流側に水道管が併設されている。橋は路線バスなどの公共交通機関の走行経路には指定されていなかったが、新橋(大滝橋)は西武観光バスおよび秩父市営バス の「大滝総合支所」停留所へのアクセス経路となっている[7][8]。旧橋(大中橋)は2020年(令和2年)3月12日現在通行止めとなっている。
歴史
大中橋は1960年(昭和35年)に架設された[9]。トラスの端柱に「1960年10月建造」と記された銘板が設置されている。橋の施工は横河橋梁(現、横河ブリッジ)が担当した[9]。開通当時は大滝村の村道橋であったが、2005年(平成17年)4月1日の市町村合併(平成の大合併)により大滝村は秩父市に合併され、秩父市管理の橋となった。2009年(平成21年)7月に劣化した橋の塗装の塗り替えが行われた[10]。
大滝橋の架設
大中橋の開通から50年以上が経過し老朽化したことや、幅員が狭く大型車の通行が不可能であることから[6]、上流側に地元町会や[11]対岸に点在するレジャー施設などからの要望により[6]、秩父市が事業主体となり、新橋である橋長81.2メートル、幅員9.0メートル(内、歩道2.5メートル)、で2車線の新橋(後の大滝橋)の架設工事が2012年(平成24年)度[12]より行われ、橋台や橋脚などの下部工の施工が行なわれている[13]。施工業者は秩父土建(契約業者)が9706万2000円で[13]、斎藤組(契約業者)が7439万7571円で請け負っている[14]。総工費は当初は4億5000万円を見込んでいたが、資材の高騰により約5億円に増額となる見通しで、総工費の内の2億2500万円は2012年度の道整備交付金としての国庫金である[6]。2015年度より上部工の施工に着手し[6]、新橋は2015年9月に開通予定で工事が進められた[6][15]。橋の新設については、大型車の通行も可能になると歓迎の声がある一方で、周辺に商店がないことから市の予算を買い物難民の救済に使ってほしかったとの周辺住民の声もあった[6]。新橋の開通後は、大中橋は歩行者専用の橋として使用が継続される予定であったが[6]、2020年(令和2年)3月12日現在は通行止めとなっている。また、橋の建設に伴い右岸側の取り付け道路が整備されることになり、2014年1月に取り付け道路の拡幅の際に支障となる、大滝中学校敷地内の卒業記念樹や松の大木の移植が行われている[16][17]。なお、橋の袂にある大滝中学校は自然災害などの有事の際の周辺住民の一時避難場所となっているが[18]、新橋架設事業の決定後の2013年(平成25年)5月に2015年3月末をもって閉校することが決まり、閉校後は耐震性に問題がある大滝総合支所を移転する構想があった[6]。この構想は新橋開通後の2018年(平成30年)3月12日に実現し[19]、それに伴い「大滝総合支所」バス停は旧庁舎のあった左岸側の国道沿いから対岸の新庁舎そばに移設され、バス路線も新橋を経由する経路に変更された[20]。
橋は2016年(平成28年)12月20日に大滝町会主催による開通式典が挙行され、テープカットや渡り初めなどが行なわれた[3][12]。総事業費は最終的には5億8千万円であった。
周辺
大中橋周辺は旧大滝村の中心地で、この付近から中津川の流域沿いにかけて集落が点在する。この橋付近を境に上流側は四万十帯と呼ばれる約1億年前の地層を有し、下流側は秩父帯と呼ばれる約2億年前の固い地層を有した山間部の深いV字谷となっている[21]。橋のすぐ上流で荒川の支流である中津川が合流する。この合流点付近は1982年(昭和57年)度より埼玉県が水質測定を行う地点のひとつに加えられている[22]。すぐ下流側に落合堰堤と呼ばれる堰[23]が設けられているので川面は淀んでいる。周囲は秩父多摩甲斐国立公園の公園区域である普通地域の区域に指定されている[24]。また、2004年(平成16年)にかけて周辺にカエデ(もみじ)が国道に沿って植栽され、秋季には奥秩父大滝紅葉まつりの祭事が開催される[11][25]。
- 秩父市役所大滝総合支所旧庁舎(旧大滝村役場)
- 秩父市役所大滝総合支所
- 秩父市大滝国民健康保険診療所
- 道の駅大滝温泉
- 大滝歴史民俗資料館
- 大滝食文化センター
- 大滝郵便局
- JAちちぶ大滝
- 普寛(ふかん)神社
- 中津川
- 落合橋
- 東京発電宮平発電所
- 落合堰堤(取水堰) - 東京発電大滝発電所の付帯設備[23]。
風景
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右岸側橋詰より。
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新大中橋の工事情報板。
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新大中橋の架設工事(右岸橋台)。
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新大中橋の架設工事(左岸橋台)。
