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「マニトワック (ウィスコンシン州)」の版間の差分

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{{世界の市
[[Image:WIMap-doton-Manitowoc.png|thumb|right|240px|マニトワック]]
|正式名称 = マニトワック市
[[ファイル:USRoute10CrossingManitowocRiver.jpg|thumb|left|230px]]
|公用語名称 = City of Manitowoc
'''マニトワック'''('''Manitowoc''')とは、[[アメリカ合衆国]]の[[ウィスコンシン州]]の中東部に位置する、[[マニトワック川]]の河口と[[ミシガン湖]]のそばの[[都市]]である。[[2000年]]のアメリカ合衆国国勢調査で、34,053人の総人口があったという結果が出ている。
|愛称 = Wisconsin's Maritime Capital (ウィスコンシンの海事の都)<ref>Muench, David. [http://www.uwex.edu/ces/cced/economies/communityindicators/communityslogans.pdf Wisconsin Community Slogans: Their Use and Local Impacts]. p.102. University of Wisconsin-Extension. 1993年12月. (PDFファイル)</ref>
|標語 =
|画像 = USRoute10CrossingManitowocRiver.jpg
|画像サイズ指定 = 250px
|画像の見出し = マニトワック市中心部
|市旗 =
|市章 =
|位置図 = WIMap-doton-Manitowoc.png
|位置図サイズ指定 = 180px
|位置図の見出し = ウィスコンシン州におけるマニトワックの位置
|下位区分名 = [[アメリカ合衆国]]
|下位区分種類1 = 州
|下位区分名1 = [[ウィスコンシン州]]
|下位区分種類2 = 郡
|下位区分名2 = [[マニトワック郡 (ウィスコンシン州)|マニトワック郡]]
|最高行政執行者称号 =
|最高行政執行者名 =
|成立区分 = 創設
|成立日 = 1836年<ref name="CityHistory">[http://www.manitowoc.info/history.html Manitowoc History]. City of Manitowoc.</ref>
|規模 = 市
|総面積(平方キロ) = 44.5
|総面積(平方マイル) = 17.2
|陸上面積(平方キロ) = 43.7
|陸上面積(平方マイル) = 16.9
|水面面積(平方キロ) = 0.8
|水面面積(平方マイル) = 0.3
|水面面積比率 =
|市街地面積(平方キロ) =
|市街地面積(平方マイル) =
|都市圏面積(平方キロ) =
|都市圏面積(平方マイル) =
|人口の時点 = 2010年
|人口に関する備考 =
|総人口 = 33,736
|人口密度(平方キロ当たり) = 772.0
|人口密度(平方マイル当たり) = 1,996.2
|都市圏人口 = 81,442
|都市圏人口密度(平方キロ) =
|都市圏人口密度(平方マイル) =
|市街地人口 =
|等時帯 = [[中部標準時]]
|協定世界時との時差 = -6
|夏時間の等時帯 = [[中部夏時間]]
|夏時間の協定世界時との時差 = -5
|緯度度= 44 |緯度分= 5 |緯度秒= 47 |N(北緯)及びS(南緯)= N
|経度度= 87 |経度分= 40 |経度秒= 30 |E(東経)及びW(西経)= W
|標高(メートル) = 185
|標高(フィート) = 606
|公式ウェブサイト = http://www.manitowoc.org/
|備考 =
}}
<!-- 以上Infobox。これより下記事本文。-->


'''マニトワック'''('''Manitowoc''')は、[[アメリカ合衆国]][[ウィスコンシン州]]東部、[[ミシガン湖]]岸に位置する都市。[[グリーンベイ (ウィスコンシン州)|グリーンベイ]]の南東約65km、[[ミルウォーキー]]の北約135kmに位置する。人口は33,736人([[2010年]][[国勢調査]])。[[マニトワック郡 (ウィスコンシン州)|マニトワック郡]]1郡からなる小都市圏は81,442人(2010年国勢調査)の人口を抱えている<ref name="FactFinder">[http://factfinder2.census.gov/main.html American FactFinder]. U.S. Census Bureau. 2011年.</ref>。
== スプートニク4号の金属片 ==

[[1960年]][[5月15日]]に、カザフスタンの[[バイコヌール宇宙基地]]から打ち上げられた[[スプートニク4号]]は予定通りの大気圏突入が出来ず、地球周回軌道に留まったあと[[1962年]][[9月5日]]に大気圏へ突入した。機体の大半は空力加熱により燃え尽きたが、その際に重量約9kgの金属片がマニトワックの街中に落下した。落下した破片はソビエト連邦に返還され、その破片のレプリカが現地の美術館に展示されている。
マニトワックは「ウィスコンシンの海事の都」と呼ばれ、造船業が栄えてきた。[[1902年]]にマニトワックで創業し、マニトワックをその[[企業城下町]]としてきた[[マニトワック造船]]は、[[第二次世界大戦]]中には軍用の[[潜水艦]]を多数建造した。[[1968年]]に造船所が閉鎖された後も、同社は現在のマニトワック・カンパニーという社名で、建設機械および飲食産業用機器の製造会社として存続し、世界26ヶ国で事業を展開する会社となった。現在では、マニトワックにはウィスコンシン海事博物館が置かれ、第二次世界大戦で戦功を上げた潜水艦、[[コビア (潜水艦)|コビア]]が記念艦として係留されている。

==歴史==
今日のマニトワックがあるこの地には、ヨーロッパ人の入植以前には[[オタワ族]]、[[メノミニー族]]、[[ウィネベーゴ族]]、[[ポタワトミ族]]の[[ネイティブ・アメリカン]]が混住していた<ref>Plumb, Ralph G. ''A History of Manitowoc County''. [http://www.2manitowoc.com/RPlumb03.html Chapter II: The Indians]. p.10. 1904年.</ref>。マニトワックという今日の地名の由来は、オタワ族が話していた[[オジブウェー語|アニシナーベ語]]で「魂の産卵」を意味する''manitowag''、もしくは「魂の木々」を意味する''mun-nih-do-walk''が転訛し、「魂の住処」を意味するものであった考えられている<ref>[http://www.wisconsinhistory.org/dictionary/index.asp?action=view&term_id=3431&search_term=manitowoc Manitowoc]. ''Dictionary of Wisconsin History''. Wisconsin Historical Society.</ref>。

