「千羽鶴」の版間の差分

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{{Otheruses||[[川端康成]]の小説|千羽鶴 (小説)|[[ジー・モード]]が発売したゲームソフトのシリーズ|千羽鶴シリーズ|遊助の楽曲|千羽鶴 (遊助の曲)}}
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'''千羽鶴'''(せんばづる)は、多数の[[ツル|鶴]]の描かれた模様や絵画、および[[折り紙]]である[[折鶴|折り鶴]]を[[1000]]羽作り、糸などで綴じて束ねたものを指す<ref name="gensen">{{OA}}{{Cite book|和書|author=落合直文|authorlink=落合直文|title=言泉 : 日本大辞典|edition=改修版|date=1922|publisher=大倉書店|id={{NDLJP|969161/301}}|volume=第3巻|page=2426|quote=せんば-づる 千羽鶴【名】一 折鶴を糸に通して、数多く連ねたるもの。千匹猿の如く、淡島・鬼子母神などにささげて、女児の技芸の上達を祈る。二 数多くの鶴を描き連ねたる模様。傾城島原蛙合戦「松に群れゐる千羽鶴、十二の雛を飼ひそだて」}}</ref><ref name="daijisen">{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/千羽鶴|title=千羽鶴|publisher=[[コトバンク]]|author=デジタル大辞泉|accessdate=2018-07-13}}</ref><ref name="nipponica">{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/千羽鶴|title=千羽鶴|publisher=[[コトバンク]]|author=日本大百科全書(ニッポニカ)|accessdate=2018-07-13}}</ref>。瑞鳥である鶴が千羽(多数)いることから更なる瑞兆を表す<ref name="daijisen"/><ref name="nipponica"/>。千羽は多数の意味で、1000羽ちょうどでなくてもよい<ref name="nipponica"/>。社寺に奉納されたり、祝福、幸福祈願、災害などへの慰安、病気平癒祈願、見舞いなどを目的に作成や贈呈が行われている<ref name="daijisen"/><ref name="nipponica"/>。
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| 4=[[広島平和記念公園]]の千羽鶴
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[[File:Paper Cranes.jpg|thumb|300px|千羽鶴]]
'''千羽鶴'''(せんばづる)は、多数の[[ツル|鶴]]の描かれた模様や絵画、および[[折り紙]]である[[折鶴|折り鶴]]を[[1000]]羽作り、糸などで綴じて束ねたものを指す<ref name="gensen">{{OA}}{{Cite book|和書|author=落合直文|authorlink=落合直文|title=言泉 : 日本大辞典|edition=改修版|date=1922|publisher=大倉書店|id={{NDLJP|969161/301}}|volume=第3巻|page=2426|quote=せんば-づる 千羽鶴【名】一 折鶴を糸に通して、数多く連ねたるもの。千匹猿の如く、淡島・鬼子母神などにささげて、女児の技芸の上達を祈る。二 数多くの鶴を描き連ねたる模様。傾城島原蛙合戦「松に群れゐる千羽鶴、十二の雛を飼ひそだて」}}</ref><ref name="daijisen">{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/千羽鶴|title=千羽鶴|publisher=[[コトバンク]]|author=デジタル大辞泉|accessdate=2018-07-13}}</ref><ref name="nipponica">{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/千羽鶴|title=千羽鶴|publisher=[[コトバンク]]|author=日本大百科全書(ニッポニカ)|accessdate=2018-07-13}}</ref>。瑞鳥である鶴が千羽(多数)いることから更なる瑞兆を表す<ref name="daijisen"/><ref name="nipponica"/>。千羽は多数の意味で、1000羽ちょうどでなくてもよい<ref name="nipponica"/>。かつては社寺に奉納されていたが<ref name="gensen"/>、現在は祝福、幸福祈願、災害などへの慰安、病気平癒祈願、見舞いなどを目的に作成や贈呈が行われている<ref name="daijisen"/><ref name="nipponica"/>。


[[広島市への原子爆弾投下]]で被爆し、[[原爆症]]で死亡した[[佐々木禎子]]が自らの延命を祈って作ったことから、[[平和の象徴]]にもなっている{{Sfn|田中勝|2016}}。
[[広島市への原子爆弾投下]]で被爆し、[[原爆症]]で死亡した[[佐々木禎子]]が自らの延命を祈って作ったことから、[[平和の象徴]]にもなっている{{Sfn|田中勝|2016}}。
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== 歴史 ==
== 歴史 ==
=== 道教の由来 ===
千羽鶴の起源ははっきりとは分かっていない<ref name="ref_1000197242">{{Cite web|url=http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000197242|title=病気見舞いや平和祈願に千羽鶴を折るようになった由来を知りたい。佐々木禎子さんが折鶴を折ったのが始まりなのか?|accessdate=2018-07-15|date=2016-09-27|author=豊中市立図書館|work=レファレンス協同データベース|publisher=国立国会図書館}}</ref>。かつては、1797年の魯縞庵義道の『[[秘傳千羽鶴折形]]』のように[[連鶴]]を「千羽鶴」と呼称していた{{Sfn|田中勝|2016|p=59}}。『秘傳千羽鶴折形』の序文では、鶴と富、折り鶴と長寿祈願を結びつけている{{Sfn|田中勝|2016|p=59}}。戦前には、糸に通した折り鶴を「千羽鶴」と呼称し、女児の技芸上達祈願として淡島・鬼子母神などの寺社にささげていた<ref name="gensen"/>。
不老不死と現世利益を柱とする中国の土俗宗教である[[道教]]{{Sfn|ref=978-4537022223|日本史を彩る道教の謎|p=12}}において、鶴は[[仙人]]とつながりのある仙禽とされた。たとえば[[王子喬]]という仙人が緱氏山の頂上まで鶴に乗って来た話や、[[神仙伝]]には蘇仙公が母に置いていった必要な物が何でも出てくる箱の中に2羽の鶴がいた話が記されている{{Sfn|ref=978-4537022223|日本史を彩る道教の謎|p=84-85}}。
淮南子は『説林訓』で「鶴壽千歳」<ref>{{Cite wikisource|title=淮南子 (四部叢刊本)/卷第十七|author=淮南子|wslanguage=zh}}</ref>(鶴寿千歳、かくじゅせんざい)と記しており、
鶴は長寿のシンボルであった。{{Sfn|ref=978-4537022223|日本史を彩る道教の謎|p=85}}。

=== 日本へ伝搬 ===
[[遣唐使]]を通じ、道教が最盛期だった唐代の文化が日本の飛鳥・奈良・平安初期に流れ込んだ{{Sfn|ref=978-4537022223|日本史を彩る道教の謎|p=14-17}}。
現存する最古の日本漢詩集の[[懐風藻]]に[[葛野王]]が「安くにか王喬が道を得て、鶴を控きて蓬瀛に入らむ」と詩を残した事から、奈良時代には鶴にまつわる神仙思想が伝わっていたと分かる。{{Sfn|ref=978-4537022223|日本史を彩る道教の謎|p=86}}。

いっぽう日本の初期の折り鶴は[[祓]]の[[穢れ]]を移す人形の意味合いが強いものであった。<ref>[https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202204/0015258162.shtml なぜ人は千羽鶴を折るのか 日本折紙協会に聞いた 「海外にも折り紙文化はあります」]</ref>

=== 千羽鶴の成立 ===
かつては、1797年の魯縞庵義道の『[[秘傳千羽鶴折形]]』のように[[連鶴]]を「千羽鶴」と呼称していた{{Sfn|田中勝|2016|p=59}}。『秘傳千羽鶴折形』の序文では、鶴と富、折り鶴と長寿祈願を結びつけている{{Sfn|田中勝|2016|p=59}}。戦前には、糸に通した折り鶴を「千羽鶴」と呼称し、女児の技芸上達祈願として淡島・鬼子母神などの寺社にささげていた<ref name="gensen"/>。

