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三重県中3女子死亡事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三重県中3女子死亡事件
正式名称 三重郡朝日町地内における女子中学生強盗殺人・死体遺棄事件
場所 三重県三重郡朝日町
日付 2013年8月25日
午後11時頃
概要 帰宅途中の女子中学生がわいせつ目的で襲われ、窒息死した
懸賞金 最高300万円(捜査特別報奨金)
死亡者 1人
被害者 中学3年生の女子生徒(当時15歳)
犯人 当時18歳の少年
容疑 強盗殺人(逮捕・家裁送致時)
動機 わいせつ目的
刑事訴訟 強制わいせつ致死罪・窃盗罪で懲役5年以上9年以下の不定期刑
管轄 三重県警察四日市北警察署
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三重県中3女子死亡事件(みえけんちゅうさんじょししぼうじけん)は、2013年(平成25年)8月25日午後10時55分頃に三重県三重郡朝日町で発生した事件である。

三重県警による正式な呼称は 三重郡朝日町地内における女子中学生強盗殺人・死体遺棄事件。別名、朝日町中3致死事件、三重・朝日町女子中学生致死事件[1][2]。

当初は強盗殺人事件として扱われたが、強制わいせつ致死罪・窃盗罪での立件となった[3]。

概要

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2013年(平成25年)8月25日午後、夏休み中だった被害者の中学3年生女子A(当時15歳、事件現場である朝日町に隣接する四日市市在住)は、友人とイオンモール四日市北付近に行き四日市花火大会へ出かけた[4]。花火大会は午後8時半頃に終了。午後10時頃にJR富田駅から関西本線に乗車し、朝日町在住の友人と話すためにJR朝日駅で下車した。近くのスーパーマーケットで友人と別れて四日市市の自宅に向かうために家路についたが、この際にAの姉がLINEで帰宅を促したので、Aは「帰っとるって言ってるやろ」とメッセージを送った[4]。午後10時55分頃、Aはスマートフォンで友人にメッセージを送信する[4]。午後11時頃、複数の友人がAにメッセージを送るが未読だったため、警察はこの5分間にAが何者かに襲われて殺害され、現金約6,000円が入った財布を強奪されたものと見ている[4]。

8月27日、Aの父親が警察に捜索願を出した[4]。同月29日午後2時半頃、警察官が三重郡朝日町埋縄地区の県道脇の農地付近の空き地で腐敗したAの遺体を発見した[4]。遺体は草叢の上に仰向けで横たわり、下着以外の衣服は身に着けておらず、財布から現金(約6,000円[5])が抜き取られていた[4]。同月30日、三重県警が遺体をAと確認。強盗殺人・死体遺棄事件として四日市北警察署に約90人態勢(後に110人に増員)の捜査本部を設置した[4]。司法解剖の結果、Aの死因は窒息死と判明した[4]。Aの口の周囲は内出血し、腕にもうっ血した痕があったため、口や鼻を強く押さえつけて殺害した可能性が指摘されている。

11月28日、警察庁は犯人逮捕に結び付く有力情報の提供者に最高300万円の公的懸賞金(捜査特別報奨金)を支払うことを決定した[4]。事件発覚から3カ月で捜査特別報奨金制度の対象事件となったのは最短である。

逮捕

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事件から半年近くたった2014年(平成26年)3月2日夜、四日市北署の捜査本部は強盗殺人の容疑で朝日町に住む少年B(当時18歳)を逮捕した[4]。捜査本部は少年が高校を卒業するタイミングを待って捜査を進めており、同日朝からBに任意同行による事情聴取を行い、さらに自宅の家宅捜索をして裏付けを進めていた[4]。三重県警は捜査員延べ約8000名を投入し、付近の約100か所に設置された防犯カメラの映像を解析し、現場周辺の近隣住民などへの聞き込みや現場で集めた証拠からBが事件を実行した疑いがあると判断した。Bは当初アリバイを主張したが、現場近くにあるスーパーの防犯カメラの映像や、一緒に花火を見た友人の証言などから矛盾点が浮上した。さらにAの所持品から、面識の無いBの指紋が検出された[6]。

同年3月23日、Bは強盗殺人の疑いで津家庭裁判所に送致された。同日、家裁は2週間の観護措置と少年審判を開始することを決定した。Bは「私が犯人です。1人でやりました」と容疑を認めている[7]。

同年4月25日、津地方検察庁は強制わいせつ致死・窃盗罪で少年Bを起訴した。強盗殺人の疑いで逮捕されたBを強制わいせつ致死罪などで起訴したことに関して、地検の次席検事は「殺意を証明する証拠を集めることができなかった。遺族には引き続き、処分の理由を誠実、丁寧に説明したいと思っている」としている[3]。