[[1795年]]、[[北西会社]]がこの地に毛皮交易所を設置すると、この地には[[ボヘミア]]系、[[フランス]]系、[[ドイツ]]系、[[アイルランド]]系、[[ノルウェー]]系、[[ポーランド]]系などが移入した<ref name="CityHistory" />。しかし、この地に恒久的な入植地が創設されたのはその41年後、[[1836年]]のことであった。このとき、この地にはマニトワックのほか、マニトワックラピッズ、トゥー・リバーズ、ネショトと、4つの村が同時に創設された<ref>Plumb, Ralph G. ''A History of Manitowoc County''. [http://www.2manitowoc.com/RPlumb03.html Chapter III: Early Settlement]. p.16. 1904年.</ref>。[[1839年]]にはマニトワック郡政府が創設され、翌[[1840年]]にはマニトワックに最初の郡庁舎が置かれた<ref name="CityHistory" />。その後、[[1851年]]3月6日にマニトワックは村として正式に法人化され、[[1870年]]3月12日に市制を施行した<ref>Plumb, Ralph G. ''A History of Manitowoc County''. [http://www.2manitowoc.com/RPlumb10.html Chapter X: Village and City Government]. pp.167,173. 1904年.</ref>。

マニトワックはその初期から、[[シボイガン (ウィスコンシン州)|シボイガン]]と並んで港を築くのに良い場所であると考えられていた。しかし資金難もあり、最初の埠頭が築かれたのは[[1854年]]で、その時点で既に州南部の[[ミルウォーキー]]や[[ケノーシャ (ウィスコンシン州)|ケノーシャ]]に遅れを取っていた。その後も[[1900年代]]初頭に至るまでほぼ毎年、数万ドル単位の費用を投じて港の拡張が行われた<ref>Plumb, Ralph G. ''A History of Manitowoc County''. [http://www.2manitowoc.com/RPlumb10.html Chapter VI: Marine]. "Harbor Development". pp.55-65. 1904年.</ref>。

マニトワック港がまだ計画段階にあった[[1847年]]、ジョセフ・エドワーズはマニトワックで最初の[[スクーナー]]となったシチズン号を建造した。その次の船が建造されたのはその5年後であったが、これがマニトワックにおける造船業の起こりであったと考えられている。[[19世紀]]後半には、マニトワックでは[[蒸気船]]が建造され、[[グリーンベイ (ウィスコンシン州)|グリーンベイ]]やミルウォーキー、[[シカゴ]]などへ蒸気船の定期便が就航した<ref>Plumb, Ralph G. ''A History of Manitowoc County''. [http://www.2manitowoc.com/RPlumb10.html Chapter VI: Marine]. "Transportation Facilities and Shipbuilding". pp.67-79. 1904年.</ref>。[[1902年]]に[[マニトワック造船]]が創業すると、マニトワックはその企業城下町として発展した。[[第二次世界大戦]]中には、マニトワック造船はそれまで建造経験のなかった軍用の[[潜水艦]]を多数建造してその事業を拡大すると共に、マニトワックの地域経済を潤した<ref name="ManyProducts">[http://www.wisconsinhistory.org/turningpoints/search.asp?id=1241 The Many Products]. Wisconsin Historical Society.</ref>。

==地理==
[[File:ManitowocHarbor.jpg|right|thumb|250px|マニトワック港]]

マニトワックは{{ウィキ座標度分秒|44|5|47|N|87|40|30|W|}}に位置している。[[シボイガン (ウィスコンシン州)|シボイガン]]からは北へ約50km、[[グリーンベイ (ウィスコンシン州)|グリーンベイ]]からは南東へ約65km、[[ミルウォーキー]]からは北へ約135kmに位置する。市の東には[[ミシガン湖]]が広がり、マニトワック川がミシガン湖に注ぐ河口にはマニトワック港が築かれ、ダウンタウンは河口付近の両岸に形成されている。市中心部の標高は185mである。

[[アメリカ合衆国国勢調査局]]によると、マニトワック市は総面積44.5km²(17.2mi²)である。そのうち43.7km²(16.9mi²)が陸地で0.8km²(0.3mi²)が水域である。総面積の1.86%が水域となっている。

マニトワックの気候は[[五大湖]]周辺の地域によく見られる、寒さの厳しい冬と涼しい夏に特徴付けられる大陸性の気候であるが、ほぼ同緯度で[[ミシシッピ川|ミシシッピ]]河畔の[[ラクロス (ウィスコンシン州)|ラクロス]]など州西部と比べると、ミシガン湖の影響で夏はより涼しく、冬の寒さは若干和らぐ。最も暖かい7月の月平均気温は20℃、最高気温の平均は26℃で、日中でも30℃を超えることは滅多にない。最も寒い1月の平均気温は氷点下7℃で、日中でも0℃に達さない日が続く。降水は夏季、5月から9月までにかけて多く、月間75-90mm前後に達する。冬季は概ね乾燥しているが、12月から3月までは月間21-28cm程度の降雪が見られる。年間降水量は770mm程度である<ref name="weatherbase" />。[[ケッペンの気候区分]]では、マニトワックは[[亜寒帯湿潤気候]](''Dfb'')に属する。

