大阪市交通局100系電車 (新交通)

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大阪市交通局100A系電車
ニュートラム南港ポートタウン線仕様・100A系
ニュートラム南港ポートタウン線仕様・100A系
編成 4
営業最高速度 60 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度 4.0 km/h/s(常用最大)
5.0 km/h/s(非常)
編成定員 174 (73) 人
車両定員 (101A形)42 (16) 人
(100A・102A形)45 (20) 人
(105A形)42 (17) 人
全長 32,150 mm
全幅 2,290 mm
全高 3,150 mm
車体材質 ステンレス
編成質量 42.6t
車両質量 (先頭車)10.8t・(中間車)10.5t
軌間 1,600 mm
電気方式 三相交流600V側面接触方式
編成出力 100kW×1台×4両
主電動機出力 100kW
歯車比 41:6
駆動装置 直角駆動
制御装置 可逆式サイリスタレオナード制御
制動方式 E-57
保安装置 CS-ATC・ATO
製造メーカー 新潟鐵工所

大阪市交通局100系電車(おおさかしこうつうきょく100けいでんしゃ)は、1981年昭和56年)に登場した大阪市交通局の中量軌道(新交通システム)・ニュートラム南港ポートタウン線用の車両である。

本項では、1991年平成3年)10月から運転を開始したステンレス車体の大阪市交通局100A系電車および100A系とほぼ共通の設計で1997年(平成9年)[1]に製造された大阪港トランスポートシステムOTS100系電車についても記述する。

ニュートラムの開業と無人運転の実施[編集]

1981年3月16日のニュートラム(南港ポートタウン線)開業と同時に100系が運用を開始した。開業時からすべての列車がコンピュータ制御による自動運転によって運行されている。1991年からは一部の列車で無人運転を実施した[2]。ただし、住之江公園駅における事故(後述)や、2006年(平成18年)4月14日に発生したゆりかもめ車輪脱輪事故の直後などに添乗員を乗せた有人運転を行ったほか、通常時でもごくまれに、平日朝ラッシュ時などに乗務員の運転訓練のため、有人手動運転を行っている列車がある。

当系列は製造時期により、1 - 2次車の100系と1991年(平成3年)10月から運転を開始した改良型の3 - 7次車の100A系の2種類に分けることができる。

100系[編集]

100系の投入[編集]

100系

100系は、1981年のニュートラムの開業当初から運用された車両で、全16編成が製造された。営業運転開始当初には、1次車の第01 - 13編成が投入され、続いて1986年(昭和61年)に2次車の第14 - 16編成が投入された[3]。メーカーは、第01 - 07編成と第14 - 16編成が新潟鐵工所、第08 - 13編成が近畿車輛である。また、第01 - 05編成と第14・15編成は鉄道事業法の認可を受けて製造されたのに対して、第06 - 13編成と第16編成は軌道法の認可を受けて製造された。

100系の車体・機器[編集]

車体は普通鋼製である。1次車の第01 - 13編成は、登場当初ウレタン充填タイヤを装備していたが、乗り心地がいまひとつということで1982年(昭和57年)9月から空気タイヤに変更された。また、1986年に製造された2次車の第14 - 16編成は当初から空気タイヤが装備されている。

事故[編集]

1993年(平成5年)10月5日、第13編成の住之江公園駅行きの列車が、終点の住之江公園駅で本来の停止位置に停車せず暴走し、車止めに激突して先頭車両が大破し、乗客215人が重軽傷を負った。この事故により、運転が再開された同年11月19日から2000年(平成12年)2月19日までの期間は添乗員(車掌相当)が乗務していた。

廃車[編集]

先述の衝突事故で105-13号車[4]が修復不可能な損傷を受けたことに加え、100系は海浜部を走行することから塩害による普通鋼製車体の老朽化が進行したため、100A系への置き換えによって、1994年(平成6年)から1997年にかけて1次車の第01 - 13編成が廃車となり、2次車の第14 - 16編成も2001年(平成13年)に廃車された[5]。同じ1981年にデビューしたポートライナー8000型がアルミ車体であるゆえに2009年(平成21年)11月8日まで運行されており、車体の構造が明暗を分けた。

第06編成の先頭車1両が緑木車両管理事務所に保存されており、通常は非公開であるが、市電保存館公開時などには公開されている。

100A系[編集]

100A系の投入[編集]