隣の橋
脚注
- ^ a b “かわはくだより第12号”. 埼玉県立川の博物館. p. 2 (2001年11月30日). 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b c “秩父市橋梁長寿命化修繕計画” (PDF). 秩父市 地域整備部 地域整備部 道づくり河川課. p. 5 (2013年3月). 2014年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月27日閲覧。
- ^ a b “市報ちちぶ 2017年2月号(No.143)” (PDF). 秩父市ホームページ. p. 17 (2017年2月10日). 2020年2月1日閲覧。
- ^ “企画展「荒川の橋」荒川・隅田川の橋(amoaノート第8号)” (PDF). 荒川下流河川事務所(荒川知水資料館). 2005年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月27日閲覧。
- ^ 土木学会のホームページや、『荒川人文II -荒川総合調査報告書3-』231頁では橋長48.0メートルと記されている。
- ^ a b c d e f g h i 『朝日新聞』28頁。
- ^ 西武観光バス路線案内図(秩父営業所管内) (PDF) - 西武バス(2019年4月1日). 2020年2月22日閲覧。
- ^ 秩父市内路線バスのご案内 - 秩父市ホームページ. 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b 大中橋1960- - 土木学会附属土木図書館橋梁史年表。2020年2月22日閲覧。
- ^ -平成21年4月契約分- 公共工事の発注状況の公表(市報ちちぶ 平成21年6月号) (PDF) p. 13 - 秩父市ホームページ. 2015年1月27日閲覧。
- ^ a b “秩父市議会だより第23号” (PDF). 秩父市議会. p. 9 (2011年2月10日). 2015年1月28日閲覧。
- ^ a b “2016年12月20日 大滝橋竣工 - 市長ブログ(平成28年)”. 秩父市ホームページ (2016年12月20日). 2020年2月1日閲覧。
- ^ a b “市報ちちぶ(平成25年11月号)” (PDF). 秩父市. p. 13 (2013年11月10日). 2015年8月2日閲覧。
- ^ “市報ちちぶ(平成26年11月号)” (PDF). 秩父市. p. 15 (2014年11月10日). 2015年9月13日閲覧。
- ^ 朝日新聞さいたま総局公式ツイッター. 2015年1月27日閲覧。
- ^ 卒業記念樹移植作業 - 秩父市立大滝中学校. 2015年1月27日閲覧。
- ^ 松の移植 - 秩父市立大滝中学校. 2015年1月27日閲覧。
- ^ “「指定避難場所一覧表」&「指定避難場所マップ」”. 秩父市. 2015年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月6日閲覧。
- ^ ◆大滝総合支所が移転します◆ - 秩父市. 2020年3月13日閲覧。
- ^ 平成29年度第1回秩父市地域公共交通会議 会議録 (PDF) - 秩父市ホームページ. 2020年3月13日閲覧。
- ^ “ジオパーク秩父を楽しむコースマップ!” (PDF). ジオパーク秩父. 2019年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月27日閲覧。
- ^ “9中津川合流点前(荒川)”. 埼玉県 (2015年10月26日). 2016年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月1日閲覧。
- ^ a b 発電所設備等の概要 (PDF) - 埼玉県ホームページ. 2015年3月8日閲覧。
- ^ 秩父多摩甲斐国立公園 - 環境省. 2015年1月27日閲覧。
- ^ “奥秩父大滝 紅葉まつり”. 西武鉄道(秩父ろまん). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月27日閲覧。
- ^ 沿革 - 秩父市立大滝中学校. 2015年1月28日閲覧。
- ^ “全国へき地校リンク”. 全国へき地教育研究連盟. 2015年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月28日閲覧。
参考文献
- 「新橋必要?疑問の声 そばに既存橋、減る歩行者 秩父の「大中橋」」『朝日新聞』朝刊(46003号)13版第2埼玉 28頁、朝日新聞東京本社発行、2014年6月5日。
- 埼玉県県民部県史編さん室『荒川 人文II - 荒川総合調査報告書3 -』埼玉県、1988年3月5日。
座標: 北緯35度57分8.5秒 東経138度56分6.8秒 / 北緯35.952361度 東経138.935222度