{| class="wikitable" style="width: 80%; text-align:center; margin: 0 auto 0 auto;"
|+ '''マニトワックの気候'''<ref name="weatherbase">[http://www.weatherbase.com/weather/weather.php3?s=85557&units=us Historical Weather for Manitowoc, Wisconsin, United States of America]. Weatherbase.com.</ref>
|-
!
! [[1月]] !! [[2月]] !! [[3月]] !! [[4月]] !! [[5月]] !! [[6月]] !! [[7月]] !! [[8月]] !! [[9月]] !! [[10月]] !! [[11月]] !! [[12月]] !! 年
|-
! 平均気温([[セルシウス度|℃]])
| -7.2 || -6.1 || -1.1 || 5.6 || 11.1 || 17.2 || 20.6 || 20.0 || 15.6 || 9.4 || 2.2 || -3.9 || 7.2
|-
! 降水量([[ミリメートル|mm]])
| 40.6 || 38.1 || 53.3 || 68.6 || 76.2 || 88.9 || 81.3 || 78.7 || 81.3 || 63.5 || 55.9 || 43.2 || 769.6
|-
! 降雪量([[センチメートル|cm]])
| 28.4 || 25.7 || 21.8 || 6.6 || 0.5 || - || - || - || - || 0.5 || 8.9 || 20.8 || 113.2
|}

==政治==
[[File:ManitowocWisconsinCityHall.jpg|right|thumb|250px|マニトワック市庁舎]]

マニトワックは[[市長制]]を採っている。市長は全市からの投票で選出され、その任期は4年である<ref name="CommonCouncil">[http://www.manitowoc.org/index.aspx?NID=77 Common Council]. City of Manitowoc.</ref>。市長は市政の最高責任者であり、市議会の議長および都市計画理事会の会長も務める<ref>[http://www.manitowoc.org/FAQ.aspx?QID=55 FAQ: What does the mayor do?]. City of Manitowoc.</ref>。市長は市議会が採択した政策や条例の実行、市政府の日常業務の監督、地域経済の発展等に責任を負う<ref name="CommonCouncil" />。

市議会は10人の議員からなっている。市議会議員は市を10に分けた選挙区から1人ずつ選出され、その任期は2年であるが、毎年半数が改選される。市議会は条例の可決、予算の採択、各局長の任命等に責任を負う<ref name="CommonCouncil" />。

==産業==
マニトワックでは造船業が栄えてきた。社名にマニトワックの名を冠し、マニトワックに本社を置くマニトワック・カンパニーは、もともとは[[1902年]]に創業した[[マニトワック造船]]で、船舶の建造および修理を行っていた<ref name="ManitowocCompany">[http://www.manitowoc.com/EN/Our-Company/Pages/default.aspx Our Company]. Manitowoc Company, Inc.</ref>。同社は[[第一次世界大戦]]中には[[貨物船]]を、また[[第二次世界大戦]]中には軍用の[[潜水艦]]を多数建造し、事業規模を拡大した<ref name="ManyProducts" />。その一方で、同社は事業の多角化として、[[1920年代]]にクレーン製造に、第二次世界大戦後には業務用冷蔵庫製造に進出した。[[1968年]]に造船所は閉鎖されたが、会社はマニトワック・カンパニーとして存続し、以後は建設機械と飲食産業用機器の製造を、それぞれ「マニトワック・クレーン」、「マニトワック・フードサービス」として行っている。同社はアメリカ合衆国内の拠点のほか、[[イギリス]]、[[フランス]]、[[中華人民共和国]]など世界26ヶ国で事業を展開している<ref name="ManitowocCompany" />。

バーガー・ボートは[[1863年]]に創業した、アメリカ合衆国では最古の部類に入る[[ヨット#ヨット(遊行船)|遊行船]]の建造会社である<ref>[http://www.nautica.it/superyacht/509/burger/113eng.htm Burger 113 Expedition Top Times]. Rome, Italy: Nautica Editrice Srl.</ref>。同社の船はカスタムメイドで24-30ヶ月かけて建造される、全長75-200[[フィート]](23-60m)のものである。同社は年間2-3隻の船を建造している<ref>[http://www.burgerboat.com/index.php?option=com_content&task=view&id=7&Itemid=7 The Company]. Burger Boat Company.</ref>。同社はマニトワックの本社のほか、[[モナコ]]にもヨーロッパ拠点を置いている<ref>[http://www.burgerboat.com/index.php?option=com_contact&Itemid=28&task=europe Contact: European Business Operations]. Burger Boat Company.</ref>。

==交通==
[[File:SSBadger.JPG|right|thumb|250px|マニトワック港から出航するバッジャー号]]

マニトワックに最も近い商業空港は、グリーンベイの南西に立地する[[オースチン・ストローベル国際空港]]([[IATA空港コード|IATA]]: '''GRB''')である。マニトワック市中心部からは[[州間高速道路]][[州間高速道路43号線|I-43]]を利用して北西へ約67kmの道のりで、車では所要約45-50分である<ref>[http://maps.yahoo.com/#q1=Manitowoc%2C+WI&q2=GRB Driving directions to GRB]. Yahoo!Map.</ref>。より規模が大きく、便数も就航路線数も多い空港としては、ミルウォーキーの南に立地する[[ジェネラル・ミッチェル国際空港]](IATA: '''MKE''')もあり、こちらへはマニトワックの中心部から南へ約150km、車で所要1時間40分ほどである<ref>[http://maps.yahoo.com/#q1=Manitowoc%2C+WI&q2=MKE Driving directions to MKE]. Yahoo!Map.</ref>。マニトワック市内、市中心部から北西へ約2マイル(3.2km)にもマニトワック郡空港(IATA: '''MTW''')があるが<ref name="AirNavKMTW">[http://www.airnav.com/airport/KMTW Manitowac County Airport, Manitowoc, Wisconsin, USA]. Federal Aviation Administration. Qtd by ''AirNav''. 2012年4月5日.</ref>、こちらは[[ゼネラル・アビエーション]]と呼ばれる、主として自家用機やチャーター機等の発着に使われる小規模な空港である。

