北潟谷仁
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北潟谷 仁(きたがたや ひとし、1947年 - 2022年3月21日[1])は日本の弁護士。刑事責任能力と司法精神医学の交錯(精神鑑定)をライフワークとする[2][3][4]。
人物
[編集]小樽緑陵高校普通科[5](小樽商業高等学校の前身)及び立命館大学法学部卒[5]。大学卒業後の1971年[6]、旧司法試験に合格(司法修習26期[7])。同期に寺田逸郎、園尾隆司、佐藤博史らがいる。1974年弁護士登録[8](札幌弁護士会[8])。
1974年、北海道小樽市にて北潟谷法律事務所[8][9]を開業し、小樽人権擁護委員[10]を歴任。法と精神医療学会理事[2][11]、千葉大学社会精神保健教育研究センターの法医学アドバイザー[12]をも併任し、医療過誤事件に取り組む[2][13]。
1989年、札幌弁護士会副会長及び道弁連常務理事に就任し、1990年留任[14]。1992年、国選弁護人として札弁史上最多となる10件の無罪判決を導く[15]。2010年、日弁連刑事弁護センターが設立した死刑事件弁護プロジェクトチームに加わる[12]。
2022年3月21日、死去に伴い弁護士法19条に基づき弁護士名簿取消し。
著名な担当事件
[編集]論著
[編集]- 『刑事司法と精神鑑定』(現代人文社,2018) ISBN 9784877987084[3][20]
- 「或る医療過誤訴訟-RH式血液型不適合による核黄痘事例」札幌弁護士会会報1986年2月号
- 「帝銀事件被告人平沢貞通の精神鑑定」札幌弁護士会会報1987年5月号
- 「法医・精神鑑定から見た誤判」日弁連人権擁護委員会 編『誤判を語る(第8集)』(日本弁護士連合会人権擁護委員会,1993)
- 「国選弁護の限界-体験的国選弁護論(特集・国選弁護の到達点と課題)」季刊刑事弁護6号48-49頁(1996)
- 「求められる日頃の研鑽(反対尋問・鑑定人に対する尋問(精神鑑定))(特集・実践・尋問技術)」季刊刑事弁護10号74-76頁(1997)
- 「覚せい剤鑑定の問題性-争い方をもう一歩深めるために・鑑定(特集・薬物・覚せい剤事件に強くなる)」季刊刑事弁護12号106-109頁(1997)
- 「精神鑑定における法と医の対話 (特集 精神障害と犯罪)」犯罪心理研究4号11-18頁(1998)
- 「医療過誤の刑事責任」園尾隆司 編『現代裁判法大系 7 医療過誤』(新日本法規出版,1998) ISBN 4788200228
- 「刑事弁護と精神鑑定 (特集 活かそう精神鑑定)」季刊刑事弁護17号27-32頁(1999)
- 「弁護士から見た触法精神障害者処遇の問題点」精神神經學雜誌102巻1号38-42頁(2000)
- 「弁護実務から見た司法精神鑑定と今後への期待 (シンポジアム 司法精神医学の課題と展望)」法と精神医療15号45-77頁(2001)
- 「真犯人(?)の訪問 (特集 刑事弁護をはじめよう!)-(私が新人弁護士だった頃)」季刊刑事弁護28号26-28頁(2001)
- 「精神鑑定と触法精神障害者処遇-本特集の意義(特集・精神鑑定と触法精神障害者処遇)」季刊刑事弁護32巻22頁(2002)
- 保崎秀夫,影山任佐,中谷陽二,浅田和茂,北潟谷仁「司法精神医学と刑事責任能力論の回顧と展望(特集・精神鑑定と触法精神障害者処遇)【座談会】」季刊刑事弁護32号23-33頁(2002)
- 「弁護の視点から見た触法精神障害者問題と新法案の評価について」犯罪学雑誌69巻3号85-89頁(2003)
- 秋元波留夫,北潟谷仁「死刑と精神鑑定-オウム事件を素材として」季刊刑事弁護42号18-22頁(2005)
- 秋元波留夫,北潟谷仁「訴訟能力と精神鑑定-オウム事件を素材として」季刊刑事弁護47号91-97頁(2006)
- 「弁護活動と精神医学」日本弁護士連合会 編『日弁連研修叢書 現代法律実務の諸問題 平成16年版』(第一法規,2005) ISBN 4474019245
- 「刑事責任能力-鑑定と処遇の諸問題」日本弁護士連合会 編『日弁連研修叢書 現代法律実務の諸問題 平成16年版』(第一法規,2005) ISBN 4474019245
- 「刑事精神鑑定」日本弁護士連合会 編『日弁連研修叢書 現代法律実務の諸問題 平成17年版』(第一法規,2006) ISBN 4474019873
