薩た峠
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薩埵峠(さったとうげ)は、静岡県静岡市清水区にある峠である。東海道五十三次では由比宿と興津宿の間に位置する[1]。埵の字がJIS第3水準のため、「薩堆峠」の表記や、かな文字で「さった峠」と表記する例がある。
概要[編集]
市内興津地区と由比地区の境界付近は、薩埵山が海へと突き出す地形となっており、古くは海岸線を波にさらわれぬよう駆け抜ける必要があった。このため、同様の状態であった新潟県・富山県境の親不知と並び称されたり、東海道の三大難所として語られてきた。このため山側に迂回コースとして造られたのが薩埵峠である。駿河湾に面した清水港の北に位置する薩埵峠は標高93 mの小さな峠で、峠道はミカン畑のある急斜面の細道ながら、興津駅と由比駅の間には遊歩道も整備されている[1]。
峠にある展望所からの富士山と駿河湾の景色は、歌川広重の浮世絵『東海道五十三次・由比』にも残されるほどの絶景で[1]、東名高速道路の宣伝材料など、さまざまな素材にも利用されている。また、ここから見渡せる由比地区西部が東名高速道路と国道1号およびJR東海道本線が並行して走る区間で交通の要所でもあることなどから、通過交通の現況を一覧できるポイントとして、在静の民放(静岡放送、テレビ静岡)やNHK静岡放送局が、薩埵峠からほど近い場所に情報カメラを設置している。
薩埵という名称が「去った」と読めて語感が悪いという理由で、江戸時代末期の和宮の徳川家茂への婚儀の行列はここを通らず、中山道を通過した。
現況[編集]
現在の国道1号は海岸線を沿うように走っており、薩埵峠は主要道路の位置づけから外れている。道幅は1車線ギリギリという狭さではあるが、峠の最高地点には石碑や駐車場などが整備されている。浮世絵にクロマツが点在する姿で描かれていたはげ山は、ミカンを中心とした果樹や雑木林が広がる斜面となっている。
東名高速道路の清水インターチェンジ (IC) から峠まで約10 kmのところに位置しており[1]、峠のすぐ下には、東名高速道路の薩埵トンネルが通っている。
災害[編集]
地質的に脆弱であり、古くから地すべり性崩壊による土砂災害が発生する場所として知られていた。特に、由比町側では集落の裏山が地すべり防止区域に設定され、林野庁の直轄治山事業が行われてきた経緯がある。
- 1707年 宝永地震により崩壊。
- 1854年 安政東海地震により崩壊。なお、この地震の影響で直下の海岸が隆起し、海岸線が通行可能になった。
- 1892年、1938年、1948年 原因不明の崩壊が発生。直下に位置する東海道本線を埋没させた。
- 2014年 大型の台風18号により、薩埵峠東側付近で東海道本線の上下線が土砂に塞がれた。
ギャラリー[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c d 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 67.
参考文献[編集]
- 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 『絶景ドライブ100選[新装版]』 松井謙介編、学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日。ISBN 978-4-05-610907-8。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- さった峠展望台へのアクセス - 静岡市
- 薩埵峠 ハローナビしずおか - 静岡県観光協会
- さった峠 富士山ライブカメラ - 静岡市
- 静岡市さった峠 ライブカメラ - 公式YouTubeチャンネル
座標: 北緯35度04分18.1秒 東経138度32分28.2秒 / 北緯35.071694度 東経138.541167度