I-43は市の西を南北に通っている。I-43はグリーンベイを北の起点/終点とし、ミルウォーキーまでミシガン湖岸に沿って南北に走る高速道路で、ミルウォーキーで[[州間高速道路94号線|I-94]]に合流して[[シカゴ]]方面や州都[[マディソン (ウィスコンシン州)|マディソン]]方面にもつながっている。

マニトワック市内の通りは、南北に通る通りには数字のついたものが多く、ミシガン湖から離れるにつれて数字が大きくなり、マニトワック川を境にN(北)とS(南)に分かれている。一方、東西に通る通りにはW(西)とE(東)の区別はない。

マニトワック港にはミシガン湖を横断し、マニトワックと対岸の[[ミシガン州]][[ラディントン (ミシガン州)|ラディントン]]とを所要4時間で結ぶ[[フェリー]]、バッジャー号が発着する。バッジャー号は1日1便の運航であるが、夏季には1日2便に増便され、冬季には休止となる<ref>[http://www.ssbadger.com/schedulefares.aspx Schedules&Fares]. Lake Michigan Carferry.</ref>。このフェリーはミシガン州と[[ノースダコタ州]]を結ぶ国道10号線の一部になっている。

[[グレイハウンド (バス)|グレイハウンド]]のバスストップは市南西部にある[[ロイヤル・ダッチ・シェル|シェル]]のガソリンスタンドに併設されており<ref>[http://www.greyhound.com/en/locations/terminal.aspx?city=500929 Manitowoc, WI]. Greyhound.</ref>、同社と提携しているバス会社によって運行されている、ミルウォーキーとグリーンベイを結ぶ中距離バスが停車する。

マニトワックにおける公共交通機関は、市がマリタイム・メトロ・トランジットとして運行している6系統の[[路線バス]]によってカバーされている<ref>[http://www.manitowoc.org/index.aspx?NID=457 About Maritime Metro Transit]. Maritime Metro Transit, City of Manitowoc.</ref>。そのうち5系統は市中心部に立地するバスターミナルを中心として市内各所をカバーする循環路線で、残りの1系統は市北東部のメドウ・リンクス乗継所から北東郊のトゥーリバーズ市へ向かう路線である<ref>[http://www.manitowoc.org/index.aspx?NID=444 Route Information]. Maritime Metro Transit, City of Manitowoc.</ref>。

==教育==
[[File:SilverLakeCollegeEntrance.jpg|right|thumb|250px|シルバーレイク大学]]

マニトワックに1校だけ立地する4年制大学、シルバーレイク大学は市の南西にキャンパスを構えている。同学はマニトワックに本拠を置き、[[アッシジのフランチェスコ|聖フランシスコ]]の[[福音書]]を受け継ぐ[[カトリック]]の女子会衆、フランシスカン・シスターズ・オブ・クリスチャン・チャリティ([[:en:Franciscan Sisters of Christian Charity|Franciscan Sisters of Christian Charity]])によって、[[1885年]]に教会学校として設立された。その後、同学は[[1935年]]にホーリー・ファミリー・カレッジ(Holy Family College)として4年制の[[リベラル・アーツ・カレッジ]]に移行し、[[1957年]]に非聖職者の女子を受け入れ、[[1959年]]に[[認定校制度|認定]]を受け、[[1969年]]に男女共学に移行し、[[1972年]]にはフランシスカン・シスターズ・オブ・クリスチャン・チャリティと分離独立して現在の校名に改称した<ref>[https://www.sl.edu/about-the-college/general-info/our-history/ Our History]. Silver Lake College of the Holy Family.</ref>。

ウィスコンシン大学マニトワック校は[[ウィスコンシン大学]]システムをなす26校(4年制13校・2年制13校)のうちの1校で、地域密着型で教養科目を主とし、準学士の学位のみを授与する2年制の大学である。同学卒業生はウィスコンシン大学システム内外の4年制大学に編入することができる<ref>[http://www.manitowoc.uwc.edu/about/ about UW-Manitowoc]. University of Wisconsin-Manitowoc.</ref>。同学は市の南部、ミシガン湖畔に40[[エーカー]](約162,000m²)のキャンパスを有している<ref>[http://www.manitowoc.uwc.edu/about/facts/ History & Facts]. University of Wisconsin-Manitowoc.</ref>。

マニトワックにおける[[K-12]]課程はマニトワック公立学区の管轄下にある公立学校によってまかなわれている。同学区は小学校(1-6年生)6校、中学校(7-9年生)2校、高等学校(10-12年生)1校のほか、[[チャーター・スクール]]として[[オルタナティブ教育|オルタナティブ高校]]1校、および幼児早期教育センター1校を有し、約5,500人の児童・生徒を抱えている<ref>[http://www.manitowocpublicschools.com/community.cfm?subpage=175634 About the MPSD]. Manitowoc Public School District.</ref>。また、マニトワックには公立学校のほか、[[カトリック]]系および[[ルーテル教会]]系の私立学校も数校ある。

==文化==
{{Double image stack|right|WisconsinMaritimeMuseumUSSCobia.jpg|Rahr-West Art Museum Manitowoc WI 02.JPG|250|上: ウィスコンシン海事博物館<br />下: ラー・ウェスト美術館}}

ダウンタウンのマニトワック河畔、河口近くに立地する[[ウィスコンシン海事博物館]]は[[1970年]]に開館し、[[アメリカ合衆国中西部|中西部]]最大級の海事博物館の1つに数えられている。同館は60,000平方フィート(約5,574m²)を超える展示スペースを有し、船舶の模型や蒸気エンジンなど、ウィスコンシン州の海事史に関する事物を展示している。また、同館の南を流れるマニトワック川には、第二次世界大戦で4度の戦功を上げた潜水艦、[[コビア (潜水艦)|コビア]]が記念艦として係留され、45分のツアーや、オーバーナイトでの教育プログラムに使われている<ref>[http://www.wisconsinmaritime.org/about-the-museum/ About the Museum]. Wisconsin Maritime Museum.</ref>。同館は[[スミソニアン協会]]とも提携している<ref>[http://www.wisconsinmaritime.org/about-the-museum/affiliations/ Affiliations]. Wisconsin Maritime Museum.</ref><ref>[https://affiliations.si.edu/AffilDirectory.Asp?MenuID=11 Smithsonian Affiliates]. Smithsonian Institute.</ref>。

