三菱・4G1型エンジン

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三菱・4G1型エンジン
生産拠点 三菱自動車工業
(1977年 - 2013年)
東安汽車発動機製造
(2008年 - )
製造期間 1977年 -
タイプ 直列4気筒SOHC8バルブ
直列4気筒SOHC12バルブ
直列4気筒SOHC16バルブ
直列4気筒DOHC16バルブ
排気量 1.2L
1.3L
1.4L
1.5L
1.6L
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三菱・4G1型エンジン(みつびし・4G1けいエンジン)は1977年(昭和52年)から三菱自動車工業によって製造されている1.2L-1.6Lの直列4気筒ガソリンエンジン。通称名はオリオンエンジンで同社のネプチューンエンジン(4G4型)の後継にあたる。バルブ機構はSOHCまたはDOHCを採用している。また、一例として生産時期や販売国により、4G15という表記とG15Bという表記の二種類の型式番号がそれぞれ与えられている。

概要[編集]

同社初のカムシャフトの駆動にゴム製タイミングコグベルトを用いた小型・軽量設計の鋳造鉄製ガソリンエンジンで信頼性と耐久性に優れており、2014年(平成26年)現在まで30年以上に渡って製造されている。なお、2014年6月現在の時点では中華汽車・菱利[1]用の4G13型SOHC16バルブ、およびインド向けランサー[1]用の4G15型SOHC12バルブ、東南汽車・リオンセル/V3菱悦用の4G15型DOHC16バルブ MIVECの計3種のみが製造されている。

また、4G1型エンジンは初期の自動車排出ガス規制に本格的に挑んだ同社初のエンジンであり、MCA-JET[2]と呼ばれる一連の排ガス対策システムを導入していた。最も特徴的な機構は、「ジェットバルブ」と呼ばれるごく小さな二次吸気バルブであり、吸気バルブと共にロッカーアームで駆動され、シリンダー内に強力なスワール流を発生させ混合気の着火性を高めていた。ジェットバルブの装備により大量のEGRを掛けても燃焼が安定するようになり、昭和53年排出ガス規制をクリアした。

4G1型エンジンの53年規制適合が契機となり、ジェットバルブは4G3型エンジン4G6型エンジン4G5型エンジン2G2型エンジン等にも装備が拡大されていった。ジェットバルブを搭載した4G1型エンジンは、社団法人自動車技術会が選定する日本の自動車技術240選において「吸排気弁の他に設けたもう一つの弁(JET弁)による強いスワールが超希薄燃焼を可能とし,昭和53年排ガス規制をクリア」という理由により、選出されている。

共通項目[編集]

  • 構造:4ストローク、直列型
  • 気筒数:4
  • 冷却:水冷
  • 燃焼室:多球型(SOHC2バルブ仕様およびSOHC3バルブ仕様)、ペントルーフ形(SOHC4バルブ仕様およびGDIを含むDOHC4バルブ仕様)

G11B(4G11)[編集]

  • 製造期間:1977年 - 1984年
  • 排気量:1.2L
  • 弁機構:SOHC

G12B(4G12)[編集]

  • 製造期間:1977年 - 1987年
  • 排気量:1.4L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ランサー(初代)

G12B【MD(可変休止シリンダー機構)[編集]

G12B【ターボ】[編集]

  • 製造期間:1982年 - 1983年
  • 排気量:1.4L
  • 弁機構:SOHC
  • 燃料装置:ストロンバーグ式キャブレター×1[注釈 1]
  • 過給器:三菱重工製TC04
  • 最高出力:105ps(グロス)
    • 初搭載車種:ミラージュII(初代)[3]/ランサーフィオーレ(初代)

G13B(4G13)[編集]

  • 製造期間:1983年 - 1989年
  • 排気量:1.3L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(2代目)/ランサーフィオーレ(2代目)

4G13【12バルブ】[編集]

  • 製造期間:1989年 - 1995年
  • 排気量:1.3L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(3代目)/ランサー(3代目)

4G13【12バルブ・ECIマルチ】[編集]

  • 製造期間:1995年 - 2002年
  • 排気量:1.3L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(5代目)/ランサー(5代目)

4G13【16バルブ】[編集]

  • 製造期間:2000年 -
  • 排気量:1.3L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュディンゴ

G15B(4G15)[編集]

  • 製造期間:1983年 - 1989年
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(2代目)/ランサーフィオーレ(2代目)

4G15【12バルブ】[編集]

  • 製造期間:1989年 - 1995年
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(3代目)/ランサー(3代目)

4G15【12バルブ・ECIマルチ】[編集]

  • 製造期間:1989年 -
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(3代目)/ランサー(3代目)

4G15【MVV12バルブ】[編集]

  • 製造期間:1991年 - 1997年
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(4代目)/ランサー(4代目)

4G15【DOHC16バルブ】[編集]

  • 製造期間:1995年 - 2000年
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:DOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(5代目)/ランサー(5代目)

4G15【GDI[編集]

4G15【SOHC16バルブ】[編集]

4G15【MIVEC16バルブ】[編集]

  • 製造期間:2002年 -
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:DOHC
  • 最高出力:98ps(ネット)

4G15【MIVEC16バルブターボ】[編集]

  • 製造期間:2004年 - 2012年
  • 排気量:1.5L
  • 弁機構:DOHC
  • 最高出力:154ps(ネット)
    • 初搭載車種:三菱・コルト
    • 備考:(国内では)コルトRALLIART/RALLIART Version-R専用。海外ではコルトCZT・CZCのターボモデルに搭載。
      スマート (自動車)・フォーフォー1.5ブラバスはブラバスがチューニングしたターボ仕様の4G15(メルセデス・ベンツのエンジン型式ではM122)を搭載。

4G16[編集]

  • 製造期間:1978年 - 1989年
  • 排気量:1.2L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(海外向け)/ランサー(海外向け)
    • 備考:輸出専用

4G17[編集]

  • 製造期間:1990年 - 2000年
  • 排気量:1.3L
  • 弁機構:SOHC
    • 初搭載車種:ミラージュ(海外向け)/ランサー(海外向け)
    • 備考:12バルブ、輸出専用

4G18[編集]

  • 製造期間:2000年 - 2013年
  • 排気量:1.6L
  • 弁機構:SOHC
  • 最高出力:112ps(台湾市場向けコルトプラス用)
    • 初搭載車種:ランサー(海外向け)
    • 備考:16バルブ、輸出専用

4G19[編集]

コルトの4G19エンジン
  • 製造期間:2002年 - 2004年
  • 排気量:1.3L
  • 弁機構:DOHC
  • 最高出力:90ps(ネット)
    • 初搭載車種:コルト(2代目)
    • 備考:16バルブ、MIVEC、2代目コルト(前期型)専用

脚注・注釈[編集]

脚注

  1. ^ 日本市場向けの5代目モデルに相当。
  2. ^ Mitsubishi Clean Air-Jet Control Super Lean Combustion Systemのアクロニムで、直訳すると噴流制御超希薄燃焼方式となる。
  3. ^ 日本のスポーツ車 1960~1990 - 第69回 ミツビシ ミラージュ1600GT(A153A型)1979年3月

注釈

  1. ^ タービン上流側にキャブレターが配置されたキャブターボである。

外部リンク[編集]