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冪集合公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

冪集合公理(べきしゅうごうこうり、: axiom of power set)とは、ツェルメロ=フレンケル集合論などの集合論の公理系を構成する公理の一つであり、「任意の集合について、その任意の部分集合からなる集合も存在する」と定める。

定義

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任意の集合について、少なくともその集合の任意の部分集合を元とする集合が存在する。

他の公理との関係

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分出公理と外延性公理との連言により、任意の集合 について、 の任意の部分集合のみを元とする集合の存在が一意に定まる。この集合を 冪集合と呼び、 または と表記する。

部分集合関係は公理的に定義されるため、形式言語において部分集合は用いられない。実際、公理はお互い独立なものでなければならない。

帰結

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冪集合公理は、二つの集合 に対し、次のようなデカルト積の簡単な定義を許す:

ここで

であり、

であるため、このデカルト積は集合であることに注意されたい。

任意の有限集合に対しても、デカルト積を次のように帰納的に定義することが出来る:

デカルト積の存在は、クリプキ=プラテクの集合論英語版におけるように、冪集合公理を用いなくても証明できることに注意されたい。

参考文献

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  • Paul Halmos, Naive set theory. Princeton, NJ: D. Van Nostrand Company, 1960. Reprinted by Springer-Verlag, New York, 1974. ISBN 0-387-90092-6 (Springer-Verlag edition).
  • Jech, Thomas, 2003. Set Theory: The Third Millennium Edition, Revised and Expanded. Springer. ISBN 3-540-44085-2.
  • Kunen, Kenneth, 1980. Set Theory: An Introduction to Independence Proofs. Elsevier. ISBN 0-444-86839-9.

この記事は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-継承 3.0 非移植のもと提供されているオンライン数学辞典『PlanetMath』の項目Axiom of power setの本文を含む