司法精神医学

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司法精神医学(しほうせいしんいがく、Forensic psychiatry)とは、心神喪失状態にある者が触法行為に至った場合の処遇や治療、経過観察を中心に研究する学問である。犯罪精神医学と似ているが、犯罪精神医学が犯罪の原因論全般を包括するのに対して、司法精神医学は、触法行為者の責任能力の有無を判定することを主務とする。

現在、日本では国立精神・神経センター精神保健研究所に司法精神医学研究部が設置されており、唯一の研究機関として活動している。日本の大学には講座がなく、真の専門家がいるとはいえない。なお海外では司法精神医学が精神医学から独立した講座になっている場合が多く、教授が存在している[1]

各国の状況[編集]

カナダ[編集]

カナダ刑法英語版の第20.1章では精神疾患について記載しており、精神疾患のため刑事責任能力がないと思わしき場合に裁判所は精神鑑定を命ずることができる(672.11条)としている[2]

日本[編集]

刑法39条では責任能力の規定があり、「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」とされている。この決定がされた場合は医療観察法の規定により、裁判所は、患者の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、指定入院医療機関への入院措置(43条)、または指定通院医療機関に3年間の通院措置(44条)を決定することができる。

心神喪失、心神耗弱者との判断がなされない場合は、医療刑務所または医療少年院[3]などに送致されることおまる。

脚注[編集]

  1. ^ 精神障害者をどう裁くか 岩波明 光文社 2009年 ISBN 9784334035013 36頁
  2. ^ Criminal Code - R.S.C., 1985, c. C-4, カナダ司法省, PART XX.1 MENTAL DISORDER, http://laws-lois.justice.gc.ca/eng/acts/C-46/page-368.html#h-223 
  3. ^ 少年院法第2条: 心身に著しい故障のある、おおむね十二歳以上二十六歳未満の者

関連項目[編集]

外部リンク[編集]