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ビル・マー

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ビル・マー

Bill Maher
生誕 William Maher[1][注釈 1]
(1956-01-20) 1956年1月20日(68歳)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市[2]
住居 カリフォルニア州ロサンゼルス[2]
出身校 パスカック・ヒルズ高校
コーネル大学
職業 コメディアン、政治評論家、テレビ司会者
活動期間 1979年 -
公式サイト billmaher.com
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ウィリアム・"ビル"・マーWilliam "Bill" Maher1956年1月20日 - )[3]は、アメリカ合衆国コメディアン、政治評論家、テレビ司会者。2003年から開始したHBOのトーク番組『リアル・タイム・ウィズ・ビル・マー英語版』の司会を現在務めている。また過去には類似番組フォーマットの『ポリティカリー・インコレクト英語版』をコメディ・セントラル (1993年 - 1997年) およびABC (1997年 - 2002年) で手掛けた。

マーは辛辣な言動[4]、政治的な皮肉、社会政治的な評論で知られている。その対象は宗教、政治、官僚制、ポリティカル・コレクトネス (政治的に正しい発言)、マスメディアなど多岐に渡る[5]

大麻の合法使用英語版同性婚を支持している[6][7]。宗教に対して批判的意見の持ち主で、その姿勢は2008年公開のドキュメンタリー映画『Religulous英語版』にも描かれている。また動物愛護家としても知られ、動物の倫理的扱いを求める人々の会 (PETA) の理事メンバーを1997年から務めている[8]

2005年、コメディ・セントラルの「偉大なスタンドアップコメディアン100人」で38位にランクインした[9][10]。2010年9月14日、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム (ハリウッド名声の歩道) に名前が刻まれた[11]。2020年9月までに、エミー賞各部門に累計41回ノミネートされ、うち1回受賞している[12]

経歴

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キャリア初期

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スタンドアップコメディアンおよび俳優としてキャリアをスタートさせた。1982年にはジョニー・カーソンの『ザ・トゥナイト・ショー』やデイヴィッド・レターマンのコメディショー[要出典]に出演した。また『Sara英語版』 (NBCのシットコム、1985年)[13]、『ジェシカおばさんの事件簿』 (CBSの探偵ドラマ、1989年・1990年)[13]、『Charlie Hoover英語版』 (FOXのシットコム、1991年) などのテレビ番組に端役で出演した。1983年にはコメディ『D.C. Cab英語版[13]で映画デビューを果たし、1986年には『Ratboy英語版[13]、1987年にはコメディ・ホラー『House II: The Second Story英語版[13]、1988年には『Cannibal Women in the Avocado Jungle of Death英語版[13]、1991年には『Pizza Man英語版[13]に出演した。

テレビ番組司会

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詳細は、en: Politically Incorrect with Bill Maherおよびen: Real Time with Bill Maherを参照

称賛と打ち切り

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1993年からコメディ・セントラルで、1997年から2002年にはABCで放送された『ポリティカリー・インコレクト』は、数々の受賞歴がある。エミー賞受賞1回・ノミネート10回[12]ケーブルACE賞英語版受賞2回・ノミネート3回、ジェネシス賞[要曖昧さ回避]受賞1回などである。

しかしアメリカ同時多発テロ事件に関する失言により、番組には抗議の声が寄せられた。これを受け、番組の広告主だったFedExSears Roebuckが広告出稿を中止する事態へと発展した[14]。マーは失言内容を釈明し謝罪したものの[15]、失言から半年以上が経過した2002年6月、ABCは視聴率低迷と広告収入減などを理由に番組を打ち切った[16]

HBOでの復帰と活躍

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2003年からケーブル局のHBOで『リアル・タイム・ウィズ・ビル・マー』の司会・共同プロデューサー・共同脚本家を務めている。番組は週1回60分で、政治をテーマにしたコメディ・トーク番組である。HBOは2016年、16シーズン (2018年放送予定) までの更新を決定した[17]

当番組はエミー賞の各部門に累計20回ノミネートされている[18]

政治評論

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CNNMSNBCFOXニュースHLNなどケーブルニュース局にコメンテーターとして出演している。CNNの報道番組『ザ・シチュエーション・ルーム[19]、MSNBCの『Hardball with Chris Matthews英語版[20]、『レイチェル・マドー・ショー』[21]、『カウントダウン・ウィズ・キース・オルバーマン[22]、HLNの『The Joy Behar Show英語版[23]などにゲスト出演した。

ラリー・キング・ライブにも頻繁に出演し、2006年1月13日には司会も務めた[要出典]。またラリー・キングが引退発表した2010年6月29日には、スペシャルゲストとしてマーが番組に出演した[24]。最終話の2010年12月16日には、ライアン・シークレストと共同で司会を務めた[25]

その他の活動

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科学的知識と非宗教的な倫理の普及を目的とする非営利団体Project Reason英語版の顧問を務めている[注釈 2]。エッセイの著述を重ねる。