=== 病気見舞 ===
千羽鶴が病気見舞とされた起源ははっきりとは分かっていない<ref name="ref_1000197242">{{Cite web|url=http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000197242|title=病気見舞いや平和祈願に千羽鶴を折るようになった由来を知りたい。佐々木禎子さんが折鶴を折ったのが始まりなのか?|accessdate=2018-07-15|date=2016-09-27|author=豊中市立図書館|work=レファレンス協同データベース|publisher=国立国会図書館}}</ref>が、原爆被爆者の少女、佐々木禎子は1955年2月に亜急性リンパ性白血病と診断され、広島赤十字病院に入院していた。1955年5月に岐阜県または愛知県の人からもらった慰問の手紙に、5cmほどのセロハンの折り鶴がはさんであるのを見て、折り鶴を千羽折れば病気が治ると信じて鶴を折り始めたようである<ref name="ref_1000197242"/>{{Sfn|田中勝|2016|p=61}}。1995年の中国新聞によれば、愛知淑徳高青少年赤十字団員が原爆患者に贈った4千羽の折り鶴のうち、2千羽が広島赤十字病院に贈られている{{Sfn|田中勝|2016|p=61}}。佐々木禎子は、自分で折り鶴を折り上げることにこだわっていたようである{{Sfn|田中勝|2016|p=61}}。佐々木禎子の折った折り鶴の数については諸説あるが、実兄の佐々木雅弘によれば、最初の千羽は自らの病気治癒祈願として、次の千羽は父が近所のクリーニング店の主人に頼まれ保証人になったばかりに抱えた{{Sfn|ref=978-4-05-203817-4|佐々木雅弘 著『禎子の千羽鶴』| p=72-73}}一家の借金のことを祈っていたという{{Sfn|ref=978-4-05-203817-4|佐々木雅弘 著『禎子の千羽鶴』| p=153}}{{Sfn|田中勝|2016|p=63}}。

=== 平和の象徴に ===
=== 平和の象徴に ===
折り鶴や千羽鶴が平和の象徴となったのは、[[原爆の子の像]]のモデルになった原爆被爆者の少女、佐々木禎子が千羽鶴を折ったことによる{{Sfn|田中勝|2016|p=60}}。1955年2月に亜急性リンパ性白血病と診断され、広島赤十字病院に入院していた佐々木禎子は、1955年5月に岐阜県または愛知県の人からもらった慰問の手紙に、5cmほどのセロハンの折り鶴がはさんであるのを見て、折り鶴を千羽折れば病気が治ると信じて鶴を折り始めたようである<ref name="ref_1000197242"/>{{Sfn|田中勝|2016|p=61}}。1995年の中国新聞によれば、愛知淑徳高青少年赤十字団員が原爆患者に贈った4千羽の折り鶴のうち、2千羽が広島赤十字病院に贈られている{{Sfn|田中勝|2016|p=61}}。佐々木禎子は、自分で折り鶴を折り上げることにこだわっていたようである{{Sfn|田中勝|2016|p=61}}。佐々木禎子の折った折り鶴の数については諸説あるが、実兄の佐々木雅弘によれば、最初の千羽は自らの病気治癒祈願として、次の千羽は父の借金のことを祈っていたという{{Sfn|田中勝|2016|p=63}}。佐々木禎子は1955年10月に亡くなるが、その思いは同級生や他の被爆者により引き継がれ、原爆の犠牲になったすべての子供たちへの慰霊として1958年5月に原爆の子の像が平和記念公園に建てられる。この原爆の子の像の塔の鐘には、[[湯川秀樹]]により「千羽鶴」と彫られている{{Sfn|田中勝|2016|p=62}}。この物語はフィクションも巻き込みながら海外へと紹介され、千羽鶴は単純な長寿祈願を超えて、「生きたい」という生存権利の主張という意味合いを持って世界に広がっていった{{Sfn|田中勝|2016|p=63}}。1999年と2000年の広島市のアンケートでは、佐々木禎子と千羽鶴について、日本以上に海外で知られているという結果が出ている{{Sfn|田中勝|2016|p=64}}。
折り鶴や千羽鶴が平和の象徴となったのは、佐々木禎子が[[原爆の子の像]]のモデルになったことによる{{Sfn|田中勝|2016|p=60}}。佐々木禎子は1955年10月に亡くなるが、その思いは同級生や他の被爆者により引き継がれ、原爆の犠牲になったすべての子供たちへの慰霊として1958年5月に原爆の子の像が平和記念公園に建てられる。この原爆の子の像の塔の鐘には、[[湯川秀樹]]により「千羽鶴」と彫られている{{Sfn|田中勝|2016|p=62}}。

「広島折鶴の会」の世話人を務めていた河本一郎は<ref>[https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=94033 故河本さんを語り継ぐ 原爆の子の像発案 130人中区で集い] 中国新聞 2019年10月21日</ref>
「つるを折り、この像にささげるということだけでも、平和への行動に参加することになるとおもうのです」<!-- 子供も対象にした本なのでひらがなが多い可能性あり -->
と語った{{Sfn|ref=978-4537022223|飛べ!千羽づる|p=165}}。

禎子の千羽鶴の物語はフィクションも巻き込みながら海外へと紹介され、千羽鶴は単純な長寿祈願を超えて、「生きたい」という生存権利の主張という意味合いを持って世界に広がっていった{{Sfn|田中勝|2016|p=63}}。

1999年と2000年に広島市へ折り鶴を送ってきた個人や団体の代表者に『サダコと千羽鶴』の物語を知っているかアンケート調査した結果、日本は「知らない」が39%だったのに対し、海外は7%であった。この結果を元に広島市は「折り鶴とサダコは、日本よりも海外で密接に結びついてひろまっている」との分析を市のホームページに掲載した<ref>[http://www.pcf.city.hiroshima.jp/virtual/VirtualMuseum_j/exhibit/exh0107/exh01075.html 広がるサダコの物語]</ref>{{Sfn|田中勝|2016|p=64}}。逆に日本の個人や団体は約4割も『サダコと千羽鶴』について知らないまま折り鶴を送っている。

==== 楽曲 ====
==== 楽曲 ====
長崎市では1995年(原爆投下50年)に公募した、横山鼎(一般公募)作詞、[[大島ミチル]](長崎県出身の作曲家)作曲の歌曲『千羽鶴』を、長崎原爆資料館で毎日11時02分、長崎市の防災無線で毎月9日の11時02分に流している。また、長崎市役所の電話の保留音としても採用されている{{Sfn|田中勝|2016|p=65}}。長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典では、[[純心女子高等学校]]の合唱団によって歌われている(大島が同校の卒業生)<ref>{{Cite web|url=http://www.city.nagasaki.lg.jp/heiwa/3020000/3020300/p028743.html|title=長崎市│被爆71周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典|accessdate=2018-07-29|date=2016-10-07|publisher= 長崎市}}</ref>。
長崎市では1995年(原爆投下50年)に公募した、横山鼎(一般公募)作詞、[[大島ミチル]](長崎県出身の作曲家)作曲の歌曲『千羽鶴』を、長崎原爆資料館で毎日11時02分、長崎市の防災無線で毎月9日の11時02分に流している。また、長崎市役所の電話の保留音としても採用されている{{Sfn|田中勝|2016|p=65}}。長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典では、[[純心女子高等学校]]の合唱団によって歌われている(大島が同校の卒業生)<ref>{{Cite web|url=http://www.city.nagasaki.lg.jp/heiwa/3020000/3020300/p028743.html|title=長崎市│被爆71周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典|accessdate=2018-07-29|date=2016-10-07|publisher= 長崎市}}</ref>。
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==== 映画 ====
==== 映画 ====
佐々木禎子と千羽鶴の映画表現として、[[木村荘十二]]監督、諸井條次脚本の1958年の映画『千羽鶴』がある{{Sfn|田中勝|2016|p=65}}。
佐々木禎子と千羽鶴の映画表現として、[[木村荘十二]]監督、諸井條次脚本の1958年の映画『千羽鶴』がある{{Sfn|田中勝|2016|p=65}}。

