パット・ロバートソン

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 パット・ロバートソン
Pat Robertson Paparazzo Photography.jpg
ハリケーン・カトリーナの被害者を救済するため、ルイジアナ州メテリーのヴィクトリー・フェローシップ協会で行われたオペレーション・ブレッシング・インターナショナル英語版の活動に出席したロバートソン(2006年2月12日)
生誕 マリオン・ゴードン・ロバートソン
(1930-03-22) 1930年3月22日(87歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国バージニア州レキシントン
国籍  アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
教育 ワシントン・アンド・リー大学イェール・ロー・スクール
出身校 ワシントン・アンド・リー大学(教養学士)、イェール・ロー・スクール(法務学士)、ニューヨーク神学校英語版(神学修士)
職業 リージェント大学英語版宰相CBN会長伝道師
活動期間 1961年 - 現在
著名な実績 キリスト教トーク番組の司会及び牧師、政治・精神・社会関連の書籍の著者
代表作 The Secret Kingdom
テレビ番組 700クラブ英語版』(1996年 - 現在)
肩書き 医師名誉
政党 共和党
配偶者 アデリア・エルマー(1954年より)
子供 4人。ゴードン英語版含む
アブシャロム・ウィリアムズ・ロバートソン英語版
グラディス・チャーチル
公式サイト patrobertson.com

パット・ロバートソン(Pat Robertson、本名:Marion Gordon Robertson、1930年3月22日 - )は、アメリカ合衆国キリスト教テレビ伝道師であり、キリスト教プロテスタント保守派の指導者の一人。キリスト教徒連合(Christian Coalition)、リージェント大学(Regent University)、CBN(クリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワーク)等を設立したことで知られている。

南部バプテスト連盟牧師按手を受けたミニスターであるが、南部バプテストの伝統からは離れて、聖霊派に近い神学を持っている。また、その政治的な姿勢には異論もある。それでもアメリカ合衆国において、彼の創立になるメディアは、保守的なキリスト教界の世論を形成するほどの影響力がある。 近年はイスラエルの回復のために祈り、イスラエル政府から表彰を受けている。

生い立ち[編集]

バージニア州レキシントンの傑出した政治家の家庭に息子として生まれる。父親は保守的な民主党の上院議員アブシャロム・ロバートソン、母親はグラディス・チャーチルである。母方の血筋でウィンストン・チャーチルとは遠戚である。

概説[編集]

士官学校予科、ワシントン・アンド・リー大学を卒業後、アメリカ海兵隊士官として朝鮮戦争に従軍。帰国後、イェール・ロー・スクール等で学ぶ。若き日に大リバイバリストのチャールズ・フィニーや当時のビリー・グラハムリバイバル(信仰復興)の影響を受けたとされる。

パット・ロバートソンは、パブテスト派の牧師1959年テレビ局を買収、1960年にキリスト教徒放送ネットワーク(CBN)をたちあげ番組を開始した。1979年に国際放送を開始、バージニア・ビーチCBN大学を創設した。 日本のキリスト教伝道テレビ番組のハーベストタイム www.harvesttime.tvでもロバートソンのCBNの放送を行っている。

福音主義派がレーガン政権発足支援のために立ち上げた組織モラル・マジョリティの解散を受け[1]、1989年にキリスト教徒連合(クリスチャン・コアリション)を結成し[2]、2000年まで会長を務めた[1]

クリスチャン・コアリションは「宗教的志向の強い政治運動で、かなり影響力を獲得し、160万人の会員と議会工作や宣伝活動に多額の金銭をつぎ込むことが可能な相当量の資金を保有している」[3]1995年には、「中絶の厳しい取り締りや家庭に対する税の軽減の促進、刑務所の規律、ポルノの規律等の「米国家族との契約」を提唱している」[3]

1988年アメリカ合衆国大統領選挙では、共和党の指名獲得争いを繰り広げ、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュに敗れている。

2001年アメリカ同時多発テロ事件に対してイスラム教の暴力性を非難する一方、アメリカ人が信仰をないがしろにして妊娠中絶を許すようなことをしているので神の加護を失ったのだと発言している[1]。 また、事件後の2002年にはイスラエル支援の大会を開き、イスラエルへの無条件の支援とアメリカの中東政策は聖書の記述に基づくべきだと主張した[1]

2005年8月に、CBNのニュースの中で反米路線を採るベネズエラチャベスを暗殺によって除くことを政府に勧めるともとれる短いコメントをした。批判を受けて謝罪し、一つの国に対して戦争をしかけるよりは一人の独裁者を排除する方がよいという趣旨だったと釈明した。それには誘拐など暗殺以外の手段もあるという。チャベスは、自分の身になにかあったらアメリカ合衆国に責任があるとした。

中絶や同性愛などへの厳しい立場で知られ、米保守派への影響力が大きいが、2007年11月には翌年の大統領選挙に向け、共和党穏健派のルドルフ・ジュリアーニへの支持を表明し、米社会を驚かせた。

2010年1月、テレビ番組でハイチ大地震を「ハイチ国民はフランスの支配から逃れるために悪魔と契約したのだ。そうしてフランスは追い出せたが、それ以来彼らは呪われているのだ」と発言[4]

著書[編集]

  • 『アンテナとみ声』生ける水の川
  • 『神の10の法則』角笛出版 

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 上坂 2005, pp. 326-331.
  2. ^ 堀内一史(2006)、 pp.58
  3. ^ a b アンソニー・ギデンズ(1999)、532頁。
  4. ^ 「ハイチ地震は神罰、独立のため悪魔と契約した」と米TV伝道師CNN.co.jp 2010年1月14日

参考文献[編集]

  • 堀内一史「アメリカにおける宗教右派の政治化--過去と現在」、『麗沢学際ジャ-ナル』14(2)、麗沢大学経済学会、2006年、 49-65頁。
  • アンソニー・ギデンズ『社会学』、而立書房、1999年、 659頁。
  • 上坂昇綾部恒雄(編)、2005、「新保守主義の背景」、『クラブが創った国 アメリカ』、山川出版社〈結社の世界史〉 ISBN 463444450x

外部リンク[編集]