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空集合の公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

空集合の公理(くうしゅうごうのこうり、: axiom of empty set)は、ツェルメロ=フレンケル集合論などの集合論の公理系を構成する公理の一つであり、「元をもたない集合が存在する」と定める。ただし、この公理を採用しないZF公理系の定式化も存在する[1]

定義

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元をもたない集合が存在する。

性質

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外延性の公理との連言により、元をもたない集合は一意に定まる。この集合を空集合と呼ぶ。数式上では、 と表記する。

空集合を表す定数記号を予め用意してZFを記述することもある。その流儀では、無限公理 相当の元は、単に何らかの集合を表すだけのただの記号に置き換わり、空集合の公理によってはじめてそれが空集合であると保証される。

この公理の主張自体は明白なものと考えられているが、一階述語論理置換公理から導くことが可能なため[2]、公理に加えないこともある。

脚注・出典

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  1. ^ ケネス・キューネン『集合論 独立性証明への案内』藤田博司訳、日本評論社、2008年、ISBN 978-4-535-78382-9
  2. ^ Metamath Proof Explorer, Theorem axnul

参考文献

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  • Jech, Thomas (2002), Set Theory, Springer Monographs in Mathematics (3rd millennium ed.), Springer, ISBN 3-540-44085-2