=== 海外へ ===
禎子と原爆と千羽鶴の事を説明した上で相互理解を深めようという活動が行われている。{{Sfn|ref=978-4-06-218405-2|奇跡はつばさに乗って|p=43-47}}。

=== 社会問題化 ===
自分で千羽鶴を作り自宅に飾って祈念したり、欲しいという人に贈るのは何ら問題が無いが、[[阪神・淡路大震災]]、[[ハイチ地震 (2010年)|2010年ハイチ地震]]、[[東日本大震災]]、[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]と、災害や戦乱がある度に、被災地に一方的に千羽鶴を送ろうとする人達が現れて物議を醸している<ref>[https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/344949.html 「ハイチの被災者に千羽鶴を送ろうプロジェクト」に賛否の声]</ref><ref name="被災地に千羽鶴はいらない">[https://www.j-cast.com/2016/04/27265506.html?p=all 「被災地に千羽鶴はいらない」が議論巻き起こす 被災者を「傲慢」と怒る人たちの理由とは]</ref>。[[千羽鶴#送り付け行為|送り付け行為]]の箇所で詳述する。

== 世界への伝播 ==
=== 平和の象徴として ===
{{節スタブ|date=2022年6月}}

=== 原子力災害に関する交流 ===
原爆投下による原子力災害に関連して、[[チェルノブイリ原子力発電所事故]]<!-- [[ノート:チェルノブイリ原子力発電所事故#現記事名信任提案と当該記事内(のみ)での表記提案]]の議論が完了してから、チョルノービリに変更するかどうかを決めてください -->による被曝経験者のいるウクライナと日本との交流の一つとして、折り鶴や千羽鶴の交換が行われている。例えば、2016年のチェルノブイリ原子力発電所事故30年追悼の『チェルノブイリ博物館折り鶴交換式典』では、日本から国立チェルノブイリ博物館に千羽鶴が贈られ、ウクライナの子供たちが折った折り鶴が日本に贈られた<ref>{{Cite news |title=チェルノブイリ事故から30年 クミコが平和願い歌唱 |newspaper=ORICON NEWS |date=2016-04-28 |url=https://www.oricon.co.jp/news/2070877/full/ |access-date=2022-05-28}}</ref><ref>{{Cite news |title=クミコ、ウクライナ・国立チェルノブイリ博物館にて「鳥の歌」を熱唱 |newspaper=OKMusic |date=2016-04-29 |author=OKMusic編集部 |url=https://okmusic.jp/news/121466 |access-date=2022-05-28}}</ref>。また、チェルノブイリ原発事故ミュージアム<!-- 上記の国立チェルノブイリ博物館と同一? -->には、日本から贈られた千羽鶴が飾られている<ref>{{Cite news |title=事故から25年、チェルノブイリ原発ツアーに参加してきた:世界一周サムライバックパッカープロジェクト |newspaper=ITmedia ビジネスオンライン |date=2011-10-04 |author=太田英基 |author2=世界一周サムライバックパッカープロジェクト |url=https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1110/04/news004_4.html |access-date=2022-05-28 |page=4}}</ref>。

=== 日本文化としての接受 ===
{{節スタブ|date=2022年6月}}

東日本大震災の際には、中国<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode02.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): アジア(中国,モンゴル) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
タイ、ベトナム<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode03.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): アジア(南東アジアその1) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
インドネシア、シンガポール、マレーシア<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode04.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): アジア(南東アジアその2) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
台湾<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode07.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): アジア(台湾) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
オーストラリア<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode08.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 大洋州(オーストラリア・ニュージーランド) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
アメリカ合衆国<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode10.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集):北米(米国) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
カナダ<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode11.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 北米(カナダ) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
コスタリカ、ジャマイカ、ハイチ、パナマ、メキシコ<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode12.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 中南米(中米) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、ブラジル、ペルー<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode13.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 中南米(南米) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
アイルランド、オランダ、フランス、ルクセンブルグ<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode14.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(西欧その1) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
スペイン<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode15.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(西欧その2) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
エストニア、リトアニア<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode16.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(西欧その3) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
ギリシャ、ドイツ<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode17.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(中・東欧その1) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
スロバキア、ハンガリー、ポーランド<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode18.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(中・東欧その2) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
ウクライナ、ブルガリア、ベラルーシ、モルドバ<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode19.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(中・東欧その3) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
ロシア<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode21.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(ロシア) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
ウズベキスタン、カザフスタン<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode22.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 欧州(中央アジア・コーカサス) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode24.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): 中東(中東その2) |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
モロッコ<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode25.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): アフリカその1 |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>、
モザンビーク<ref>{{Cite web |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/episode/episode27.html |title=外務省: 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集): アフリカその3 |access-date=2022-06-05 |date=2020-01-31 |publisher=外務省}}</ref>など、世界各国で追悼・応援として折り鶴や千羽鶴が作成され、これにより義援金を集めたり、日本に贈られたりした。

また、[[2020年東京オリンピック]]では[[障害馬術]]の各障害に日本文化を代表するモチーフがそれぞれ設置されたが、障害馬術個人の11番目の障害には「千羽鶴」のモチーフとして、折り鶴のオブジェが設置された<ref>{{Cite news |title=「相撲取り」が馬術の障害物に。怖くて馬が怯えると選手から苦情続出。「本物の人間のよう…」【東京オリンピック】 |newspaper=ハフポスト WORLD |date=2021-08-05 |author=Ron Dicker |url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/sumo-wrestler-equestrian-olympic_jp_610b8cf2e4b0cc1278b7bf0f |access-date=2022-06-05 |agency=<!-- 通信社 --> |publisher=The Huffington Post}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://olympics.com/tokyo-2020/olympic-games/resOG2020-/pdf/OG2020-/EQU/OG2020-_EQU_C03B_EQUOJUMPINDV----------QUAL000100--.pdf |title=Description of Fences |access-date=2022-06-05 |date=2021-08-03 17:30 |format=PDF |publisher=International Olympic Committee |page=11 |archive-url=https://web.archive.org/web/20210803093548/https://olympics.com/tokyo-2020/olympic-games/resOG2020-/pdf/OG2020-/EQU/OG2020-_EQU_C03B_EQUOJUMPINDV----------QUAL000100--.pdf |archive-date=2021-08-03}}</ref>。

=== 現地の文化との融合 ===
千羽鶴が接受先の国の文化と融合する例もみられる。

[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]の際、ウクライナ、キーウの{{仮リンク|Sviatoshynskyi地区|uk|Святошинський район}}にある課外活動センターでは、美術サークル「鶴(Журавлик)」が、ツルはウクライナの古来からのお守り([[:uk:оберіг|оберіг]])であるとして、155羽の折り鶴でウクライナの地図を覆って戦勝を祈願する様子が見られた<ref>{{Cite web |url=https://cprs.kiev.ua/section/decorative-art/majsternya-khudozhnogo-dyzajnu/group-narodnyy-khudozhniy-kolektyv-to-zhuravlyk/news/zhuravel-pradavniy-oberig-ukrayiny/ |title=Журавель - прадавній оберіг України |access-date=2022-05-26 |author=Народний художній колектив ТО "Журавлик" |date=2022-03-23 |publisher=Центр позашкільної роботи Святошинського району м. Києва |language=uk}}</ref>。