6月26日、三重県警は犯人逮捕に繋がる情報を提供した2人に報奨金を計200万円支払うと発表した。2007年に導入された公費懸賞金制度で、54事件が対象となっており、実際に支払われるのは4例目。容疑者が特定される前に情報提供があったとされる[8]。捜査特別報奨金の対象事件の内、被疑者不明の事件で報奨金が支給されるのは当事件が初であった[9]。

被害者と加害者

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被害者

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  • 明るい性格で父親想いであり、多くの人に親しまれていた。存命であれば、2014年3月7日に中学校の卒業式を迎える予定であった[4]。
  • Aの遺族は、自宅ポストに「遺族・親族一同」として「犯人の行為は決して許すことができず、厳罰を望んでいます」と記した紙を貼り出した[4]。
  • Aの両親(共に当時45歳)は、Bが強盗殺人ではなく強制わいせつ致死等で起訴されると、事件後初となる記者会見を開いて「納得できない部分はありますが、裁判所は重い判決を下してほしいです」と述べた。

加害者

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  • 県内のK高校に通う3年生(男子)であり、逮捕前日の卒業式に出席し、友人と談笑していた。「同級生らは信じられないと動揺していた」「成績も良く、友人も多かった」「皆に慕われる明るい性格だった」と報道された。
  • 一方、被疑者を知る地元住人は「犯人は優等生」報道に対して実態と異なるとの不信感を抱いていた[10]。朝日新聞も2010年に現場近くで未解決になっていた器物損壊事件をおこしていたことを報道している[1]。
  • 警察が遺体を発見し近隣住民に聞き込みを開始した8月29日にTwitterで「ちょ、え、めっちゃやばいやん 地元の朝日町で女子中学生の死体が見つかったって… 四日市の女子中学生らしい… 手の震え止まらん」「近くの家の人に聞いて回るらしいで」「THE・平和の町やったのに(T-T) 気持ちの整理つかんわ…」等とツイートし、逮捕前日の3月1日まで自身は事件とは無関係であると装っていた。また、事件について「金目当ての犯行」とも主張し、逮捕されるまで変わることはなかった[11][6]:3。
  • 被害者の所持金が6000円だったことと、発見された遺体の状態から所持金目当ての動機に疑念を持たれていたが[12]、「家族にわいせつ目的だったことを知られるのが嫌だったから、金目的と言ってしまった」などと話していた[7]。

裁判

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審理は裁判員裁判により行われ、2015年3月24日、津地裁は少年Bに対して「犯行は悪質で強い非難を免れない」として懲役5年以上9年以下の不定期刑の判決を言い渡した[5]。

同年4月6日、津地検は一審判決を不服として名古屋高等裁判所に控訴した。同年7月17日、名古屋高裁で控訴審初公判が開かれた。検察側は冒頭陳述で「意識を失わせてわいせつ行為に及んだ危険な犯行。被害者には何の落ち度もない。懲役の上限を10年にすべき」と主張した。弁護側は「裁判員裁判の判決は尊重すべきだ」と反論した。9月17日、名古屋高裁は「1審の判決は計画性を考慮している」として一審判決を支持。検察側の控訴を棄却したため刑罰が一審判決の不定期刑に確定した[1]。

出典

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  1. 1 2 3 「朝日町中3致死事件裁判」『朝日新聞』2015年12月26日。2024年8月28日閲覧。
  2. ↑ 「「犯罪被害者は泣き寝入り」 三重・朝日町女子中学生致死事件遺族 支援条例制定を訴え」『伊勢新聞』2018年6月10日。2018年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月28日閲覧。
  3. 1 2 三重中3遺体で逮捕の少年、殺人罪での起訴見送り
  4. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 日刊スポーツ 2014年3月3日、19面
  5. 1 2 「三重・中3女子死亡:19歳少年に不定期刑の判決 津地裁」『毎日新聞』2015年3月24日。2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月29日閲覧。
  6. 1 2 「「18歳少年」はこうして捜査線上に浮上した…三重女子中学生殺害、“嘘のアリバイ”は刑事に崩された」『産経新聞』2014年3月8日。2016年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月28日閲覧。
  7. 1 2 少年、わいせつ目的と説明 三重の中3殺害
  8. ↑ 三重・中3女子遺体事件で公費懸賞金200万円 - ライブドアニュース (2014年06月26日、読売新聞)
  9. ↑ 朝日町事件で三重県警が報奨金支払いへ[リンク切れ]
  10. ↑ 「ある殺人事件が生み出した“地元住民の亀裂”」『日刊SPA!』扶桑社、2014年9月29日。2024年8月28日閲覧。
  11. ↑ 「三重・中3殺害で逮捕の少年、Twitterで「めっちゃやばい」「手の震え止まらん」」ITmedia、2014年3月3日。2024年8月28日閲覧。
  12. ↑ 三重の少女殺害、容疑者少年の不可解な感覚 所持金6000円、本当にカネ目当てだったのか