100A系は、同線に1991年から投入された車両である。まず、1991年に輸送力増強用として第17・18編成の2編成が投入された。以後は100系の廃車とともに100A系の投入が進められ、1994年度には第19 – 21・31・32編成が、1995年度には第22 – 26編成が、1996年度には第27 – 29編成が、2001年度には第36・37編成が投入された[6]。さらに、2005年(平成17年)には後述の大阪港トランスポートシステムOTS100系として製造された第33 – 35編成が本系列に編入されて[7]2014年現在は、第17 - 37編成の4両編成20本の計80両が在籍している(第30編成は欠番)[8]。なお、第31・32編成は、南港地区の発展による輸送力増強のため、港営事業の一環から支出して投入された車両である[9]

100A系の車体・機器[編集]

ステンレス無塗装の車体で、前面には下側に赤いラインが、側面にはラインカラーであるセルリアンブルーのラインが入っている。ドアは車両の中心に1か所設置されている。ニュートラムのロゴは先頭車両にのみ表記されている。正面には非常用の貫通扉が設置されているが、100系に比較すると右側に寄せられている。デザインから見るとニュートラム版新20系と言える。なお、最終増備車となった第36・37編成は、前面の非常用貫通扉のノブが他車とは違う位置に設置され、非常用貫通扉のガラスの面積も縮小されている。ゴムタイヤには窒素ガスが充填されている。

100A系の内装[編集]

座席モケットは一人分の着席区分模様入りの赤系である。ドア周辺部以外には吊革が設置されているが、ドア周辺部の天井のパイプは設置されていない。また、ドア周辺部の握り棒にはウレタンが巻かれている。全編成ともコスモスクエア寄り先頭車両に車椅子スペースが設置されているが、インターホン車椅子の高さで使うことはできない。ドアには交通局標準の点字表記入り車両・ドア位置案内も貼付されている。また、側面窓にはロールカーテンも設置している。

第19編成以降の車両には、LED式の車内案内表示器が設置されている[10]。1996年度に製造された第27編成からは、扉のガラスが単板ガラスから複層ガラスに変更された。また、2001年度に製造された第36・37編成は、先頭車の添乗員席を客室に開放して仕切りがなくなって定員が1人増加しているほか、優先座席のモケットの色が青系になっている[11]

置き換えの予定[編集]

2015年以降、南港ポートタウン線に200系が投入されることとなり、一部編成は置き換えられていく予定である[12][13][14]

大阪港トランスポートシステムOTS100系[編集]

大阪港トランスポートシステムOTS100系電車は、1997年のOTSニュートラムテクノポート線の開業に備えて、同年に3編成が製造された。車体は大阪市交通局100A系と同型であるが、前面の黒い部分が青色となり、側面帯や腰部の塗装が100A系と異なっている。交通局のニュートラムのロゴと同じ位置にOTSロゴが記されていた。車両番号は、大阪市交通局の100A系の続番で、第33 - 35編成とされた。

車内は海浜をイメージしたものであり、座席モケットは水色で、床材は薄茶色である。また化粧板は交通局より明るい白系の色が使われている。

2005年には、大阪港トランスポートシステムの第一種鉄道事業撤退に伴い、車両はすべて大阪市交通局に売却され、100A系に編入されてOTS100系は形式消滅した。移籍に伴う変更は、OTSロゴをニュートラムロゴに変えただけであり、2011年現在でもこの3編成はOTSカラーのままで、車内もそのままである。

脚注[編集]

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  1. ^ 石本隆一「大阪市交通局 車歴表」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、204頁
  2. ^ 石本隆一「現有車両プロフィール」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、 175頁
  3. ^ 石本隆一「大阪市交通局 車歴表」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、204頁
  4. ^ osaka-subway.com
  5. ^ 石本隆一「大阪市交通局 車歴表」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、204頁
  6. ^ 石本隆一「大阪市交通局 車歴表」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、204頁
  7. ^ ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表 06年版』ジェー・アール・アール、2006年、182頁
  8. ^ ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表2014』交通新聞社、2014年、 155頁
  9. ^ 石本隆一「現有車両プロフィール」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、175頁
  10. ^ 石本隆一「現有車両プロフィール」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、 175頁
  11. ^ 石本隆一「現有車両プロフィール」、『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、175頁
  12. ^ “大阪市交通局、「ニュートラム」の新型車両導入-新潟トランシスが製造”. 日刊工業新聞. (2014年4月15日). http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120140415aaao.html 2014年10月13日閲覧。 
  13. ^ “新潟トランシス、大阪ニュートラムの車両など受注”. レスポンス鉄道ニュース. (2014年6月10日). http://response.jp/article/2014/06/10/225114.html 2014年7月14日閲覧。 
  14. ^ 新型車両200系を南港ポートタウン線に導入します ~南港のまちを元気に走り回る子供をイメージした車両が南港地域を彩ります~(大阪市交通局、2015年6月12日発表)

外部リンク[編集]