阿蘇神社
阿蘇神社 | |
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![]() 拝殿 | |
所在地 | 熊本県阿蘇市一の宮町宮地3083-1 |
位置 | 北緯32度56分52秒 東経131度06分57.5秒 / 北緯32.94778度 東経131.115972度 |
主祭神 |
健磐龍命 阿蘇都比咩命 ほか10柱 |
社格等 | 式内社(名神大)・肥後国一宮・官幣大社・別表神社 |
創建 | 孝霊天皇9年 |
例祭 | 7月28日 |
阿蘇神社(あそじんじゃ)は熊本県阿蘇市にある神社である。式内社(名神大)、肥後国一宮で、旧社格は官幣大社。日本全国に約450社ある「阿蘇神社」の総本社である。現地には「阿蘓神社」と書かれた銘板も存在している。全国的にも珍しい横参道で、参道の南には阿蘇火口、北には国造神社が位置していると言われている[1]。
祭神
神武天皇の孫の健磐龍命(一宮)、その妃神で土地の神の阿蘇都比咩命(二宮)をはじめとして以下の12柱の神を祀り、「阿蘇十二明神」と総称する。
- 一の神殿(左手)
- 一宮 -- 健磐龍命
- 三宮 -- 國龍神(二宮の父)
- 五宮 -- 彦御子神(一宮の孫)
- 七宮 -- 新彦神(三宮の子)
- 九宮 -- 若彦神(七宮の子)
- 二の神殿(右手)
- 二宮 -- 阿蘇都比咩命(一宮の妃)
- 四宮 -- 比咩御子神(三宮の妃)
- 六宮 -- 若比咩神(五宮の妃)
- 八宮 -- 新比咩神(三宮の子)
- 十宮 -- 彌比咩神(七宮の妃)
- 諸神殿(最奥)
- 十一宮 -- 國造速瓶玉神(一宮の子)
- 十二宮 -- 金凝神(一宮の叔父)
- 全国式内社御祭神3132座
歴史
孝霊天皇9年6月、健磐龍命の子で、初代阿蘇国造に任じられた速瓶玉命(阿蘇都比古命)が、両親を祀ったのに始まると伝えられる。阿蘇神社大宮司を世襲しこの地方の一大勢力となっていた阿蘇氏は、速瓶玉命の子孫と称している。延喜式神名帳には、一宮が「肥後國阿蘇郡 健磐龍命神社」と記載され名神大社に列し、二宮が「肥後國阿蘇郡 阿蘇比咩神社」と記載され小社に列している。
肥後国一宮とされて崇敬を受け、広大な社領を有していたが、豊臣秀吉の九州征伐の際に社領を没収された。その後、改めて天正15年に300町の社地が寄進され、さらに、領主となった加藤清正、肥後藩主として入国した細川氏によって社領の寄進、社殿の造修が行われた。近代社格制度のもと、1871年(明治4年)に国幣中社に列格し、1890年(明治23年)に官幣中社、1914年(大正3年)に官幣大社に昇格した。
歴史・伝承は、現在宮司の阿蘇惟之編 『阿蘇神社』(学生社 2007年)に詳しい。
祭事
- 踏歌節会
- 節分祭
- お神楽
- 春の卯の祭
- 火振り神事
- 御前迎神事
- 風祭り
- 御田植神幸式
- ねむり流し神事
- 秋祭り
境内外社
東向きに楼門があり、境内には社殿が3棟ある。「日本三大桜門」に数えられるその桜門は、高さが18mあり、神社では珍しい仏閣の様式で建てられた二層桜山門式である[1]。
文化財
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/26/AsojinjaRomon.jpg/220px-AsojinjaRomon.jpg)
- 一の神殿
- 二の神殿
- 三の神殿
- 楼門
- 御幸門
- 還御門
- 太刀 銘長光(第二次大戦後、連合軍により接収、以後の所在不明)
- 牡丹造短刀(同上)
その他
- 最寄駅は豊肥本線の宮地駅。駐車場はある。
- 拝殿の右手には、古代より神石として伝承保存されている願掛け石がある。時期は不明だが、参拝者たちが石に3回なでてから、願い事を唱える様になった。パワースポットとされている[1]。
- 境内には、謡曲「高砂の松」に因んだ、同名の縁結びの松がある。男性は左から2回、女性は右から2回まわるとご利益があるとされる[1]。
- 近隣に位置する阿蘇市立一の宮中学校の校歌の歌詞に「大宮の瑞垣」とあるが、これは阿蘇神社のことである。
他の阿蘇神社
九州を中心として日本全国に当社の分社がある。また、「小一領神社」「郡浦神社」「宮原両神社」「健軍神社」「国造神社」なども当社の系統である。
- 青井阿蘇神社(熊本県人吉市、旧県社)
- 阿蘇神社(東京都羽村市羽加美4丁目) -- 多摩川サイクリングロード終点にある
- 阿蘇神社 (羽島市)(岐阜県羽島市) -- 別名「小熊一宮」「小熊本宮」
関連項目
- 多氏
- 阿蘇国造
- 阿蘇氏 概ね、歴代当主が宮司をつとめる。
- 国造神社 -- 式内社。当社十一宮の國造速瓶玉神を主祭神とする。
- くまもとアートポリス - くまもとアートポリス'92既存選定建築物に選定。
- あそ1962 -- 最寄り駅の宮地駅発着の観光列車。祭事「御田植神幸式」(通称「おんだまつり」)で神に差し出すお膳から名付けられた「阿蘇うなり弁当」が車内で販売されている。