レイテ戦記

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レイテ戦記』(レイテせんき)は、大岡昇平による戦記文学作品。太平洋戦争の“天王山”と呼ばれ、日本軍8万4千人もの犠牲を生み出した(対して米軍の死傷者は1万5千人)レイテ島における死闘を、厖大な資料や多くのインタビューを取り、それらを紐解いて再構築したものである。本作によって、大岡は1972年毎日芸術賞を受賞した。

大岡は「結局は小説家である著者が見た大きな夢の集約である」と語っており、「大岡昇平全集」(筑摩書房刊)において本作が小説に分類されていたことから、本記事では小説として扱う。

背景[編集]

大岡は1944年に召集され、フィリピンミンドロ島に派遣されたが、1945年1月にアメリカ軍の捕虜となり、同年12月に復員する。この体験を基に『俘虜記』『野火』などの小説を発表したが、いずれも一兵士の視点で語られた作品に過ぎなかった(前者は作者の実体験)。しかし、「損害が大きければ、それだけ遺族も多いわけで、自分の親族がどのようにして戦って死んだか知りたい人は多いわけである。それには旧職業軍人の怠慢と粉飾されすぎた物語に対する憤懣も含まれていた。」(あとがきから一部変えて抜粋)という考えに至り、この作品を手がけ、レイテ島で死闘した末に死亡した兵士達の鎮魂碑を打ち立てた。

文庫判[編集]

関連項目[編集]