ヨハン・ガルトゥング

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ヨハン・ガルトゥング
(Johan Galtung)
In Kilinochchi With Prof Johan Galtung.jpg
左から2番目
生誕 1930年10月24日(85歳)
ノルウェーオスロ
職業 社会学者・数学者

ヨハン・ガルトゥング(Johan Galtung、1930年10月24日 - )は、ノルウェー社会学者数学者平和研究、紛争研究の開拓者、また第一人者として知られている。

積極的平和[編集]

戦争のない状態を平和と捉える「消極的平和」に対し、貧困、抑圧、差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」とする概念を提起し、平和の理解に画期的な転換をもたらした。平和のための超国家的なネットワークの総括者で、超国家的手法の開発者でもある。

これまでに、スリランカアフガニスタン北コーカサスエクアドルなど、世界で40ヶ所以上の紛争の仲介者としても活躍した。
日本においても中央大学国際基督教大学関西学院大学立命館大学創価大学などで客員教授を務めるなど、親睦は深い。

略歴[編集]

日本と中東情勢について[編集]

安倍政権の掲げる積極的平和主義は、ガルトゥングが論じた「積極的平和」とは内容が全く異なり、ガルトゥングは「安全保障関連法案は、平和の逆をいくものです」と批判している。だが、2015年9月4日の参院特別委員会で岸田文雄外務大臣は、安倍政権の積極的平和主義は「貧困や搾取に対処すべきであるという観点では、ガルトゥング博士の積極的平和と重なる部分は多い」と述べている[3]

また、イスラム国の台頭など中東情勢に関連して「コロンブスの航海に始まる西洋の植民地主義と、民族を分断する形で人工的にひかれた国境線を解消しようとする動きが生まれ、対立が起きている」とした上で、「日本が米国と軍事力を一体化させていけば、中東で米国の主導する作戦に従事することになるでしょう。そうなれば、植民地主義の継続に加担してしまいます。米国に追従するのではなく、歴史にもとづく独自性を、外交において発揮してもらいたいです」と述べている[4]

また安倍談話と西欧の植民地主義について「西洋の植民地主義に対抗した唯一の国が日本でした。当時の日本が非暴力の形で、支配されている人たちに呼びかけていれば、歴史は変わっていたかもしれません。安倍首相は戦後70年の談話で、戦前、日本が国際秩序への挑戦者となってしまった過去に触れました。けれども、植民地主義というものは挑まれて当然のものだったと思います」と述べている[5]

邦訳著書[編集]

単著[編集]

  • 『90年代日本への提言―平和学の見地から』、中央大学出版部、1989年
  • 『仏教――調和と平和を求めて』、東洋哲学研究所、1990年
  • 『市民・自治体は平和のために何ができるか――ヨハン・ガルトゥング平和を語る』、国際書院、1991年
  • 『平和を創る発想術――紛争から和解へ』、岩波書店、2003年
  • 『グローバル化と知的様式――社会科学方法論についての七つのエッセー』、東信堂、2004年
  • 『ガルトゥング紛争解決学入門:コンフリクト・ワークへの招待』、法律文化社、2014年

共著[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]