ミニチュアゲーム

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古代ギリシャのフォキスの軍のユニット。『De Bellis Antiquitatis』より

ミニチュアゲーム (Miniatures game, Miniature wargaming) は、兵士や兵器などの模型を使った、ウォーシミュレーションゲームの一形態である。日本ではアクチュアル・シミュレーション(・ウォーゲーム)とも呼ばれるが英語としては誤りである。

概要[編集]

ミニチュアゲームでは小形の立体模型を駒として使用し、テーブルや床の上、本格的なものでは戦場を再現したディオラマを使用する。地形を描いたボードと平面の駒を使用する通常のウォーシミュレーションゲームとは通常この点で区別され、この意味からテーブルトップ・ゲーム(tabletop game)とも呼ばれる。駒の移動などの際には主に紙製や布製のテープメジャーで距離を計測する。

駒(ミニチュア、フィギュアと呼ばれる)は一定の縮尺(スケール)で統一されたものが使用される。材質はメタル、プラスチック、レジンなどで、紙製の駒(立像または平面)を使うこともできる。スケールは通常の大人の身長が何mmに縮小されるかで表現され、10mm、25mm、28mmといったものがある。25mmスケールは1/72にあたり、プラ製の製品も多数販売されている。

商品としての形態はさまざまで、

  • ルールだけが独立して販売(または無償配布)され、駒(フィギュア)はメーカーを問わず使用できるもの。プレイヤーは駒(金属製、プラスチック製が主流)を必要数購入して、各々が組立、塗装を行いゲームで使用する。
  • ルールを販売する企業または特定の提携メーカーのフィギュアだけが駒として使用できるもの。
  • 塗装済みの駒とルールがセットになったもの。
  • さらに塗装済みの駒がボックスにランダムに封入されているもの(コレクタブル)。

などがある。

場合によってはあるルールのための駒を、別のルールの駒として流用することもできる。特にヒストリカル(歴史もの)では駒すなわち実物の兵士・兵器の模型であるため、スケールが近ければ当然に流用できる。

いくつかのミニチュアゲームは世界中で広く展開しており、特に「ゲームズワークショップ」の「ウォーハンマー:ファンタジーバトル」「ウォーハンマー40,000」、そして「指輪物語」をベースにしたミニチュアゲームが著名である。アメリカイギリス日本の大都市には専門店も存在する。

歴史[編集]

19世紀より子供の遊びとして、スズの兵隊を用いて会戦を再現するなど、ボード・ウォーゲームの誕生より古くから存在する娯楽である (ウォー・シミュレーションゲーム#歴史も参照) 。

1970年代になり、本格的なミニチュアゲームが商業製品として広く開発されるようになった。

ルール[編集]

ルールは縮尺により様々で、一個の駒が一人の兵士を表す場合もあれば、分隊、小隊、あるいはそれ以上の部隊を表すこともある。ミニチュアゲームのルールは多数存在しており、一部はインターネットで無償公開されている。

ボード形式のウォーシミュレーションゲームは歴史上の戦闘や戦争を再現するものが一般的だが、ミニチュアゲームでも歴史上の軍勢の交戦を再現する方向(ヒストリカルと呼ばれる)がある一方で、ファンタジー世界の魔法使い、サイエンスフィクションの宇宙船、など架空の世界での戦闘を再現するものも多い。

コレクタブルミニチュアゲーム[編集]

コレクタブルミニチュアゲーム (collectible miniatures game) とは21世紀になってから登場したミニチュアゲームの新しい形態である。日本ではトレーディングフィギュアゲームと呼ばれる事もある。

コレクタブルミニチュアゲームはトレーディングカードゲームの販売形式をミニチュアゲームに取り込んだもので、成形彩色済みのプラスチック製フィギュアを集めてゲームを行うものである。多くのコレクタブルミニチュアゲームはトレーディングカードゲームと同じく商品の入った箱を開けるまでは何のミニチュアが入っているかわからないようになっており、好みのミニチュアユニットを手に入れるためにはそれなりに資金をつぎ込まなくてはならない。

従来のミニチュアゲームは模型から派生したものなため、「自分で組み立てて塗装したミニチュアを使って遊ぶ」というものを基本にしており、ミニチュアを「作る」作業もまたユーザーに提供される楽しみの一つとされてきた。コレクタブルミニチュアゲームはその要素を完全にスポイルしてしまっているため、それまでのミニチュアゲームとは別物の様相も強いのだが、塗装や工作が苦手で今までミニチュアゲームに手を出せなかった多くのユーザーには好意的に受け入れられた。

コレクタブルミニチュアゲームに属するゲームで著名なものには「メイジナイト」、「メックウォーリアー:ダークエイジ」、「HeroClix」、「ダンジョンズ&ドラゴンズ ミニチュアゲーム」などがある。

日本での展開[編集]

ウォーハンマー:ファンタジーバトル」、「ウォーハンマー40,000」が2000年代初頭に日本での展開を開始し、コレクタブルミニチュアゲームでは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の「ダンジョンズ&ドラゴンズ ミニチュアゲーム」や、WizKids社の「メイジナイト」、「メックウォーリアー:ダークエイジ」、「ドリームブレイド」などが展開された。

日本オリジナルのミニチュアゲームも少数だが存在する。ワールドタンクミュージアムの戦車ミニチュアを使ったミニチュアゲームである「ワールドタンクバトルズ」(国際通信社)や「ワールドタンクディビジョン」(タカラ)、ガンダムコレクションモビルスーツミニチュアを使ったミニチュアゲームである「ガンダムコレクション・タクティカルコンバット」(ホビージャパン)などがある。他にも、トレーディングカードゲームとミニチュアゲームを組みあせたようなものもあり、美少女ゲームをモチーフにした「プリンパペット」(TI東京)やゾイドシリーズをモチーフにした「ゾイドバトルカードゲーム」(タカラトミー)などがある。

なお、かつてツクダホビーが『機動戦士ガンダム』のモビルスーツを中心としたメカ・キャラクターのホワイトメタル製フィギュア『ガンダムメタルコレクション』シリーズを発売していた際に、購入者を対象としてミニチュアゲームのルールブックを有料配布した事がある。これは同商品をコマ(ユニット)として利用するものだったが2種類のサイズ(54mmと40mm)で展開されている商品を混在させて遊ばせるのが前提で、またコマ間の距離計測に一般的な定規を使うよう指示されているなどゲームシステムは簡素化されていた。そのため必ずしも『~メタルコレクション』でなければ遊べないという訳ではなく、同社から発売されていた『機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション』(『~メタルコレクション』40mmシリーズのプラスチック版とでもいうべき商品)やガンプラをコマとしてプレイする事も可能だった。

このように多くは原作モノ、もしくはタイアップモノであるが、「バトルブレイク」(バンダイ)のようにミニチュアゲームとしてのオリジナル製品もわずかながら存在する。

主なミニチュアゲーム[編集]

en:List of miniature wargamesも参照

SF[編集]

ファンタジー[編集]

ヒストリカル[編集]

外部リンク[編集]