ダウンタウンの北には[[ラー・ウェスト美術館]]が立地している。同館のクイーン・アン様式の建物は、もともとは[[1891年]]から[[1893年]]にかけて、地元実業家で市長も務めたジョセフ・ビラズの邸宅として建てられたものである。ビラズ夫妻の死後、この豪邸を[[1910年]]に購入したのは実業家ラインハルト・ラーであった。ラーが[[1921年]]にこの世を去った後、[[1941年]]に妻のクララはこの豪邸を市に寄付した。その後、豪邸はラー・シビック・センターとしての利用を経て、ウェスト家の援助も得て[[1975年]]に現称で美術館として再生された。[[1977年]]には、同館の建物は[[アメリカ合衆国国家歴史登録財|国家歴史登録財]]に登録された<ref>[http://www.manitowoc.org/index.aspx?NID=1034 Mansion]. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.</ref>。同館のコレクションは[[ジョージア・オキーフ]]や[[アンディ・ウォーホル]]など、[[19世紀]]以降のアメリカ芸術作品が主である<ref>[http://www.manitowoc.org/index.aspx?NID=1009 Contribute Artwork to the Rahr West Art Museum Collection]. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.</ref>。また、同館は地域における芸術教育の拠点ともなっており、子供から大人まで幅広い年代を対象として芸術教室を開いているほか<ref>[http://www.manitowoc.org/index.aspx?NID=1008 Education]. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.</ref>、3-5月には地元の児童・生徒の作品を展示するユース・アートという展覧会も行っている<ref>[http://www.manitowoc.org/index.aspx?nid=1024 Youth Art Series]. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.</ref>。

==姉妹都市==
マニトワックは[[鴨川市]]([[日本]]・[[千葉県]])と[[姉妹都市]]提携を結んでいる。[[1993年]]に提携して以来、両市は児童・生徒の絵画交換・作品展、マニトワック吹奏楽団や鴨川少年少女合唱団によるコンサート、ホームステイなどで交流してきた<ref>[http://www.city.kamogawa.lg.jp/JP/0008/0069/00001214_8_69.html 国際交流 年表]. 鴨川市.</ref>。また、ラー・ウェスト博物館には鴨川市の名を冠したカモガワ・ルームという展示室が設けられ、鴨川市がマニトワックに贈った作品が展示されている<ref>[http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/articles/town/171_1/index.html 鴨川市の国際交流]. 自治体国際化協会. 2003年.</ref>。なお、マニトワックの姉妹都市は鴨川市1都市のみである。

==関連項目==
[[File:Spuntik IV impact marker Manitowoc 02.JPG|right|thumb|250px|スプートニク4号の金属片が落下した路上にできた円形の跡]]

* [[スプートニク4号]] - [[ソビエト連邦]](当時)が[[スプートニク計画]]の一環として打ち上げた[[人工衛星]]。[[1962年]]9月5日、この人工衛星の、重さ約9kgの金属片がラー・ウェスト美術館そばのノース8thストリート路上に落下した。金属片そのものはソビエト政府に返還されたが、ラー・ウェスト美術館にはこの金属片のレプリカが展示されている<ref>[http://www.roadsideamerica.com/story/12959 Sputnik Crashed Here]. RoadsideAmerica.com.</ref>。また、同館では毎年9月にスプートニクフェストという記念イベントも行われている。

==註==
{{reflist}}

==外部リンク==
{{Commonscat|Manitowoc, Wisconsin}}
{{Wikisource|ウィスコンシン州マニトワック市の人口統計データ}}
* [http://www.manitowoc.org/ Manitowoc, Wisconsin] - 市の公式サイト
* [http://www.manitowocchamber.com Manitowoc-Two Rivers Area Chamber of Commerce]
* [http://www.manitowoc.lib.wi.us/ Manitowoc Public Library]
* [http://mpsd.k12.wi.us/ Manitowoc Public School District]
* [http://www.city.kamogawa.lg.jp/JP/0008/0119/00001111_8_119.html 国際姉妹都市 マニトワック市] - 鴨川市公式サイトにおけるマニトワックの紹介
* [http://www.city-data.com/city/Manitowoc-Wisconsin.html Manitowoc, Wisconsin] - City-Data.com
* [http://maps.yahoo.com/maps_result.php?q1=Manitowoc%2C+WI Manitowoc, WI] - Yahoo!Mapの地図


{{us-stub}}
{{ウィスコンシン州}}
{{ウィスコンシン州}}

{{DEFAULTSORT:まにとわつく}}
[[Category:ウィスコンシン州の都市]]
[[Category:ウィスコンシン州の都市|まにとわつく]]


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2012年5月10日 (木) 14:15時点における版

マニトワック市
City of Manitowoc
マニトワック市中心部
マニトワック市中心部
愛称 : Wisconsin's Maritime Capital (ウィスコンシンの海事の都)[1]
位置
ウィスコンシン州におけるマニトワックの位置の位置図
ウィスコンシン州におけるマニトワックの位置
座標 : 北緯44度5分47秒 西経87度40分30秒 / 北緯44.09639度 西経87.67500度 / 44.09639; -87.67500
歴史
創設 1836年[2]
行政
アメリカ合衆国
 州 ウィスコンシン州
 郡 マニトワック郡
 市 マニトワック市
地理
面積  
  市域 44.5 km2 (17.2 mi2)
    陸上   43.7 km2 (16.9 mi2)
    水面   0.8 km2 (0.3 mi2)
標高 185 m (606 ft)
人口
人口 (2010年現在)
  市域 33,736人
    人口密度   772.0人/km2(1,996.2人/mi2
  都市圏 81,442人
その他
等時帯 中部標準時 (UTC-6)
夏時間 中部夏時間 (UTC-5)
公式ウェブサイト : http://www.manitowoc.org/

