血小板活性化因子

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血小板活性化因子
識別情報
CAS登録番号 74389-68-7
PubChem 108156
ChemSpider 26286744
J-GLOBAL ID 200907030947286494
MeSH Platelet+Activating+Factor
1833
1831
特性
化学式 C26H54NO7P
モル質量 523.68 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

血小板活性化因子(けっしょうばんかっせいかいんし、: platelet-activating factorPAF)は、血小板凝集や脱顆粒、炎症アナフィラキシーを含む多くの白血球機能の強力なリン脂質活性化剤・メディエーターである。AGEPC (acetyl-glyceryl-ether-phosphorylcholine) としても知られている。また、白血球の血管透過性、酸化的破壊、走化性や食細胞におけるアラキドン酸代謝の増強に関与している。

PAFは、好中球好塩基球、損傷組織、単球/マクロファージ、血小板、血管内皮細胞を含む様々な細胞種による特異的な刺激に応答して産生される。

化学[編集]

O-アルキル側鎖の長さが異なるPAFのいくつかの分子種が同定されている。

機能[編集]

PAFは気管支収縮英語版の重要なメディエーターである。

PAFは血小板を凝集させ、血管を拡張させる。したがって、止血の過程において重要である。10-12 mol/Lの濃度において、PAFは気管支喘息様の症状を誘導する命にかかわる気道の炎症を引き起こす。

破壊されたバクテリア断片といった毒素はPAFの合成を誘導し、血圧の低下と心臓によって送液される血液量の減少を引き起こす。これによってショック状態あるいは死の危険性もある。

歴史[編集]

PAFはフランス人免疫学者ジャック・バンヴェニストによって1970年代初頭に発見された[1][2]。構造は1979年にConstantinos A. Demopoulosによって解明された[3]

生合成および分解[編集]

PAFはLPCアシルトランスフェラーゼ英語版によってリゾホスファチジルコリン英語版およびアセチルCoAから生合成される。また、ホスフォコリントランスフェラーゼによる2-アセチルモノアルキルグリセロールエーテルにも由来する。

PAFはホスホリパーゼA2と関連しているPAFアセチルヒドロラーゼ英語版と呼ばれる一群の酵素によって分解される。

アンタゴニスト[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Benveniste J, Henson PM, Cochrane CG (1972). “Leukocyte-dependent histamine release from rabbit platelets. The role of IgE, basophils, and a platelet-activating factor”. J. Exp. Med. 136 (6): 1356–77. doi:10.1084/jem.136.6.1356. PMC 2139324. PMID 4118412. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=2139324. 
  2. ^ Benveniste J (1974). “Platelet-activating factor, a new mediator of anaphylaxis and immune complex deposition from rabbit and human basophils”. Nature 249 (457): 581–2. doi:10.1038/249581a0. PMID 4275800. 
  3. ^ Demopoulos CA, Pinckard RN, Hanahan DJ (1979). “Platelet-activating factor. Evidence for 1-O-alkyl-2-acetyl-sn-glyceryl-3-phosphorylcholine as the active component (a new class of lipid chemical mediators)” (abstract). J. Biol. Chem. 254 (19): 9355–8. PMID 489536. http://www.jbc.org/cgi/content/abstract/254/19/9355. 
  4. ^ Hayashi J, Hiromura K, Koizumi R, Shimizu Y, Maezawa A, Nojima Y, Naruse T (2001). “Platelet-activating factor antagonist, SM-12502, attenuates experimental glomerular thrombosis in rats”. Nephron. 87 (3): 274-278. doi:10.1159/000045926. PMID 11287764. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]