守屋寿コレクション

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守屋寿コレクション(もりやひさしコレクション)とは、古地図収集家守屋寿が収集した、16世紀 - 19世紀の国内外の古地図を核とする歴史資料と関連図書からなるコレクションである。

概要[編集]

コレクションは、西洋製の古地図、日本製の古地図、近世日本の対外交渉史関係資料、守屋寿の出身である広島県福山市にゆかりのある資料などのテーマに分類可能である。コレクションの点数は、歴史資料954点、図書資料200点で、総点数は1,154点である[1]。このうち核となる古地図資料は403点(西洋製古地図:149点、日本製古地図:254点)で、個人コレクターが所有する古地図のコレクションとしては、国内最大の規模であるとともに、国内外の古地図資料がともに充実していることは、本コレクションの大きな特色といえる[1]

コレクションは、2014年平成26年)2月と2016年(平成28年)2月の2度に分け全点が広島県立歴史博物館(ふくやま草戸千軒ミュージアム)に寄託され、2017年現在、同館で保管されている。博物館では、平成26年4月に受託記念の企画展「未知なる世界への憧れと挑戦」を開催し[2]、コレクションの概要を公開した。また2016年10月14日から11月27日まで、コレクション完成記念の企画展「守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たなる異文化交流」が開催された[3]

それぞれのジャンルの概要は次のとおりである。なお、2017年3月から本コレクションの一部がデータベース化され、広島県立歴史博物館のWEBサイトの「デジタル・ミュージアム」のページで閲覧可能でき

西洋製の古地図[編集]

世界地図については、西洋世界にアメリカ大陸の情報が入る前の「プトレマイオス世界図」から、19世紀にキャプテン・クックがもたらしたオーストラリアニュージーランドなどの情報を盛り込んだ世界地図まで、西洋での世界図の変遷をたどることができる[4]。同じく日本及びその周辺の地図についても、マルコ・ポーロの記述に沿うように「ジパング」が描かれた地図から、シーボルトによって間宮海峡が描かれた地図まで、地図が進歩する変遷をたどることができるコレクションである。

日本製の古地図[編集]

世界地図については、日本初の刊行図である「万国総図」から、江戸時代後期 - 末期にかけて幕府が制作した世界地図まで、日本人が作った世界地図をほとんど網羅している。また、仏教の世界観に立脚した世界図も収集されている。

日本図については、いわゆる「行基図」から、幕末 - 明治初年にかけて刊行された伊能図まで、江戸時代を通じて地図の変遷をたどることができる[5]。とりわけ、幕府が制作した日本図については、徳川吉宗が制作を命じた「享保日本図」の測量原図と考えられる資料[6]や、島原の乱後に幕府が制作した日本図(「寛永B日本図」)の写し[5]など、希少な資料を含む点が特筆される。そのほか、「城下絵図」や、幕府が諸藩に制作を命じた「国絵図」も中国地方を中心に収められている[2]

対外交渉史関係資料[編集]

西洋との関係では、江戸時代に来日した人物(ケンペル、シーボルト、ペリープチャーチンなど)に関わる書籍(原著)及び絵画資料、西洋で紹介された日本の姿を示す絵画資料、蘭学関係や漂流民に関する資料がある。アジア諸国との関係では、琉球使節朝鮮通信使に関する資料も収めている[3]

福山市関連資料[編集]

瀬戸内海の港町「鞆の浦」に関係する絵画資料や古文書類、福山城下絵図、江戸時代後期の福山藩に関連する資料などがある[1][2]

主な資料[編集]

西洋製の古地図[1][2][3][編集]

日本製の古地図[1][2][3][編集]

対外交渉史関係資料[1][2][3][編集]

福山市関連資料[1][2][編集]

  • 「備後国図」(江戸時代)
  • 「備後分国図」(17世紀後半頃)
  • 「備後福山城之図」(17世紀半ば頃)
  • 「備後国福山御城並城下之図」(17世紀末頃か)
  • 「荻野重富宛水野勝成判物書状」(17世紀前半)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 広島県立歴史博物館(ふくやま草戸千軒ミュージアム)WEBページ「守屋壽コレクション」http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/rekishih/moriya-collection.html
  2. ^ a b c d e f g 広島県立歴史博物館 平成26年度企画展「未知なる世界への憧れと挑戦」パンフレット
  3. ^ a b c d e 広島県立歴史博物館 平成28年度企画展「守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」展示図録
  4. ^ 三好唯義「守屋壽コレクションの西洋製地図」『広島県立歴史博物館企画展「守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」展示図録』p.15-24
  5. ^ a b 川村博忠「近世日本地図の成立と発展」『広島県立歴史博物館企画展「守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」展示図録』p.5-14
  6. ^ 川村博忠「現存した享保日本図の見当山測量原図」(『歴史地理学』第56号第3号)2014年

参考文献[編集]

  • 平成26年度企画展「未知なる世界への憧れと挑戦」パンフレット 広島県立歴史博物館 2014年
  • 平成28年度企画展「至高の古地図・絵図コレクション完成記念 企画展 守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」図録 広島県立歴史博物館 2016年
  • 川村博忠「現存した享保日本図の見当山測量原図」(『歴史地理学』第56号第3号)2014年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]