- 「精神鑑定と人権:精神鑑定と誤判・冤罪」松下正明 編『司法精神医学 2 刑事事件と精神鑑定』(中山書店,2006年) ISBN 4521672515
- 「弁護士からみた精神鑑定」松下正明 編『司法精神医学 6 鑑定例集』(中山書店,2006年) ISBN 4521672914
- 「弁護士から見た刑事精神鑑定」秋元波留夫『刑事精神鑑定講義』(創造出版,2006年) ISBN 4881583042[4]
- 「弁護の立場からみた精神鑑定(第1回日本司法精神医学会)-(シンポジウム 精神鑑定の現状と課題)」司法精神医学1巻1号74-78頁(2006)
- 「責任能力・訴訟能力・受刑能力」季刊刑事弁護49号137-141頁(2007)
- 北潟谷仁,浅田和茂,白取祐司[他]「討論 (ミニシンポジアム 訴訟能力)」法と精神医療22号29-37頁(2008)
- 「訴訟能力・死刑適応能力:刑事裁判と訴訟能力」中谷陽二 編『責任能力の現在:法と精神医学の交錯』(金剛出版,2009) ISBN 9784772410786
- 「精神障害と精神鑑定に関する基礎知識 (特集 ビギナーズ医療観察法)」季刊刑事弁護63号52-57頁(2010)
- 「逆行性健忘症をめぐるわが国の状況 (訴訟能力の研究(1)逆行性健忘症)」季刊刑事弁護63号164-167頁(2010)
- 「所沢事件における訴訟能力(訴訟能力の研究(3)自閉症)」季刊刑事弁護65号173-174頁(2011)
- 中谷陽二,北潟谷仁「池袋通り魔事件に関する最高裁判決をめぐって」季刊刑事弁護66号14-19頁(2011)
- 「心神喪失・耗弱および訴訟無能力と再審:とくに死刑との関連で」季刊刑事弁護75号97-100頁(2013)
- 「死刑と精神鑑定」法と精神医療30号25-35頁(2015)
- 「精神鑑定・情状鑑定・犯罪心理鑑定(上):重罪事件の弁護のために」季刊刑事弁護90号134-143頁(2017)
- 「精神鑑定・情状鑑定・犯罪心理鑑定(下):重罪事件の弁護のために」季刊刑事弁護91号110-117頁(2017)
脚注
[編集]- ^ 官報 号外 第89号 82頁 「3月21日死亡 14059 札幌 北潟谷仁」 インターネット版官報 2022年4月22日付
- ^ a b c 弁護士列伝 - 学生が直撃インタビュー!
- ^ a b 北潟谷仁『刑事司法と精神鑑定』 ISBN 9784877987084.
- ^ a b 秋元波留夫『刑事精神鑑定講義』 ISBN 4881583042.
- ^ a b 『弁護士:北海道の人脈・事件・裁判』68頁
- ^ 『季刊刑事弁護』47号91頁に「1971年立命館大卒」とある。
- ^ 『季刊刑事弁護』28号26頁
- ^ a b c 弁護士・法律事務所データベース 北潟谷 仁 弁護士
- ^ 『季刊刑事弁護』28号26頁に「1974年の登録当初から現在まで小樽市で執務」とある。
- ^ 人権擁護委員名簿のページ 道央人権啓発活動ネットワーク協議会
- ^ 法と精神医療学会役員
- ^ a b 『財界さっぽろ』2011年12月号58頁
- ^ 札幌地判昭和57年12月21日(判タ492号136頁)、札幌高判所昭和60年2月27日(判タ555号279頁)で患者側代理人。「或る医療過誤訴訟-RH式血液型不適合による核黄痘事例」札幌弁護士会会報1986年2月号を執筆。
- ^ 北海道新聞 1989年(平成元年)2月5日朝刊4頁「副会長4人を選出-札幌弁護士会」、北海道新聞 1990年(平成2年)2月4日朝刊7頁「札幌弁護士会は会長に五十嵐氏」
- ^ 『季刊刑事弁護』6号48頁、『弁護士:北海道の人脈・事件・裁判』68頁
- ^ 北海道新聞 2001年(平成13年)5月9日朝刊27頁「帝銀事件は終わっていない 上」、東京新聞 2008年(平成20年)1月28日朝刊22頁「帝銀事件60年 平沢元死刑囚の脳に病変」
- ^ 控訴人(労働者)ら代理人の1人(東京高判平成20年6月26日判時2026号150頁)
- ^ 北海道資産家女性殺害事件
- ^ 「ずさん」と捜査批判(北海道)日テレNEWS24(ウェブ魚拓)2011年10月記事、2013年2月16日閲覧
- ^ 中谷陽二『刑事司法と精神医学』 ISBN 9784335651557 との識別には注意を要する。
外部リンク
[編集]- 弁護士詳細情報-弁護士会員名簿:札幌弁護士会
- 弁護士列伝 - 学生が直撃インタビュー! 弁護士ドットコム公式ブログ