== 製作の目的・送り先 ==
== 製作の目的・送り先 ==
=== 入院者 ===
=== 入院者 ===
前述の通り、入院者の回復を祈るために千羽鶴を贈ることがよく見られる。しかしながら、感染やアレルギーの原因となるとして持ち込みを禁止している病院も存在する<ref>[http://www.chibaminami-hp.jp/hospital/hospitalization 入院のご案内](千葉南病院 | 医療法人社団紫雲会)</ref>。
前述の通り、入院者の回復を祈るために千羽鶴を贈ることがよく見られる。しかしながら、感染やアレルギーの原因となるとして持ち込みを禁止している病院も存在する<ref>[http://www.chibaminami-hp.jp/hospital/hospitalization 入院のご案内](千葉南病院 | 医療法人社団紫雲会)</ref>。

千羽鶴を喜ぶ人がいる反面、自分が難病・不治の病のような気分になる、処分しづらい、善意のごり押し、感謝を無理強いされている、と感じる人もいると注意喚起する教職経験者もいる。<ref>[https://happy-teacher-singing.com/archives/3874#i-4 千羽鶴の意味!入院中の人に贈るのはOK?様々な考えがあるので注意]</ref>

回答総数126005件のアンケートによれば、入院時の見舞い品でありがたいのは
{| class="wikitable" style="width:40%"
! 順位 !! 品物 !! 割合
|-
! 1
| 見舞金(金券) || 51.8%
|-
! 2
| 特にいらない || 23.2%
|-
! 3
| 食べ物 || 15.1%
|-
! 4
| お花 || 3.9%
|-
! 5
| その他 || 3.2%
|-
! 6
| 寄せ書き || 1.9%
|-
! 7
| 千羽鶴 || 0.8%
|}
という結果となり、千羽鶴は最下位であった。<ref>[https://research-panel.jp/rpdr/view.php?eid=534639&aid=2293098 もし入院したら、お見舞い品でありがたいのは何ですか?]</ref>


==== 入院者の作業療法として ====
==== 入院者の作業療法として ====
50行目: 139行目:
=== 災害の被災地への送付 ===
=== 災害の被災地への送付 ===
大規模な[[災害]]が発生した際、その被災地に精神的支援として千羽鶴を送る例がある。高校・大学等では被災地支援や国外の災害を契機とした[[国際貢献]]の一環として[[募金]]活動、メッセージ集め、現地訪問による交流・支援と並び千羽鶴作りが取り組まれることもある<ref>{{Cite journal |和書 |author = 諏訪清二 |title = 四川大震災被災地訪問(特別分科会 子どもの安全・安心と学習権保障) |date = 2009-7 |editor=日本教職員組合 |publisher = アドバンテージサーバー |journal = 日本の教育 第58集 日教組第58次教育研究全国集会(広島)報告 |isbn=9784901927833 |pages=350-352 }}</ref><!--千羽鶴や寄せ書きを贈った時期についての明確な記述はみられませんでした-->。2011年の[[東日本大震災]]では、外国の都市からの千羽鶴の送付も見られた<ref>{{Cite journal|和書|title=災害時における国際交流の意義(2):宮城県の自治体の事例研究|date=2014-03-01|author=佐藤 智子|coauthors=Tomoko SATO、岩手県立大学共通教育センター|journal=総合政策 = Journal of policy studies|volume=15|issue=2|publisher=岩手県立大学総合政策学会|issn=13446347|naid=110009767616|page=138}}</ref><ref>{{OA}}{{Cite book|和書|author=政府広報|title=壁新聞:被災者のみなさまへ:政府からのお知らせ|date=2011-05-02|publisher=首相官邸|id={{NDLJP|6010721/1}}}}</ref>。
大規模な[[災害]]が発生した際、その被災地に精神的支援として千羽鶴を送る例がある。高校・大学等では被災地支援や国外の災害を契機とした[[国際貢献]]の一環として[[募金]]活動、メッセージ集め、現地訪問による交流・支援と並び千羽鶴作りが取り組まれることもある<ref>{{Cite journal |和書 |author = 諏訪清二 |title = 四川大震災被災地訪問(特別分科会 子どもの安全・安心と学習権保障) |date = 2009-7 |editor=日本教職員組合 |publisher = アドバンテージサーバー |journal = 日本の教育 第58集 日教組第58次教育研究全国集会(広島)報告 |isbn=9784901927833 |pages=350-352 }}</ref><!--千羽鶴や寄せ書きを贈った時期についての明確な記述はみられませんでした-->。2011年の[[東日本大震災]]では、外国の都市からの千羽鶴の送付も見られた<ref>{{Cite journal|和書|title=災害時における国際交流の意義(2):宮城県の自治体の事例研究|date=2014-03-01|author=佐藤 智子|coauthors=Tomoko SATO、岩手県立大学共通教育センター|journal=総合政策 = Journal of policy studies|volume=15|issue=2|publisher=岩手県立大学総合政策学会|issn=13446347|naid=110009767616|page=138}}</ref><ref>{{OA}}{{Cite book|和書|author=政府広報|title=壁新聞:被災者のみなさまへ:政府からのお知らせ|date=2011-05-02|publisher=首相官邸|id={{NDLJP|6010721/1}}}}</ref>。

==== 被災地への送付に対する批判 ====
== 送り付け行為 ==
千羽鶴を欲しがっているわけではない相手に、都合も確認せず一方的に送り付けて感謝を求める行為が問題となっている。

=== 被災地への送付に対する批判 ===
生活物資でない千羽鶴を被災直後の被災地に送る行為は、現地の限られた運搬能力や労働力を無駄に割かせることになる上、処分にも多額の費用が掛かるとして批判がある。[[東日本大震災]]や[[熊本地震 (2016年)|熊本地震]]以降、たとえ善意であっても処分するしかない千羽鶴を送られることは避難所での負担になるという指摘が被災経験者から行われるようになった<ref>{{Cite web|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1311/05/news133.html|title=被災者の意見まとめた「被災地いらなかった物リスト」が話題に|accessdate=2018-07-12|date=2013-11-05|work=ねとらぼ|publisher=ITmedia}}</ref><ref>{{Cite web |url = https://www.j-cast.com/2016/04/18264425.html |title = 「千羽鶴・古着・生鮮食品は要りません」 被災地が困る「ありがた迷惑」な物とは |publisher = J-CASTニュース |date = 2016-04-18 19:27 |accessdate = 2018-07-11 }}</ref><ref>{{Cite web |url = https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/754090.html |title = 送られる側に負担の大きい「折り鶴」の処分方法、広島の取り組みが注目を集める |publisher = INTERNET Watch |date = 2016-04-20 05:55 |accessdate = 2018-07-11 }}</ref>。
生活物資でない千羽鶴を被災直後の被災地に送る行為は、現地の限られた運搬能力や労働力を無駄に割かせることになる上、処分にも多額の費用が掛かるとして批判がある。[[東日本大震災]]や[[熊本地震 (2016年)|熊本地震]]以降、たとえ善意であっても処分するしかない千羽鶴を送られることは避難所での負担になるという指摘が被災経験者から行われるようになった<ref>{{Cite web|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1311/05/news133.html|title=被災者の意見まとめた「被災地いらなかった物リスト」が話題に|accessdate=2018-07-12|date=2013-11-05|work=ねとらぼ|publisher=ITmedia}}</ref><ref>{{Cite web |url = https://www.j-cast.com/2016/04/18264425.html |title = 「千羽鶴・古着・生鮮食品は要りません」 被災地が困る「ありがた迷惑」な物とは |publisher = J-CASTニュース |date = 2016-04-18 19:27 |accessdate = 2018-07-11 }}</ref><ref>{{Cite web |url = https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/754090.html |title = 送られる側に負担の大きい「折り鶴」の処分方法、広島の取り組みが注目を集める |publisher = INTERNET Watch |date = 2016-04-20 05:55 |accessdate = 2018-07-11 }}</ref>。


