ナーシ

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ナーシの旗

ナーシロシア語: Наши)は、ロシアの青少年組織である。

概要[編集]

2006年12月17日のパレード風景

ロシア語では「私達の」という、対象を複数形として捉える意味であり、意訳すれば「我らが祖国」もしくは「我らのロシア」という意味になるが、日本では「友軍」「われらの仲間」などとも称される。2005年4月15日にロシアの政治家であるワシーリー・ヤケメンコVasily Yakemenko)によって設立された。この人物は「共に歩く(共に行く)」(Walking Together)という親プーチン団体の設立(2000年の5月に設立)にも関わっている。

資金面については不明な点が多い。政府が資金援助をしていると噂されているが、政府はそれを否定している。関係者は、政権に近い新興財閥などからの資金援助を受けていると言明した。主な活動はロシア政府の肯定的宣伝活動を行うことである。しばしば都市部などでデモ活動を行っている。ウラジーミル・プーチン大統領への忠誠もしくは個人崇拝の傾向が強い。ナーシは設立以降、青少年に急速に支持を受け、かつては全ロシアに10万人の組織員を確保したとされる。

正式名称は、ロシア語: Молодежное демократическое антифашистское движение(英訳:Democratic anti-fascist Youth Movement、和訳例:民主主義・反ファシスト青年運動)である。正式名称から分かるように、組織の目的はファシズムから祖国を守ることであり、ヤケメンコによれば今ロシアで急速にその勢力を伸ばしているネオナチ勢力に対抗するためにナーシを設立したそうである。必要があればスキンヘッドたちを「実力で粉砕することも厭わない」としている[1]。この中でも非合法化された国家ボリシェヴィキ党National Bolshevik Party)を特に敵視しているようである。また、ファシスト勢力だけではなく反プーチン・ロシア勢力一般を敵視しており、その中にはアメリカ合衆国も入っているようである[2]

ただし、そういった当人たちの意図とは裏腹に、愛国主義的な姿勢がファシズムに似ているため、「ナチズム」や「ヒトラーユーゲント」をもじって「ナーシズム」「プーチンユーゲント」と反対勢力に揶揄されることもある。

2008年8月のサマー・キャンプでは、参加者が大幅に減少した上に、プーチンに対する個人崇拝もほとんどなくなった[3]。これは、ロシアにおけるプーチン体制が安定化したことで、政府の宣伝活動をする必要がなくなったことや、2008年5月にドミトリー・メドヴェージェフが大統領に就任したためとみられる。

ただ、ナーシという組織自体は2009年現在も存続している。また、公式サイト上には「ロシアの脅威」と題しアメリカイギリス日本がロシアに黒い手を伸ばしている絵があり、この組織(とロシア政府)が相変わらず反西側諸国のスタンスを取っていることを伺わせる。

主な活動[編集]

プーチンTシャツなどの販売[編集]

公式サイト上でプーチンメドベージェフがプリントされているファッショナブルなTシャツ(他にも多数デザインあり)が売られているが、ロシア国内に在住している人間しか購入できない。

また、プーチンTシャツなどの製作元であるブランド「メドヴェージェフスタイル」の公式サイト上の販売ページでも、2010年現在海外発送は行っていない。

参考[編集]

  1. ^ "New Russian movement to smash up skinheads"(スキンヘッドを粉砕するためのロシアの新たな運動), Prauda, May 3, 2005. (英文)
  2. ^ "Russian youth on political barricades"(ロシアの青少年の政治バリケード), BBC News, March 2, 2005.(英文)
  3. ^ プーチン親衛隊に異変! 薄まる政治色 解体の危機」 『MSN産経ニュース』 2008年8月14日
  4. ^ ロシア:「不法占拠」見解で抗議集会 北方領土めぐり 毎日新聞 2009年12月1日

関連書籍[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]