マニトワックManitowoc)は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州東部、ミシガン湖岸に位置する都市。グリーンベイの南東約65km、ミルウォーキーの北約135kmに位置する。人口は33,736人(2010年国勢調査)。マニトワック郡1郡からなる小都市圏は81,442人(2010年国勢調査)の人口を抱えている[3]

マニトワックは「ウィスコンシンの海事の都」と呼ばれ、造船業が栄えてきた。1902年にマニトワックで創業し、マニトワックをその企業城下町としてきたマニトワック造船は、第二次世界大戦中には軍用の潜水艦を多数建造した。1968年に造船所が閉鎖された後も、同社は現在のマニトワック・カンパニーという社名で、建設機械および飲食産業用機器の製造会社として存続し、世界26ヶ国で事業を展開する会社となった。現在では、マニトワックにはウィスコンシン海事博物館が置かれ、第二次世界大戦で戦功を上げた潜水艦、コビアが記念艦として係留されている。

歴史

今日のマニトワックがあるこの地には、ヨーロッパ人の入植以前にはオタワ族メノミニー族ウィネベーゴ族ポタワトミ族ネイティブ・アメリカンが混住していた[4]。マニトワックという今日の地名の由来は、オタワ族が話していたアニシナーベ語で「魂の産卵」を意味するmanitowag、もしくは「魂の木々」を意味するmun-nih-do-walkが転訛し、「魂の住処」を意味するものであった考えられている[5]

1795年北西会社がこの地に毛皮交易所を設置すると、この地にはボヘミア系、フランス系、ドイツ系、アイルランド系、ノルウェー系、ポーランド系などが移入した[2]。しかし、この地に恒久的な入植地が創設されたのはその41年後、1836年のことであった。このとき、この地にはマニトワックのほか、マニトワックラピッズ、トゥー・リバーズ、ネショトと、4つの村が同時に創設された[6]1839年にはマニトワック郡政府が創設され、翌1840年にはマニトワックに最初の郡庁舎が置かれた[2]。その後、1851年3月6日にマニトワックは村として正式に法人化され、1870年3月12日に市制を施行した[7]

マニトワックはその初期から、シボイガンと並んで港を築くのに良い場所であると考えられていた。しかし資金難もあり、最初の埠頭が築かれたのは1854年で、その時点で既に州南部のミルウォーキーケノーシャに遅れを取っていた。その後も1900年代初頭に至るまでほぼ毎年、数万ドル単位の費用を投じて港の拡張が行われた[8]

マニトワック港がまだ計画段階にあった1847年、ジョセフ・エドワーズはマニトワックで最初のスクーナーとなったシチズン号を建造した。その次の船が建造されたのはその5年後であったが、これがマニトワックにおける造船業の起こりであったと考えられている。19世紀後半には、マニトワックでは蒸気船が建造され、グリーンベイやミルウォーキー、シカゴなどへ蒸気船の定期便が就航した[9]1902年マニトワック造船が創業すると、マニトワックはその企業城下町として発展した。第二次世界大戦中には、マニトワック造船はそれまで建造経験のなかった軍用の潜水艦を多数建造してその事業を拡大すると共に、マニトワックの地域経済を潤した[10]

地理

マニトワック港

マニトワックは北緯44度5分47秒 西経87度40分30秒 / 北緯44.09639度 西経87.67500度 / 44.09639; -87.67500に位置している。シボイガンからは北へ約50km、グリーンベイからは南東へ約65km、ミルウォーキーからは北へ約135kmに位置する。市の東にはミシガン湖が広がり、マニトワック川がミシガン湖に注ぐ河口にはマニトワック港が築かれ、ダウンタウンは河口付近の両岸に形成されている。市中心部の標高は185mである。

アメリカ合衆国国勢調査局によると、マニトワック市は総面積44.5km²(17.2mi²)である。そのうち43.7km²(16.9mi²)が陸地で0.8km²(0.3mi²)が水域である。総面積の1.86%が水域となっている。

マニトワックの気候は五大湖周辺の地域によく見られる、寒さの厳しい冬と涼しい夏に特徴付けられる大陸性の気候であるが、ほぼ同緯度でミシシッピ河畔のラクロスなど州西部と比べると、ミシガン湖の影響で夏はより涼しく、冬の寒さは若干和らぐ。最も暖かい7月の月平均気温は20℃、最高気温の平均は26℃で、日中でも30℃を超えることは滅多にない。最も寒い1月の平均気温は氷点下7℃で、日中でも0℃に達さない日が続く。降水は夏季、5月から9月までにかけて多く、月間75-90mm前後に達する。冬季は概ね乾燥しているが、12月から3月までは月間21-28cm程度の降雪が見られる。年間降水量は770mm程度である[11]ケッペンの気候区分では、マニトワックは亜寒帯湿潤気候Dfb)に属する。

マニトワックの気候[11]
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温( -7.2 -6.1 -1.1 5.6 11.1 17.2 20.6 20.0 15.6 9.4 2.2 -3.9 7.2
降水量(mm 40.6 38.1 53.3 68.6 76.2 88.9 81.3 78.7 81.3 63.5 55.9 43.2 769.6
降雪量(cm 28.4 25.7 21.8 6.6 0.5 - - - - 0.5 8.9 20.8 113.2

政治

マニトワック市庁舎

マニトワックは市長制を採っている。市長は全市からの投票で選出され、その任期は4年である[12]。市長は市政の最高責任者であり、市議会の議長および都市計画理事会の会長も務める[13]。市長は市議会が採択した政策や条例の実行、市政府の日常業務の監督、地域経済の発展等に責任を負う[12]