59行目: 152行目:
熊本市復興総室室長は[[ITmedia]](ねとらぼ)の取材に対し、熊本地震の際に千羽鶴が送付されたのは災害発生直後ではなく現場が落ち着いた頃からが中心であり、千羽鶴の廃棄に困ったという話・報告は聞いたことがないとした上で、「現時点(被災直後)に千羽鶴や色紙を送るのは迷惑になるのでやめるべきであるほか、そもそも現場のマンパワーが不足している状況であるため、個人からの支援物資を送ること自体をやめた方がいい」としている<ref>{{Cite web|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/11/news082.html|title=「被災地に千羽鶴はやめるべき」議論が西日本豪雨で再燃 熊本地震で現場はどうだったか、熊本市に聞く|accessdate=2018-07-12|date=2018-07-12|author=黒木 貴啓|work=ねとらぼ|publisher=ITmedia}}</ref>。
熊本市復興総室室長は[[ITmedia]](ねとらぼ)の取材に対し、熊本地震の際に千羽鶴が送付されたのは災害発生直後ではなく現場が落ち着いた頃からが中心であり、千羽鶴の廃棄に困ったという話・報告は聞いたことがないとした上で、「現時点(被災直後)に千羽鶴や色紙を送るのは迷惑になるのでやめるべきであるほか、そもそも現場のマンパワーが不足している状況であるため、個人からの支援物資を送ること自体をやめた方がいい」としている<ref>{{Cite web|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/11/news082.html|title=「被災地に千羽鶴はやめるべき」議論が西日本豪雨で再燃 熊本地震で現場はどうだったか、熊本市に聞く|accessdate=2018-07-12|date=2018-07-12|author=黒木 貴啓|work=ねとらぼ|publisher=ITmedia}}</ref>。


日テレは、ツイッターの「被災地いらなかった物リスト」の話題を取り上げた。リストでは千羽鶴がいらなかった物の1位だった<ref>[https://news.ntv.co.jp/category/society/398492 「#被災地いらなかった物リスト」を考える] - 日テレNEWS</ref>。
また、2022年の[[ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)|ロシア・ウクライナ戦争]]でロシアの侵攻を受けているウクライナへの支援の一環として、埼玉県内の施設利用者が青と黄の折り紙で鶴を折り、ウクライナ大使館に届ける予定であることを報じたニュースに対し、実業家の[[西村博之]]とメンタリストの[[DaiGo]]はそれぞれ「無駄な行為をして、良い事をした気分になるのは恥ずかしい事である」「そもそも、千羽鶴にありがたみを感じること自体が日本独自の文化であって、ウクライナの人からしたら、何これ?な話なわけです。相手の気持ちがわからない親切はただの迷惑」と批判している<ref>{{Cite web |title=ウクライナに千羽鶴は「いい人ぶりたいだけの愚者の行動」 DaiGoが猛批判「エゴでしかない」 |url=https://www.j-cast.com/2022/04/18435552.html |website=J-CAST ニュース |date=2022-04-18 |access-date=2022-04-18 |language=ja}}</ref>。


幾度も被災地を訪れている村本大輔は地元の人たちと一緒に飲み本音を聞いた。被災地の人は真っ先に千羽鶴を挙げ、何万羽の鶴が来て置き場所に困るが捨てることもできず仕事が増えるから勘弁してほしいとの怨嗟の声を紹介した<ref>[https://diamond.jp/articles/-/257131?page=2 「千羽鶴はいらない」ウーマン村本大輔が現地で聞いた被災者の声] ダイヤモンド・オンライン</ref>。
=== その他 ===

気をつけるべき点として、被災地から千羽鶴は要らないと言われると被災者に腹を立てて攻撃的な言動をする人達が一定数、存在することである<ref>[https://www.j-cast.com/2016/04/27265506.html?p=all 「被災地に千羽鶴はいらない」が議論巻き起こす 被災者を「傲慢」と怒る人たちの理由とは]</ref>。

義援金や支援物資よりも精神的な支援の方が大切だという考えは日本に限らない。[[通海地震]]では食料、物資、義援金は不要とされ代わりに慰問の手紙、毛沢東の肖像画や語録やバッジなどの精神的支援が行われた結果、被災者は食べるものがなかった。

=== 論争 ===
2022年の[[ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)|ロシア・ウクライナ戦争]]でロシアの侵攻を受けているウクライナへの支援の一環として、埼玉県内の施設利用者が青と黄の折り紙で鶴を折り、ウクライナ大使館に届ける予定であることを報じたニュース<ref name="朝日の頑張っている人に届けたい記事">[https://www.asahi.com/amp/articles/ASQ4D3W3BQ4DUTNB001.html 「頑張っている人に届けたい」 ウクライナの人々へ折り鶴4200羽] 朝日新聞デジタル</ref>に対し、実業家の[[西村博之]]とメンタリストの[[DaiGo]]はそれぞれ「無駄な行為をして、良い事をした気分になるのは恥ずかしい事である」「そもそも、千羽鶴にありがたみを感じること自体が日本独自の文化であって、ウクライナの人からしたら、何これ?な話なわけです。相手の気持ちがわからない親切はただの迷惑」と批判している<ref>{{Cite web |title=ウクライナに千羽鶴は「いい人ぶりたいだけの愚者の行動」 DaiGoが猛批判「エゴでしかない」 |url=https://www.j-cast.com/2022/04/18435552.html |website=J-CAST ニュース |date=2022-04-18 |access-date=2022-04-18 |language=ja}}</ref>。

=== 無意味との指摘を糾弾するキャンペーン ===
批判に対し[[テレビ朝日]]は反発し、「折り鶴を折ることによって、ウクライナの話をしながら、思いを寄せる」ので無意味ではないとの意見を番組で紹介した<ref>[https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000251936.html ウクライナへの“千羽鶴”に賛否 寄贈断念も…「無意味」批判の声には疑問]</ref>。ただし、思いを寄せるのになぜ千羽鶴をウクライナ大使館に送る必要があるのかは言及されていなかった。

AERAdot. は"カリスマ的YouTuber”とする人を通じて、ひろゆき氏、DaiGo氏の品性を否定する論法まで持ち出した<ref name="AEREA">[https://dot.asahi.com/dot/2022042800088.html?page=1 ひろゆき氏、DaiGo氏の「千羽鶴論争にみる」インフルエンサーの品性]</ref>。ただしその論法はインフルエンサーがインフルエンサーを危険だと情報発信しているため根本的に自己矛盾である。

朝日新聞は、千羽鶴を海外に送ることを善行とする記事<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASQ4Q7JJ7Q4FPXLB01R.html 和歌山と豪州をつなぐ移民の歴史 千羽鶴のプレゼントと今も続く交流]</ref>や、ウクライナの避難民を千羽鶴の前に立たせて会見した記事<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASQ4M6VJKQ4MULUC006.html 「ウクライナ国民として渡すものはない」 来日の4人、会見の最後に]</ref>や、有料記事になるが、障がい者施設の人は千羽鶴を送る以外にどうしたら良いのか許容すべきではないかという趣旨の投書を載せて<ref name="voice">[https://www.asahi.com/articles/DA3S15275971.html (声)自分なりの行動、許容する社会に]</ref>千羽鶴を送ることを擁護した。

このようにテレビ朝日・AERA・朝日新聞は、千羽鶴を一方的に送付する行為を批判する事は一切、許容しない態度を取っている。

=== 作業の合間に ===
障害者就労移行支援施設を批判するとはいかがなものかという主張もなされたが<ref name="AEREA" /><ref name="voice" />朝日の記事によると「作業の合間に」折られたとあるので<ref name="朝日の頑張っている人に届けたい記事" />これは千羽鶴の作成は訓練作業にならないと施設側が認識していた事を意味する。40人の通所者に4200羽を折らせる時間は合計どれくらいだったのか書かれていないが、世界記録の100羽54分30秒<ref>[https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=3285 100羽の鶴折る速さ 54分30秒 世界記録更新]</ref>は達成困難なので、あくまで目安になるが健常者が挑戦した例では約4時間で100羽だったから<ref>[https://m.youtube.com/watch?v=EYcWWcR0OlE 一人で千羽鶴を作るのに、何時間かかるか検証してみた 三日目]</ref>4200羽だと単純計算で168時間となるが、これを就労支援の通所者にやらせたわけで、しかも記事冒頭に「一つずつ心を込めて鶴を折る」と写真にあるので、ほとんど時間をかけずに手早く作ったという主張もできない。