著作

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  • True Story: A Novel, Random House, 1994 (ISBN 0-7432-4251-3). 2000年に改版、Simon & Schuster。
  • Does Anybody Have a Problem With That? Politically Incorrect's Greatest Hits, New York : Villard, 1996 (ISBN 0-679-45627-9).
  • Does Anybody Have a Problem with That? The Best of Politically Incorrect, New York : Ballantine, 1997 (ISBN 0-345-41281-8)
  • When You Ride Alone You Ride With Bin Laden: What the Government Should Be Telling Us to Help Fight the War on Terrorism, Beverly Hills, CA : New Millennium Press, 2002. (ISBN 978-1-8932-2474-2).
  • New Rules: Polite Musings from a Timid Observer, [Emmaus, Pa.] : Rodale ; [New York] : Distributed by Holtzbrinck Publishers, 2005 (ISBN 1-59486-295-8)
  • THE CRITICS - BOOKS, MANNERS, MORES - READING LIST - ZOOLOGICALLY CORRECT - A wisecracking playboy gets friendly with bunnies, birds, even dogs, Boston, MA : Atlantic Monthly Co., The Atlantic monthly, 119, October 2006. (ISSN 1072-7825) OCLC 103249590
  • 「World View 反仏感情の克服がアメリカを救う--共和党の「ヒラリー=フランス」戦略は愚の骨頂」『Newsweek』第22巻第21号 (通号 1056)、東京 : 阪急コミュニケーションズ、2007年6月6日、13頁。国立国会図書館書誌ID:8740662
  • The New New Rules: A Funny Look at How Everybody but Me Has Their Head Up Their Ass, New York : Blue Rider Press, 2011 (ISBN 0-39915-841-3)

共著ほか

  • Press, Bill “Spin this! : all the ways we don't tell the truth”, Maher, Bill (序文), Pocket Books, 2001. (ISBN 0-74344-267-9)
  • Rall, Ted; To Afghanistan and Back : A Graphic Travelogue, Maher, Bill (introduction), NBM Publishing Company, 2003 (ISBN 978-1561636938)
  • Charles, Larry; Religulous = [Relidicule], Montréal : TVA Films, 2008. OCLC 681966336

脚注

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注釈

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  1. ^ 父の名はWilliam Aloysius Maher, Jr.、父方の祖父の名はWilliam Aloysius Maher, Sr.で、本人の名はJr.を付けず単純にWilliam Maherで登録されていると番組中で語っている。
  2. ^ 2016年頃を境にProject Reasonの公式サイトは情報開示を停止しており、Project Reasonが活動を継続しているか、またビル・マーが活動に参画しているか確認できていない。Project Reasonの英語版Wikipediaでも、活動ステータスを検証中である (2017-09-12時点)。

出典

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  1. ^ "The Irish Factor". Finding Your Roots with Henry Louis Gates, Jr.英語版. 12 January 2016. PBS {{cite episode}}: |access-date=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明)
  2. ^ a b About Bill Maher”. 2017年9月12日閲覧。
  3. ^ Bill Maher Biography (1956–)”. Film Reference. 2008年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  4. ^ True, Cynthia (2002). American Scream: The Bill Hicks Story. HarperCollins. p. 87. ISBN 9780380803774. https://books.google.com/books?id=Qxa5uj95B84C&pg=PA87 
  5. ^ Political Satirist Bill Maher's 'New Rules'”. NPR (2005年8月9日). 2011年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  6. ^ Moore, Frazier (2016年4月20日). “How pot helps 'Real Time' host Bill Maher hit the high notes”. Chicago Tribune. 2017年9月12日閲覧。
  7. ^ Karlin, Lily (2015年4月11日). “Bill Maher On Anti-Gay Christian Views: ‘They Literally Believe This Stuff’”. Huffington Post. 2017年9月12日閲覧。
  8. ^ US Weekly Staff (2015年1月23日). “Bill Maher: 25 Things You Don't Know About Me”. US Magazine. 2017年9月12日閲覧。
  9. ^ "Comedy Central's Top 100"”. 2005年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  10. ^ Comedy Central's 100 Greatest Standups of All Time”. Ranker.com. 2017年9月12日閲覧。
  11. ^ Bill Maher gets a star on Hollywood Walk of Fame, doesn't thank God”. LA Times (2010年9月15日). 2017年9月12日閲覧。
  12. ^ a b AWARDS & NOMINATIONS - Bill Maher”. Academy of Television Arts & Sciences. 2017年9月12日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g Bill Maher Filmography”. The New York Times. 2016年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  14. ^ Navasky, Victor. “Profiles in Cowardice”. The Nation. 2009年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  15. ^ Maher Apologizes for 'Cowards' Remark”. ABC News (2001年9月20日). 2017年9月12日閲覧。
  16. ^ Raphael, Chris. “The Big Story: Politically Incorrect”. 2007年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  17. ^ ‘Real Time With Bill Maher’ Renewed Through 2018”. Variety (2016年7月30日). 2017年9月12日閲覧。
  18. ^ AWARDS & NOMINATIONS - Real Time with Bill Maher”. Academy of Television Arts & Sciences. 2017年9月12日閲覧。
  19. ^ Ross, Robyn (2010年11月2日). “Bill Maher: Zach Galifianakis Did Not Light Up a Real Joint”. TV Guide. 2017年9月12日閲覧。
  20. ^ Bill Maher plays Hardball”. MSN (2006年2月15日). 2017年9月12日閲覧。
  21. ^ Arianna Hosts The Rachel Maddow Show with Guests Bill Maher, Lawrence O'Donnell, Nate Silver, Cory Booker and Google's Eric Schmidt”. The Huffington Post (2008年12月18日). 2017年9月12日閲覧。
  22. ^ Bill Maher on Keith Olbermann”. The Daily Beast (2010年3月11日). 2017年9月12日閲覧。
  23. ^ Bill Maher spends some real time with Joy”. CNN (2010年9月28日). 2010年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  24. ^ Bill Maher helps Larry King say goodbye”. Mediaite (2010年6月29日). 201007-06時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月12日閲覧。
  25. ^ Rowe, Douglas J. (2010年12月16日). “Surrounded by Famous Fans, Larry King Ends His 25-Year Run on CNN”. TV Guide. 2017年9月12日閲覧。

外部リンク

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