市議会は10人の議員からなっている。市議会議員は市を10に分けた選挙区から1人ずつ選出され、その任期は2年であるが、毎年半数が改選される。市議会は条例の可決、予算の採択、各局長の任命等に責任を負う[12]

産業

マニトワックでは造船業が栄えてきた。社名にマニトワックの名を冠し、マニトワックに本社を置くマニトワック・カンパニーは、もともとは1902年に創業したマニトワック造船で、船舶の建造および修理を行っていた[14]。同社は第一次世界大戦中には貨物船を、また第二次世界大戦中には軍用の潜水艦を多数建造し、事業規模を拡大した[10]。その一方で、同社は事業の多角化として、1920年代にクレーン製造に、第二次世界大戦後には業務用冷蔵庫製造に進出した。1968年に造船所は閉鎖されたが、会社はマニトワック・カンパニーとして存続し、以後は建設機械と飲食産業用機器の製造を、それぞれ「マニトワック・クレーン」、「マニトワック・フードサービス」として行っている。同社はアメリカ合衆国内の拠点のほか、イギリスフランス中華人民共和国など世界26ヶ国で事業を展開している[14]

バーガー・ボートは1863年に創業した、アメリカ合衆国では最古の部類に入る遊行船の建造会社である[15]。同社の船はカスタムメイドで24-30ヶ月かけて建造される、全長75-200フィート(23-60m)のものである。同社は年間2-3隻の船を建造している[16]。同社はマニトワックの本社のほか、モナコにもヨーロッパ拠点を置いている[17]

交通

マニトワック港から出航するバッジャー号

マニトワックに最も近い商業空港は、グリーンベイの南西に立地するオースチン・ストローベル国際空港IATA: GRB)である。マニトワック市中心部からは州間高速道路I-43を利用して北西へ約67kmの道のりで、車では所要約45-50分である[18]。より規模が大きく、便数も就航路線数も多い空港としては、ミルウォーキーの南に立地するジェネラル・ミッチェル国際空港(IATA: MKE)もあり、こちらへはマニトワックの中心部から南へ約150km、車で所要1時間40分ほどである[19]。マニトワック市内、市中心部から北西へ約2マイル(3.2km)にもマニトワック郡空港(IATA: MTW)があるが[20]、こちらはゼネラル・アビエーションと呼ばれる、主として自家用機やチャーター機等の発着に使われる小規模な空港である。

I-43は市の西を南北に通っている。I-43はグリーンベイを北の起点/終点とし、ミルウォーキーまでミシガン湖岸に沿って南北に走る高速道路で、ミルウォーキーでI-94に合流してシカゴ方面や州都マディソン方面にもつながっている。

マニトワック市内の通りは、南北に通る通りには数字のついたものが多く、ミシガン湖から離れるにつれて数字が大きくなり、マニトワック川を境にN(北)とS(南)に分かれている。一方、東西に通る通りにはW(西)とE(東)の区別はない。

マニトワック港にはミシガン湖を横断し、マニトワックと対岸のミシガン州ラディントンとを所要4時間で結ぶフェリー、バッジャー号が発着する。バッジャー号は1日1便の運航であるが、夏季には1日2便に増便され、冬季には休止となる[21]。このフェリーはミシガン州とノースダコタ州を結ぶ国道10号線の一部になっている。

グレイハウンドのバスストップは市南西部にあるシェルのガソリンスタンドに併設されており[22]、同社と提携しているバス会社によって運行されている、ミルウォーキーとグリーンベイを結ぶ中距離バスが停車する。

マニトワックにおける公共交通機関は、市がマリタイム・メトロ・トランジットとして運行している6系統の路線バスによってカバーされている[23]。そのうち5系統は市中心部に立地するバスターミナルを中心として市内各所をカバーする循環路線で、残りの1系統は市北東部のメドウ・リンクス乗継所から北東郊のトゥーリバーズ市へ向かう路線である[24]

教育

シルバーレイク大学

マニトワックに1校だけ立地する4年制大学、シルバーレイク大学は市の南西にキャンパスを構えている。同学はマニトワックに本拠を置き、聖フランシスコ福音書を受け継ぐカトリックの女子会衆、フランシスカン・シスターズ・オブ・クリスチャン・チャリティ(Franciscan Sisters of Christian Charity)によって、1885年に教会学校として設立された。その後、同学は1935年にホーリー・ファミリー・カレッジ(Holy Family College)として4年制のリベラル・アーツ・カレッジに移行し、1957年に非聖職者の女子を受け入れ、1959年認定を受け、1969年に男女共学に移行し、1972年にはフランシスカン・シスターズ・オブ・クリスチャン・チャリティと分離独立して現在の校名に改称した[25]

ウィスコンシン大学マニトワック校はウィスコンシン大学システムをなす26校(4年制13校・2年制13校)のうちの1校で、地域密着型で教養科目を主とし、準学士の学位のみを授与する2年制の大学である。同学卒業生はウィスコンシン大学システム内外の4年制大学に編入することができる[26]。同学は市の南部、ミシガン湖畔に40エーカー(約162,000m²)のキャンパスを有している[27]

マニトワックにおけるK-12課程はマニトワック公立学区の管轄下にある公立学校によってまかなわれている。同学区は小学校(1-6年生)6校、中学校(7-9年生)2校、高等学校(10-12年生)1校のほか、チャーター・スクールとしてオルタナティブ高校1校、および幼児早期教育センター1校を有し、約5,500人の児童・生徒を抱えている[28]。また、マニトワックには公立学校のほか、カトリック系およびルーテル教会系の私立学校も数校ある。