== 処分 ==
=== お焚き上げ ===
「千羽鶴 お焚き上げ」で検索すると、祈りが込められているのでゴミとして処分すべきではなく供養のために千羽鶴のお焚き上げを勧めている神社や仏閣が見つかる。料金は1箱で千〜3千円位が相場である。なお「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき大半の自治体が廃棄物の野焼きを禁じているので、お焚き上げとは言っても、近隣の迷惑になるので「例外として野外焼却が認められている行為」の「宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却」に基づいて本当に境内で燃やす神社仏閣は稀であり、通常は自治体によって廃棄物として収集され焼却炉に送られる。

=== リサイクル ===
長崎原爆資料館には2018年度で758キロの千羽鶴が寄せられたが、糸やホチキスなど異物の仕分けに手間がかかり活用が追いつかないと報道されている<ref>[https://www.nishinippon.co.jp/sp/item/n/572602/ 平和祈る千羽鶴を和紙に 長崎原爆資料館が保管、佐賀の工房が再生] 西日本新聞</ref>。記事によれば和紙に漉いたのは段ボール1箱分の折り鶴に過ぎない。

前述の[[千羽鶴#広島平和記念公園における千羽鶴|広島平和記念公園における千羽鶴]]の出典となっているサイトを見ると、10トンの千羽鶴の大半がリサイクルできるので無駄ではないかのような印象を受けるのに対し、千羽鶴なのは同じなのに長崎だとリサイクルは困難だと回答している。どちらが正しいのか興味深い。

== 海外の鶴に対するイメージ ==
(削除依頼 審議中につき一時的に除去)

== その他 ==
2008年にJAXAが行った閉鎖環境施設での試験では、課題として千羽鶴の製作が行われた<ref>{{Cite web|url=https://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20160107/E1452104698561.html?_p=2|title=JAXA被験者を募集中。宇宙飛行士選抜試験にも使われる「閉鎖環境適応訓練設備」って何をするの|accessdate=2018-07-17|date=2016-01-07|author=近藤正高|publisher=エキサイトレビュー |page=2}}</ref>。
2008年にJAXAが行った閉鎖環境施設での試験では、課題として千羽鶴の製作が行われた<ref>{{Cite web|url=https://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20160107/E1452104698561.html?_p=2|title=JAXA被験者を募集中。宇宙飛行士選抜試験にも使われる「閉鎖環境適応訓練設備」って何をするの|accessdate=2018-07-17|date=2016-01-07|author=近藤正高|publisher=エキサイトレビュー |page=2}}</ref>。

== ギャラリー ==
{{Gallery
|File:Fukurokuju.jpg|[[福禄寿]]は鶴を伴っているとされる
|File:Origami crane string Fushimi inari 01.jpg|[[伏見稲荷大社]]
|File:千羽鶴20210806.jpg|[[広島平和記念公園]]の千羽鶴
|File:Paper Cranes.jpg|大阪市鶴見区民センター
}}

== 注釈 ==
{{notelist2}}


== 出典 ==
== 出典 ==
{{Reflist}}
<references/>


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書|title=造形芸術の「折り鶴」が果たす平和への役割:コミュニケーション・ツールとしてのアートの力(特集 戦後70年:過去から未来へのメッセージ)|date=2016|author=田中勝|journal=グローバル・コミュニケーション研究|issue=3|publisher=神田外語大学グローバル・コミュニケーション研究所|issn=2188-2223|naid=120006009629|ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|title=造形芸術の「折り鶴」が果たす平和への役割:コミュニケーション・ツールとしてのアートの力(特集 戦後70年:過去から未来へのメッセージ)|date=2016|author=田中勝|journal=グローバル・コミュニケーション研究|issue=3|publisher=神田外語大学グローバル・コミュニケーション研究所|issn=2188-2223|naid=120006009629|ref=harv}}

* {{Citation |和書 | author= 高橋徹 | author2= 千田稔 | year= 1991 | title= 日本史を彩る道教の謎 | publisher= 日本文芸社 | ref= 978-4537022223 | isbn= 978-4537022223 }}

*{{Citation |和書 | author= 佐々木雅弘 | year= 2013 | title= 禎子の千羽鶴 | publisher= 学研パブリッシング | ref= 978-4-05-203817-4 | isbn= 978-4-05-203817-4 }}。佐々木禎子の実兄による著書。

*{{Citation |和書 | author= 源和子 | year= 2013 | title= 奇跡はつばさに乗って | publisher= 講談社 | ref= 978-4-06-218405-2 | isbn= 978-4-06-218405-2 }}

*{{Citation |和書 | author= 手島悠介 | author2= 徳田秀雄 | year= 2000 | title= 飛べ!千羽づる | publisher= 講談社 | ref= 978-4062103886 | isbn= 978-4062103886 }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2022年7月17日 (日) 09:56時点における版

千羽鶴(せんばづる)は、多数のの描かれた模様や絵画、および折り紙である折り鶴1000羽作り、糸などで綴じて束ねたものを指す[1][2][3]。瑞鳥である鶴が千羽(多数)いることから更なる瑞兆を表す[2][3]。千羽は多数の意味で、1000羽ちょうどでなくてもよい[3]。社寺に奉納されたり、祝福、幸福祈願、災害などへの慰安、病気平癒祈願、見舞いなどを目的に作成や贈呈が行われている[2][3]

広島市への原子爆弾投下で被爆し、原爆症で死亡した佐々木禎子が自らの延命を祈って作ったことから、平和の象徴にもなっている[4]

製作方法

千羽鶴の作り方に決まりはないが、20羽から100羽の折り鶴を1本の糸に通し、下端にビーズ、ボタンなどを結ぶことで折り鶴が落脱しないようにする方法が一般的に行われている[5]。日本折紙協会によれば、首については、折らないとどちらが頭でどちらが尾か分からなくなるため折ってよいとする他、糸に通すときに、頭をそろえて並べる方法、頭と尾を交互に並べる方法、頭を作らない方法の3種類を紹介する書籍もある[6]

歴史

道教の由来

不老不死と現世利益を柱とする中国の土俗宗教である道教[7]において、鶴は仙人とつながりのある仙禽とされた。たとえば王子喬という仙人が緱氏山の頂上まで鶴に乗って来た話や、神仙伝には蘇仙公が母に置いていった必要な物が何でも出てくる箱の中に2羽の鶴がいた話が記されている[8]。 淮南子は『説林訓』で「鶴壽千歳」[9](鶴寿千歳、かくじゅせんざい)と記しており、 鶴は長寿のシンボルであった。[10]

日本へ伝搬

遣唐使を通じ、道教が最盛期だった唐代の文化が日本の飛鳥・奈良・平安初期に流れ込んだ[11]。 現存する最古の日本漢詩集の懐風藻葛野王が「安くにか王喬が道を得て、鶴を控きて蓬瀛に入らむ」と詩を残した事から、奈良時代には鶴にまつわる神仙思想が伝わっていたと分かる。[12]

いっぽう日本の初期の折り鶴は穢れを移す人形の意味合いが強いものであった。[13]

千羽鶴の成立

かつては、1797年の魯縞庵義道の『秘傳千羽鶴折形』のように連鶴を「千羽鶴」と呼称していた[14]。『秘傳千羽鶴折形』の序文では、鶴と富、折り鶴と長寿祈願を結びつけている[14]。戦前には、糸に通した折り鶴を「千羽鶴」と呼称し、女児の技芸上達祈願として淡島・鬼子母神などの寺社にささげていた[1]

病気見舞

千羽鶴が病気見舞とされた起源ははっきりとは分かっていない[15]が、原爆被爆者の少女、佐々木禎子は1955年2月に亜急性リンパ性白血病と診断され、広島赤十字病院に入院していた。1955年5月に岐阜県または愛知県の人からもらった慰問の手紙に、5cmほどのセロハンの折り鶴がはさんであるのを見て、折り鶴を千羽折れば病気が治ると信じて鶴を折り始めたようである[15][16]。1995年の中国新聞によれば、愛知淑徳高青少年赤十字団員が原爆患者に贈った4千羽の折り鶴のうち、2千羽が広島赤十字病院に贈られている[16]。佐々木禎子は、自分で折り鶴を折り上げることにこだわっていたようである[16]。佐々木禎子の折った折り鶴の数については諸説あるが、実兄の佐々木雅弘によれば、最初の千羽は自らの病気治癒祈願として、次の千羽は父が近所のクリーニング店の主人に頼まれ保証人になったばかりに抱えた[17]一家の借金のことを祈っていたという[18][19]

平和の象徴に

折り鶴や千羽鶴が平和の象徴となったのは、佐々木禎子が原爆の子の像のモデルになったことによる[20]。佐々木禎子は1955年10月に亡くなるが、その思いは同級生や他の被爆者により引き継がれ、原爆の犠牲になったすべての子供たちへの慰霊として1958年5月に原爆の子の像が平和記念公園に建てられる。この原爆の子の像の塔の鐘には、湯川秀樹により「千羽鶴」と彫られている[21]

「広島折鶴の会」の世話人を務めていた河本一郎は[22]

「つるを折り、この像にささげるということだけでも、平和への行動に参加することになるとおもうのです」

と語った[23]

禎子の千羽鶴の物語はフィクションも巻き込みながら海外へと紹介され、千羽鶴は単純な長寿祈願を超えて、「生きたい」という生存権利の主張という意味合いを持って世界に広がっていった[19]

1999年と2000年に広島市へ折り鶴を送ってきた個人や団体の代表者に『サダコと千羽鶴』の物語を知っているかアンケート調査した結果、日本は「知らない」が39%だったのに対し、海外は7%であった。この結果を元に広島市は「折り鶴とサダコは、日本よりも海外で密接に結びついてひろまっている」との分析を市のホームページに掲載した[24][25]。逆に日本の個人や団体は約4割も『サダコと千羽鶴』について知らないまま折り鶴を送っている。

楽曲

長崎市では1995年(原爆投下50年)に公募した、横山鼎(一般公募)作詞、大島ミチル(長崎県出身の作曲家)作曲の歌曲『千羽鶴』を、長崎原爆資料館で毎日11時02分、長崎市の防災無線で毎月9日の11時02分に流している。また、長崎市役所の電話の保留音としても採用されている[26]。長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典では、純心女子高等学校の合唱団によって歌われている(大島が同校の卒業生)[27]

映画

佐々木禎子と千羽鶴の映画表現として、木村荘十二監督、諸井條次脚本の1958年の映画『千羽鶴』がある[26]

海外へ

禎子と原爆と千羽鶴の事を説明した上で相互理解を深めようという活動が行われている。[28]

社会問題化

自分で千羽鶴を作り自宅に飾って祈念したり、欲しいという人に贈るのは何ら問題が無いが、阪神・淡路大震災2010年ハイチ地震東日本大震災2022年ロシアのウクライナ侵攻と、災害や戦乱がある度に、被災地に一方的に千羽鶴を送ろうとする人達が現れて物議を醸している[29][30]送り付け行為の箇所で詳述する。

世界への伝播

平和の象徴として

原子力災害に関する交流

原爆投下による原子力災害に関連して、チェルノブイリ原子力発電所事故による被曝経験者のいるウクライナと日本との交流の一つとして、折り鶴や千羽鶴の交換が行われている。例えば、2016年のチェルノブイリ原子力発電所事故30年追悼の『チェルノブイリ博物館折り鶴交換式典』では、日本から国立チェルノブイリ博物館に千羽鶴が贈られ、ウクライナの子供たちが折った折り鶴が日本に贈られた[31][32]。また、チェルノブイリ原発事故ミュージアムには、日本から贈られた千羽鶴が飾られている[33]

日本文化としての接受

東日本大震災の際には、中国[34]、 タイ、ベトナム[35]、 インドネシア、シンガポール、マレーシア[36]、 台湾[37]、 オーストラリア[38]、 アメリカ合衆国[39]、 カナダ[40]、 コスタリカ、ジャマイカ、ハイチ、パナマ、メキシコ[41]、 アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、ブラジル、ペルー[42]、 アイルランド、オランダ、フランス、ルクセンブルグ[43]、 スペイン[44]、 エストニア、リトアニア[45]、 ギリシャ、ドイツ[46]、 スロバキア、ハンガリー、ポーランド[47]、 ウクライナ、ブルガリア、ベラルーシ、モルドバ[48]、 ロシア[49]、 ウズベキスタン、カザフスタン[50]、 アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート[51]、 モロッコ[52]、 モザンビーク[53]など、世界各国で追悼・応援として折り鶴や千羽鶴が作成され、これにより義援金を集めたり、日本に贈られたりした。

また、2020年東京オリンピックでは障害馬術の各障害に日本文化を代表するモチーフがそれぞれ設置されたが、障害馬術個人の11番目の障害には「千羽鶴」のモチーフとして、折り鶴のオブジェが設置された[54][55]

現地の文化との融合

千羽鶴が接受先の国の文化と融合する例もみられる。

2022年ロシアのウクライナ侵攻の際、ウクライナ、キーウのSviatoshynskyi地区ウクライナ語版にある課外活動センターでは、美術サークル「鶴(Журавлик)」が、ツルはウクライナの古来からのお守り(оберіг)であるとして、155羽の折り鶴でウクライナの地図を覆って戦勝を祈願する様子が見られた[56]

製作の目的・送り先

入院者

前述の通り、入院者の回復を祈るために千羽鶴を贈ることがよく見られる。しかしながら、感染やアレルギーの原因となるとして持ち込みを禁止している病院も存在する[57]

千羽鶴を喜ぶ人がいる反面、自分が難病・不治の病のような気分になる、処分しづらい、善意のごり押し、感謝を無理強いされている、と感じる人もいると注意喚起する教職経験者もいる。[58]

回答総数126005件のアンケートによれば、入院時の見舞い品でありがたいのは

順位 品物 割合
1 見舞金(金券) 51.8%
2 特にいらない 23.2%
3 食べ物 15.1%
4 お花 3.9%
5 その他 3.2%
6 寄せ書き 1.9%
7 千羽鶴 0.8%

という結果となり、千羽鶴は最下位であった。[59]

入院者の作業療法として

入院者の作業療法として千羽鶴の製作が行われることがある[60][61]

七夕飾り

七夕飾りには、長寿祈願として千羽鶴が飾られる[62]

広島平和記念公園における千羽鶴

上述のように、佐々木禎子が闘病中に多数の折り鶴を折ったことがきっかけとなり、広島平和記念公園内に1958年に設置された「原爆の子の像」に千羽鶴が捧げられるようになった。「原爆の子の像」の周辺に千羽鶴を吊り下げるブースが設置されている[63]。郵送で送付することも可能。

世界中から送られてくる千羽鶴は年間約10トンに及び、かつては焼却処分が行われていたが、2001年以降はNPOらにより、回収された千羽鶴を再生紙に加工することも行われている[64][65]