文化

 
上: ウィスコンシン海事博物館
下: ラー・ウェスト美術館

ダウンタウンのマニトワック河畔、河口近くに立地するウィスコンシン海事博物館1970年に開館し、中西部最大級の海事博物館の1つに数えられている。同館は60,000平方フィート(約5,574m²)を超える展示スペースを有し、船舶の模型や蒸気エンジンなど、ウィスコンシン州の海事史に関する事物を展示している。また、同館の南を流れるマニトワック川には、第二次世界大戦で4度の戦功を上げた潜水艦、コビアが記念艦として係留され、45分のツアーや、オーバーナイトでの教育プログラムに使われている[29]。同館はスミソニアン協会とも提携している[30][31]

ダウンタウンの北にはラー・ウェスト美術館が立地している。同館のクイーン・アン様式の建物は、もともとは1891年から1893年にかけて、地元実業家で市長も務めたジョセフ・ビラズの邸宅として建てられたものである。ビラズ夫妻の死後、この豪邸を1910年に購入したのは実業家ラインハルト・ラーであった。ラーが1921年にこの世を去った後、1941年に妻のクララはこの豪邸を市に寄付した。その後、豪邸はラー・シビック・センターとしての利用を経て、ウェスト家の援助も得て1975年に現称で美術館として再生された。1977年には、同館の建物は国家歴史登録財に登録された[32]。同館のコレクションはジョージア・オキーフアンディ・ウォーホルなど、19世紀以降のアメリカ芸術作品が主である[33]。また、同館は地域における芸術教育の拠点ともなっており、子供から大人まで幅広い年代を対象として芸術教室を開いているほか[34]、3-5月には地元の児童・生徒の作品を展示するユース・アートという展覧会も行っている[35]

姉妹都市

マニトワックは鴨川市日本千葉県)と姉妹都市提携を結んでいる。1993年に提携して以来、両市は児童・生徒の絵画交換・作品展、マニトワック吹奏楽団や鴨川少年少女合唱団によるコンサート、ホームステイなどで交流してきた[36]。また、ラー・ウェスト博物館には鴨川市の名を冠したカモガワ・ルームという展示室が設けられ、鴨川市がマニトワックに贈った作品が展示されている[37]。なお、マニトワックの姉妹都市は鴨川市1都市のみである。

関連項目

スプートニク4号の金属片が落下した路上にできた円形の跡
  • スプートニク4号 - ソビエト連邦(当時)がスプートニク計画の一環として打ち上げた人工衛星1962年9月5日、この人工衛星の、重さ約9kgの金属片がラー・ウェスト美術館そばのノース8thストリート路上に落下した。金属片そのものはソビエト政府に返還されたが、ラー・ウェスト美術館にはこの金属片のレプリカが展示されている[38]。また、同館では毎年9月にスプートニクフェストという記念イベントも行われている。

  1. ^ Muench, David. Wisconsin Community Slogans: Their Use and Local Impacts. p.102. University of Wisconsin-Extension. 1993年12月. (PDFファイル)
  2. ^ a b c Manitowoc History. City of Manitowoc.
  3. ^ American FactFinder. U.S. Census Bureau. 2011年.
  4. ^ Plumb, Ralph G. A History of Manitowoc County. Chapter II: The Indians. p.10. 1904年.
  5. ^ Manitowoc. Dictionary of Wisconsin History. Wisconsin Historical Society.
  6. ^ Plumb, Ralph G. A History of Manitowoc County. Chapter III: Early Settlement. p.16. 1904年.
  7. ^ Plumb, Ralph G. A History of Manitowoc County. Chapter X: Village and City Government. pp.167,173. 1904年.
  8. ^ Plumb, Ralph G. A History of Manitowoc County. Chapter VI: Marine. "Harbor Development". pp.55-65. 1904年.
  9. ^ Plumb, Ralph G. A History of Manitowoc County. Chapter VI: Marine. "Transportation Facilities and Shipbuilding". pp.67-79. 1904年.
  10. ^ a b The Many Products. Wisconsin Historical Society.
  11. ^ a b Historical Weather for Manitowoc, Wisconsin, United States of America. Weatherbase.com.
  12. ^ a b c Common Council. City of Manitowoc.
  13. ^ FAQ: What does the mayor do?. City of Manitowoc.
  14. ^ a b Our Company. Manitowoc Company, Inc.
  15. ^ Burger 113 Expedition Top Times. Rome, Italy: Nautica Editrice Srl.
  16. ^ The Company. Burger Boat Company.
  17. ^ Contact: European Business Operations. Burger Boat Company.
  18. ^ Driving directions to GRB. Yahoo!Map.
  19. ^ Driving directions to MKE. Yahoo!Map.
  20. ^ Manitowac County Airport, Manitowoc, Wisconsin, USA. Federal Aviation Administration. Qtd by AirNav. 2012年4月5日.
  21. ^ Schedules&Fares. Lake Michigan Carferry.
  22. ^ Manitowoc, WI. Greyhound.
  23. ^ About Maritime Metro Transit. Maritime Metro Transit, City of Manitowoc.
  24. ^ Route Information. Maritime Metro Transit, City of Manitowoc.
  25. ^ Our History. Silver Lake College of the Holy Family.
  26. ^ about UW-Manitowoc. University of Wisconsin-Manitowoc.
  27. ^ History & Facts. University of Wisconsin-Manitowoc.
  28. ^ About the MPSD. Manitowoc Public School District.
  29. ^ About the Museum. Wisconsin Maritime Museum.
  30. ^ Affiliations. Wisconsin Maritime Museum.
  31. ^ Smithsonian Affiliates. Smithsonian Institute.
  32. ^ Mansion. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.
  33. ^ Contribute Artwork to the Rahr West Art Museum Collection. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.
  34. ^ Education. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.
  35. ^ Youth Art Series. Rahr-West Art Museum, City of Manitowoc.
  36. ^ 国際交流 年表. 鴨川市.
  37. ^ 鴨川市の国際交流. 自治体国際化協会. 2003年.
  38. ^ Sputnik Crashed Here. RoadsideAmerica.com.

外部リンク