高校野球において

全国高等学校野球選手権大会では、出場校の一部が甲子園出場を祈って千羽鶴を作って試合に臨み、敗者が勝者に託すという慣習がある。地方大会によっては試合終了後に千羽鶴を渡すセレモニーがグラウンド外で行われるが、年々規模が大きくなる傾向にあり、試合の進行に支障を来したり、千羽鶴の保管や処分に苦慮するなど問題が生じている。2017年の時点では、福岡県の高野連はセレモニーの禁止を通知しているほか、自粛を求める県も増える傾向にある[66]

災害の被災地への送付

大規模な災害が発生した際、その被災地に精神的支援として千羽鶴を送る例がある。高校・大学等では被災地支援や国外の災害を契機とした国際貢献の一環として募金活動、メッセージ集め、現地訪問による交流・支援と並び千羽鶴作りが取り組まれることもある[67]。2011年の東日本大震災では、外国の都市からの千羽鶴の送付も見られた[68][69]

送り付け行為

千羽鶴を欲しがっているわけではない相手に、都合も確認せず一方的に送り付けて感謝を求める行為が問題となっている。

被災地への送付に対する批判

生活物資でない千羽鶴を被災直後の被災地に送る行為は、現地の限られた運搬能力や労働力を無駄に割かせることになる上、処分にも多額の費用が掛かるとして批判がある。東日本大震災熊本地震以降、たとえ善意であっても処分するしかない千羽鶴を送られることは避難所での負担になるという指摘が被災経験者から行われるようになった[70][71][72]

評論家荻上チキは著書「災害支援手帖」の中で、実際にあった「困った救援物資」の例として、寄せ書きや千羽鶴を挙げている[73]

駒澤大学准教授の山口浩は、「鶴を折ることが問題ではなく、被災地に送られることで負担を増してしまうのが問題」と評した上で、「自分の家に飾っておき、復興後に送る」「被災地以外で集めて保管し、復興後に送る」「ボランティア時に持参し、持ち帰る」といった手段を提案している[74]

熊本市復興総室室長はITmedia(ねとらぼ)の取材に対し、熊本地震の際に千羽鶴が送付されたのは災害発生直後ではなく現場が落ち着いた頃からが中心であり、千羽鶴の廃棄に困ったという話・報告は聞いたことがないとした上で、「現時点(被災直後)に千羽鶴や色紙を送るのは迷惑になるのでやめるべきであるほか、そもそも現場のマンパワーが不足している状況であるため、個人からの支援物資を送ること自体をやめた方がいい」としている[75]

日テレは、ツイッターの「被災地いらなかった物リスト」の話題を取り上げた。リストでは千羽鶴がいらなかった物の1位だった[76]

幾度も被災地を訪れている村本大輔は地元の人たちと一緒に飲み本音を聞いた。被災地の人は真っ先に千羽鶴を挙げ、何万羽の鶴が来て置き場所に困るが捨てることもできず仕事が増えるから勘弁してほしいとの怨嗟の声を紹介した[77]

気をつけるべき点として、被災地から千羽鶴は要らないと言われると被災者に腹を立てて攻撃的な言動をする人達が一定数、存在することである[78]

義援金や支援物資よりも精神的な支援の方が大切だという考えは日本に限らない。通海地震では食料、物資、義援金は不要とされ代わりに慰問の手紙、毛沢東の肖像画や語録やバッジなどの精神的支援が行われた結果、被災者は食べるものがなかった。

論争

2022年のロシア・ウクライナ戦争でロシアの侵攻を受けているウクライナへの支援の一環として、埼玉県内の施設利用者が青と黄の折り紙で鶴を折り、ウクライナ大使館に届ける予定であることを報じたニュース[79]に対し、実業家の西村博之とメンタリストのDaiGoはそれぞれ「無駄な行為をして、良い事をした気分になるのは恥ずかしい事である」「そもそも、千羽鶴にありがたみを感じること自体が日本独自の文化であって、ウクライナの人からしたら、何これ?な話なわけです。相手の気持ちがわからない親切はただの迷惑」と批判している[80]

無意味との指摘を糾弾するキャンペーン

批判に対しテレビ朝日は反発し、「折り鶴を折ることによって、ウクライナの話をしながら、思いを寄せる」ので無意味ではないとの意見を番組で紹介した[81]。ただし、思いを寄せるのになぜ千羽鶴をウクライナ大使館に送る必要があるのかは言及されていなかった。

AERAdot. は"カリスマ的YouTuber”とする人を通じて、ひろゆき氏、DaiGo氏の品性を否定する論法まで持ち出した[82]。ただしその論法はインフルエンサーがインフルエンサーを危険だと情報発信しているため根本的に自己矛盾である。

朝日新聞は、千羽鶴を海外に送ることを善行とする記事[83]や、ウクライナの避難民を千羽鶴の前に立たせて会見した記事[84]や、有料記事になるが、障がい者施設の人は千羽鶴を送る以外にどうしたら良いのか許容すべきではないかという趣旨の投書を載せて[85]千羽鶴を送ることを擁護した。

このようにテレビ朝日・AERA・朝日新聞は、千羽鶴を一方的に送付する行為を批判する事は一切、許容しない態度を取っている。

作業の合間に

障害者就労移行支援施設を批判するとはいかがなものかという主張もなされたが[82][85]朝日の記事によると「作業の合間に」折られたとあるので[79]これは千羽鶴の作成は訓練作業にならないと施設側が認識していた事を意味する。40人の通所者に4200羽を折らせる時間は合計どれくらいだったのか書かれていないが、世界記録の100羽54分30秒[86]は達成困難なので、あくまで目安になるが健常者が挑戦した例では約4時間で100羽だったから[87]4200羽だと単純計算で168時間となるが、これを就労支援の通所者にやらせたわけで、しかも記事冒頭に「一つずつ心を込めて鶴を折る」と写真にあるので、ほとんど時間をかけずに手早く作ったという主張もできない。

処分

お焚き上げ

「千羽鶴 お焚き上げ」で検索すると、祈りが込められているのでゴミとして処分すべきではなく供養のために千羽鶴のお焚き上げを勧めている神社や仏閣が見つかる。料金は1箱で千〜3千円位が相場である。なお「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき大半の自治体が廃棄物の野焼きを禁じているので、お焚き上げとは言っても、近隣の迷惑になるので「例外として野外焼却が認められている行為」の「宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却」に基づいて本当に境内で燃やす神社仏閣は稀であり、通常は自治体によって廃棄物として収集され焼却炉に送られる。

リサイクル

長崎原爆資料館には2018年度で758キロの千羽鶴が寄せられたが、糸やホチキスなど異物の仕分けに手間がかかり活用が追いつかないと報道されている[88]。記事によれば和紙に漉いたのは段ボール1箱分の折り鶴に過ぎない。

前述の広島平和記念公園における千羽鶴の出典となっているサイトを見ると、10トンの千羽鶴の大半がリサイクルできるので無駄ではないかのような印象を受けるのに対し、千羽鶴なのは同じなのに長崎だとリサイクルは困難だと回答している。どちらが正しいのか興味深い。

海外の鶴に対するイメージ

(削除依頼 審議中につき一時的に除去)

その他

2008年にJAXAが行った閉鎖環境施設での試験では、課題として千羽鶴の製作が行われた[89]

ギャラリー

注釈

出典

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参考文献

  • 田中勝「造形芸術の「折り鶴」が果たす平和への役割:コミュニケーション・ツールとしてのアートの力(特集 戦後70年:過去から未来へのメッセージ)」『グローバル・コミュニケーション研究』第3号、神田外語大学グローバル・コミュニケーション研究所、2016年、ISSN 2188-2223NAID 120006009629 
  • 高橋徹; 千田稔『日本史を彩る道教の謎』日本文芸社、1991年。ISBN 978-4537022223 
  • 佐々木雅弘『禎子の千羽鶴』学研パブリッシング、2013年。ISBN 978-4-05-203817-4 。佐々木禎子の実兄による著書。
  • 手島悠介; 徳田秀雄『飛べ!千羽づる』講談社、2000年。ISBN 978-4062103886 

関連項目